• 検索結果がありません。

木材加工教育の実践に関する研究(第20報) : 障害児教育における授業実践について(1)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "木材加工教育の実践に関する研究(第20報) : 障害児教育における授業実践について(1)"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 木材加工教育の実践に関する研究(第20報) : 障害児教育における授業実 践について(1). Author(s). 金田, 弘; 澤田, 義治. Citation. 北海道教育大学紀要. 自然科学編, 51(1): 49-62. Issue Date. 2000-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/536. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第51巻 第 1号. 2年 9 月 平 成1. I Sc ) Vo l l of 日o娘(a ido Uni i i i Jou ty of Educat on (Natura ences ー - na ver s , No ,51 .1. Septe l nber ,2000. 木材加工教育の実践に関する研究 (第2 0報) 障害児教育における授業実践について (1). 金田. 弘・浮田. 義 治*. 北海道教育大学函館校技術教室 *函館市立桐花中学校. Studies on the Pract ice of vvoodw0rking Educat ion (20) ▼ l ) Teaching Pract ice in Handicapped Pupi s C1 ass (1. 日i r omu KA}EDA and Yoshiharu SAWADA*. r血o l Tec ido Uni i i ty of Educat ogi caILaboratory e Campus vers on , Hakodat , Ho履くa 日 [ akodate 〇40-8567 *Hakodat I ロ ヒ ロor High Schoo e Tor出a Ju Hakodat ‐0811 e 040. Smnma r l y l ionalt t has been recognized that working study is ve Lportant in func t r raining in the edu‐ l y i・n ion of hand ls icapped pupi i ion of cat rst subject is select . 垣 woodwork as a working study, the f. ’ l l i ine Wi th the degree of the pupi ty woodwork in l s disabi . This t l box as woodwork ob ime ided to make smal l box pu- t was dec ject . 垣 making a smal ,i , ls are involvedin many processes of product ion,for example l ing, assembl ing,sand‐ ng, nai pi , bon面L ing and so on. ln L g, paint But pupi ls have many di f f ic山t ies in f i×ing and jomt ing wood pieces when makmg a smal l ,. box. To solve such di f f f ferent methods of making a smal icul i l box were tr ied. They were t es ,two di ゴ皿g of grooves in pieces to f ix and jointthem. the use of assistant tools and the mak Because of such assistance i ls to f ix and jointthe Pieces. or handicapped pupi , t became easy f. l for ion for the i l bo×‐ t gave them recogni Lg a smal t t in maki r remarkable ef n Fロr ther ls were i l box 無 l l ine Wi terested in making a smal 1nore, many pupi th the degree of r. l i i the ty. r di sabi From this point of view, i l wooden box was a sui t was considered that making a smal table ls oWing to the two methods of assistance. subject for handi capped pupi. (4 9).

(3) . 金田. 50. 弘・津田 義治. 1. は じめ に. 障害児教育と木材加工の結びつきは非常に強いものがありながら, その実態について は, 小学校, 中学校 で実践される木材加工に比べ, あまり知られていない. こんな状況を変えるために, その実態をこれまでい ) 2 ) ・ くつ かの 報告 に取り ま と めた1. 小学校, 中学校で実施されている木材加工教育に比べれば, 養護学校や障害児学級で実施されるそれは, 作業学習, 体験学習, 総合学習の一環として考えられることが多いことや規模が小さいこと等 が, 理解不足 の原 因 にな っ て いる.. しかし, 作業学習や体験学習として実施される木材加工は, 体力, 運動能力, 感覚, 知覚力等の獲得をは じめ, 責任感, 注意力, 持続力等の滴義に果たす役割の大きなことが, 高く評価されている. そのために作 業学習, 体験学習の中の木材加工の実施率は非常に高い. これは, 木材の入手や取り扱いの容易さ, 加工の しやすさ, 加工についてのバリエーションの豊富さ, 題材選択の幅の広さ, 障害の程度による作業・実習内 容の選択の幅の広さ等が作業学習や体験学習の実情によくマッチしているためであろう. 事実, 養護学校や障害児学習においては, さまざまな実践が試みられているが, 小学校, 中学校で実施さ れる木材加工とは異なって, 生徒の障害の程度により, 加工や作業の内容を検討することが肝要であり, 題 材に関しても, 補助具 (治具) の開発や部材を使いやすくするための調整等が求められることになる. 本報では, 中学校に設置された障害児学級における木材加工の実習 (授業実践) を通して, 開発された題 材の妥当性, 実習で使う補助具, 部材調整された材料の使い方とそれらの効果, 題材の製作工程, さらに生 徒達の取り組みの実情等について紹介する. 2. 障害児教育と木材加工の関わり 障害児教育において木材加工は, 作業学習や体験学習の一領域として実施されている. 作業学習 は, 養護 学校や障害児学級において, 教育課程の中に明確に位置づ けられており, 実際の生活場面でより現実度の高 い具体的な内容の学習が, 作業活動の中心として展開される. 作業内容については, 木材加工をはじめ紙工, 縫工, 手芸, 園芸等, さまざまなものを取り入れているが, 1項目を配慮するよう求められて その作業種目を選定するに当り, 学習指導要領 (養護学校編) では, 次の1 いる.. 1. 生徒にとって教育的価値が高い作業活動を含むもの. 2. 地域 性 に立脚 したも の‐ 3. 生 徒 の 実態 に応 じて段 階的 な指 導 がで き る も の で ある こと.. 4. 障害の実態が多様な生徒の取り組める作業内容が含まれていること. 5. 共 同 して 進 める 作 業活動 を含 んでいる こ と.. 6. 作業活動に参加する喜びや完成の成就感が味わえること. 7. 作業内容が安全で健康的であること. 8. 原 料, 材 料 が入 手 しや すく, 永続 性 の ある も の で ある こと.. 9‐ 作業量や作業形態, 実習期間などに配慮がなされていること. 10 . 生産 か ら消 費ま で の 流 れ が理解 しや す いも の で ある こ と‐ 11 . 製 品 の利用 価 値 が高 いも ので ある こ と.. これら1 1項目と木材加工との関連について考察する. (50).

(4) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). 51. ( ) 材料面から 1 木材は容易に入手できる材料である. 平面材料としても, 角材, 丸棒等の材料としても, 素材や合板, 集 成材をはじめとする各種木質材料が用意されている‐ 樹種も非常に豊富である. 素材では比重の範囲が広く, 木目や色の変化も大きい. 従って, 題材に合わせて材料を選択することが可能である. いずれの材料を選択しても, 加工は比較的容易であり, 感触は手にやさしく, 馴染みやすい. 木材や木質 材料は, 平面的な加工にも立体的な加工にも適しており, これらを利用 した題材は広範囲に考えることがで きる. どんな材料を使っても危険はなく, 生徒達が安心して作業に取り組めるのも, 木材の材料としての利 点 の 一 つ で ある‐. 材料を準備するに当たっても, 入手範囲が広い. 正規の購入ルート以外にも, 近所の木工場や建築現場か らでた廃材, 利用 しにくいとされる間伐材や低質材が, 立派な実習材料になる. ) 4 ) ’ 材料の種類の豊富さは, 題材の選択の幅の広さに結びつき, 実用的な題材を開発することができる3 臣 ) 作業面から 木材は他材料と比べると, 加工は比較的容易である. 鋸, かなづち等の手工具だけでもかなりの加工がで きる. 加工の内容は障害の程度に応じて, 工夫することが可能で, 鋸引き, 組み立て, 釘打ち, 接着, 研磨, 塗装等の作業は, 単純な内容から複雑な内容へと進展させることができ, これらの作業の組み合わせも多様 で ある‐. そして, この作業の多様さは興味, 関心の喚起につながり, 結果的に体力, 運動能力, 感覚, 知覚力等の 獲得をはじめ, 責任感, 注意力, 持続力を養うことができる. また治具と呼ばれる補助具を準備することで, 障害の程度が比較的重い生徒でも, 無理なく作業に取り組むことができる. 全般的にいえば, 木材加工は作業に大きな危険はなく, 手作業の訓練には適した学習といえる. また、 作業学習としての木材加工には製作的作業 (生徒一人一人が最初から最後までの全工程を自分の力 で行う作業形態) と生産的作業 (生徒一人一人が障害の程度に応じて, 各工程ごとに分担して作業を行う形 態) があり, 前者では, 作品を自分一人の手で完成させる喜びや楽しさを体験できるのに対して, 後者では, 自分に与えられた工程に責任をもって取り組み, 皆んなが力を合わせて一つの作品を完成させることで, 協 力性や協調性を養うことができる. 栂 ) 作品面から 心身に障害を持つため, 自分から進んであらゆる活動に参加することが制 限され, 受動的な生活を送らざ るを得ない生徒達にとって, 最も大切なことは, 自分も 「何か」 ができるという 「自信」 を獲得することで ある‐. 前述したように, 木材加工は材料にも加工法にも沢山のバリエーションがあり, 生徒の障害の程度によっ て, 作業内容や製作品にかなりの幅を持たせることができる. 簡単なものからやや複雑なもの, 平面の加工 と立体の加工, 実用性を持っ たもの, バ ザーや展示会等で売れるもの等, 題材や作品の選択性は非常に広い ものがある. これらの点がすべての生徒に, 作業に参加する可能性を与えてくれる. 時間をかけて段階的に 作業を進めれば, 木材加工の実習は, 技能の訓練にも, さらには根気や集中力の滴養にもつながるのである. 木に触れ, その温かな感触を楽しみ, 加工して作品に仕上げる工程は, 生徒達 に或る種の自信, 達成感, 物作りへの関心等いろいろな刺激を与えるに違いない.. (51).

(5) . 金田. 52. 弘・浮田 義治. 3. 障害児教育における木材加工の実践に関する現状調査 現状調査は, 養護学校, 障害児学級を対象に次の4校で実施した. 1. A校 (養護学校) 作業学習として, 中学部においては紙工, 園芸, 高等部においては, 木工, 陶芸, 縫工が実施されている‐ その目的は, 単に物を作ることのみにあるのではなく, 作ることを通して, いろいろな仕事を経験しながら 自立の精神や技能, 能力を養い, 社会参加できるようになることにある‐ 木材加工に取り組んでいる生徒達の障害の程度は, 比較的軽い‐ 題材として設定されているものは, 花台, 鉢置 き, フ オ トスタ ン ド, コ ース タ ー 等 で ある. そ の工 程 は, 生産 的 作 業 と いわ れる 分 業 シス テ ム を探 っ て. いる. 生徒達は研磨, 切削などの作業を分担して一つの作品に仕上げている. その際, 作業に取り組みやす いように, 補助具を用意しなければならない生徒もいる. しかし, 全体的には障害の程度は比較的軽度のた め, 予め訓練する必要はなく, 生徒達は研磨などの作業を実際に取り組みながら技術を習得していく. 教師は, 材料を丸鋸などで作業しやすい大きさに切断するなど部材を調整する役割を担うが, その他は生 徒達が自分で仕上げていく. 材料は業者から杉, 桧などを購入し, それで加工した作品を販売し, その売上 でまた材料を購入している‐ それらの材料は必ずしも有効に利用されているとはいえず, 端材は廃棄される ことが多いという. 端材を利用した題材も考えてみる必要がある. 木工室には丸鋸, 糸鋸, ベルトサンダー, ボール盤等の主な設備は十分に整っており, 作業学習を展開し やすい環境である‐ ただし, 丸鋸などの危険を伴う機械設備に関しては, 教師が扱っており, 生徒達は主に 糸鋸を使う作業に取り組んでいる. 作業をする生徒達の様子は, 生き生きとしていたのが印象的であった‐ これは教師が必ずその時間での目標を設定し, 生徒達が見通しをもって作業できるように配慮しているため で ある.. 2. B校 (養護学校) 作業学習としては, 木材加工, 窯業および軽石の加工が行われている. それらの目的は, 作業に取り組み ながら技術, 技能を習得し, 集中力の持続を高めることにある‐ しかし, そのような狭い目的に留まらず, 作業学習は生徒の将来を見据えたものでなければならないと, 担当者はいう. ここでも木材加工が主に取り 入れられている. その理由としては, 木材のもつ感触の良さが生徒に安らぎを与え, 加工も比較的容易であ ること等があげられている. 金属材料では, 加工の際に危険を伴ったり, それに加えて, 木材とは違い, 製 作過程で作品の変化が分かりにくく, 生徒が見通しをもって作業できない点が問題とされる. 題材としては, さまざまなものが取り入れられている. しかも, それらは教師が工夫し, 独自に開発した ものであり, その熱意には頭が下がった. 生徒が関心, 興味を持って作業に取り組めるように, 題材として は 「動くもの」 が多く取り入れられている. 障害の程度によっては, 糸鋸や卓上ボール盤を使って作業に取 り組むことのできる生徒もいるが, それはわずか数人であるという. 障害の程度が重くなれば, 研磨や貼り つけ等の役割を担う. どの生徒も最初は苦労するが, 作業に取り組みながら技術を習得していく. 生徒が進んで作業ができるように, 教師はさまざまな題材や補助具を開発している. 生徒の障害の程度に よっては, 補助具の使用は不可欠であるので, 今後, 生徒が興味, 関心をもって取り組める題材や, その際, 必要とされる補助具の開発がさらに望まれるところである.. (52).

(6) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). 53. 3. C校 (養護学校) 作業学習として木材加工, 裁縫, 紙工, 農業, 調理が実施されている. 中でも木材加工の実施率は高い. その理由は, 木材は加工を通しての変化が分かりやすい材料であること, 入手が容易であること, 加工が比 較的容易であること等が挙げられる. 生徒は見通しをもち次のステッ プへと進みやすく, 材料は業者から安 価に入手でき, 簡単な加工で作品ができるといった, 木材ならではの長所が評価されている. 題材としては, これまで一輪挿しや鍋敷, ハンガー等が考えられている. いずれも生活に根ざしたものが 選択されている. 自分の作ったものが生活の中に役立っていることが, 生徒達の喜びになっている. 4. D校 (障害児学級) 作業学習としては, 木材加工, 縫工, 農業, 調理が行われている. 中でも木材加工の実施率は, 他校同様 非常に高い. 題材にはキッ ト教材は使用 せず, 一枚の板から製作でき, 生活に根 ざしたものを選んでいる. その理由は, 生徒達が作ったものを使用することで達成感や成就感を得ることができるからである. また, キッ ト教材を使用せず一枚板から製作するのは, 切削, 研磨, 接合等の工程を自分で行うことによって, よ り実際的な経験ができるからである. そのため糸鋸の作業は, 障害の程度に関係なく, 全員が行うようにし ている. これは, 若干危険な作業でもそれを乗り越えて作業に取り組み, 技術を習得していくことに作業学 習 の意 義 がある との考 え方 に因 っ て いる.. 木材のもつ温かさが, 生徒達の心を安定させてくれるとの先生方の評価も忘れてはならない. 4. 木材加工の題材開発 この項では題材開発の視点, 開発された題材およびそれらの評価について考察する. ( 1 ) 題材開発の視点 作業学習としての題材開発にあたって, 次の3点について検討した. ① 生徒の障害の程度によって題材や加工方法が選択できること. 障害の程度にはある程度の幅があるため, 同じ題材でもすべての生徒が同じ加工方法で作業に取り組むこ とは難しい. そのため, それぞれの生徒の能力に適した加工方法で作業に取り組める題材が望ましい. 例えば, 電動糸鋸やベルトサンダー等の電動具を扱うことのできる生徒には, 積極的にそれらを作業の中 に取り入れ, 手工具の作業が中心になる生徒には, 必要ならば補助具を使って作業が円滑に行えるように, 加工方法にある程度の選択肢を設けることが必要である. ②. 障害の程度が比較的重い生徒や作業に困難が伴う生徒に対しては, 補助具を開発することによって無 理なく作業に取. り組むことができるようにすること.. 障害を持った生徒が鋸引きや組み立て等の作業に取り組む際には, 非常に大きな困難を伴うことがしばし ば見受けられる‐ 作業をできる限り進め, 作業実習の実を少しでも上げるためには, 何らかの手立てを講じ る必要があり, 今回採用したのが作業を円滑に進め, 作業性を少しでも高めるための補助具の開発である. 補助具の作製にあたっては, 次の点に留意しなければならない. a) 生徒の手, 指や両手の動かし方, 視線, 材料や道具等と身体の位置関係を観察し, 生徒の実態を把握 する こ と.. b) 補助具を使って行う作業が生徒に分かりやすく, 補助具は生徒にとって使い易いものであること. c) 補助具を使用することで作業により一層集中させ, 作業への意欲を喚起するものであること. (53).

(7) . . 金田. 54. 弘・浮田. 義治. また, 補助具を使用する際には, 一つの補助具が誰にでも, どの題材にも合うとは限らないので, その補 助具の使用が適当であるかどうか, 絶えずチェックすることが必要である. こ の よう に補助 具 を工 夫する こ と によ っ て, 今ま で で き な か っ た こ とが でき る よう になり, どの生 徒も 作. 業に参加し, 物を作りあげる喜びを体験することが可能となる. 写真1, 2は鋸引き用の補助具である. 一. -. 一. - …. -. 写真1. 鋸引き用補助具. 写真2. 補助具を使っての鋸引き. 補助具の開発と同時に, さらには部材を加工しやすく調整することにより作業性を高めること. 障害の程度によっては, 補助具のみでは作業が進まないケースも生じる. 例えば, 題材に小箱の製作を取. ③. り上げた場合, 補助具の使用は構造物の固定には非常に有効ではあるが, 作業を円滑に進めるためには, な お一層の手助けが必要である. それが部材の調整である. 小箱の製作では, 部材を補助具で固定した後に, 釘打ちや接着によって部材同士を強力に固定しなけれ ばならない. 釘打ちや接着が容易に行える生徒には, 部材の調整は必要ないが, これらの作業が難しい生徒には, 部材 に丸鋸盤やルーターで予め溝をつけておいて, ここに他の部材を差し込んで構造物 を固定させることを考え なけれ ばならない. 障害の重い生徒には, 補助具の使用と部材の調整の両方を取り入れることによって, はじめて作業が進む のである. 釘打ちや接着の難しい生徒が, 調整された部材をつかみ, 差し込み, 補助具の助けによって小箱 を組み立てることが可能となった.. 塑 ) 題材の開発 題材開発の際に留意すべき点について検討した結果を踏ま え, 作業学習における木材加工の題材を開発し た. 開発された題材は, 箱物, 鉛筆立て, 小箱, 状差し, 本立て等である. これらの中から小箱と状差しについて説明する. A. 小箱 ①. 材 料 : ラワ ン合 板 (厚 さ5 5mmお よ び12皿) .. ②. 寸法 : 縦9omm , 横135皿, 高 さ75mm (写 真 3). ③. ) 1 )(厚 さ12mm 部 材 :側 板( , 寸法135mm×75mm ) 2 )(厚 さ5 側 板( 5mm . , 寸法50皿 ×70mm ) 5mm 天 板, 底 板 (厚 さ5 . , 寸法135mm×70mm. 2 )および天板, 底板を差し込むための溝をつけた (写真4) )に側板( 1 側板( . ④ 補助具:構造物を安定した状態で組立てることができるように写真5に示すものを使用した. ⑤. 1 )の溝に接着剤を塗布する. ただし, 蓋が開閉する溝について は塗布しないように 製作:③ 側板( (54).

(8) . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). 55. 留意する. 1 )を補助具の内側に写真6のようにあてる. このとき底板を差し込む溝が下にくるよ ⑩ 側板( うに留意する. 1 )に底板をはめ込む (写真7) ◎ 側板( . 2 )を差し込む (写真8) ④ 側板( 1 )の溝に側板( . ◎. 内部にフェルトを貼る (写真9) .. ⑦. 箱の外側を塗装する. 塗料は, 有色のアクリル樹脂系 (水溶性) を用いる.. ⑥. 蓋 に15mm径 の丸 棒 で取 っ 手 をつ ける.. . . .二 . ^ ~; 輔 ” 1. - …. ., ・. 1 1 ■. 写真3. 写真5. 小箱(塗装前). 写真4. 小箱 製 作用 の補助 具. 写真6. 小箱を製作するための部材. 側 板 1 を補助 具 の 内側 へ セ ッ トする. A .. 写真7. 補助具にセ ッ トされた側板1に底板を はめこむ. 写真8. (55). 補助具にセ ッ トされた側板1の溝に側 板2を差し込む.

(9) . 金田. 56. 弘・津田 義治. ト 1 4. . れ JI. 写真9 小箱の内部にフェルトを貼る B. 状差し ①. ) 材 料 : ラ ワ ン合板 (厚さ55mmお よび12mm. ②. 寸 法 : 縦270mm ) , 横150皿, 奥行65mm (写 真10. ③. ) 部 材 :背 板 (厚さ5 5皿, 寸法270皿 ×150mm .. 面板 (厚さ5.5mm, 寸法120mm×150mm) 側 板 (厚 さ12mm , 寸法120皿 ×50皿) ) 底 板 (厚 さ5 5mm . , 寸法140mm×50mm. ) 1 側板に底板を差し込むための溝をつけた (写真1 . ④. 2のよう 1 )は背板と側板とを接着する際にずれないようにするためのもので, 写真1 補助具:補助具( 1 ) 2 )は側板と底板とを接合する際に使用するもので, 補助具( にこの中で組立てる. 補助具( 3 )は背板に壁掛け用の穴をあげる位置や背板の角をとる位置を と同時に使用する. 補助具( 分 かり や すく する た め のも ので ある.. ⑤. 製作:③ 側板の溝に接着剤を塗布する. ) ⑧ 側板の溝に底板を差し込む (写真1 3 . ◎ 背板に補助具を敷き, 角取りや穴あげの位置を決める. ⑪ 卓上ボール盤で穴をあげる. ◎. ベルトサンダーで角を落とす.. ) ⑦ 背板を補助具( 1 )に差し込む (写真1 4 . ⑧. )で側板を平行に保つ(写 1 側板に接着剤を塗布した後, 背板に接着する.このとき補助具( ). 真15. ) 6 ⑪ 側板に接着剤を塗布した後, 面板を被せる (写真1 . ①. 1 )の高さと完成品の高さが同じであるため, 面板がずれ 面板に釘を打つ場合は, 補助具( ). る こ と がな い. (写 真17. 写真11. 写 真10 状差 し. (56). 状 差 し を製作 する た めの部 材.

(10) . . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). 57. . で 】 ′. . 三一. . 、. \. ÷. , 稽励具2. 補助具1. 撞財卿 -. 写真12 状差し製作用の補助 具. 写真13 側板の溝に底板を差し込む. 写真14 背板を補助具に差し込む. 写真15 側板に接着剤を塗布した後、 背板に接 着 する。 この とき 補助 具2 で側 板 を平. -. 「. ー ご ー ざご き. 行に保つ。. ー 1. -『も. -. .. 一群 宅ぎ. 」. 写真16 側板に接着剤を塗布した後、 面板をか. 写真17 面板に釘を打つ. ぶ せる. ( 3 ) 開発題材についての考察 開発された題材には, 補助具を用意した. 生徒達の作業性 を少しでも高めるため には どうしても補助 具 , の助けを借りることが必要であると判断したからである. 簡単な作業と見なされる加工ではあっても 障害 , を持っ た生徒 には, 困難であることがしばしば認められる. 今回開発された題材の作業過程においても 側 , 板の接合や部材の組立のそれぞれの段階で, さまざまな困難が伴うと予想された それらの困難を除き 作 . , 業に集中させるため には簡単な補助具ではあっても, それを使うことによって作業が容易になると考えられ た. この点は, 実際の製作の場で確認する. 部材の調整は, 二つの題材に取り入れられた. 年々障害の程度が重度化しているという現状では 生徒が , 取り組むことのできる作業内容が制限されてしまう. その結果, 一つの作品を一人で完成させることが難し (57).

(11) . 金田. 58. -. ・・ 義治 弘・程田 旧. くなって, 一人が作業過程の一部を分担することで実習が終わることもある. これでは残念ながら作業の達 成感は得られない. そこで部材に予め溝を付け, そこに他の部材を差し込んで構造物を作りあげる方法を採 用した. こうすれば, これまで作業に十分に参加できなかった生徒も, 補助具と部材調整の助けを借りて, 無理なく作業に取り組むことが可能になるのではないかと期待を持った. この点の確認も実際の製作の場で 行うこととする. 5. 開発題材を導入 した授業実践 4で説明した開発題材のうち小箱を取り上げ, 作業学習としての題材の適否, および補助具や部材調整の 効果等を調べるために, 函館市立凌雲中学校の障害児学級で授業を試みた. 題材選択の理由, 障害児学級の構成, 授業計画, 作業工程, 補助具等については次の通りである. ( 1 ) 題材選択の理由 この題材 を選択 した 理 由 は, 次 の 通り で ある.. 補助具によって部材を固定し, さらに部材に溝を付けることによりはめ込み式で作業をすることがで. ①. き, 製作に安定感が生じ, 比較的失敗がない. ② 溝にはめ込みながら組立てる作業の他に, 鋸引き, 接着, 研磨, 塗装等の製作過程があり, 豊富な作 業を体験することができる. 作品は日常生活の中で利用 されるものであり, 自分で使うものを製作する中で達成感を味わうことが. ③. で きる. こ の学級 の 作業 学習 の 目標 は, “- 人 で作 る” こ とで ある. この た め授 業実 践 にあ た っ て は, 予 め部材 の. 調整を行い, また製作過程で使う補助具を人数分用意することで, 一人で取り組める環境を整えた. さらに 達成感や成就感を得さ せるために, 一人が二回製作できるように材料を準備 した. 実習を二回繰り返すこと によって, 生徒達の理解が深まることを期待 したためである. ( ) 障害児学級の構成 2 2人である. 授業には函館校技術教 実習は1, 2年生合同で行い, 生徒数は1年生4人, 2年生8人の計1 室の木材加工専攻生浮田 (現, 函館市立桐花中学校教諭) が受持ち, 常時2~3人の専攻生が補助のため参 加した‐ なお, 1~2年生担任の4人の先生方も毎時間授業に参加された. 生徒達の障害は, 知的障害, 情 緒 障害, 自 閉症, ダウ ン症, て ん か ん等 で ある.. ) 授業計画 倦 授業は5日に亘り行われた. 1日の授業時間は2時間 (1時間:50分授業) である. 授業計画は表1に示 す通りである. に ) 作業工程 作業工程は次の通りである. 側板の溝に底板と他の側板をはめ込む練習をする. ② 溝に接着剤を塗布する‐. ①. 補助具を使い, 溝に他の部材を差し込みながら組み立てていく‐ ④ 補助具を使い, テープ (単板) を貼る側板の木口面に接着剤を塗布する.. ③. (58).

(12) . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). ⑤. テ ー プ を貼 る.. ⑥. テー プの上に接着が完了するまで. 表1 授業計画 作. 重りをのせる. ⑦ 補助具を使い, 丸棒を切断して取っ 補助具を使い, 取っ手を研磨する.. ⑨. テー プを中心に全体をサン ドペー. 項. 目. ・組み立て. 子 ども の作 業活動. 準備 する 補助員. ・ 実際はめ込む練習 を. ・組み立ての用. する。 ・部材の溝 に接着剤 を. ・接着剤 を塗布す. ⑲. ・側板の側面. フ ェ ル トを切 っ て 内 部 に貼 る.. ・組み立てた箱の側 板. にテ ー プ を. 側面に接着剤を塗布. ⑪. 刷毛 を使っ て水性塗料 (青色) を. 貼る 日. 6 ) 補助具について. ①. 組 み 立 て用 補助 具 (写 真 5). 目. これは組立てる際の 構造物の不安定さ を解 消 し, 生 徒 達 の 作 業 をス ム ー ズ にす. ・取っ手の 切断 ・取っ手の. 目. 補助 具 は次 の 5 種類 を用 意 した.. 研磨 ・取 .取っ手の 取り付け ・全体の研磨. 一. 当 初 は 板 切 れ で こ の 作 業 を 行 っ た が,. 日. に 塗 る こ と が で き た.. 接 着剤 塗布用 補助 具. めに接着剤を塗布する際, 使用するもの ④. 丸 棒切 断用 補 助 具. こ れ は 丸 棒 を 取 っ 手 の 長 さ に切 断 す る. しテープを貼る。 ・ ラ ミ ン 棒 を 切 断 し、. ・ラミ ン棒切 断用. 補助具. 取っ手にする。 ・紙やすりで取 っ 手を 研磨する。 .ふたの真 ん中に取 っ ・ふたの真 手を取り付ける。 ・側板 に貼 っ た テー プ .側板. ・研磨用補助具 .研磨用補助. 貼り. ・ はさ み を使 いフ ェ ル トを切る 卜を切る。 ・箱の中 に接着剤 を塗. ・ 塗装 ・塗装. ・ 全 体 を塗 装 す る。 ・全体を塗装する. ・ふた の 開 閉. . ふ た が開閉する が 開 閉 す る かを かを ・ふた. の確認. ・接着剤 を塗布す. トを貼 布 し、 フ ェ ル トを貼 る。. る棒. 確認する。. 立て ・ 組 み立て ・組. (2回目). ・. 目. 五 日 目. で あ る.. 日 目. これ は側 板 の木 口 面 にテ ー プを貼 る た. 四 日. ③. 切り. 目. 四. きさがほぼ同じであっ たため にスムーズ. 目. 綿 棒 を使 っ て み た と こ ろ, 綿 棒 と 溝 の 大. ・ フ ェルト ルト .フ. .フェルト ルト. こ れ で は う ま く 塗 れ な か っ た り, 量 の 調 整 が 難 しい と い う 問 題 が 生 じ た. そ こで. 補助具. く。 日. 溝 に接 着 剤 を塗布 する た め の綿 棒. ・接着剤塗布用. を 中 心 に全体 を中心 に 全 体 をみが をみが. る た め の も の で あ る.. ②. る棒. て組み立てる。. パーで研磨する.. 塗る.. 補助具. 塗布 し補助 具を使 っ. 目. ⑧. 業. 日. 手 に使 う.. 59. 五. 日 目. ・側板の側面 にテ ー プを 貼る。. ため の補助具である. 丸棒は溝にさし込 み, 丸棒を押さえるための両側の部材に切り込んだ鋸の引き溝に, 鋸を固定して切断する (写真1 ) 8 . ⑤ 研磨用補助具 これは側板の小口面に貼ったテー プの面取りと全体の研磨をするためのものである サンドペーパーを木 . 片に巻いて, 面取りは窪みをつけた面を使い, 全体の研磨は反対の平らな面を使う . 修 ) 授業について 5 日に亘る授業で1 2人の生徒全員が. 9~23 ) , 小箱を完成することができた (写真1 . 試行錯誤も多々あっ たが, 補助具と部材調整の導入によって, 当初は若干難しいかと予想された箱ものの製作が可能になった . 授業終了後, 本授業について授業者と担当の先生方との検討会を持った. 授業者の感想や先生方の意見を (59).

(13) . 金田. 60. 弘・津田 義治. 要約すれば, 次の通りである. ① 作業を始める前には, その内容を目で見て理解する ためのカー ドや絵を提示した. 生徒達はこれらを 見て, 何をするのかを先ず理解したようである. 見通しを持って飽きずに作業に取り組むためには, こ の準備は大事なことであることを痛感した. ② 題材に選択した小箱は, 授業時数, 作業工程, 加工の難易度等から判断して, 適切な題材であった‐ すべての生徒が時間内に作品を完成させることができたのは, これまで述べてきたように, 補助具の使 用と部材の調整に負うところが大きく, これらの導入は非常に有効であっ た. とくに, 障害の重い生徒には, この両者を取り入れることによって, 作業が遅滞することなく進行し た.. ③ 箱物のように一種の構造物を組み立てる作業では, 部材の接合時に安定性が求められる. その上に, 釘打ちや接着を正確に行わなけれ ばならない. これらの作業は生徒達にはかなり難しく, 正確さはなか な か求 める こと がで き な い. 従 っ て, こ れま で は箱 も の の製 作 は困難 で あ っ た が, 補助 具 の使用 と部材 の調整 によ っ て, ど の生 徒 にも 製 作 の 難 しさ が解消 さ れ た の は, 大 き な発 見で あり, 収穫 で あ っ た.. ④. これまでの作業では, すぐに飽きてしまう生徒が最後まで取り組めたこと, 分からないことがあれば, じっと手を休めている生徒がそのような姿勢を見せなかっ たこと, 面倒なことはしたがらずに, すぐに. そこから抜けたがる生徒が終始作業に取り組めたこと等, 従来の作業とは異なった雰囲気が認められた. ⑤ 補助具の使用, 部材の調整によって, 小箱の製作はかなり円滑に進み, 全員が完成に漕ぎ着けたが, これには授業者を補助する複数の要員に負うところが大きい. この存在なしには, このような実習は成 り 立ち 難 い こと を痛 感 した.. 実習が終わり担当の先生方から概ね厚意的な評価を戴き, 安堵する気持ちの一方で, 障害児学級の作業学 習, 体験学習, 総合学習として取り入れられる木材加 工の実習に, これまで経験の少ないわれわれの開発題 材 が果 た して うま く 適 合 する の か否 か, とい っ た懸念 が少 しずつ 消 えていく よう な 気 が して いる‐. 補助具や部材調整の手段を講じたとはいえ, さまざまな障害を持った生徒達が, 決められた実習時間の中 で, 箱ものを製作することができるのか, 実習を始める前は正直大変不安であった. “この題材ならば 実習は多分成立するでしょう” といわれた担当の先生方の厚意的な励ましだけが, 未 , 経験なわれわれの支えであったのである. 実際に実習に入ってみると, 思わぬ失敗が生じたり, 生徒の作業のス ピー ドが違っていたり, また技能的 な相違を実感させられたり, はじめの数時間は祈るような気持にさせられたことも事実であった. 担当の先 生方や補助メンバーの助けがあって, 作業の途中から補助具や部材調整の効果が大きく現われ, また生徒達 の製作意欲にも助けられて, 所定の実習時間内に全員が完成に漕ぎ着けられたことは, 授業者として多大な 喜びを感じている. 健常児学級の実習に比べれば, 実習前の準備がいろいろと必要であることを再認識させられたが, この点 を十分に配慮すれば, 例え失敗はあっても, 障害児学級における木材加工の実習はかなりの範囲で実践可能 で はな い か と の感 を深く して いる.. 生徒達に作業の見通しや, 目的意識を持たせることは作業までの段階で必要なことであり, 実習中は決し て先を急がないこと, 試行錯誤を恐れないこと, 補助の仕方についても生徒それぞれに見合った方法を考え ること等, 本実習から得られた体験は非常に大きい.. (60).

(14) . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第20報). 61. . L - ~a FA 一ゴー. ご山 一. ,. . キ 参議縛さ. 写真18 丸棒切断用補助具. 1 、. 1 写真19 作業風景( ) (側板1に側板2を差し 込む). ー 訟三 一 『 すぎでも 、. ず ,. キー 〆. も. , ノー「. .. - ト、. r ご ー 」 ト - - ム. デメ . 写真20 作業風景( 2 ) (側板の木口面にテー プ. r , ′ ニラr二三二 r - 、 . ・▲ ・. ‐ - -. ′. . . ー. . 写真2 1 作業風景( ) (小箱の内部にフ ェ ルト 3 を貼る). を貼るため接着剤を塗布する). ー . ニ. . . 議. , ‐. ー. ‐:- - ; - - -. . ‘三 趣き響き 者誓禦ぎ ; . i 雷撃鱗乾き.ミニ ー .. 一三雲 夏 謙譲 裏許さ. “ ‐きざ, キ ー 選 漉き. 写真22 完成した小箱( 1 ). 写真23 完成した小箱( 2 ). 6. おわりに 最近, 出向いた養護学校で生徒達の障害の程度が徐々に重度化していること, さらに重複 した障害を持つ 生徒が存在すること等について知ること になった. 従って, これまで実践されてきた作業学習や体験学習の 題材では, 実習を円滑に進めることは難しく, 障害の程度によって作業の達成度に差異が生じ, その結果 , 作品の完成度に大きく影響することが問題になってきた. とくに作業に正確度が求められる実習では, この点が実施の困難さを生み, 何らかの手立てを講じる必要 がある.. (61).

(15) . 金田. 62. “口 枇 ぎ 義治 弘・浮田. 今回, 木材加工の実習題材に小箱の製作を取り上げ, 製作をできる限り円滑に進めるための手段として, 補助具の使用と部材の調整を採用した. 箱物の製作では, 一般に接合は釘打ちや接着によって簡単に行われる. 障害の比較的軽度な生徒には, 容 易なこれらの作業も, 障害の重い生徒にはかなり難しい. しかし, この両者を取り入れて実際に授業をしてみると, これらの効果は非常に大きく, 完成までの時間 に相違はあったものの, 全員が飽きることなく最後まで作業に取り組み, 完成まで漕ぎ着けることができた‐ 授業に参加された障害児学級の先生方の本授業に対する評価も概ね高く, これらの工夫が箱物の製作には, 必要であるとの感を深くした. 今まで難しいと考えられてきた題材が, 指導側の創意工夫によって, 導入で きることを知り得た授業体験は, 非常に有意義であった. 今後, 題材の開発に伴う補助具の作製, 部材の調整, それらの導入の効果等, さらに検討を進めたいと考 え て いる.. 最後に, 貴重な御教示を下さり, その上に授業実践の機会を与えて下さった函館市立凌雲中学校, 斉藤正 宏校長 (現, 函館市立湯川中学校校長) , 近藤 貢教頭 (現, 山越郡長万部町立長万部中学校校長) をはじ め障害児学級の小林康秀教諭, 佐藤清司教諭, 植竹敦子教諭 (現, 函館市立柏野小学校教諭) , 森武史樹教 諭 (現, 上磯郡木古内町立木古内小学校教諭) に感謝の意を表わしたい. 引用および参考文献 1) 金田 弘, 田村 健:木材加工教育の実践に関する研究 (第3報) , 障害児教育における木材加工の現状, 北海道教育大 991 学紀要 (第2部B) PP. 41~49 ,1 , 第42巻, 第1号, 弘=もく ざいと教育 (分担: 障害児教育と木材) , 1991 , 海青社, PP‐ 49~58. 2) 金田. ) 1 1報) 3) 金田 弘, 平田新次郎:木材加工教育の実践に関する研究 (第1 , 北海道教育大学紀要 , 養護学校における題材開発( (第2部B) , 1996 , 第46巻, 第2号, PP. 41~51. 9 ) 5報) 4) 金田 弘, 高橋 誠, 中川正博, 平田新次郎:木材加工教育の実践に関する研究 (第1 , 北海道 , 題材, 教材の開発( 教育大学紀要 (第2部B) , 1998 , 第48巻, 第2号, PP. 17~23. 9 9 9 5) 津田義治:障害児教育と木材, 北海道教育大学卒業論文, 1. (6 2).

(16)

参照

関連したドキュメント

(出典)※1 教育・人材育成 WG (第3回)今村委員提出資料 ※2 OriHime :株式会社「オリィ研究所」 HP より ※3 「つくば STEAM コンパス」 HP より ※4 「 STEAM

しかし、近年は遊び環境の変化や少子化、幼 児の特性の変化に伴い、体力低下、主体的な遊

定期的に採集した小学校周辺の水生生物を観 察・分類した。これは,学習指導要領の「身近

工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科

実習と共に教材教具論のような実践的分野の重要性は高い。教材開発という実践的な形で、教員養

Concurrent Education in mechanical engineering using PBL at Kokushikan University.. Toshio Otaka *1 , Ken Kishimoto *1 , Yasuhiro Honda *1 , Tomoaki

岸・宮脇(1996)によると,敷地を 含む寺泊・西山丘陵の褶曲運動は約 150万年前以降停止しており,褶曲

岸・宮脇(1996)によると,敷地を 含む寺泊・西山丘陵の褶曲運動は約 150万年前以降停止しており,褶曲