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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

なかた たかや

中田 貴也

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 788 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 The expression of 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 is increased in experimental periodontitis in rats

( ラ ッ ト の 実 験 的 歯 周 炎 に お い て 11 β -hydroxysteroid dehydrogenase type 1 の発現が増加する)

学 位 論 文 掲 載 誌 BMC Oral Health 第 16 巻 第 108 号 平成 28 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 梅田 誠 教授 副 査 松本 尚之 教授 副 査 竹村 明道 教授

論文内容要旨

グルココルチコイドは主要な副腎皮質ホルモンであり, 代謝や免疫応答に及ぼす様々な効果をもっ ている. メタボリック症候群や慢性炎症性疾患において, 細胞内で不活性型のグルココルチコイドか ら活性型のグルココルチコイドに変換する 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1(11β-HSD1) が関与していることが明らかにされている. 最近我々は, ヒトでの慢性歯周炎において肥満に関係な く 11β-HSD1 の発現が増加することを報告した. 今回, 実験的歯周炎モデルラットにて 11β-HSD1 の 発現量を調べ, 歯周炎での 11β-HSD1 の役割をさらに明らかにした.

生後7週齢 Wistar 系雄性ラットの上顎左側第二臼歯部に絹糸を結紮して実験的歯周炎を惹起させ, 3日後に歯周組織を採取した. Real time PCR を用いて 11β-HSD1, 11β-HSD2, TNFαmRNA の発現量を 調べた. 対照側と比較して絹糸結紮側での TNFαmRNA の発現量が増えているラットのデータを用いて, 有意差検定として t 検定を行った. また, 歯周組織を一塊とし摘出後マイクロ X 線 CT で撮影, 摘出し た組織を脱灰した後に切片を作製し, HE 染色, 11β-HSD1, 11β-HSD2 の抗体を用いた免疫組織化学染 色を行い, 光学顕微鏡にて観察した.

CT 画像の所見で絹糸結紮による歯槽骨の骨吸収が 2 週間後に認められた. Real time PCR の結果で

は, 11β-HSD1mRNA の発現量は対照群と比較して実験的歯周炎群で有意に増加していた. また, 11β

-HSD1mRNA の発現量と TNFαmRNA の発現量には有意な正の相関関係があった. 一方, 実験的歯周炎群

で 11β-HSD2(活性型のグルココルチコイドから不活性型のグルココルチコイドに変換する)mRNA の発

現量はわずかに減少していた. したがって, 11β-HSD1mRNA と 11β-HSD2mRNA の発現量の比は対照群よ

りも実験的歯周炎群で有意に高かった. 組織所見では, 粘膜固有層に好中球の浸潤が認められ, 11β

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-HSD1 は対照側と比較して結紮側の方に多く発現していた. 11β-HSD2 は結紮側と対照側とでは明らか な差は認められなかった.

これらの結果から, 11β-HSD1 の発現量の増加, すなわち細胞内のグルココルチコイドの増加が実 験的歯周炎の病態に関与することが示唆された.

論文審査結果要旨

メタボリック症候群や慢性炎症性疾患において, 細胞内で不活性型のグルココルチコイドから活 性型のグルココルチコイドに変換する 11β-HSD1 が関与していることが明らかにされている. 本論文 では, 歯周組織の慢性炎症である歯周炎での 11β-HSD1 の役割を絹糸結紮により作成された実験的歯 周炎モデルラットを用いることによって明らかにするすることを目的としたものである.

上顎左側第二臼歯部に絹糸を結紮して実験的歯周炎を惹起させ, 3日後に歯周組織を採取した.

Real time PCR を用いて 11β-HSD1, 11β-HSD2, TNFαmRNA 発現量を調べた. また, 歯周組織を一塊 とし摘出後マイクロ X 線 CT で撮影, 摘出した組織を脱灰した後に切片を作製し, HE 染色, 11β-HSD1, 11β-HSD2 の抗体を用いた免疫組織化学染色を行い, 光学顕微鏡にて観察した.

結果として, CT 画像の所見で絹糸結紮による歯槽骨の骨吸収が認められた. Real time PCR の結果 では, 11β-HSD1mRNA の発現量は対照群と比較して実験的歯周炎群で有意に増加していた. また, 11 β-HSD1mRNA の発現量と TNFαmRNA の発現量には有意な正の相関関係があり炎症と 11β-HSD1 の関与が 示唆される. 一方, 実験的歯周炎群で 11β-HSD2mRNA の発現量はわずかに減少していた. したがって, 11β-HSD1mRNA と 11β-HSD2mRNA の発現量の比は対照群よりも実験的歯周炎群で有意に高かった. 組 織所見では, 粘膜固有層に好中球の浸潤が認められ, 11β-HSD1 は対照側と比較して結紮側の方に多 く発現していた. 11β-HSD2 は結紮側と対照側とでは明らかな差は認められなかった.

これらの結果から, 11β-HSD1 の発現量の増加, すなわち細胞内のグルココルチコイドの増加が実 験的歯周炎の病態に関与することが示唆された.

以上, ラットの実験的歯周炎と 11β-HSD1 の関与を明らかにした点において, 本論文は博士(歯学)

の学位を授与するに値すると判定した.

参照

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