高齢者の住生活指向に関する研究 : 兵庫県南部地震における被災者の場合
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(2) 目次 第1章 緒言. 1. 1.1研究の背景………………・・…・…………・………・. 1. 1.2 研究の目的……・・………………・……・・……・・…・. 5. 1.3研究の方法……・・…………・……………・・…●’●”.. 6. 1.3.1.仮設住宅入居者調査の方法・…・・…………・・………. 6. 1.3.2.高齢者専用住宅居住者調査の方法・・………・……・…. 9. 第2章 高齢者の住生活指向に関する調査研究の結果及び考察 第1節 仮設住宅入居者の住生活指向調査の結果及び考察 1.1. 調査対象者の概要…・……・… ……・… ………’・. 12. 1.1.1.基本的属性・……………・……………・……………. 12. 1.1.2.前住地及び住宅の被害状況………………………・…. 17. 1.1.3.震災後の生活支援及び避難状況・…………・……・・・…. 21. 1.1.4.健康状態・…・・…………・・……・・…………・………. 26. 1.1.5.要介護者の有無及び生活援助……・・・………・………. 32. 1.2. 震災前の住宅と仮設住宅との住生活環境比較・… …・…. 35. 1.2.1.住宅及び設備に関する評価・…………・・…・…………. 35. L2.2.居住環境に関する評価………・………………・…・…. 39. 1.2.3.近隣関係に関する評価………・…・・…………………. 42. 1.2.4.総合的全体評価…………・……・”●”●’’”●’●.’”.’’’”. 44. 1.3. 震災前後のつきあいの現状と今後の希望・・………・…・. 45. 1.3.1.仮設住宅での近所づきあい・・……”●’●’’’”o”●”●”●’●’. 45. 1.3.2.前居住地でのつきあい及びその必要性・……・…・・……. 54. 1.3.3.仮設居住者以外の人とのつきあい…………’●”.’’”■”. 57. 1.3.4.近隣での助け合いの現状と今後の希望…・・……・・……. 60.
(3) 1.4. 恒久的居住地における住生活指向・・…・…・…・…・・…. 67. 1.・4.1.住まい方及び住宅に対するニーズ…………・…・……. 67. L4.2.居住環境に対するニーズ…………・・……・…………. 86. 1.4.3.今後の具体的計画及び相談者の有無…・・…………・…. 92. 第2節. 高齢者専用住宅における震災時の住生活調査の結果及び考察. 2. 1.. 調査対象者の概要・…………・…・………………. 97. 2. 2.. 地震発生時の行動及び安否確認・・………・・…・…・. 101. 2. 3.. 被害状況及び避難生活…・・…………………・…・. 105. 2. 4.. 生活支援………………・…………●●”●.●”●●..●. 109. 2. 5.. 震災前後の交流・助け合い・・…………・…・・・……. 112. 2. 6.. 小括…・…………………・・………………・・…. 114. 第3章 総括. 有意暗愚 引用・参考文献. 謝 辞 資 料. 116.
(4) 第1章. 緒言. 1.1. 研究の背景 我が国も65歳以上の老年人口割合が、1970年の7.1%から1995年には14.8% に達し、わずか25年という世界に類をみない速さで高齢社会を迎えており、そし て更に2025年には25.8%に達する1)ものと予測されている。またこのような人口 高齢化に加え、1998年には老年人口割合が年少人口割合を上回る1)という人口構 造の変化も生じ、今後生産年齢人口が扶養する従属人口指数が、かなり急速に高ま るとも予想されている。. 人口の高齢化は人々の意識やライフスタイルの変化などによる出生率の低下 (少子化)と、目覚ましい医学の進歩や経済的生活水準の向上などによる死亡率の. 低下(長寿化)によってもたらされ、この死亡率の低下により平均寿命も急速に伸 び、1995年時点では男76.36年、女82.84年1)と世界一の長寿国となっている.また. これまでの近代化の過程で、多産多死→多産少死→少産少死という人口転換は、多. くの先進国に共通して起こった現象であるが、日本の人口高齢化の1つの特徴と しては、その速度が西欧諸国と比べ一段と急速であることがあげられる。. このような農業を中心とする社会から工業を中心とする社会への変化や、都市 への集中などの近代社会化によって、家族もまた変化してきている。戦後、きょう. だい数の減少や世帯の分裂あるいは核家族化によって世帯規模は縮小し、厚生省 の「国民生活基礎調査」によると、1995年には「核家族世帯」の割合は58.9%、「単独 世帯」は22.・6%「三世代世帯」は12.5%となっている1)。また年次推移をみても「三. 世代世帯」は減少傾向にあり、一方「核家族世帯」や「単独世帯」は増加傾向にある。. このような一般的な家族形態の変化の中で高齢者世帯に注目すると、家族の中. に65歳以上の者のいる世帯は1995年には全世帯数の31.1%を占め、これを世帯 構成別にみると「三世代世帯」の割合は33.3%、「夫婦のみの世帯」は24.2%、「単独. 1.
(5) 世帯」は17.4%1)となっているが、年次比較では「三世代世帯」の割合はやはり減少 傾向にあり、逆に「夫婦のみの世帯」や「単独世帯」が増加している。このように戦前. から戦後における家族の変化の特徴としては、核家族化が進んだことと、最近では. むしろ単独世帯化というべき変化が起こっていることがあげられる。 また、この家族形態の変化を同別居などの居住形態の変化として見ると、1993 年の厚生省「国民生活基礎調査」では、65歳以上の高齢者で「ひとり暮らし」の人の 割合は12.1%、「夫婦のみの世帯」は28.2%、「子と同居」している者は56.4%とな. っている。また平成2年の年齢別世帯構成割合では加齢とともに「三世代同居世 帯」を中心とする「その他の親族世帯」に属する割合は上昇している1)ことから、. 最近の同居形態は始めは別居し加齢とともに同居に移行するという、一時的な別 居も含まれていることがうかがえる。このように日本の高齢者の同居率が高いこ とは、国際比較の観点からみても大きな特徴であると言えるが、近年日本の同居率 も次第に低下してきており、都市規模別の高齢者世帯の状況をみると、概して大都. 市地域において一人暮らしの高齢者は多く、都市部のしかも一人暮らしの者ほど 近隣とのつきあいは少ない2)状態にある。. 意識の面においても、中年世代や高齢者世代は依然として同居指向は高く、特 に病気になった時や、親がどちらか一人になった時などには、同居を指向する傾向 が高くなっている。しかし、老親扶養や老後生活に対する若年層の考え方は変化し. てきており、1992年の経済企画庁「国民生活選好度調査」の望ましいと考える家 族形態2)を時系列でみると同居指向は減少している。年齢層別では若い世代ほど 同居指向は大きく減少しており、自立の傾向が強まっていることがうかがえる。. しかし、完全別居を指向している訳ではなく、親の近くに住む(近居)を望む者 が多くなっている。このように同居率や同居指向は、現在の家族構成や都市規模、. 年齢層によっても大きく異なっているが、実態と指向はほぼ一致していると言え る。. 2.
(6) 一方、生活の基盤である高齢者の住まいについては、1993年の総務庁「住宅統計 調査」によると、住宅所有状況は高齢単身世帯の場合64.8%が持家であり、高齢夫 婦世帯では83.6%2)と持家率が高く、どちらも一般世帯平均の59.8%を上回って いる。しかし、1988年の総務庁「住宅統計調査」によると、賃貸住宅に住む65歳以上. の者のいる世帯は14.0%であるが、高齢の単身及び夫婦のみ世帯の場合や大都市 地域の場合にはその割合が高く、1970年代から低質な住宅ストックとして建替え できない設備共用の木賃アパートが、高齢者等の家賃負担能力の低い居住者層の 比率を増やしっっあり、比較的建築時期の古い住宅に住んでいる人が多いと言え る。また「体が弱くなった場合等の対応が難しい」、「家の安全管理面で問題がある」. などの理由で、高齢者の入居を望まない賃貸住宅も多く、特に一人暮らしの高齢者 に入居できなかった者が圧倒的に多くなっている。持家に関しても、身体機能の低 下に対応し難いことが問題と言える。. これらの問題に対して、国の高齢者対策についてみると、昭和38年に施行され た老人福祉法によって老人ホームを中心とする政策の体系が示されたが、高齢者. の住宅政策は盛り込まれておらず、公営住宅については昭和39年度から高齢者世 帯向けの「特定目的公営住宅」の供給、昭和63年度からは60歳以上の高齢者(女子 50歳以上)の例外的単身入居優遇措置を、そして昭和62(1987)年にはわが国で初 の公的な高齢者向けサービス付住宅であるシルバーハウジング(国)とシルバーピ ア(都)が発足している。公社や公団住宅についてはシニア住宅が、民間住宅につい. ては高齢者マンション等が供給されている。このほか、地方公共団体による高齢者. 向け借り上げアパートや優良民間賃貸住宅などもある。また住宅機能の高い老人 福祉施設としては、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、および特別養護老人ホーム. の3つの老人ホームと有料老人ホームがある。このほか住宅金融公庫融資や高齢 者住宅整備資金貸付け、世帯更生資金の貸付け、年金福祉事業団の老人同居割増貸 付けなども実施されている。また住宅内部における問題点を解決ずることを「バリ. 3.
(7) アフリー化」というが、公共住宅については平成3年以降高齢化に対応した仕様の 標準化とその充実等が図られている。. このような状況にある高齢社会を直撃する大地震が、平成7年1月17日午前5 時46分、兵庫県南部の大都市を襲った。この兵庫県の淡路島北部を震源に発生し た内陸・都市直下型の兵庫県南部地震(阪神大震災)は、淡路島や神戸、西宮、芦屋、. 宝塚の各市を中心に死者6,279名、:負傷者34,900名、焼失家屋7,456棟、倒壊家屋. 192,706棟という未曾有の大災害をもたらした。人口350万人余りが密集する大都 市に発生したため、生活必需基盤であるライフラインは壊滅的な打撃を受け、最大. 31万人を上回る被災者が避難所での生活を余儀なくされた。このような事態の中、. 国及び地方自治体の災害救助法に基づく対策として、3H31日には応急仮設住宅 が3万戸完成し、高齢者や障害者が優先的に入居した。その後8,月11日までに計 48,300戸が提供された。. 一方、死亡者の性・年齢階級別の構成をみると、高齢者、特に女性の高齢者の死亡. が多く、60歳以上の高齢者が約6割を占めている。死因では各年齢階級とも窒息・ 圧死が77.0%と家屋の倒壊によるものが大部分を占めている1)。このことより、. あちこちで倒壊した古い木造住宅には高齢者が数多く住んでいたことや、隣近所 も高齢者世帯が多く、救助を期待できる若者もいなかったために救出が遅れたな ど、死者の多い被災地は住民の高齢化が進んでいたという見方もある。このように、. この震災によってもともとあった住宅問題や高齢者問題が浮き彫りにされ、被災 者においても今後の恒久的住宅や住生活について、より現実問題として考える事 を余儀なくされている。そのため、居住条件の悪い都市部の高齢者が、今後の終の. 棲家にどのような住まいと暮らしを望んでいるのかを把握することは、今後の高. 齢社会における高齢者の恒久的住宅や住生活を検討する上からも重要であると考 える。. 4.
(8) 1.2. 研究の目的 現在高齢社会にある我が国において、前述のごとく高齢者がどこで、どのように 住み、暮らすかは大きな課題となっている。この問題に関連して、兵庫県南部地震. により仮設住宅での生活を余儀なくされ、差し迫った住要求を持つ被災高齢者の 今後の恒久的居住地におけ住生活指向を明らかにすることを目的に、仮設住宅入 居者を対象に自記式アンケL一一・ト調査法による調査研究を行った。. 以後、震災前の居住地や仮設住宅でのつきあいを含む住生活の実態や今後希望 する住まい方及び具体的住宅、居住環境に対するハード、ソフト面での住生活要 求を住生活指向とする。. さらに、国の高齢者施策として住宅施策と福祉施策の連携によるシルバーハウ ジング・プロジェクトに注目し、被災した兵庫県下の緊急時対応サービス付きの シルバーハウジング(SH)やインナーシティ住宅(IH)での震災時の状況を明らかに. しておくことは、今後高齢者が集まって住むSHやIH等での、緊急時の生活援助サ. ービス及び住宅内部での相互助け合いや地域との交流・支援のあり方等を検討す るうえで重要であると考え、高齢者専用住宅入居者を対象に災害時の住生活の実 態調査も合わせて行った。. 5.
(9) 1.3、 研究の方法 1.3.1. 仮設住宅入居者調査の方法 1) 調査対象. 調査対象は、表1に示す神戸市北区、西区、宝塚市、豊中市の計3市、.22カ所 の仮設住宅入居者1,855名である。. 対象住宅の平面タイプの代表例と外観写真は図1に示す。. 表1 調査対象団地および配布回収状況 地 区. 北 区. 小計. 西 区. 小計. 宝塚市. 小計. 豊中市. 団 地 名. 北神戸第1 北神戸第5 千代が谷公園. 藤原台第2 藤原台第5 5団地 西神第15 西神第16 樫野台 桜ヶ丘中央 桜ケ丘 月ケ丘. 藤原台北町6T目 櫨谷町菅野公有地. 樫野台5丁目 樫野台5丁目 桜ヶ丘東町3丁目 桜ヶ丘中町3丁目 月ケ丘3丁目. 押部谷第2 7団地 野上2丁目 野上3丁目 宝梅2丁目 KDD宝塚南寮 4団地. 押部谷町押部. ☆南桜塚豊中 ☆豊南町南運輸省 千里北町公園. 南桜塚4丁目. 供給戸数. 261. 416 140 256 144 1217 100 100 120 120. 48 42. 100 630. 81. 84 97 83 39 28 72. 37,996. 4. 17. 327. 226. 64,296. 137. 115. 54. 70 45 34. 39 24. 80 76 64 50. 420 2594. 6. 847. 40 20 145. 13. 22団地. 97. 64 111 44 70 32 321 49 67 35 28 16. 43.7%. 50. 6団地. 164 300 97 189. 216. 150 110. 北桜塚4丁目. ☆第一次募集住宅を示す 回収率 回収戸数. 配布戸数. 494. 17. 野上2丁目 野上3丁目 宝梅2丁目 寿楽荘6. ニノ切池青少年広場. 大曽公園 服部緑地野球場 小計 総計. 建 設 場 所 鹿の子台北町8丁目 鹿の子台北町8丁目 鹿の子台北町6丁目 藤原台中町1丁目. 15 89 90 32 13. 21. 298 1855. 12 73. 8. 17. 16. 158 840. 53.0% 45,396.
(10) 一 脚. er. 多. 舜. {. 羅特Hピ 梱’鴇鉾嶋. ∵幽響嶺 l. う. ㍗融懸、 翼, 書㌣解. e弩. Qr. 講{撮罫 ts一¥ 匙. ’湘“Uth p. ’聯. 蝉讐鴨 × み. 評. E. 憾♂ }一・・”ぎ一 峯. 沖ザh「pb留. 辱. $. 擁 lilt.rS. f為. 滞峨K,. 把’. へ. i. x.s .. 1. 夢臨. 襟鷲轡. 》縫碧. 瓢. 羅. 榊. 晒攣撫呼. 1 ,+Y. 雛舞. 麟内. 離慕. 陰. 灘. F躍. 凶㎜脚国蘭 隔闘魂肉離国. 欝ナ擁ξ融. 礁峯・講義辮購鰐. 糟ぐ1 繍 γメ㌢爵繍壽. 図1. 対象住宅の代表例と外観写真. 7. 鞍懸・群澱懸馨搬.
(11) 2) 調査方法. 1995年11,月下旬から1996年1,月中旬にかけて(ただし年末年始を除く)各戸 を訪問し、調査の趣旨を説明した後調査票を配布し、数日後に再び訪問して回収 した。また自記入が困難な高齢者に対しては聞き取りにより記入した。回収率は 45.3%で、840名(男性52.5%,女性47.5%)より回答を得た。. また各対象団地でのコミュニティ活動や団地自治会の設置、居住者の生活再建 への取り組み等について、適宜ヒアリングを1996年8月末まで行った。 調査内容は、生活基盤及び健康状態、住生活環境比較、震災前後のつきあいの 現状と今後の希望、恒久的居住地における住生活指向についてである。 住生活指向としては、高齢社会の中でかっ災害に対応できるコミュニティづく りの可能性という視点から近隣とのつきあいに関するものを、また新しい住宅型. の可能性を探るという視点から高齢者対応の集合住宅に関するものも含め、言葉 での説明の難しいものは、図化して選択してもらう方法を取り入れた。 分析方法は、結果を年代別に比較検討するため、対象者の年代を50歳未満(若 中年世代)、50歳以上65歳未満(中高年世代)、65歳以上75歳未満(前期高齢者)、75. 歳以上(後期高齢者)の4段階にわけ、κ2検定を用いて年齢層別の比率の差の検 定を行った。. また本調査は、菊澤がコープこうべ生活研究機構住生活研究所の委託を受 けて行った共同研究の一部である。. 8.
(12) i.3.2. 高齢者専用住宅居住者調査の方法. 1)調査対象 調査対象は、震災時に開設されていた表2に示す兵庫県下の5カ所のシルバーハ ウジング(SH)と神戸市下の9カ所のインナーシティ住宅(ICH)の全入居者275世帯 (各々145世帯,130世帯)である。. 対象住宅は、それぞれ建築年は異なるがいずれも比較的新しい住宅であり、そ れらの住宅の建築様式については、表2に示すように神戸市の3カ所(KK、 KS、 KN). のシルバーハウジングは、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの福 祉施設との合築三で高齢者のみの住宅であり、兵庫県営の西宮(HN)と芦屋市営の (HA)は、高齢者専用住戸が一般の公営住宅団地内にある一般世帯との混合住宅で. ある。インナーシティ住宅に関しては、1団地を除き全て単独型の高齢者のみの住 宅である。住戸型はIDK・2DKが大半を占めている。. また図2は阪神間の地図であるが1(璽印がSH、★印がIHの建設場所を示してお り、北区と垂水区を除き全体的に震災による被害の極めて大きかった地域である.. 表2 調査対象住宅の概要 略称 K. K. K S K N H N. H. A. U H L S S 2. N. G. H. G. W. M. W. O. W. K. W. N. EV. ‘91(H3). 居住階 6F 7F 7F 5F. ‘92(H4). 3F・5F. ‘89(H1). 4F 4F 4F 4F 6F 5F 3F 2F 6F. 有. 所在地 神戸市兵庫区菊水町 〃 北区鈴蘭台西町 〃 長田区北町 西宮市高須町 芦屋市大東町. 管理開始年. 神戸市長田区松野通 〃 長田区腕塚町 〃 長田区久保町 〃 兵庫区西多聞 〃 灘区桜ロ町 〃 兵庫区湊川町 〃 垂水区王居殿 〃 長田区片山町 〃 中央区中山手通. ‘89(H1) ‘94(H6) ‘93(H5). ‘90(H2) ‘92(H4) ‘93(H5) ‘93(H5) ‘88(S63). ‘90(H2) ‘91(H3) ‘92(H4). 9. 建設形態. 有. 合 築(福祉施設と). 有 有. 合 築( 〃 ) 合 築( 〃 ). 無. 混 合(一般住宅と). 有. 混 合( 〃 ). 有. 有 無 有 有. 無 無 有. 単 単 単 単 単 単 単 単. 独 独 独 独 独 独 独 独. 混 合(一般住宅と).
(13) 2)調査方法 調査時期は、1995年2∼3月に阪神地区にある5カ所のシルバーハウジングを 菊澤が訪問し、その住宅のLSA又は自治会役員など入居者の代表者に、住宅の被 害状況や震災直後の状況などを聞き取り調査した。その後同年の5,月中旬から6 月上旬にかけてアンケート調査票を戸別に配布し、郵送法により回収した。回収率 は63%で、172名(各々121名、51名)より回答を得た(表3参照)。. 調査内容は、属性及び健康状態、地震発生時の行動、安否確認、被害状況、生 活支援、震災前後の交流・助け合い等についてである。. なお、この調査の一部は建築学会の第6部会「福祉のまちづくり研究会」によ る共同研究として行ったものであるが、筆者もその一員として加わり、本シルバ ーハウジング調査については菊澤研究室のもとで中心になって取り組んだ。. 表3 調査対象住宅および配布回収状況 略称 K. K. K. S. K. N. H. N. H. A. U. H. L. S. S. 2. N G H G W. M. W. O. W. K. W. N. 所 在 地. 供給戸数. 神戸市兵庫区菊水町 〃 北区鈴蘭台西町 〃 長田区北町 西宮市高須町 芦屋市大東町. 30 36 38 20 24 148. 神戸市長田区松野通 〃 長田区腕塚町 〃 長田区久保町 〃 兵庫区西多聞 〃 灘区桜口町 〃 兵庫区湊川町 〃 垂水区王居殿 〃 長田区片山町 〃 中央区中山手通. 8. 30 33 38 20 24. 145. 9. 8 9. 18. 18. 回収戸数. 17 19 121 3 5. 8. 4. 20 18 15 14 20. 11. 20. 130 275. 84%. 1. 20. 130 278. 回収率. 26 33 26. 8. 18 15 14. 10. 配布戸数. 8. 6 8 5. 51. 172. 3996 6396.
(14) 神戸市. 一西宮市. 北区. 芦屋市 護区. (iii). 西区 :. 中央区. 兵庫区. ’Ji(r. Q」r ★. 須磨区. 垂水区 一)h(・. 長田区②. ・六. 東毒区.
(15) 第2章高齢者の住生活指向に関する調査研究 の結果及び考察. 第1節 仮設住宅入居者の住生活指向調査の結果及び考察 1.1. 調査対象者の概要 1.1.1. 基本的属性 1) 性・年齢. 回答者は合計840人で、男性が52.5%、女性が47.5%とほぼ半々である。年代 別にみると、60歳代が最も多く全体の31.4%を占め、次いで70歳代が18.1%、 50歳代が16.9日置40歳代が15.1%、80歳以上が6.6%で、平均年齢は58.6歳で. ある。兵庫県が平成8年2∼3丹に全仮設住宅入居世帯を対象に行った応急仮設住 宅入居者調査結果(以下県調査結果と略す)では、65歳以上の高齢者が占める割合 は41.8%である3)のに対して、本調査対象も40.3%とほぼ同傾向と言える。しか. し60歳以上の割合をみると県調査結果では42.0%である3)が、本調査対象の60 歳以上は56.1%とより比率が高くなっている。. 以下、年齢層別の比較を行うために区分した年齢構成割合では、50歳未満(若 中年世代)は27.2%、50∼65歳未満(中高年世代)は32.5%、65∼75歳未満(前期 高齢世代)は26.8%、75歳以上(後期高齢世代)は13.5%となっている。. また年齢層別にみた回答者の性別は図1−1に示す通りであるが、75歳以上では 女性回答者の割合が57.6%と男性より多くなっており、これは女性の方が長寿傾. 向にあり、高齢者人口に占める女性の人口が多いことが影響しているためと思わ れる。. 12.
(16) N=752. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 20e6. 脳. 40m. 60%. 8(脱. 100%. 図1−1 年齢層別にみた性別. 2) 世帯構成(震災前および調査時点). 本対象の世帯構成把握は、「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」、「その他の世帯」. の3分類とした。したがって「その他の世帯」には、いわゆる核家族世帯や親, 子,孫からなる多世代家族世帯等を含む。. まず震災により住宅事情や職業上、また家族の誰かが死傷者となったために、 世帯構成が変化した者がいることも考えられるため、震災前の世帯構成と調査時 の世帯構成について調べた。. その結果、震災前の世帯構成は図1−2に示すように「単独世帯」または「夫婦 のみの世帯」であった者が各々26.1%、24.0%と全体の約半数を占め、残りの半 数は「その他の世帯」で、「夫婦と子供(家族)世帯」が25.3%、「本人と子供(家 族)世帯」が9.8%、 「その他」が14.8%となっている。. 13.
(17) N=734. 全体傾向. gssssRsst.twwo...“一・. 山廊ss. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳. 7. 6. t5. 5. 75歳以上 脳. 2096. ■単独世帯. 40m. 6(隅. 80SS. 100%. 国夫婦のみの世帯. ロ本人と子供(家族)世帯. 團夫婦と子供(家族)世帯. 国その他. 図1−2 年齢層別にみた震災前の世帯構成. 次に現在の仮設住宅における対象者の世帯構成は図1−3に示すように、「夫婦の みの世帯」、「単独世帯」、「その他の世帯」が各々約3割、3割、4割となっている。. この震災前及び現在の世帯構成を年齢層との関係でみると、震災前も現在も高 齢になるほど「単独世帯」の比率が高くなっており、75歳以上の後期高齢者では約. 4割を占めている。また50歳未満の若中年世代では「その他の世帯」が約7割と 圧倒的に多いのに対し、65歳から75歳未満の前期高齢者では「夫婦のみの世帯」 が約4割で最多となっている。. この結果はライフステージとの関係をよく反映している。とくに前期高齢者で は、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」がほぼ半々であるのに対して、後期高齢者で. は「単独世帯」の方が「夫婦のみの世帯」より約2割多くなっている。また前期 高齢者、後期高齢者合わせた65歳以上の高齢者の震災前世帯構成は、「単独世帯」 は35.4%、「夫婦のみの世帯」は32.3%で、両者合わせて約7割を占める。これを. 1995年の厚生省の「国民生活基礎調査」の高齢者世帯構成(一人暮らし17.4%、. 夫婦のみ世帯24.2%)Dと比べると、本調査対象の高齢者世帯は「単独世帯」も 14.
(18) 「夫婦のみの世帯」もより多いと言えるが、特に「単独世帯」が非常に多い点に 顕著な特徴がみられる。 また現在の65歳以上の高齢者世帯では「単独世帯」は39.0%、「夫婦のみの世帯」. は37.7%であるが、これを県調査結果と比較すると「単独世帯」は51.2%、「夫婦 のみの世帯」は38.9%3)で、より県調査結果の高齢者の「単独世帯」の割合は高くな っている。. N=750 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳. 35. 5. 65∼74歳. 20. 6. 75歳以上. 28. 7. om. 2(跳. ■単独世帯. 40JS. 6(跳. 困夫婦のみの世帯. 8(泓. 100N. ロその他の世帯. 図1−3 年齢層別にみた現在の世帯構成. また震災前の世帯構成と現在の世帯構成との比較で顕著な差が見られるのは、 50∼65歳未満の中高年世代で、以前は「夫婦のみの世帯」は24.7%であったが、現. 在は37.6%と約1割増加している。この理由には、仮設住宅が狭いことやその他 の事情による子供との別居が等が考えられる。. 3)経済状態 対象者の収入については回答を求めにくかったため、主観的な自主的判断によ る経済状態について質問した。その結果「困難でない」と回答した者は22.9%のみ. で、残りの4分越3は「困難である」と回答しており、特に「非常に困難である」と の回答が約2割認められた。 15.
(19) 年齢層別には、図1−4に示すように年齢が上がるにつれ困難を感じる者は減少 している。この理由にはやはり主観的な判断であったことの影響が大きいと言え る。. N=706. 全体傾向. 22. 9. 50歳未満. 20. 8. 17. 50∼64畿. 27. 65∼74歳 75歳以上 傷. 20SS. ■非常に困難. 40X. 團やや困難. 60Si. 口困難でない. 図1−4 年齢層別にみた経済状況. 16. 80SS. 100N.
(20) 1.1.2. 前居住地及び前住宅の被災状況 1) 前居住地. 神戸市北区、西区の仮設住宅居住者の震災前の居住地は、長田区(23.4%)、灘 区(20.9%)、兵庫区(19.1%)、東灘区(14.8%)の順に多くなっており、これは県. 調査結果3)と同傾向である。また豊中市、宝塚市の仮設居住者の前居住地につい. ては大半が同市内であるが、豊中市の仮設住宅居住者には西宮市等からの移住入 居者も一部含まれている。 2) 前居住地での居住年数. 前住地での居住年数は、長い人では50年を越す人もみられるが、全体的には10 年未満(23.7%)、10年∼20年未満(18.・3%)、20年∼30年未満(21.9%)、30年以. 上(36.1%)となっており、20年以上震災前の土地に住んでいた人が半数強みられ る。. 年齢層別にみると、50歳未満の若中年世代では10年未満が55%みられるのに 対して、高齢者層では5.4%しか見られず30年以上が42.6%と多い。このように 高齢になるほど居住年数も長い傾向が認められる。 3) 震災前の住宅. 対象者の震災前の住宅をその所有形態と住宅の種類により調べた。その結果所 有形態に関しては図1−5に示しているが、本調査対象者は借家居住であった者が 60.1%と多く、持家居住であった者は39.9%であった。この傾向は県調査結果の 持家32.5%3)とほぼ同傾向と言える。しかし1993年の兵庫県都市住宅部「兵庫の 都市と住宅」によると、神戸市や阪神地域では持家率は各々49.8%つつで県平均 の59.6%を下回ってはいる4)が本調査対象よりは高い値を示している。これより. 本調査対象及び県調査対象者の持家率はかなり低いと言える。. 年齢層別比較では、高齢になるにつれて持家居住者の比率が高く、高齢者の持 家率の高さを反映していると言える。. 17.
(21) N=733. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 80S6. 6096. 4096. 20%. 働. 100%. 図1−5 年齢層別にみた住宅の所有形態. 住宅形式別では「戸建て住宅」が34.2%、「文化住宅」が33.0%、「木賃アパート」 が13.2%、「長屋形式」が12.8%、「RCマンション」が6.9%となっている。これも. 兵庫県都市住宅部の「兵庫の都市と住宅」によると、住宅形式に関しては「一戸建・. 長屋建」率は神戸市や阪神地域では各々48.6%、52.4%であり、本調査対象とほぼ 同傾向と言えるが、県平均の64.9%よりは低くなついる。. N=703. 全体傾向. 12. 8. 10. 5. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳. 16. 8. 21. 7. 75歳以上 0%. 1(泓. 20%. 30%. 4(泓. 5(踊. 60%. 7096. 80瓢. 9(泓. 100%. ■文化住宅 園木賃アパート ロ長屋 園マンション 揚戸建て. 図1−6 年齢層別にみた住宅の種類. 18.
(22) 年齢層別には、65歳以上の年齢層では長屋居住者が2割前後と、65歳以下の年 齢層に比べて多いことより、長屋持家居住であった高齢者も多いことがうかがえ る。. また、所有形態と住宅の種類との関係をみると、長屋形式では約4割が持家で あり、長屋持家が比較的多いと言える。. 文化住宅 木賃アパート. 長屋形式 RCマンション 戸建て住宅 om 10m 20m 30m 4096 50w 60m 70S6 80w 90S6 10096. 図1−7 前住宅の種類別にみた所有形態. また地区による差も大きく、豊中市で借家率(83.1%)及び文化住宅の割合 (65.2%)が他地区に比べて特に高い。一方宝塚では戸建て住宅の割合(61.2%)が. 高く、持家率(59.1%)も高い。神戸市北区、西区はその中間に相当する。 4) 前住宅の被害状況. 震災による住まいの被害状況を「全壊・全焼」、「半壊・半焼」、「一部損壊」、 「被害なし」の4段階で調べた。その結果、約8割(79.3%)の者が「全壊・全焼」. の状況にあり、残りの約2割(20.7%)の者も「半壊・半焼」と、やはり入居者全 体が大被害を受けていることが分かった。. 地区別に比較すると、神戸市北区、西区の仮設住宅居住者では「全壊・全焼」. の世帯がいずれも9割を越えているのに対して、宝塚市の入居者では約7割とや 19.
(23) や少なく、豊:中市では「全壊・全焼」より「半壊・半焼」の世帯の方が多く、被. 害状況に地域差がみられる。これは前述の前住地と住宅の種類から考えて、各地 区別対象者の全住宅の質による差よりも、各地の地震の震度が影響しているもの と考えられる。. 20.
(24) 1.1.3. 震災後の生活支援及び避難状況 1) 震災後の援助の有無. 震災による家屋の倒壊や焼失、ライフラインの断絶などから避難住民は増加し、. ピーク時の1995年1月23日には、避難i所数1,153ヵ所、避難者数316,678人に 達しており、被災地でのライフラインの復旧状況は、電気の復旧が最も早く1月 中旬頃にほとんどの地域で復旧している。しかし、水道やガスの復旧には2月上. 旬頃までかかっており、3月や4月初旬までかかっている地域もあった。このラ イフラインが途絶えていた期間、30万人を越える被災者が不自由な避難生活を強 いられたわけであるが、生活の必需品である水や食料の確保は生存に関わる重要 な問題であり、今後の近隣コミュニティのあり方を考える上でも重要であると考 えられる。. そこで震災後の援助の有無とその援助者及び援助者の年代について調べた。そ の結果、まず水や食料等の確保及び住宅内外の片付けなどの援助を受けたかとい う問いに対して、約7割(68.1%)の者は「援助を受けた」と答えているが、残り の約3割(31.9%)の者は援助を受けていない状況にあった。. 年齢層別には有意な差は見られなかったが、75歳以上の後期高齢者にも援助を 得ていない者が約2割(24.4%)みられ、聞き取り調査でも、給水車の来るアナウ. ンスが耳が遠くて聞こえなかった人や、給水車から長い距離を隣の高齢者の分ま で毎日運んでいた人等、苦しい思いをした人の声が聞かれた。 2)援助してくれた人. また、その援助者について複数回答で調べた結果を図1−8に示している。援助 してくれた人としては「親族」や「家族」が各々49.4%、33.5%あげられており、 血縁関係者に援助してもらった者が最も多い。次いで「ボランティア」や「友人」 が各々29.2%、27.9%と続き、 「近隣の人」は22.1%、 「その他」は8.8%であ. った。震災後、学生を中心に全国からボランティアが被災地に駆けつけ、炊き出. 21.
(25) しや生活物資の運搬などの支援活動を行い、その数は震災直後の1ヵ月間は1日 に平均2万人、2ヵ,月で延べ100万人を越え、その支援活動は物心両面から被災 者を支えたと言われているが、本調査対象者の場合、ボランティアからの援助を 受けた者は比較的少ないと言える。また「近隣の人」からの援助を受けた者も約. 2割と少なく、これには近隣地域の人同士、助け合う人間関係が出来ていなかっ たことも考えられるが、共に被災し、近所の人まで助ける余裕がなかったことが 一因と思われる。. またこれを年齢層別にみると、高齢者層では「親族」や「家族」等、血縁関係. 者からの援助がより多く、後期高齢者では各々5割前後となっている。一方若中 年者層では「近隣の人」や「友人」、「ボランティア」からの援助がより多く、特. に50歳未満の若中年世代では「友人」からの援助が約4割と多くなっている。. N=489. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上. O 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 ■家族 團親族 口近隣の人 国友人 Nボランティア 團その他. 図1−8 年齢層別にみた援助者. 22.
(26) 3) 援助者の年代. 援助者の年代について複数回答で調べた結果は図1−9に示している。これによ ると、援助活動を最も多く行っていた年代は40代、50代で、各々45.5%、40.4%. と多く、次いで30代、20代が各々35.4%、29.5%と続いている。また60代の者 も19。8%みられ、さらに70代以上の高齢者でも5.7%の者が援助活動を行ってい. たことがわかる。しかし、10代の小中高校生から援助を受けた者はわずか4.8% のみであり、これからの学校教育のなかでボランティア活動などの実践を伴った 福祉教育も必要と言える。また、今後このような突然の自然災害に備えて年代を 越えた日常からの地域における組織的な協力体制づくりも必要であると言える。. N=463. 全体傾向 50歳未満. 50∼64歳2 65∼74歳1 75歳以上. o. 50. 100. 150. 200. 250. ■10代團20代口30代国40代SS 50代国60代■70代以上團その他. 項1−9 年齢層別にみた援助者の年代. 回答者の年齢層と援助してくれた人の年代との関係を見ると、40代,50代から. の援助が年齢層に関係なく多くみられるが、特徴的であるのは65歳を境に10 代,20代からの援助に差がみられ、65歳以上の高齢者層では10代,20代からの援. 助は65歳未満の若年層より少なく、逆に60代,70代以上の者からの援助がより 23.
(27) 多く見られる。これより、高齢者層には高齢者同士お互い援助し合っていた者も いることがうかがえる。 4) 避難先. 震災後、仮設住宅へ入居するまでの主な避難先は「学校やテントなど避難所とな った所」が37.8%で最も多い。それ以外の避難先としては「子供の家」が15.6%、 「きょうだいの家」が9.3%、「知人の家」が6.1%、「会社の施設(寮や社宅等)」が. 1.9%、「その他」が12.8%であった。また「壊れた自宅にとどまっていた」者も. 16.6%みられたが、本調査は震災から10ヶ月後に行ったものであり、また最も長 い間避難していた所について質問しているため、「壊れた自宅」と回答した人の中 にも、一時的に他の場所に避難していた人も含まれている。. 年齢層別には65歳を壌に差が見られ、65歳以上の高齢者層では「子供の家」へ の避難がより多く、65歳未満の若年層では「自宅へとどまっていた」者がより多 くなっている。. 5) 避難先での生活状況. 避難先での生活について質問した結果、「不自由であった」と答える者が56.1% と最も多く、「耐えられなかった」という人も16.6%みられたが、27.2%の者は「生. 活し易かった」と回答している。. またこれらの理由には、不自由を感じた理由として、第1に「プライバシーが 保たれなかったこと」が44.6%と最も多くあげられ、次いで「いろいろな人と一 緒だったから」が25.0%あげられている。一方プラス面での理由としては「助け 合いができたから」や「知り合いが出来たから」という回答が各々14.5%、4.4%. あげられており、大災害後の助け合いがあったことやそれ以前の人間関係が貧し かったこと等もうかがわれる。. 年齢層別にはやはり65歳を境に差が見られ、65歳以上の高齢者層では「生活 し易かった」と答える者がより多く、75歳以上の後期高齢者では49.4%もみられ. 24.
(28) る。一方65歳未満の若年層では「耐えられなかった」と答える者が、75歳以上 の8.9%に対し、18.7%見られる。これには前述の年齢層別の避難先も影響して いると考えられる。 6) 仮設住宅への入居時期. 各仮設団地の建設と募集は1995年2,月から始まり、高齢者世帯や障害者世帯が. 優先的に1次または2次募集の対象となり、そのほかの世帯については、仮設住 宅建設数の増加と共に随時募集があった。. 県調査結果では、4∼6月入居が最も多く45.8%となっており、本対象者の入居. 時期も、平成7年2月∼12月と期間に幅はあるものの、全体の約8割が4月∼6 月に集中している。 7) 仮設住宅の種類. 本対象の仮設住宅は、2居室と台所からなる2K型が9割を占め、残りは1居室 と台所の1K型が4.3%、居室のみ専用で台所やトイレは共用のものが3.2%とな っている。本対象者には単身者が多いが、その場合でも2K型に入居している者も. いる一方、親子4人家族でも2K型に入居している者もあり、居住密度など条件に. はかなり差がある。これは供給された仮設住宅の居室が1室か2室に限られてい たためと言える。 8) 仮設団地内や近隣における親族の有無. 対象者はその親族が、同じ仮設住宅団地内野は近くにいるか否かで、実生活汚 いろいろな面において助け合い易いものと考えられるため、仮設団地内又は近隣 における親族の有無について調べた。その結果、親族は「近くにいない」と答える. 者が76.0%と、全体の約4分の3を占めて多く、親族が「近くにいる」ものは全体 の24.0%のみである。. 年齢層別には有意な差は見られなかった。. 25.
(29) 1.1.4. 健康状態. 1) 体調の変化. 回答者及び回答者の家族の体調変化を、震災前と比べて「良くなった」,「悪くな. った」,「変化なし」の3カテゴリーで調べた。その結果、回答者本人では「悪くな った」と答える者が55.1%と、「変化なし」と答える41.8%の者より多い。同居家. 族の体調の変化は「悪くなった」と答える者(48.6%)と「変化なし」と答える者 (47.8%)が5割弱とほぼ同数見られる。尚「良くなった」との回答は、本人、家族 とも各々3.1%、3.6%のみで極めて少ない。. これを年令層別にみると、図1−10に示すように50歳を境にそれ以下の若中年 世代では「変化なし」が52.9%と多いのに対して、50歳以上の年齢層では「悪くな った」が半数以上を占めて多くなっている。しかも高年齢になるほどその割合は多. くなっており、後期高齢者では64.4%が悪化を訴えている。つまり高齢になるほ ど「悪くなった」と答える者が明らかに多い傾向にある。この傾向は同居している. 家族のいる場合にも、その家族が75歳以上の後期高齢者の場合に「悪くなった」. と答える者の割合が約6割を占め、それ以下の年齢層に比べてより多い点で共通 している。これは高齢者の方が若中年世代の人に比べて、もともと健康条件がよ くない上に環境変化への適応力が小さく、環境の変化によるストレスをより受け やすいこと等が影響したためと考えられる。. 26.
(30) N=758. 41. 8. 全体傾向. 52. 9. 50歳未満1. 50∼64歳. 42. 7. 65∼74歳. 37. 8. 3葉.7. 75歳以上. 侃. 2(罵. ■良くなった. 鞘. 6(罵. 園悪くなった. 80覧. 100覧. □変化なし. 図1−10 年齢層別にみた回答者の体調の変化. 2) 自覚症状. 体調変化に伴う自覚症状について14項目について調べた結果を図1−11に示す。 全体的にみて4割前後の者に生じた変化は「足腰の弱化」(41.0%)、「不眠症」 (40.5%)、「首・肩凝りの悪化」(39.・0%)、「イライラしがち」(39.0%)などである. また3割前後の者に生じた変化には「無気力」(35.2%)、「関節痛」、「物忘れ」、「視. 力の低下」、「タバコ量増加」などがあげられている。. 第1位に足腰の弱化が多くあげられているのは、対象者の平均年齢が58.6歳と 高く、高齢者の割合が高いことの影響とも考えられる。. 27.
(31) N=585. ■不眠 ■イライラしがち 團無気力. 口物忘れがひどい ■タバコ増加 ■酒増加 團食欲不振. ■気分が明るくなった 團首・肩のこり、痛み. ■足腰の弱化 團関節痛 丁目が見えにくい. ■耳が聞こえにくい ■その他. O 20 40 60 図1−11 自覚症状. 3)持病 対象者の持病の有無については、約7割(71.0%)の者が「持病がある」と答 えている。. N=751 全体傾向 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 OS6 1096 2096 30S6 40S6 50S6 60SS 70S6 8096 9096 100V6. 図1−12 年齢層別にみた持病の有無. 28.
(32) 年齢層別には図1−12に示すように、明らかに年齢が高くなるほど持病誉もつ人. の割合は増加しており、75歳以上の後期高齢者では8割強を占める。 N=589. 腰痛. 40.2. 関節痛. 23.1. 神経痛. 11.9. リュウマチ. 3.2. 痛風. Q.2. 高血圧. 淋. 心臓病 7.6. 喘息. 5.6 鹸. 14.1. 灘. 糖尿病. 12.9. 肝臓病 腎臓病. 白内障. 9.2 4.1. 灘醸鱗灘灘総黙灘. 難聴 緑内障 その他. 35. 16.8. 低血圧 胃腸病. 齪. 17.3. 8.8 3.1. 12.4. O 5 10 15 20 25 30 35 40 45. 図1−13 持病の種類. また持病の種類については、図1−13に示すように「腰痛」及び「高血圧」が約 4割と飛びぬけて多く、次いで「関節痛」、「白内障」、「心臓病」が約2割前後と続 いている。. 4) 歩行能力. 調査対象者の歩行能力については、約8割の者は「自力で歩行可能」であるが、 残りの約2割の者については歩行のために杖や車:椅子等の補助を必要とし、介助. 29.
(33) 者の必要な者も3.8%(24人)見られる。. 年齢と歩行能力の関係は、図1−14に示すように年齢があがるにつれて「自力で. 歩行可能」な人は減少し、75歳以上の後期高齢者になると約4割の者が自力歩行 は困難となる。. N=574. 全体傾向 50歳未満. 50∼64歳 65・》74歳 75歳以上 096 1096 20S6 30S6 409i 50S6 6096 7096 80)6 90S6 100S6 ■杖使用 ロ介助者が必要. 團車椅子使用 團車での送迎が必要. 国自力歩行可. 團その他. 図1−14 年齢層別にみた歩行能力. 5) 外出頻度. 歩行能力に関連して年齢と外出頻度との関係を調べた結果、図1−15に示すよう に外出回数が「減った」と答える者は、50歳未満の若中年世代では約4割(38.5%) であるのに対して、75歳以上の後期高齢者では約6割(58.8%)と多い。. 30.
(34) N=681. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳. 38. 2. 36. 4. 65∼74歳. 25. 9. 75歳以上1 脳. 2(罵. ■増えた. 40w. 60S6. 園減った. 80S6. 100%. ロ変化なし. 図1−15 年齢層別にみた外出頻度の変化. また地区別に外出頻度を調べた結果では、特に北区に外出回数が「減った」と 答える者が56.9%と多く、これには交通が至便でないことが影響しているものと 推測される、,. 31.
(35) 1.1.5.要介護者の有無及び生活援助 1) 要介護者の有無. 回答者自身または回答者の家族に介護が必要な者がいるか否かについて調べた 結果、要介護者の「いる」者は12.6%(95人)みられた。これは県調査結果の要介 護者5.9%3》と比較すると本対象者の方が多く、これは本対象者の平均年齢が高い ことが影響しいてるものと考えられる。. 年齢層別に見ると図1−16に示すように、年齢が上がるにつれて要介護者の割合 も増加しており、75歳以上の後期高齢者では22.5%(18人)の者が要介護状態に ある。. N=695 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 OS6 10S6 2096 30S6 40S6 50S6 60S6 70S6 80S6 9096 100S6. 図1−16 年齢層別にみた要介護者の有無. 2) 生活援助サービスの利用状況. 生活援助サービスの利用状況について、生活援助サービスは「必要なし」、「震災 前から利用」、「震災後から利用」、「今後利用したい」の4項目で調べた。その結果、. 約6割の者は「必要なし」と答えているが、「今後利用したい」との回答も約3割見 られる。すでに現在サービスを利用している約1割の者については、「震災前から 利用」が4.2%(30人)、「震災後から利用」が4.5%(32人)となっている。. 32.
(36) 年齢層別の関係をみると、高齢になるほど現在の利用者も今後の利用希望者も 増加傾向にあり、65歳以上の高齢者層についてみると利用者は12.7%(33人)、 希望者は37.3%(97人)となっている(図1−17参照)。. N=668 XtKtktrs. 全体傾向. 懸灘. 50歳未満. 50∼64歳. 、黙. 65∼74歳 75歳以上 ow 10m 20m 30w 4096 50m 6096 70w 80m 90m 10096. ■必要なし. 圓震災前から利用. ロ震災後から利用. 園今後利用したい. 図1−17 年齢層別にみた生活援助サービスの利用. 3) サービスの内容及び提供者. 生活援助サービスの内容については「入浴の介助」、「食事サービス」、「家事の 介助」、「通院・買い物などの外出時の介助」、「身の回りの介助」の5項目をあげて、. 今までに受けたことのある又は今後受けたいと思う、生活援助サービスについて 複数回答で調べた。その結果「食事サービス」の利用または希望が64.8%と最も多 く、次いで「外出時の介助」55。3%、「身の回りの介助」45.7%、「家事の介助」40.2%、. 「入浴の介助」37.7%の順になっている。. また、それらの援助を誰から受けた又は受けたいのかについて調べた結果、図 1−18に示すようにどの生活援助についても「親族」によるものが最も多く、次い で、ホームヘルパーやデイサービスセンター、配食・給食サービス等の「公的サ 33.
(37) 一ビス」が多くあげられている。特に「入浴の介助」に関しては「公的サービス」 利用によるものが約6割を占めて多くなっているが、「食事サービス」や「外出時の. 介助」等に関しては「友人・近隣の人」からの援助も、「公的サービス」とほぼ同 数見られる。. 入浴の介助 食事サービス. 家事の介助 外出時の介助 身の回りの介助 20. 。. ■親族. 60. 40. 80. 100. 120. 園公的サービス ロ友人・近隣の人 園ホ’ラ万イア 國その他. 図1−18 生活援助の内容別にみた援助者. 34. 140.
(38) 1.2. 震災前の住宅と仮設住宅との住生活環境比較 高齢者の今後の住要求は、地震前の住まい及び現在の仮設住宅での体験を基に でてくるとも考えられるため、震災前の住まいと現仮設住宅での住生活環境比較. を、住宅自体及び設備に関するもの7項目、居住環境に関するもの10項目、近隣. 関係に関するもの3項目、これを総合した全体評価1項目をあげ、それぞれにつ いて、「良くなった」、「変化なし」、「悪くなった」、「わからない」の選択肢より回 答を求めた。. 1.2.1. 住宅及び設備に関する評価 まず、「住宅の広さ・間取り」,「風呂・トイレ等」,「建具・段差等」,「台所」,「収. 納」,「夏季の通風」,「高齢者対応」の7項目について調べた結果を図2−1に示す。. 広さ・間取り. 風呂・トイレ等 建具・段差等. 台所 収納 夏季の通風 高齢者対応 096 1096 20% 30S6 40S6 5096 60S6 7096 8096 90% 100S6 ■良くなった. 團変化なし. ロ悪くなった. 園わからない. 図2−1 住宅および設備に関する評価. 35.
(39) これより「高齢者対応」と「夏季の通風」を除く5項目については、いずれも7 割前後の者が以前の住宅に比べて「悪くなった」と答えているが、「夏季の通風」. については「悪くなった」と答える者は約5割で、逆に「良くなった」と答える 者が約2割見られる。また「高齢者対応」に関しては「わからない」が約4割と 最も多くなっているが、「悪くなった」と答える者はわずか1割みのである。 これらの住宅及び設備に関する評価を年齢層別にみると、「高齢者対応」と「夏. 季の通風」においては、高齢になるほど「良くなった」と答える者が多くなって. いる。この理由として、まず「高齢者対応」に関しては、調査時の12月∼1月に はすでに高齢者居住の仮設住宅では段差などが問題となる世帯に対して、改善が 試みられていたことも一因と考えられる。また65歳未満の年齢層では「高齢者対 応」については、まだ気にしていない者が多いためか「わからない」との回答が 多くみられた(図2−2参照)。. N=706. 50歳未満. 15. 2. 11.3. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上. O% 1096 20% 30% 4096 50S6 60S6 7096 8096 90S6 100S6. ■良くなった 團変化なし ロ悪くなった 国わからない. 図2−2 年齢層別にみた高齢者対応の評価. また「夏季の通風」に関しては、65歳を;境にそれ未満の年齢層では「悪くなっ. た」との回答が5割前後と多いのに対し、それ以上の年齢層では「良くなった」 や「変化なし」といった肯定的な回答が多くみられる(図2−3参照)。 36.
(40) N=716. 54. 1. 50歳未満. 48. 7. 50∼64畿 65∼74歳 75歳以上. O% 10S6 2096 3096 40S6 5096 60% 70S6 80% 90“6 10096. ■良くなった 團変化なし ロ悪くなった 園わからない. 図2−3 年齢層別にみた夏季の通風の評価. これら以外の項目に関しては、年齢層別の有意な差はみられなかった。. また住宅及び設備に関する評価と前住宅の種類との関係を調べた結果、いずれ の項目においても以前の住宅に比べて「良くなった」と回答した者は、以前「文化住 宅」居住であった者が最も多く、次いで「木賃アパート」、「長屋形式」、「RCマンシ ョン」、「戸建て住宅」の順になっている(図2−4,図2−5参照)。このことより、. 文化住宅や木賃アパート等はかなり住宅の質が悪かったことが推察される。. 文化住宅 52. 5. 木賃アパート. 66. 7. 長屋. 78. 3. マンション. 戸建て. om 10w 20m 30m 40S6 50m 60w 70% 80w 90m 10096 ■良くなった 團変化なし 口悪くなった 團わからない. 図2−4 前住宅の種類別にみた風呂・トイレ等の評価. 37.
(41) 文化住宅 54. 9. 木賃アパート. 70. 4. 長屋. 78. 3. マンション. 85. 3. 戸建て. O% 1096 20S6 30% 40% 50S6 6096 7096 8096 9096 100% ■良くなった. 国変化なし ロ悪くなった. 国わからない. 図2−5 前住宅の種類別にみた台所の評価. 38.
(42) 1.2.2。 居住環境に関する評価. 仮設住宅団地の周辺の環境評価は自然条件、社会的生活環塊整備とともに住宅 の立地条件による差が大きく、また団地ごとの評価も数のバラつきが多いため、 対象地区ごとの居住翁島評価結果を図2−6に示す。. 周辺の騒音 買い物の便 医療施設への便 役所・郵便局への便. 文化施設等への便. 交通の便 緑の豊かさ 町並みの美しさ. 交通の安全性. 治安 096. 10%. 20%. 30%. ■良くなった. 40S6. 5(罵. 6(罵. 70J6. 8(脱. 9(協. 園変化なし 口悪くなった. 1(X踊. 国わからない. 図2一一6 居住環境に関する評価. 周辺環境として「悪くなった」と答える者が特に過半数を超えて多いものは、 「交通の便」、 「買い物の便利さ」、 「医療施設の便利さ」、 「役所や郵便局の. 便利さ」などである。つまり交通条件と生活関連施設の利便性の評価が悪い。ま た「変化なし」、 「わからない」を除き「良くなった」、 「悪くなった」の比較 で両者が相反し「良くなった」との回答が多いものは、 「公園など緑の豊かさ」、 「町並みの美しさ」、 「交通の安全性」などである。 「治安」に関しては「変化. 39.
(43) なし」と「わからない」が約7割を占めており、抽象的で評価しにくい内容項目 であったと思われるが、良し、悪し、判断では半々となっている。また「住宅周 辺の騒音」に関しても「良くなった」、 「悪くなった」半々みられる。. N=728. 81.4. 50歳未満. 50∼64歳. 80. 7. 65∼74歳. 80. 9. 75歳以上 ow 10w 20m 30w 40S6 50m 6096 70S6 80m 90w 10096 ■良くなった. 團変化なし. 口悪くなった. 国わからない. 図2−7 年齢層別にみた交通の便に対する評価. N=716. 32. 5. 50歳未満. 43. 3. 50∼64歳. 31. 3. 65∼74歳. 25. 9. 75歳以上 鰍. 2096. ■良くなった. 60S6. 40S6. 團変化なし. ロ悪くなった. 80S6. 国わからない. 図2−8 年齢層別にみた周辺の騒音に対する評価. 40. 100%.
(44) N=701. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 on. 2(泓. ■良くなった. 40)6. 80Si. 60S6. 團変化なし 口悪くなった. 100S. 国わからない. 図2−9 年齢層別にみた治安に対する評価. また年齢層と居住環境評価との相関関係を調べた結果、有意差のみられた「交 通の便」、「周辺の騒音」、「治安」について図2−7、図2−8、図2−9に示してい. るが、やはり居住環境評価については居住地区による差が大きく影響しているた め、これらの結果が高齢者の特徴を表しているとは一概に言えない。. 41.
(45) 1. 2. 3. 近隣関係に関する評価. 仮設住宅における近隣関係に関する評価として「近所づきあい」、「プライバシ ー」、「住民の雰囲気」の3項目について回答を求めた結果を図2−10に示す。. 近所づきあい プライバシー 住民の雰囲気. OS6 1096 20% 30S6 40S6 5096 6096 7096 8C”6 9096 100S6 ■良くなった. 国変化なし. ロ悪くなった. 園わからない. 図2−10 近隣関係に関する評価. 仮設団地での近隣関係については、震災前と比べて疎遠であることがマスメデ ィアを通じて報道されているが、本対象者の場合「近隣づきあい」に関しては「変 化なし」が44.6%と最多で、次いで「悪くなった」と答える者が24.1%見られる しかし、わずか12.6%ではあるが「良くなった」と回答する者もあり、近所づき あいには団地差が極めて大きいことが訪問回収時にもうかがわれた。. また「プライバシーの確保」に関しては「悪くなった」が最多であり、仮設住 宅の建物の質や長屋形式のために、音や視覚的にもプライバシーの保たれにくい 状況がうかがえる。. なお「住民の雰囲気」については「変化なし」が40.50/・と最も多く、 「わから. ない」と回答する30.1%の者を合わせると約7割を占めており、良し悪しの変化 に顕著な差は認められない。. また年齢層別に近隣関係に関する評価を調べた結果、有意差のみられた「プラ イバシーの確保」と「近所づきあい」について図2−ll,図2−12に示しているが、 42.
(46) どちらも年齢層が上がるにつれ「悪くなった」と回答する者の割合が減少してお り、近隣関係に関する評価は肯定的と言える。 N=721. 33. 7. 50歳未満. 50∼64歳. 24. 8. i9. 2. 65∼74歳. 総鰹 tt,sys,. 75歳以上 OS6 1096 2096 3096 4096 50S6 60S6 70e6 80S6 90S6 10096. ■良くなった. 国変化なし. 0悪くなった. 園わからない. 図2−11 年齢層別にみた近所づきあいの評価 N=716. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 0%. 10%. 20%. 30%. ■良くなった. 4096. 50覧. 60弘. 團変化なし. 7096. 80覧. 90覧. ロ悪くなった. 1(》0瓢. 團わからない. 図2−12 年齢層別にみたプライバシー確保の評価. 43.
(47) 1.2.4. 総合的全体評価. 以上合計20項目で調べた、住まいと居住環境及び近隣関係に関する住生活環壌 評価を、居住者自身に「全体としての生活」という点で震災前と比較してもらっ た。その結果図2−13に示すように、全体的生活は「悪くなった」と回答する者が 52.0%と過半数を占めて多く、残りは「変化なし」(27.4%)や「わからない」 (13.3%)と回答しており、「良くなった」との回答も見られたがわずか7.3%のみ であった。. これも年齢層別にみると、年齢があがるほど「悪くなった」と回答する者は減. 少しており、50歳未満の若中年世代では約6割の者が「悪くなった」と回答して いるのに対して、75歳以上の後期高齢者では34.5%と少なく、約3割の差が見ら れる。以上のことより、住生活環境評価は全体的に高齢になるほど肯定的である と言える。. N=723. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 儀. 2096. ■良くなった. 4〔罵. 團変化なし. 80S6. 6(泓. ロ悪くなった. 国わからない. 図2−13 年齢層別にみた全体的生活の評価. 44. 100X.
(48) 1.3. 震災前後のつきあいの現状と今後の希望 1.3.1. 仮設住宅団地での近所づきあい. 仮設団地に移り住んでから調査時点で早い人では9∼10カ月になるが、仮 設住宅団地近辺での生活を一時的とはいえ、少しでも安らぎのある生活にす るためにもコミュニティでの人間関係は重要である.また一つの新しい住宅 団地で、人々はどのようにして話のできる人を見つけ、何をきっかけとして つきあいが生じるのかをとらえておくことも、これからの新しい住宅やコミ ュニティづくりにおいて重要であると言える。 1) 知り合いの有無. これらの視点から、まず仮設団地近辺で立ち話をするような知り合いが出来た. か否かについて質問した。その結果「知り合いが出来た」と答える者は約8割 (77.8%)で、残りの約2割(22.2%)の者は仮設団地近辺での知り合いは出来てい ない状況にある。. また年齢層別にみると、図3−1に示すように50歳を境として差がみられ、50歳 以上の年齢層に知り合いのできた人が多くみられる。. N=703. 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳 75歳以上 O)6 10S6 2096 30S6 40S6 5096 60S6 7096 80S6 9(”6 10096. 團無し. ■有り. 図3−1 年齢層別にみた仮設住宅での知り合いの有無 45.
(49) 2) 知り合ったきっかけ. また知り合った場所やきっかけとしては、「挨拶をするうちに」が72.3%と圧倒 的に多く、次いで「自治会の集会で」が29.6%、第3位は「散歩をしていて」が17.9%. となっている。第4位には「ゴミ捨て場で」が14.9%あげられ、第5位に「行事やイ ベントで」が12.5%、その他「共同清掃」(7.4%)や「共同購入」(4.3%)、「バス停. で」(6.0%)などが1割弱つづあげられている。これより、やはり自治会の果た. す役割は大きく、また日常生活に不可欠なゴミ捨て行為も近隣関係をつくるきっ かけとなっていると言える。その他、共同清掃や共同購入など、定期的にある共同 生活上の行為が数多く存在することで、各々の価値観やライフスタイルに応じて、. 選択的に出会いのチャンスがもてる状況をつくることは重要である。 また年齢層別にみると、図3−2に示すように「自治会の集会」での知り合いは、. 50歳以上の年齢層では3割前後みられるのに対し、50歳未満の若中年世代では2 割弱と少ない。これは聞き取り調査時にも「若者は自治会活動に協力的でない」と. いう役員からの意見が聞かれた団地もあったことから、若年層の自治会への無関. 心や職業をもっている者が多いこと等の影響も考えられる。また高齢者に注目す ると、散歩中やバス停でバスを待っている時、また割合的には少ないが、食事の会 や共同購入、商品の配達時などの出会いが多くあげられている。これより自家用車. よりもバス等の利用が多い高齢者にとって、公共交通の利用も人間関係づくりに 一役かっていることがうかがえる。また健康で自力歩行可能な高齢者の場合は、 住宅内よりもむしろ外出時における交流が多く、外出することが交流や出会いの 場になっていることがわかる。. 46.
(50) N=535. ・ 、 懸. 自治会の集会で. 35.8 .2. 5.1. ゴミ捨て場で. 17.2 .5. 3.8 12 3. 駐車場で. 13.5. バス停で 3.1. 醜. お店で. 圓50歳未満. .4. ロ50∼64歳 ■65∼74歳. ・箇灘5.3 .8. 共同購入で. 6.8. 團75歳以上 共同清掃で. 10.6. 競賦黙黙1 5’14.5. 行事やイベントで. 2.6 0.8 1・・6.1. 食事の会で 8.1. も9. サークル活動で. 6.6. v. 挨拶をするうちに. w. 竃 ℃. ℃ 、. w. 一・ @. 、. 85.. Q. 68.9 畿 磯爵. 14.5. 散歩をしていて. 3.4. 21.2 21.6 4.6 。7. 商品の配達時. 6.8 1・亨. 生活相談で. .牙. ・。黙8.4. 8.4. その他. 5.4. o. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 図3−2 年齢層別にみた知り合ったきっかけ. 47. 70. 80. 90.
(51) 3) 知り合いになった人の年代. またその知り合った人の年代について質問した。その結果図3−3に示すように. 全体傾向としは60代、50代が約6割つつと最も多く、次いで40代、70代が3割強 づつと続き、30代は23.0%と少なく、それ以下になると更に少なくなっている。. ただこれは本調査対象の仮設入居者の年代には、50,60代が多いという入居者の 年齢構成が影響したものと言える。. そこで対象者の年齢層と知り合った相手の年代との相関関係を見ると、50歳未 満の若中年世代では50代、40代と知り合った者が各々6割前後と多く、次いで60 代、30代が各々48.0%、42.5%見られる。一方75歳以上の後期高齢者層では60代、. 70代以上と知り合いになった者が各々6割づつと多く、次いで50代が約4割とな っている。すなわち年代があがるにつれ、知り合った年代も高くなっており、これ より同年代と知り合いになっている率が高いことがわかる。. N=524 全体傾向. 50歳未満. 50∼64歳 65∼74歳3 75歳以上1.. o. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 国10代未満圏10代□20代團30代團40代ロ50代圓60代tW・70代以上. 図3−3 年齢層別にみた知り合った人の年代. またこれら知り合いの有無等について地区別比較を行った。その結果図3−4に. 48.
(52) 示すように、豊中では知り合いのできた者は66.4%で他の地区と比べ1割強少な い。. この理由として、知り合ったきっかけについてみると豊中では「挨拶をするうち に」が82.6%と最も多く、最も少ない西区では67.5%である。しかし西区、北区は、 「自治会の集会で」が各々44.4%、34.6%と多く、豊中ではわずか2.2%である。こ. れは豊中では調査時点で自治会の発足していない団地や、ふれあいセンターもな い団地が多い状況にあったことから、このような結果になったものと考えられる。 また「行事やイベント」に関しても北区、西区では各々18.1%、10.6%であるのに対. して、豊中では4.4%と少ない。さらに西区では「共同清掃」も他の地区より1割強. と多く、団地内での活動が盛んなことがうかがえ、知り合いのできた人が多いこと につながっているものと思われる。また西区は入居者の年代が他地区に比べ高く、. 高齢者ほど仮設にいる時間も若者より長いことが考えられるため、仮設団地内の 活動に参加し易いことも影響していると思われる。. N=766 北区 西区 宝塚市. 豊中市. OS6 10w 20m 30m 40S6 50YS 60SS 70m 80w 90et 100S6. 図3−4 地区別にみた仮設住宅での知り合いの有無. 49.
(53) 4) 気の合う人の見つけやすさ. 団地内での「気の合う人の見つけ易さ」について、回答者の年代と相手の年齢と の関係を意識して質問した。その結果は図3−5に示すように、相手が自分と同年代 であれ若い世代であれ「どちらとも言えない」が各々52.7%、45.7%と多い。「見つ. けにくい」という回答に注目してみると、明らかに同年代よりも自分より若い世代 の中に気の合う人を見出すのが難しい傾向にある。. 同年代 若い世代. 096 1096 20S6 3096 40S6 50S6 6096 70% 80S6 90% 10096 国見つけ易い. ■どちらとも言えない. 團見つけにくい. 図3−5 仮設での気の合う人の見つけ易さ. これを年齢層別にみると図3−6に示すように、高齢になるほど同年代の人の中 には「見つけ易い」と答える者が多い傾向にあり、若年層ほど「見つけにくい」と答 えている。 N=686. 39. 5. 50歳未満. 50∼64歳. 34. 4. 65∼74歳. 25. 4. 75歳以上. 25. 3 0覧. 1 096. 2096. 30%. ■見つけ易い. 40%. 5(脱. 60%. 7〔罵. 8〔泓. 9〔泓. 国どちらとも言えない. 100%. ロ見つけにくい. 図3−6 年齢層別にみた気の合う人の見つけ易さ(同年代). 50.
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