大学生のライフスタイルに関する研究 : 健康観、健康行動について
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(2) . 3巻 第2号 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第5. 平成 15 年. l of Ho も霊園do Uhiversiけ of Educanon (NatwraI Sciences) VOI lou l ゴ ロa .53 .2 , No. Feb lmaけ, 2003. 2 月. 大学生のライフスタイルに関する研究 - 健康観, 健康行動について -. 前上里. 直・越山. 賢一. 北海道教育大学岩見沢校保健体育科研究室*. Study. on. festyle of University Students Li. - Views on Hea l th and Heal th Beha晒ors- ‐ l魁 4A Naos EZAT0, Keni IEU c粒 KOS圧 筏A &A. *De a i bmentof He須山 al r ld Phys c司 Educanon pl l江i Zawa C2 umPus ,lwa ; Hoも山 ido U迂 i iけ of Educanon ‘塑 a ver s lni zawa 068 -86 ,lwa. Abst raCt The pw- l lect data on.伍e 丘 f tudy was to co pose ofthis s es t yl e of Universi ts were 611 mmversi jec. smdents . The sub-. 1 led in Hokkaido U口[ t緑dents en s j ro versi ty of Educadon in 工w印口i zawa ‐. There were 508 usefud answers whi 9 males and 229 females. ch consi sted of 27 The questionna isted ofi latmー tems re ion, ぜi に l re cons t th condi tudents on heal th ews of s g to heal in出血ng, smok ゴ b og, eat th beha頃orsinclu南鴎g dl ing habi leep,r ts 瀧ld heal n egldar , average an口ot口1t of s l and Prevention beha頃ors exerclse, weight con立o - The hwo ma in resul 1 lows ts were as fo : 1.. Five categod L es related to Vi ews of he副伍 were found‐ The f j 匡stis hea1 th condi ion od L t 1ated to hea1 th and f i ented‐ The second is beha汎orre t -. ‐PurPoses The fou 士 le i ness- The 口嗣 th as the means forsome ot rdis heal に [ this exPresslon l - th‐ The hf故 is cont inuous beha賓or for ge性ing heal of values toward heal th. 耳‐. Some mldes i th beha西ors were fotmd‐ rable heal. S ]恒PPゴmg breakfast ly eat ing betWeen meals lack of sleeP i reqent r eg匝ar hot立s of ,f , , r ゴ b og uP and go ing to bed,lack of r wak egtdar e×ercise al ld lack of awareness of Preven- 口on beha汎ors we re fotmd‐ ,. 73.
(3) . 前上里 直・越山 賢一. 緒. また, 健康観の分類は, 自由記述の回答を単文化 して分析し, 分類した.. 言. わが国の疾病構造は, 結核などを主体とする伝 染病から生活習慣病へ大きく変化 した。 この生活 習慣病 は, 疫学研究の進展により, 日頃のライフ スタイルが大きく関与していることが明らかになっ てきている. よって, 生活習慣病のリスクを低減 するためには, 好ましい健康観を持つ とともに定 期的な運動, 栄養摂取, 休養, 喫煙, 飲酒などを 日常生活の中で留意し, 健康行動を継続的に実践 するライフスタイルを確立することが重要となる. 大学生の時期は, 自分でアルバイ トをしたり, 自分の興味, 関心のある物事に対して時間を費や. 結. 1. 対象者の概要 の 性 別 1% で 9%, 女 子 が45 男 女 の 割 合 は, 男 子 が54 ‐ ‐. あり, 若干, 男子の割合が多かった. 燃 ) 学 年 27名( 25 0%) 学年別の人数は, 1年生1 , 2年生 . 23 2%), 4 年 生135 25 2%), 3 年 生118名( 128名( ‐ .. 26 名( 6%)であり, 各学年ともほ ぼ同数であっ た. ‐. したりなど, 自分自身で生活の時間割 を作成し, 自分のリズムで行動することが多くなるため, こ. 表1. の時期における健康に望ましいライフスタイルの 確立は極めて肝要である. そこで本研究では, 健康的なライフスタイル形. 果. 対象者の性別・学年別比率 男. 子. 人数(%). 女 子. 合 計. 1. 年. 2 ) 7 6( 27 .. 2 2 3 ) 5 1( ‐. 0 ) 1 27(25 ‐. 2. 年. 22 6 63( ) .. 28 4 ) 6 5( .. 2 ) 1 28(25 ‐. に健康観及び健康行動の実施状況に着目して調査. 3. 年. 64( 2 2 9 ) ‐. ) 54( 23 6 ‐. 2) 1 18(23 ‐. する こと に した.. 4 年. 6( 27 2 ) 7 .. 25 8 ) 59( .. 6 ) 13 5(26.. 男女比. 27 9( 54 9 ) ‐. 2 29( 4 5 1 ) .. 508( 100 0 ) ‐. 成の基礎資料を得ることを目的に, 大学生を対象. 研. 究. 方. 法. 1. 調査対象 平成1 4年4月 に岩見沢市内の工教育大学に在籍. ( } 住居形態 3 9 9 67名( 5 住居形態は, 自宅通学者が男子で は1 ‐. する1~4年生男子321名, 女子290名に対し, 春. 61 1%), ア パ ー ト, 寮, 下 宿 %), 女 子 は140名( ‐. 季健 康診断実施時にアンケート調査を行い, その. 40 1%) とい っ た一 人暮 ら しの 者 は, 男 子 は112名( , .. 83 1 場で回収した. なお, 有効回答者数は508名( ‐. 女子は89名( 38 9%)であっ た. ‐. %)で あ っ た.. 2. 調査内容 主な調査内容は, ①現在の健康状態に対する評. 価, ②健康観(自由記述) , ③健康行動(飲酒, 喫 煙, 朝食摂取状況, 間食頻度摂取状況, 睡眠時間,. 起床・就寝時刻の規則性, 定期的運動, 健康診断 の受診状況, 適正体重維持, 健康情報の収集行動) , ④ストレス徴候である. なお, 今回は, 主に健康 観, 健康行動の実施状況について報告する. 3. 分析方法 健康行動については, 男女別に実施率を求めた.. 74. 表2 住 居 形 態 自 宅. アパート. 寮. 人数(%) 下宿(間借り). 1 ) ) 64( 22 ) 39( 4 0 27 9 ) 167( 59 9 9 男子(N= . . .. 2 ) 9(3 .. 2 ) 1 ) 37( 16 20 229 ) 140( 61 1 ) 46( 女子(N= ‐ . .. 6(2 6 ) .. 15 0 ) 60 4 ) 11 0( 21 7 ) 76( 住居別合計 308( . . .. ) 1 5(2 9 ..
(4) . 大学生のライフスタイルに関する研究. 6 体 育 系 ク ラ ブ に所 属 して いる 者 は, 男 子 は65 ‐. 例えば, 健康を「大切なこと」 , 「かけがえのない もの」 , 「重要」などが挙げられる. 『生きがい観』. 1%で あ り, 男 子 に所 属 者 が 多 か っ %, 女 子 は41 ‐. の視点から述べている者は, 男子は1 2 9%, 女子 ‐. た.. は17 5%で あ っ た. ‐. 閏 クラブ活動の所属. 2. 現在の健康状態に対する評価 現在の健康状態について, 「非常に健康」と回答. { ) プロセ ス観 5 健康を獲得するためには日々の生活をしっ かり. した 者 は, 男 子 で は27 6%, 女 子 で は20 5%, 「一 . ‐. 送るといっ た過程的, 継続的な表現をしているも. 0%, 女 子 応 健 康」と 回 答 した 者 は, 男 子 で は53 ‐ は53 3% で あ っ た. ‐. のである. 例え ば「健康は努力すれば得られるも の」 , 「維持できるようで維持できない難しいもの. 3. 健康観の分類 「あなたにとっ て健康とはどのようなことです. で, 1日1日の生活を規則正しく送る」などが挙 げられる. 『プロセ ス観』 の視点から述 べている. か」の質問に対し, 自由記述で回答してもらい, 健康観について検討した結果, 以下の5つに分類. 2%, 女 子 は3 者 は, 男 子 は2 5%で あ っ た. . ‐. した.. ( 1 ) 状態観. 以上, 5つの健康観について男女別で見たとこ ろ, 各々において性別による差 は認められなかっ た.. 身体的, 精神的な状態や実感を表現しているも の, 健康でない条件を否定しているものである. 例えば「体が丈夫で精神的にも安定している」 , 「病気や怪我をしていないこと」 , 「体の だるさを 感 じない」 」心 , 「体 の調 子 に悪 い と ころ が ない」 ,「. 配事がなく楽しく過 ごせる」な どが挙げられる. 『状態観』 の視点から健康観を述 べている者は,. 表3 状態観. 健康観の分類 対策観. 人数(%). 資源観 生きがい観 プロセス観. 27 9 ) 14 0( 50 2 ) 57( 20 4 ) 40( 1 4 3 ) 36( 12 9 ) 6(2 2 ) 男 子(N; . . . . . 女 子(N= 2 2 9 7( 3 7 9 2 2 3 1 8 8 0( 17 5 5 ) 8 ) 51( ) 43( ) 4 ) 8(3 ) . . . . . 08 )2 27( 44 7 ) 108( 21 ) 83( 1 ) 7 14 ) 14(2 ) 合 計(N;5 3 6 3 6( 9 8 . . . . .. 2%, 女 子 は37 男 子 は50 9% で あ っ た. ‐ ‐. ( ) 対策観 2 健康のためにどのようなことをしたらよいかに. 4. 健康行動の実施状況. { ) 噌好行動 1. ついて述 べているものである. 例えば「食事を3. ①. 食摂り, 適度な運動を行う」 , 「太らないように運 動し, 規則正しい生活を送る」 , 「喫煙をせず, 運. 適量飲酒について, 「酒を飲 む時は適量を考え. 動, 食事のバランス と規則正しい生活をする」な どが挙げられる. 『対策観』 の視点から述 べてい る 者 は, 男 子 は20 4%, 女 子 は22 3%で あ っ た. ‐ .. ( } 資源観 3 健康自体が目的ではなく, 他の目的を遂行する ために健康が必要であることを述べているもので. 飲酒行動. て飲む」と回答した者は, 男子は84 9%, 女子は ‐ 88 6% で あり, 男 女 と も 高 率 で あ っ た. .. ②. 喫煙行動. 喫煙の有無について, 男子では喫煙する者は 19 4%, 女 子 で は5 2% で あ っ た. ‐ ‐. { ) 食事摂取状況 2 ① 朝食摂取状況. ある. 例え ば「運動が満足にできること」 , 「明る く楽しく生きていくための基盤」などが挙げられ. る 者 は51 0%, 女 子 は61 2% で あ っ た. ま た, 朝 ‐ ‐. る. 『資源観』 の視点から述べている者は, 男子. 食摂取を住居別にみてみると, 自宅通学者は男子. は14 3%, 女 子 は18 8%で あ っ た. . ‐. で は68 0%, 女 子 は67 5% の 者 が朝 食 を 摂 っ て い . ‐. 偲 ) 生きがい観. る一方で, 一人暮らしの者は男子が29 1%, 女子 ‐. 健康に対して価値的表現をしているものである.. 朝食摂取について, 男子は朝食を毎日食べてい. は45 4% で あ っ た. -. 75.
(5) . 前上里. ②. 直・越山. 賢一. 間食摂取状況. 考. 間食摂取について, 週2~3 日以 下の者は, 男. 大学生の健康観及び健康行動の実施状況につい. 子 は24 3%, 女 子 は11 8% で あ っ た. . ‐. ( 3 ) 休養 ①. 察. て検討した.. 対象者の概要は, 性別割合はわずかに男子が多. 睡眠時間. 睡眠時間について, 平均7~8時間と回答した 8% で あ っ た. 一 者 は, 男 子 は27 1%, 女 子 は24 . ‐. 0 2%, 方, 睡眠時間が6時間以下の者は男子では7 . 女 子 は71 1% で あ っ た. ‐. ② 起床・就寝時刻の規則性 起床・就寝時刻がほぼ決まっ ていると回答した. かったものの男女とも大きな差はなく, また, 1 ~4年生までの学年割合についてもほぼ同様であっ たため, 性, 学年による偏りはほとんどないと考 えられた. 住居形態は, 男女とも約6割が自宅通 学者, 約4割が「人暮らしであった. また, 体育 系クラブ活動の所属者は男子が6割強, 女子が約 4割であり, 男子の方がクラブ活動所属者が多かっ. 者 は, 男 子 は58 6%, 女 子 は63 1% で あ っ た. ‐ ‐. ( 4 ) 定期的運動. た.. 週1日以上定期的に運動している者は, 男子で は68 2%, 女 子 で は36 8% で あ っ た. ‐ .. { ) 適正体重の維持 5 定期的に体重を測定し, 適正体重の維持をはかっ. 健康状態は, 男女とも約8割の者が健康である と評価し, 現在の健康状態が良いと評価している )の大学生を対象 者が多いことが窺えた. 秋野ら1 とした調査によると, 健康状態について「非常に. ている 者は, 男子で は484%, 女子 は59 8%であ っ ‐. 健康」および「健康な方である」と回答した者は,. た.. 9% で あ り, 秋 野 ら の 報 7%, 女 子 は84 男 子 は77 ‐ .. ( ) 予防行動 6. 告とほぼ同様の結果であった.. ① 健康診断の受診状況 健康診断の受診について, 毎年受診している者. 健康観について, 大学生は健康に対して「状態 観」 , 「プロ , 「対策観」 , 「資源観」 , 「生きがい観」 セ ス観」の5つの視点 から捉えていることが窺え. は男 子 で は58 5% であ っ た. 8%, 女 子 は65 . .. ② 健康情報収集行動 「テレビや雑誌などで健康に関する情報がある と見るか」という設問に対して, 「よく見る」と回. た. 中でも「状態観」は男子で約半数, 女子も約4 割を占めていたことから, 大学生の健康観の大き. 3%で あ っ 答 した 者 は, 男 子で は16 1%, 女子 は18 . .. な視点の1つとして, 健康を身体面, 精神面, 社 会面の状態あるいは病気であることを否定するな. た.. ど, ある側面の状態に視点をあてて健康を捉えて 1 )は こ れま で 論 じら い る こ と が窺 えた. 園 田 ら1 , 表4. 健康行動の実施状況 男. % 子. 女子. (N=279 ) (N= 229 ) 1. 酒を飲むときは適量を考えて飲む 2‐ 喫煙している. 84 9 . 19 4 .. 2 5 .. 3. 朝食を毎日食べる 4. 間食は週2~3日以下である. O 51 -. 61 2 -. 88 6 .. れてきた健康観の代表的なものとして, ①健康と は病気がないことであり, 病気とは健康でないこ とであるという二元論的健康観, ②身体的にも精 神的にも社会的にも完全に良好な状態であるとい う完全主義的健康観, ③病気を健康の欠如ないし 低次の健康とし, 病気からより質の高い健康まで. 24 3 .. 11 8 .. 5. 睡眠時間を7~8時間とっている 6. 起床・就寝時刻が決まっている. 27 1 .. 24 8 .. 58 6 .. 63 1 .. 7. 週1回以上定期的に運動している 8. 定期的に体重を測定している. 68 2 .. 36 8 .. 48 4 .. 8 59 ‐. 気や障害といっ た, 一人一人に与えられた条件の. 9. 健康診断を毎年受診している 0 1 r報を収集している .雑誌・テレビ等で健康情. 58 8 ‐. 65 5 ‐. 中でより良好な状態を目指すといっ た循環的・個. 16 1 ‐. 18 3 .. 別的健康観, ⑤生命・生活・人生といった生き方そ. 76. を一元的・連続的に捉える健康観, ④健康から病 気, 病気から健康へのプロセスを重視したり, 病.
(6) . 大学生のライ フスタイルに関する研究. のものを自己統制していくプロセ スとして健康を. 宅通学者は親が食事の用意をする場合が多いのに. 捉え, 人間生活全体を包括的に見ていく全人的健. 対し, 一人暮らしでは自分で食事を用意しなけれ ばないため, 食事を容易に摂ることが困難である. 康観といった5つを挙げている. これらと本調査. で分類した健康観を比較すると, 二元論的健康観 および完全主義的健康観は「状態観」の視点を含ん でいるものであるといえる. また, 循環的・個別 的健康観は「プロセ ス観」の視点を, 全人的健康観. )1 のらは起床・ 3 からではないかと 考 えられる. 上 園1. 就寝と食事時刻について, 朝食欠食者は摂取者に 比較して睡眠覚醒リズムが著しく崩れていたと報 告している. このことから朝食の欠食は栄養摂取 だ けでなく生活リズムも崩すこと につながるため,. は「資源観」の視点を含んだ健康観であるといえる. 一方, 健康のためにはどのようなことをしたらよ. 特に一人暮らしの者は朝食摂取を留意する必要が. いかという視点から述べられている「対策観」 ,健. ある.. 康に対して, かけがえのないもの, 大切なこと, 重要といった健康 に対して価値的表現をしている. 7~8割以上と高率であっ た. 朝食欠食者が5~. 「生きがい観」は特徴的であるとい える.. 6割みられた現状から推測すると, 間食は欠食を. 次に健康行動の実施状況について, まず, 適量 飲酒は, 男女とも8割以上が酒を飲む時は適量を. 補うためにとっ ていることが考えられる. 間食摂. 考えて飲んでおり, 高率であった. 1 996年の大学 )によると 飲酒時に適量を 生を対象とした調査7 , 考 えて 飲 んで いる 者 は男 子 は57 1%, 女 子 は61 1% ‐ ‐. であったと報告されている. これに比較すると, 本対象者の飲酒行動においては自分にとっ て適量 を考えながら飲酒量に留意していることが窺えた. 喫煙率は男子約2割, 女子は1割以下であった. 5 )は教育大学学生を対象とした喫煙調査で 横田1 , 喫 煙率 は男 子51 8%, 女 子4 7% で あ っ た と 報告 し ‐ .. ているが, これと比較すると男子の喫煙率は大幅 に低く, 女子は若干高いもののほぼ同率であっ た.. 間食頻度は週2~3日以上食べる者は男女とも. 取は規則的な「食事の乱れ」や「病的な偏食」を助長 し, バランスのある栄養摂取を必要とする大学生. の発育発達に悪影響を及ぼしている可能性があ )ことが指摘されている また 過度の間食は る4 , . エネルギーの過剰摂取から肥満をはじめとした生 活習慣病のリスクを高めることにつながると考え られる. よって, 食事の欠食やエネルギー摂取量, 栄養バランスなどを考えた摂食行動が重要である. 睡眠時間は男女とも約7割の者が6時間以下で あり, 十分な睡眠時間をとっていないことが推察 )は された. 学生の睡 眠時間について, 田中ら惚 1978年 に調 査 し, 7~ 8 時 間 の者 が多 か っ た と 報. また, わが国の男女の喫煙率は男性53 1%, 女性 . )されており これと比較しても本 13 7%と報告6 ‐ ,. }の 調 査 で は 告 して い る. しか し, 1988年 の 古 田2 , )の1993年 6 ~ 7 時 間 の 者 が多 く, ま た, 松 岡 ら8. 対象者の喫煙率が低いことが窺えた. 食事摂食状況について, 朝食摂取は, 男子は約. の調査結果では, 6時間以下の者が男子は19 7%, ‐ 女子は1 6 8%であり, 学生の睡眠時間は減少傾向 .. 半数, 女子は約6割が毎日摂取していた. しかし, 住居別でみると, 自宅通学者は男女とも約7割が. にあることがわかる. これらと比較しても本対象 者は睡眠時間が短い者が多いことが窺える.. 摂取していたのに対し, 一人暮らしの者は男子が 約3割, 女子は4割強であっ たことから, 朝食の. また, 起床・就寝時刻が規則的である者は, 男 )は睡眠眠不足 女とも約6割程度であっ た. 飯島3. 摂取には住居形態がかかわっ ていることが推察さ )が大学1年生を対象に行っ た生活 れる. 松岡ら8 調査では, 朝食を毎日食 べる者は, 男子58 2%, ‐. や起床・就寝時刻の不規則な者は, 不定愁訴が多. 女 子80 2% で あ っ た と 報 告 して い る. こ れ と比 較 .. 起床・就寝は, 朝食摂取とともに生活リズムを整. すると本対象者は男女とも朝食摂取率が低く, と. える重要な要因である. 調査結果から, 本対象者 の休養面に対する問題が明らかとなった.. りわけ, 一人暮らしの者は摂取率が低かった. 自. かっ たことを報告している. 十分な睡眠は疲労回 復やストレスの軽減に寄与するとともに規則的な. 77.
(7) . 前上里. 直・越山. 賢一. 子では約7割, 女子では4割以下であった. 体育. た. 一般に年齢が高くなるにつれて健康への不安 が大きくなるが, 学生時期においては, 体力面を. 系部活動の所属 者をみると, 男子に多かったこと. はじめとした健康面に自信を持つ者が多いと考え. から, 男子で は定期的な運動は部活動で行っ てい ることが考えられる. 一方, 女子では部活動所属. られ, 日常的に現在以上の健 康情報は必要ないと 考えているのではないかと思われる.. 者も半数以下と少ないことから, 運動に接する機 0 )は週2回以上 会が少ないと推察される. 奥田ら1 運動している群は運動習慣のない群より心身の自. 以上より, 大学生の健康観について「状態観」 , 「対策観」 , 「プロセス , 「生きがい観」 , 「資源観」. )は継続的 覚症状の訴 え率が低かっ たこと, 森本9. 行動の実施状況から, 男女とも栄養面, 休養面に. に一定以上の運動スポーツを行っている者は、 精. ついて, 加えて女子は運動面における問題が明ら かとなっ た. また, 予防行動の実施率の低かっ た ことから, 健康に対する意識の低さが推察された.. 定期的な運動(週1日以上)をしている者は, 男. 神的に良好な状態であったことを報告しており, 1 1 精神面に及 ぼす影響が指摘されている. また,」 )は 身体活動・運動は虚血性心疾患, 高血 久保5 , 圧症, 肥満, 脳血管疾患, がん, 糖尿病といっ た. 観」と い っ た 5つ が 明 ら か と な っ た. ま た, 健 康. よって, 健康に望ましいライフスタイルの形成に. おいては, 朝食摂取や間食頻度など栄養摂取に留. 生活習慣病の予防になることを指摘している. こ れらのことから, 定期的な運動は生活習慣病を予. 意し, 睡眠や規則的な起床・就寝と定期的な運動 に留意するとともに早い時期からの健康意識を高. 防することにつながるだけでなく, ストレス軽減. める必要があると考 える.. に寄与し, 精神的な安定や積極的な心身の健康づ くりにおいて重要である. 特に女子は運動頻度が 少なかったことから, これを支援するためには,. 要. 約. 運動に積極的に関わろうとする意識を高めるア プ. 大学生を対象に健康的なライフスタイル形成づ. ローチとともに気軽に運動ができるような運動設. くりのための基礎資料を得るために, 健康観およ. 備の確保な ど環境面の整備などが望まれる. 適正体重の維持を行っている者は, 男子が約 4. び健康行動の実施状況について検討した. 学生の健康観は身体的, 精神的な状態や実感を. 割強, 女子は約6割であり, 女子に多かった. 女 子は自分のスタイルを気にしていることが推察さ. 表現していたり, 健康でない条件 を否定している 「状態観」 , 健康のためにどのようなことをしたら. れる. しかし, 先述したように女子では定期的に 運動している者が半数以下で, また, 間食を摂取. よいかについて述べている「対策観」 , 健康自体が. している者も多いことから, 適正体重を維持する よう留意していることは望ましいことで はあるが, 一方で欠食や栄養バランス を欠いた食事になって いないか危倶される. 健康診断の受診について, 毎年受診している者 は男子では約5割強, 女子は約6割強であった.. 目的ではなく, 他の目的を遂行するために健康が 必要であることを述 べ ている「資源観」 , 健康を 「大切なこと」や「重要なこと」など価値的表現 をし ている「生きがい観」 , 健康は努力すれば得られる といっ たプロセスに視点をあてた「プロセス観」の 5つ で あ っ た.. また,健康行動の実施状況から,健康に望ましい ライフスタイルの形成にあたっては, 栄養摂取お. また, 健康情報収集行動においては, 男女とも2 割以下であっ た. 健康診断は毎年実施され, 受診. よび睡眠の乱れや運動不足といった行動面に留意. するよう義務づ けられているにもかかわらず, 毎. するとともに予防意識を高めることが重要である.. 年受診している者は5~6割であり, また, 健康 情報収集行動の実施率からも学生自身, 自分の健 康管理に高い関心があるとはいえない結果であっ. 78.
(8) . 大学生のライフスタイルに関する研究. 参 考 文 献 ) 1 9 9 8 1) 秋野禎見・田中三栄子・石本詔男・鈴木一央・片岡繁雄( ライフスタイルと健康に関する研究一大学生の健康観, 生活 観と自覚症状について-‐ 北海道自動車短期大学研究紀要‐ 24 ‐29‐44. 2 2) 古田善伯( )岐阜大学教育学部研究報告(自然科学) 1 99 8 ‐1 . 43‐58. )ライフスタイルと健康評価一生 1 9 8 8 3) 飯島久美子・森本兼曇( 活習慣, 不定愁訴と精神的健康度との関連性-‐ 日本公術誌. 35 3-578 . 57. 4) 片岡繁雄・田中三栄子・秋野禎見・石本詔男・鈴木一央 ( )ライフスタイルと健康に関する研究一大学生の睡眠, 1 99 9 食事, 飲酒・喫煙, 運動習慣と自覚症状について-. 北海道 2 ) 1 ‐ 5 6 9( 教育大学紀要(自然科学編) ‐4 ‐4 ‐ 2 3 6 4 8 )運動習慣と健康. からだの科学‐2 5) 川久保 清( 20 0 2 ‐4 6) 国民衛生の動向( 20 0 )厚生統計協会 0 )大学生のライフスタイ 7) 前上里 直・大津一義・柳田美子( 1 9 9 8 ルとセルフエスティームとのかかわり‐ 順天堂大学スポーツ ‐ 4 6 4 健康科学紀要. 2 .5 8) 松岡敏夫・杉森弘幸・今井 -・川岸奥志男・篠田昭ノ 郎・ )大学生の生活と健康に関する研究‐ 岐阜大学 山本佳代( 1 9 93 1 ‐ 2 3 教養部研究報告. 2 7 8 9 ‐2 9) 森本兼最( )ライフスタイルと健康-1身体的健康度と精 1 9 87 ) ‐ 1( 2 3 5 1 4 3 神的健康度-. 公衆衛生‐ 5 ‐1 9 9 8 )学生の食習慣および 1 ) 奥田豊子・芳田恵美子・岡田真理子( 1 0 運動習慣と自覚症状との関連. 大阪教育大学紀要 第亘部門‐ ) 47( 1 8 ‐ 9‐1. 2 1 )健康観の転換-新しい健康理 1 1 ) 園田恭一・川田智恵子編( 00 論の展開-. 東京大学出版会. 1 9 7 9 )学生の保健管理に関する研究-健 ) 田中 賞・中井 幹( 1 2 ) 2 4 0 康診断-. 岐阜大学教育学部研究報告(自然科学) ‐6( ‐2 ‐265. 1 3 ) 上園慶子・川崎晃一・馬場園 明・藤野武彦・宇都宮弘子・ )九州大学生のライフスタイル調査‐ 2 0 0 1 成水質代・武谷峻一( 健康 科学. 23 .79-84. 20 0 0 )大学生のライフスタイ ) 上図慶子・川崎晃一・成水費代( 1 4 1 ) 5‐41 8 ルと生体リズム‐ CAM庫US HB川 TH.37( ‐ 41 ‐少年の喫煙について-第1報-教育系大学 ) 横田正義( )青 1 9 9 1 5 0. 学生における喫煙の実態‐ 北海道教育大学紀要(第2部C) ‐ 1 ) 41( . 21‐題. 79.
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