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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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(1)

ふ り が な

氏 名

はら ゆかり

原 弓加里

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 830 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effect of nano modified titanium surface on adsorption of rat periodontal ligament cells

(純チタン金属表面上のナノ構造がラット歯根膜細胞の挙動 に与える影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 52 巻 第 1 号

平成 30 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 岡崎 定司 教授 副 査 田中 昌博 教授 副 査 髙橋 一也 教授

論文内容要旨

インプラント治療において,顎骨欠損部位の新生骨形成の早期誘導はインプラント埋入後の早期初 期固定の確立に極めて有用な課題である.純チタン金属表面に濃アルカリ処理を施すことにより,ラ ット骨髄細胞の硬組織分化誘導が向上することを

in vitro

および

in vivo

レベルから報告してきた.近 年の研究により,間葉系幹細胞を多く含むラット歯根膜細胞から骨芽細胞への分化が促進されること が明らかである.そこで,本研究では純チタン金属表面へのアルカリ処理がラット歯根膜細胞に与え る影響について検討した.実験群として

TNS

を析出させた市販の純チタン金属板を使用し,対照群と して#2000 まで研磨した同材料を使用した.TNS の析出には,試料を

10 M

の水酸化ナトリウム水溶 液に浸漬し,純チタン金属表面にナノ構造を析出させた.表面解析として

SEM,SPM,XPS

を用い て解析を行った.その後,自然乾燥させ,チタン金属表面に

TNS

を析出させた.試料は実験群,対照 群ともに,アセトン,エチルアルコール,イオン交換水で各

10

分間超音波洗浄を行い,その後乾熱滅 菌を行った.ラット歯根膜細胞は

Lonza

より購入し,

SCGM

(BulletKit: Stromal cell growth medium,

lonza)を用いて継代培養を行い,3

代目を実験に供した.実験群および対照群共に

24

穴プレート上

に設置したチタン金属表面に

1

穴あたり

4×104

個ずつ播種し,培地に

10 mM

β-グリセロン酸ナト

リウム,82 μg/mL アスコルビン酸および

10-8 M

デキサメタゾンを含む分化誘導培地を用い,培養開

1,3,6,24

時間の各群における細胞接着数の比較、培養後

14,21

日後の

ALP

活性および

21

後のオステオカルシンの産生量およびカルシウムの析出量を測定した.また,各種培養後の培養細胞

より逆転写後得られた

mRNA

より遺伝子発現について検討した.統計学的解析には,各測定値に

(2)

Student

t

検定を用い,有意水準は

5

%に設定した.

SEM

SPM

の観察では対照群で平坦な像が 観察されるのに対し,実験群においてナノメーターレベルのネットワーク構造が形成された.

XPS

の 観察では深い酸化膜の層が形成されていることが明らかとなった.全ての計測時間において実験群で 細胞接着,

ALP

活性,オステオカルシン産生量,カルシウム析出量および各種遺伝子発現マーカーの 発現が有意に高い値を示した.以上の結果により,純チタン金属へのナノレベルでの表面改質が骨髄 細胞だけでなく歯根膜細胞の増殖ならびに硬組織への分化誘導への向上に有用であるという可能性が 示唆された.

論文審査結果要旨

近年の研究では,間葉系幹細胞を多く含むラット歯根膜細胞が骨形成を誘導させることが明らかで ある.筆者は,純チタン金属表面への濃アルカリ処理がラット歯根膜細胞に与える影響について検討 した.実験群として

10M

の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し,ナノ構造を析出させた市販の純チタン 金属板を使用し,対照群として#2000 まで研磨した同材料を使用した.実験群の純チタン金属板を表 面解析したところ,対照群で平坦な像が観察されるのに対し,実験群においてナノメーターレベルの ネットワーク構造が形成されていることを明らかにし,XPS の観察では深い酸化膜の層が形成されて いることを確認した.また,全ての計測時間において実験群で細胞接着,ALP 活性,オステオカルシ ン産生量,カルシウム析出量および各種遺伝子発現マーカーの発現が有意に高い値を示すことを明ら かにし,濃アルカリ処理した純チタン金属板に歯根膜細胞を培養することで,セメント質に近似した 硬組織の形成が誘導されることを本論文にて示した.

以上,純チタン金属表面板に濃アルカリ処理を施すことで,骨髄細胞のみならず,歯根膜細胞の初

期接着ならび硬組織への分化誘導に有用であることを証明した点において、本論文は博士(歯学)の

学位を授与するに値すると判定した.

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