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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

なかやま ふみひろ

中山 文博

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1587 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 6 月 25 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目

Changes in the oral environment after placement of removable dentures in low caries risk patients

(カリエスリスクの低い患者への可撤性床義歯装着後にお ける口腔内環境の変化)

学 位 論 文 掲 載 誌

Journal of Osaka Dental University

第 48 巻 第 2 号 平成 26 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 田中 昌博 教授 副 査 小正 裕 教授 副 査 岡崎 定司 教授

論文内容要旨

日本では歯の欠損した部位への補綴治療は,大別してクラウンブリッジあるいは可撤性床義歯が選 択される.われわれは唾液検査を用いた横断研究において,固定性のクラウンブリッジを装着した高 齢者と可撤性床義歯を装着した高齢者の口腔内環境を比較した結果,齲蝕原性細菌の数に大きな差が あることを報告した.床義歯の存在が口腔内常在細菌数に影響を及ぼすことが示唆される一方,細菌 数の増加が床義歯の装着に起因したものか否かは不明である.

本研究では,初めて可撤性床義歯を装着するカリエスリスクの低い症例を選択し,装着後の口腔内 環境を調べ,経時的な変化を検討した.

被検者として,本学附属病院に通院し初めて可撤性床義歯を装着する患者 7 名,平均年齢 68.7±12.0 歳,平均残存歯数 20.0±2.5 本,欠損歯数 8.3±2.6 本, (義歯装着者群)と,クラウンブリッジの補 綴処置を行った患者 6 名,平均年齢 61.2±2.8 歳,平均残存歯数 24.2±1.0 本,3 歯以上の補綴処置を 行った症例(有歯顎者群)を選択した.なお,被検者には事前に唾液検査によってカリエスリスクが低 い者を選択した.

口腔内環境を調べるための唾液検査には,Orion 社製デントカルトシリーズを用いた.カリエスリス

クと関係が深い口腔内環境因子として,安静時と刺激時の唾液量,安静時と刺激時の唾液緩衝能およ

び口腔内常在細菌(mutans streptococci,lactobacilli,Candida)の数の 7 因子を選択した.各評

価に関しては付属のモデルチャートを使用した.口腔内環境の検査時期は,義歯装着者群も有歯顎者

群も補綴装置の装着 1.5 か月後(ベースライン時)と装着 1 年後(フォローアップ時)とした.異な

った 2 種類の補綴装置を装着した高齢者の追跡調査を行い,補綴装置別の口腔内環境因子をベースラ

イン時とフォローアップ時で比較し,経時的な変化を調べた.義歯装着者群,有歯顎者群それぞれの

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ベースライン時とフォローアップ時の口腔内環境因子は,Wilcoxon’ s signed rank test を用いて比 較,検討した.有意水準は 5%とした.

安静時と刺激時の唾液量,安静時と刺激時の唾液緩衝能,mutans streptococci,Candida の数の経 時的変化に関しては,義歯装着者群,有歯顎者群ともに有意な変化を認めなかった .しかし,

lactobacilli の数の経時的変化に関しては,義歯装着者群では,7 名中 5 名がローリスクからハイリ スクに変化した.Wilcoxon’ s signed rank test の結果,有意な変化が認められ,義歯装着 1 年後 には lactobacilli の数は増加した.一方,有歯顎者群では変化が認められなかった.可撤性床義歯の 装着によって,lactobacilli の数がローリスクからハイリスクに変化することがわかった.

今後は床義歯装着による齲蝕誘発を抑制する予防方法を考える必要がある.

論文審査結果要旨

本論文は,カリエスリスクの低い患者に可撤性床義歯を装着した後,口腔内環境が変化するか検証 することを目的とし研究を行ったものである.

歯の欠損した部位への補綴治療としてブリッジや可撤性床義歯などの補綴修復処置を行われるが,

床義歯装着者には口腔内常在細菌数の増加が認められる.細菌数の増加が床義歯の装着に起因したも のか否かは不明である.そこで,初めて可撤性床義歯を装着するカリエスリスクの低い症例を選択し,

装着後の口腔内環境を調べ,経時的な変化を調べた.

口腔内環境因子として,安静時と刺激時の唾液量,安静時と刺激時の唾液緩衝能および口腔内常在 細菌(mutans streptococci,lactobacilli,Candida)の数の 7 項目を選択した.可撤性床義歯装着 者と有歯顎者の補綴装置装着 1.5 か月後と装着 1 年後に唾液検査を行い,口腔内環境を調べた.

1 年後,固定性補綴装置のみが装着されている有歯顎者では口腔内環境に変化はなかった.しかし,

可撤性床義歯装着者は,lactobacilli の数が増加し,カリエスリスクが増加したことが判明した.

可撤性床義歯の装着によって,齲蝕原性細菌数がローリスクからハイリスクに変化することを証明 し,床義歯の装着が齲蝕誘発のリスクを上げるということに重要な示唆を与えた点において,本論文 は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した.

なお,外国語1か国語(英語)について試問を行った結果,合格と認定した.

参照

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