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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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全文

(1)

ふ り が な

氏 名

うえの けんたろう

上野 健太郎

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1624 号 学 位 授 与 の 日 付 令和元年 12 月 25 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Factors influencing dental arch form 歯列弓形態決定に関与している因子)

学 位 論 文 掲 載 誌 Okajimas Folia Anatomica Japonica 第 96 巻 第 1 号 令和元年 5 月

論 文 調 査 委 員 主 査 田村 功 教授 副 査 岡崎 定司 教授 副 査 田中 昌博 教授

論文内容要旨

歯列弓形態決定に影響を及ぼす因子として、歯列弓の長さや臼歯列の幅、前歯部の形態や犬歯間幅 径などが報告されてきた。しかし、歯列弓の長さや幅、犬歯の位置の決定などにどのような因子が働い ているかといった詳細な報告はあまりなされていない。そこで本研究ではこれらの点について検証す ることを目指し、統計学的手法を用いて歯列弓形態決定に関与している因子について検討した。

大阪歯科大学口腔解剖学講座所蔵の歯列石膏平行模型(男性

257

例、女性

139

例、計

396

例) の うち、歯の欠損のあるもの、歯列矯正が行われているもの、不正咬合が見られるものなどを除外して、

上顎歯列弓

62

例(男性

36

例、女性

26

例) 、下顎歯列弓

53

例(男性

27

例、女性

26

例)を試料とし た。上下顎歯列平行模型上に両側切歯切縁の中点、犬歯の尖頭、小臼歯の頬側咬頭頂、第三を除く大臼 歯の近心頬側咬頭頂など合計

16

点を設定した。計測項目は身長、両側同名歯間幅径、両側中切歯間幅 径の中点から各両側同名歯間幅径の中点までの距離、各歯の歯冠近遠心径、右側犬歯尖頭―両側中切 歯間幅径の中点―左側犬歯尖頭のなす角度、側切歯切縁中点―犬歯尖頭―第一小臼歯頬側咬頭頂のな す角度の計

23

項目とした。計測項目に従って得られたデータから各項目の平均値、項目間の相関係数 を求めた。次に主成分分析を用いてデータの縮約を行った。縮約されたデータを用いてクラスター分 析を実施し、各クラスターが有する形態の特徴について明らかにしたうえで、歯列弓形態決定に影響 を及ぼす因子について検討した。

その結果、上下顎ともに歯冠近遠心径と歯列弓の長さとの間に正の相関が認められた。特に上顎では 第二小臼歯、下顎では犬歯および第二小臼歯と歯列弓の長さとの間の相関係数が

0.7

を超えていた。

また上下顎とも両側中切歯間幅径と中切歯から臼歯までの長さの間に相関がみられたが、上下顎とも

に両側臼歯間幅径と中切歯から臼歯までの距離の間の相関はほぼ認められなかった。上下顎歯列弓上

から得られた

23

項目の計測データについて主成分分析したところ、歯列弓の長さ、臼歯間幅径など上

(2)

顎は3つ、下顎は4つのデータに縮約された。主成分得点を用いてクラスター分析を行った結果、上下 顎とも歯列弓の大小、ならびに方形、帯円方形、帯円

V

字形を組み合わせた各4形態に分類された。

歯列弓の長さは歯列弓の大きさを表す主要な指標で、上下顎ともに主に両側中切歯間距離、切歯およ び第二小臼歯の歯冠近遠心径の影響を受けること、下顎では犬歯の歯冠近遠心径、身長も歯列弓形態 の決定に関与していることが示唆された。歯列弓の幅径も歯列弓の形態決定に関与し、犬歯から第一 大臼歯までの両側同名歯間幅径が影響しているが、特に両側小臼歯間幅径、前歯部の湾曲の影響が大 きいことが示された。臼歯部の遠心方向への開き具合は、前歯部湾曲傾向および方形傾向が影響を及 ぼし、前歯部の湾曲は、上顎では両側中切歯間距離、また上下顎とも中切歯から小臼歯までの歯列弓の 深さの影響を受けることが示唆された。

論文審査結果要旨

従前の歯列弓形態や大きさの決定は、歯列弓長、歯列弓幅、および歯列弓示数のみを考慮したもの、

さらに単に肉眼的形態のみで分類したものが多数を占めている。本研究で、歯列弓形態決定に影響を 及ぼす歯列弓長、臼歯列幅または犬歯の位置決定などにどのような因子が影響しているかを明確に検 証することを目的として、主成分分析による因子(データ)の縮約、次いで縮約されたデータを用いて クラスター分析した。

大阪歯科大学口腔解剖学講座所蔵の上顎歯列弓

62

例ならびに下顎歯列弓

53

例の歯列石膏平行模型 を試料とした。平行模型上に両側切歯切縁中点、犬歯尖頭、小臼歯頬側咬頭頂、第三を除く大臼歯近心 頬側咬頭頂の合計

16

点を設定した。計測項目は身長、両側同名歯間幅径、両側中切歯間幅径の中点か ら各両側同名歯間幅径の中点までの距離、各歯の歯冠近遠心径、 右側犬歯尖頭-両側中切歯間幅径の中 点-左側犬歯尖頭のなす角度、側切歯切縁中点-犬歯尖頭-第一小臼歯頬側咬頭頂のなす角度の計

23

項目 とした。得られたデータから各項目の平均値、項目間の相関係数を求めて、主成分分析でデータの縮約 を行った。縮約されたデータをクラスター分析し、各クラスターが有する形態の特徴を明らかにし、歯 列弓形態決定に影響を及ぼす因子を検討した。

その結果、上下顎ともに歯冠近遠心径と歯列弓の長さとの間に正の相関が認められた。特に上顎では 第二小臼歯、下顎では犬歯や第二小臼歯の近遠心径と歯列弓長との間に高い相関がみられた。上下顎 とも両側中切歯間幅径と中切歯-臼歯間距離に相関がみられたが、両側臼歯間幅径と中切歯-臼歯間距離 に相関は無かった。得られたデータを主成分分析すると、歯列弓長や臼歯間幅径など上顎は

3

つ、下 顎は

4

つのデータに縮約された。主成分得点を用いてクラスター分析すると、上下顎とも歯列弓の大 小、ならびに方形、帯円方形、帯円

V

字形を組み合わせた各

4

形態に分類された。

これらの結果は、①歯列弓長は、上下顎ともに両側中切歯間距離、切歯と第二小臼歯の歯冠近遠心径の 影響を受け、下顎では犬歯歯冠近遠心径と身長も歯列弓形態の決定に関与している②歯列弓幅径では、

犬歯から第一大臼歯までの両側同名歯間幅径が影響しているが、特に両側小臼歯間幅径、前歯部の湾 曲への影響が大きい③臼歯部の遠心方向への開き具合には、前歯部湾曲傾向と方形傾向が影響し、前 歯部の湾曲は、上顎て両側中切歯間距離、また上下顎とも中切歯から小臼歯までの歯列弓の深さの影 響を受けることが示唆された点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定し た。

なお、外国語1か国語(英語)について試問を行った結果、合格と認定した。

参照

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