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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やぶうち たかよし

藪内 崇督

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1588 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 9 月 19 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Hybrid scaffolds composed of amino-acid coated sponge and hydroxyapatite for hard tissue formation by bone marrow cells

(骨髄細胞による硬組織形成のためのアミノ酸コートスポンジ とハイドロキシアパタイトから成る複合担体)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Biomedical Science and Engineering 第 7 巻 第 6 号

平成 26 年 5 月

論 文 調 査 委 員 主 査 西川 泰央 教授 副 査 池尾 隆 教授

副 査 至田 宗泰 大学院准教授

論文内容要旨

歯の部分的な欠損の修復、あるいは、喪失歯の補填にとって、歯の硬組織による再生が理想である。

最近、多能性幹細胞(iPS 細胞)が作製され、組織または器官の再生に大きな期待が寄せられており、

歯科医学領域でも iPS 細胞による歯の再生を研究する必要がある。しかしながら、歯は外胚葉と中胚 葉性組織からなる独特の複雑な形状を有している。iPS 細胞を分化させて複雑な形状の歯を再生する方 法の確立は極めて重要であるが、それは困難な課題でもあると考えられ、現状で iPS 細胞による歯の 再生が容易とは言い難い。

これまでに、骨あるいは硬組織の形成に多くの研究者が携わっており、その多くは骨髄中の幹細胞 を骨芽細胞に分化、誘導し、骨あるいは硬組織を形成させるものである。骨あるいは硬組織の再生の ために、骨の構成に類似する多孔質ハイドロキシアパタイトが担体として必要、かつ、効果的である との一致した見解がある。そのうえで、担体内の気孔の多くに骨を緻密に形成させる効果的な手法の 確立が求められてきた。

そこで、多孔質ハイドロキシアパタイトを円筒状の中空を有する形状にし、さらに、その中空部に 異なった素材を配して二重構造とした担体が歯の再現に適すると考えた。その中空部に適合させる異 種の担体素材としては、形態を容易に変更できるスポンジに着目した。また、担体内での幹細胞の増 殖と分化を促進するために、スポンジ内部の線維状構造に幹細胞を付着させるための化合物のコート が有効である可能性を先の研究で示した。本研究では、ポリビニルアルコールをホルマリン処理した 市販のスポンジを用い、スポンジ内部の線維状構造に必須アミノ酸の一種であるロイシンを選択し、

その 10 mg/mL 濃度溶液にスポンジを浸漬、コーティングした。そして、円筒状ハイドロキシアパタイ

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トの中空部にロイシンコートスポンジを挿入し、複合担体を作製した。

複合担体内の骨形成を評価するために、雄性 Fischer 344 ラット後肢骨髄から得た 1.5  10

6

個の骨 髄細胞を播種したスポンジを中空部に含むハイドロキシアパタイトとの複合担体を同系ラット皮下組 織に埋入した。6週後に皮下から摘出した担体内に形成された骨を組織学的に検索し、また、担体内 骨形成の評価のために生化学的にアルカリフォスファターゼを、そして、免疫化学的にオステオカル シン量を測定した。ロイシンをコートした6-ウェルのマイクロプレート内で、あるいは、ロイシンを 添加した培養液中で、ラット骨髄細胞を2週間、培養し、nodule 形成からロイシンの骨髄細胞に対す る硬組織形成に対する影響を検討した。

皮下埋入したロイシンコート複合担体で組織学的に顕著な骨形成が認められた。細胞活性はすでに 低下していたがオステオカルシン量は有意に多い 13.8  4.5 g/担体を示した。ラット骨髄細胞の培 養で、底部にロイシンをコートしたマイクロプレートでは細胞の活性もオステオカルシン量も有意差 を示さなかった。培養液へのロイシン添加でアルカリフォスファターゼ活性の測定値は有意に高く、

1.02  0.17 M/g DNA を示したが、ロイシン添加の有無によるオステオカルシン量に有意差は認め られず、ロイシンが幹細胞の増殖と分化、そして、骨形成に直接影響する結果は得られなかった。

本研究の結果から、皮下での担体において、ロイシンコートがスポンジへの幹細胞の付着を助け、

また、ロイシンによって幹細胞が活性化され、骨芽細胞への分化が促進され、さらに、皮下の複合担 体内の多くの気孔での骨形成が誘導された可能性が示唆された。

論文審査結果要旨

歯の部分的な欠損の修復や喪失歯の補填にとって、歯の硬組織による再生が理想である。しかしな がら、歯は外胚葉性と中胚葉性の組織からなる独特の形状を有するとともに、個々に複雑な形状を呈 しており、歯の再生は容易とはいえない。これまでに、骨あるいは硬組織の再生に多くの研究者が携 わっており、その多くは骨髄中の幹細胞を骨芽細胞に分化、誘導し、骨あるいは硬組織を形成させる ものである。骨あるいは硬組織の再生のために、骨の構成に類似する多孔質ハイドロキシアパタイト が担体として必要であり、また効果的であるとの一致した見解がある。そのうえで、担体内の気孔の 多くに骨を緻密に形成させる効果的な手法の確立が求められてきた。

著者は、多孔質ハイドロキシアパタイトを円筒状の中空を有する形状にし、さらに、その中空部に 異なった素材を配して二重構造とした担体が歯の再現に適するとの考えに至るとともに、その中空部 に適合させる異種の担体素材としては、形態を容易に変更できるスポンジに着目した。市販のホルマ リン処理ポリビニルアルコールスポンジを用い、スポンジ内部の線維状構造に必須アミノ酸の一種で あるロイシンを選択し、その10 mg/mL濃度溶液にスポンジを浸漬、コーティングした。そして、円筒 状ハイドロキシアパタイトの中空部にロイシンコートスポンジを挿入し、複合担体を作製した。複合 担体内の骨形成の評価を組織学的に、また担体内骨形成の評価を生化学的および免疫化学的に行った。

ロイシンをコートした6-ウェルのマイクロプレート内で、あるいは、ロイシンを添加した培養液中で、

ラット骨髄細胞を2週間、培養し、nodule形成からロイシンの骨髄細胞に対する硬組織形成に対する影 響を検討したところ、皮下埋入したロイシンコート複合担体で組織学的に顕著な骨形成を認めている。

培養液へのロイシンの添加でアルカリフォスファターゼ活性の測定値は有意に高かったが、ロイシン

添加の有無によるオステオカルシン量に有意差は認められず、ロイシンが幹細胞の増殖と分化、そし

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て骨形成に直接影響する結果は得ていない。

以上のことから、皮下での担体において、ロイシンコートがスポンジへの幹細胞の付着を助け、ま た、ロイシンが幹細胞を活性化し、骨芽細胞への分化を促進し、皮下の複合担体内の多くの気孔で骨 形成を誘導した可能性を明らかにするとともに、担体内の気孔の多くに骨を緻密に形成させる効果的 な手法を見出した点で、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

なお、外国語1か国(英語)について試問を行った結果、合格と認定した。

参照

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