花粉の生理・形態学的研究(第33報) : 大雪山における空中花粉について
10
0
0
全文
(2) . Voー ,23 .2 , NO. l d id。 Unive i i ion . I B) journal。f Ho t t 【a r s on(sec y of Educat ‐. March l973. 花粉の 生理・形態学的研究 第33報. 大雪山における空中花粉について. 知 興※・旭. 沢 田 義 康・湊. 雅 人・大 橋 俊 規. 印 牧 健 二・木 村 幸 夫・西 条 善 英 ・ 佐渡千恵子 和田一彦 北海道教育大学旭川分校生物学教室. Yoshiyasu SAWADA Tomooki 1 T hi i OHASH1 to ASAH1 INAT0, N[ asahi , , os nor , Y ki ] h ide SAIIO, Chi Kenj i KANEMAK1 eko SADO and , u o KIMURA , Yoshi 1 1 1 1and ~[ KazuhikO WアADA: Phys i 0gi o ogi ca orpho ca. l Studi es on the Pol en grain l l Part 33 setu en Grains at N1t , Tai . on the Po. Sum mary ing he i The presentinvestigation is concerned Wi th a research into the aviat ghtand distance len grains at 卦4t tu, se of aerial pol , Tai l ing plants were obs 1 ower setu. ○n that day, however e rved at Mt . Tai , . on June 3, no f l l h k i ~ l A D l l h f i A f aerial pollen grains were co t t o e n n s t tt o s e s ome r a a ‐ a ec ed e a lot o o p g p . . ,. of pine trees Were observed, l bl l 2 oom of he oomi ng of woody plants was over and theful rbs was . on June 27,the b he amount of aerial pollen grains tended to decrease, observed, on that day,t 孔 l was observed at Banno‐Sawa and i ly 18 3 7 z棚応 力粥欄如 Rege . 0n Ju ,the ower ng of pi. sugatamino‐ lke ,. 1,. 緒. 言. ) そこで旭川 空中における花粉は, 花粉病等, 生物に色々な影響を及ぼす事 が報告されている2 . 市における空中花粉の分布状 態を調べ, 花粉 が遠い距離を飛 び, しかも高い所まで上 昇することが わかったので, まだ植物の開花がみ られない時期の大雪山の旭岳 登山道入口より旭岳山 頂 2290m. に至る各所において 空中花粉を採集し, 花粉の特性を明らかにする目的をもって本 実 験 を 行な っ た. 花粉には, 植物の種類により風媒花, 虫媒花, 自家受粉花と区別され花粉にも各々の特性が認. められる が, これ らの性質と空中花粉の分布状態の関係を調べ, さ らに花粉の飛来距離, 上昇高度 な どを明 らかにすることに より花粉のこの分野か らの研究を行ない, 興味ある結果を得たのでここ. に報告する. なお本研究に際 し論文の御校閲をたまわった北海道大 学名誉教授田川隆先生に謝意を 表する. ※北海道教育大学旭川分校生物学教室研究生.
(3) . 第23巻 第2号. 北海道教育大学紀要 (第2部 B). 2 . 実. 験. 方. 昭和48年3月. 法. 大雪山における開花以前の時期より開花にいたるまでの各時期別に空中における花粉の分布状態 を調べた. 即ち6月 3, 4 日- 6 月 8, 9 日, 6月 27, 28 日, 7月 6, 7 日, 7 月 18, 19 日の期間に lmm, 天女 ヶ原 1200m, 千 わたって大雪山の旭岳登山道入口より高度 loom ごとの地点として 1 寿 ヶ 原 1300m, 盤 ノ 沢 1400m, 1500m, 姿 見 ノ 池 1600m, 旭 岳 1700m, 1800m, 1900 ・ n, 2000m. - 湧駒卸. l o o. … ・ r/- *′ =0 0・ ・. 盤の沢. 1. 第1図 大雪山における空中花粉の採集場所 21oom, 2200m 及び旭岳山頂 2 290m の14地点について空中花粉の採集を行なった (第1図参照) , 採集の方法は, スライ ドグラス上に lcm2 の 表 示 を し, グリ セ リ ン・メ チ ル グリ ー ンを 塗 布 し24. 時間静置し, その後検鏡し花粉の種類及び個体数を調べた, 各地点の実験区は3枚のスライ ドグラ ス を用 い, 平 均 値 に て 示 した. な お, 花 粉 の大 き さ に つ い て は ミ ク ロメ ー タ ー ス ケ ー ル に よ っ て 測 定 した,. 3 . 実験結果及び考察 A. 空中花粉の採集の各時期における開花植物について 6 月 3 日の空中花粉採集時期における大雪山の旭岳登山道入口の植物では, ミズバ ショウ エ ゾ , ノ リ ュ ウ キ ンヵ, フ キエ ゾイ チ ゲ, ミ ャ マ ワ サ ビ等 の 群落 の 開花 が み られた, 登 山 道 入 口 を す ぎる. と雪渓となり, 天女ケ原, 千寿ケ原, 盤ノ 沢, 姿見ノ池等ではほとんど雪に覆われていた. 僅かに 天 女 ヶ原 の 雪 の な い 部 分 に ミ ズ バ シ ョ ウ ・ シ ョ ウ ジ ョ ウ バ カマ の 開 花 が 見 られ た. こ の 結 果 か らこ. の時期における空中花粉は, これ らの植物の花粉の分布が考えられる が, その他の花粉については 旭岳登山道入口以外の場所より飛来した 花粉と思われる..
(4) . 1 VO ,23 .2 , No. ido Unive journalof Hokka i ion (Sec ion l エB ty of Educat t rs ). 第1表. 花 集日時 場所 一 麹選. 6月 3 日. looon r l. 空中花粉採集の各時期における開花植物について 6月 8 日. 6月27日. ミ ズ バシ ョ ウ ミ ズバシ ョ ウ ミ ズバ シ ョ ウ エ ゾノ リ ュ ウ キ ン エ ゾノ リ ュ ウ キ ン マ イ ズ ル ソ ウ 力 力 ノ ビ ネ チ ドリ エ ゾイ チ ゲ ウ コン ウ ツ ギ ツ バメ オ モ ト. 旭岳 登 山 道 入口 フキ. △△arch l973. 7月 6 日 ハイキンポウ ゲ マイズルソウ. 7月18日 オニツモツケ ミ ヤマアキノキリ ソソウ オ オ レイ ジ ソ ソ ウ. ムラサキヤシオツ ウコンウツ ギ ジ ツ・ コヨウラクツツジ コヨ ウ ラ ク ツ ツ ジ ダ ケ カ ソノミ ミ ネ ザク ラ ウ ラ ジ ロ ナ ナカ マ ゴヨ ウ イ チ ゴ ド ミ ヤマハソノ キ. 天. 女. ケ. 原. 1200m. 千 ,. 寿. ケ. 1300m. 原. ミ ズノミツ ョ ウ シ ョ ウ ジ ョ ウ バ カ シ ョ ウ ジ ョ ウ パ カ キ′ミナ シ ヤ ク ナ ゲ イ ン ツツ ジ マ ショ ウ ジ ョ ウ パ カ マ ミ ヤマ リ ソ ドウ イ ンツ ツ ジ ミ ズバシ ョ ウ コ ヨ ウ ラ ク ツ ツ・ ジ ミ ズバ シ ョ ウ マイ ズ ルソ ウ チ ン グノレマ チ ンクラレマ エ ゾカ ソ ゾ ウ ミ ズ バ ショ ウ オ オ アマ ドコ ロ マイ ズルソウ ダケカソ バ ハ ク サ ソ ポ ウフ ウ イワハゼ ウラ ジ ロ ナ ナカ マ ハ ク サ ソ チ ドリ ド ミ ツ ガツ ワ ミヤマハソノ キ. ー. シ ョ ウ ジ ョ ウ バカ シ ョ ウ ジ ヨ ウ バ カ ウ ラ ジ ロ ナ ナカ マ エ ゾウサギギク ド マ ミ ヤマ チ ドリ コ ヨ ウ ラ ク ツ ツ、 ジ ウコンウツ ギ ミ ヤマ ニ ソ・ ジン ミ ヤマ リ ソ ドウ. ÷ク ラ シ ョ ウ ジ ョ ウノミカ エ ゾ コ ザ. 盤. ノ. 沢. 1400m 1500m. 姿. 見. ノ. 1600m. コ ヨ ウ ラ ク ツ ツ ジ ア ラ・ シ グサ ウ ラ ジ ロ ナ ナカ マ マノレノミ・ シモ ツ ケ ド サ ンカ ヨ ウ ダケ カ ソノミ ミ ネカ エ デ ハイ マ ツ ウラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド. 、ザ やク ラ キ バ ナ・ シャ ク ナ ゲ エ ゾツ ガ エ ゾコ ザ ク ラ. 池 、. チ ン グノレマ ア オ ノ ツ ガザク ラ エ ゾツ ガザク ラ ハイマツ. 旭. 17 0om. やク ラ ア オ ノ ツカ ずク ラ ÷ザ ア オノ ツ ガザ ずク ラ エ ゾツ ガザ ナザ やク ラ エ ゾツカ. 岳. 次 い で 6 月 8 日の空中花粉採集時期における開花植物は. , 旭岳登山道入口では第1表に示す様に. ミ ズ バ シ ョ ウ, エ ゾノ リ ュ ウ キ ン力, ゴョ ウイ チ ゴ, ウ コ ンウ ツ ギ, ム ラ サ キ ヤ シ オ ツ ツ ジ ミ ネ ,. ザクラの植物の開花が見 られた. この様にこの時期では登山道入口にツツジ, ミネザクラの潅木の. 開 花 が 見 られ た が, 天 女 ケ原 よ り 高 い 地 点 で は, ミ ズ バ シ ョ ウ, シ ョ ウ ジ ョ ウ バ カ マ の 開 花 が 見 ら れた ついで 6月 27 日の採集時期における開花植物では 登山道入口ではミヤマハ ソノキ ダケ. . , , カ ンバ, ウラ ジロナナカマ ド等の木本植物の開花が見 られる様になり, これ らの花粉の空中での分 布が 考えられる. さ らに天女ヶ原においても ダケカ ンバ の開花がみ られた. 千寿ヶ原ではまだ ショ. ウ ジョウバ カマの開花だけで, 木本植物の開花はみ られなかった. ついで7月 6 日に至ると登山道 入 口 で は ミ ヤ マ ハ ソノ キ, ダ ケ カ ンバ の 開花 は 終 り 天 女 ヶ 原 で は キ バ ナ シ ャク ナ ゲ, イ ン ツ ツ ジ,. チ ン グル マ等 の 開 花 が み られ た, つ い で 千 寿 ヶ 原 で は ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド, ウ コ ンウ ツ ギ等 の 開 花 が 見 られ る 様 に な っ た. 盤ノ 沢 に お い て ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド, ダ ケ カ ソバ 等 が 見 られ た, 姿 見ノ 池.
(5) . 3巻 第2. 第2号. 北海道教育大学紀要 (第2部 B). 昭和48年3月. で は エ ゾッ ガ ザク ラ, エ ゾコ ザ ク ラ等 の 開 花 が 見 られ た . つ い で 7 月 18 日の花粉採集時期におけ. る 開 花 植 物 は, 登 山 道 入 口 で は ミ ャ マ ア キ ノ キ リ ソソ ゥ オ オ レイ ジ ソソ ウ オ ニ シ モ ッ ケ等 が あ , , り, 天 女 ケ 原 で は キ バ ナ シ ャ ク ナ ゲ, イ ン ツ ツ ジ ミヤ マ リ ソ ドウ オ オ ア マ ドコ ロ ハ ク サ ソポ , , , ウ フ ウ 等 の 一 年 生 草 本 の 開 花 の 最 盛 期 で あ っ た 千 寿 ヶ原 に お い て も ミャ マ ニ ン ジ ソ ミャ マ チ ド . ,. リ, ミヤマリ ソドウ等の一年生草本の開花 がみ られた 盤ノ沢 姿見ノ池にはこの時期にいたって . , ハイ マ ッ の 開 花 が 見 られ た,. 以上の結果より6月 3 日の時期においては, 木本植物の開花は見 られず 僅かに草本植物の開花 , が見 られたが, 6月 8 日 に お い て は ツ ツ ジ, サ ク ラ ウ コ ンウ ツ ギ等 の 潅 木 の 開 花 が 登 山 道 入 口 に ,. みられる様になり, 6月 27 日 に 至 っ て は じ め て ダ ケ カ ソバ, ミ ヤ マ ハ ソノ キ ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ , ド等の開花が開始された ついで7月 6 日になると登山道入口付近の潅木は終り 千寿ヶ原等に ダ . , ケカ ソバ, ウ ラ ジ ロ ナ ナカ マ ド, ウ コ ンウ ツ ギ 等 の 潅 木 の 開 花 が 見 られ る 様 に な っ た 7 月 18 日 ,. においては盤ノ沢, 姿見ノ池の各所におい てハイ マツの開花が認められた . B . 大雪山の空中花粉について さきに旭川市において空中花粉の分布状態を調べ 花粉の飛来距離 上昇高度について興味ある , , 結果を得た, この中で特にマツ類の花粉に ついて興味ある結果を得た , そこで本実験においては, 大雪山の旭岳を中心と した地帯での空中花粉の状態を明 らかにするた めに, 大雪山の植物の開花が開始されていない まだ雪に覆 われている時期における空中花粉を採 . 集した. すなわち, この時期に採集された花粉は旭岳連峰以外の場所より飛来したものと考えられ る第2表に示す結果を得た. この結果より 1 lmm 地点では57個で最も多量の花粉を採集し次し、で 第2表 空中における花粉の種類について. 旭岳登山場入ロ 1000m 1loom. マッ類の 形 円 採集花粉 マッ類の 花粉の占 ナ ナカ 楕 円 形 花粉個体 める割合 シ ラカノミ 〆 声 柊 〆 総個体数 数 戸 マ ド % 10~24 25( 〕34 35{ -40 10^ -24 25~34 35~40 29. 12. 41 4 ,. 13. 57. 8. 14 O ,. 23. 天 女 ケ 原. 37. 6. 16 1 .. 21. 千 寿 ケ 原. 15. 3. 20 O .. 3. 盤. 1200m. 1300m. 盤. ノ. 沢. 13. 5. 38 4 .. 4. ノ. 沢. 24. 4. 16 7 ,. 15. 1400m 1500m. 一 .. ( 乙. 1. ク ”. -. 8. 2. 【. . ム. 4. 一. ー. 4. ・. ^ K U一. 一. 1 f ムー. f A 1一. 一. ー▲. . 十. n K U1. 1 1. ハ b , ]. ( z 一( ” 一. . ム. 姿 見 ノ 池. 13. 2. 4 15 .. 岳. 5. 2. 40 O ,. -. 一. I I. 岳. 0. 0. 0. -. 【. ー. 岳. 0. 0. 0. -. 一. ー. 岳. 0. 0. 0. 柵. -. ー. 岳. 6. I. 33 3 ,. -. -. ー. 岳. 0. 0. 0. -. 【. ー. 旭 岳 山 頂. 11. I. 9 1 .. △▲. ( ′ ”文 U. 1600m. 旭 旭 旭. 旭 旭 旭. 1 7 0om 1 8 00m 1 9 0om 2000m 21oom 2200m. 2290m. 4. 4. 3. 1. 8. I.
(6) . VOL 23 .2 , No. N1 arch l973. IB ion l i t i t ) ido Unive t on (Sec Journalof Hokka rs y of Educa. 4個であ った. また旭岳中腹 天女ヶ原で37個, 旭岳登山道入口 29 個, 盤ノ 沢 1500m 地点では 2 この花粉の種 類につ では花粉はほとんど採集されなかったが, 頂上では花粉が多量に採集された. この い ては, マッ類の花粉 が第1表, 第2図, 第3図に示す様に多量に 採集きれた. [ニコマツ頬以外の花粉 マツ類の花粉 ー- 叫ハイマツの花粉. 旭岳山 2 0m 2 9. 6月3日・4日 8日 7日・2 6月2 7月6日・7日 9日 8日・1 7月1. 旭岳 2 2 0 0m. 円形花粉 B 三角形花粉 C マツ類の花粉. 第2図 花粉の形態について. 700m 地 4%, 1 また登山道入 ロで は41 ,. 点 で は 40% と 高 比 率 で マ ッ の 花 粉 が 認 め. られた, また旭岳山頂でもマッ類の花粉 が. 1 個 認 め られ た. 以 上 の 結 果 よ り, こ の 時. 期では登山道入口 附近にミズバ ショウ, エ ゾノリ ュウキ ン力等の群落 が見 られるのみ. で, ほとんど大雪山には植物の開花がみ ら れ な い 時 期 で あ る こ と か ら考 え れ ば, こ れ らの マ ッ 類 の 花 粉 は 他の 場 所 よ り 大 雪 山 に. 飛来し, 旭岳山頂 2290m ま で 上 昇 した も のと思われる. つぎに他の種類の花粉に つ い て みる と, 旭 岳 登 山 道 入 口, 天 女 ヶ原 等. を 中 心 と して シ ラ カ バ, ナ ナカ マ ド等 の 花. 粉 が 採 集 さ れ た. しか も 旭 岳 山 頂 に お い て. 旭岳. 0 0m 1 7. 器最 終 賓. 罪“-. 禍器 冥 盤ノ沢 B. 1 0 0m 4. A. 譲雀原冥 . 天女ヶ原g. 1 2 0 0m A l l o om . c A. D 轍 . A 登山道入口. l o om o. o 第3園. 4 0 2 0 3 0 1 o 採 集 花 粉 個 体 数. 5 0. 6 0. 大雪山における空中花粉について. シラ カ バ 3 個, ナ ナ カ マ ド4 個 の 花 粉 が 見 られ た. こ れ らの 結 果 か ら考 え る と, マ ッ 類 の 花 粉 は 形. 態的に気嚢を 持ち, これにより遠く しかも高く飛ぶ機能的特性がある (第2図参照) . これ らのこ とか ら旭岳山頂に おいて採集された事 が理解され, シラカバ, ナナカマ ドの花粉においては, 形態 的特性は持っ ていないが, 旭岳山頂に認め られた事は, 花粉 が南風の上昇気流に乗り旭岳を上昇し た結果旭岳山頂に採集されたものと思われる. この場合シラカバ, ナナカマ ドの花粉では, 天女ヶ 原, 1lm m 地点の低い場所に多量採集された事と考えあわせれば興味ある問題で ある. 次に 6月. 27 日 の ダ ケ カ ソバ, ミ ヤ マ ハ ソノ キ, ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド等 の 開 花 が 旭 岳 登 山 道 入 口 に 見 られ る. 時期の空中花粉 採集の結果について第3表に示した, すなわち, 採集された花粉の総個体数をみる と 千 寿 ケ 原 35 個, 天 女 ヶ 原 26 個, 盤 ノ 沢 1400m 附近より旭岳に至る地点では採集花粉は急減し 少量の花粉 が採集された, この結果より 6月 3 日の 大雪山の植物に開花が見 られない時期に採集さ . れた空中花粉に 比べると. 少ない花粉個体数であった この結果 より旭岳登山道入口附近の潅木に.
(7) . 第23巻. 第2号. 北海道教育大学紀要 (第2部 B). 昭和48年3月. 第3表 空中における花粉の種類について マッ類の マッ類の ムラサキ ダ ケカ ソ ナ ナカ マ. 採集花粉 ミ ミ ヤ ド ウラ , ヤシ オ ツ ノ, 花粉個体花粉の占 める割合 ツ マノ、ソ ノ ジ ロ ナ ナ 総個体数 数 ジ %. 旭 岳登山道入口 100om. 10. 8. 80 O .. 100om. 2 1 ‐. 4. 33 3 ,. 天 女 ケ 原. 26. 16. 61 5 ,. 千 寿 ヶ 原. 35. 26. 3 74 ,. 盤. 1200m 1300m. ノ. 沢. 23. 5. 21 7 .. ノ. 沢. 10. 6. 60 O .. 姿 見 ノ 池. 8. 3. 37 5 ,. 岳. 2. I. 50 O ,. 岳. 4. I. O 25 ,. 岳. 0. 0. 0. 岳. 5. I. 20 O ,. 盤. 1400m 1500m 1600m. 旭 旭 旭. 旭 旭. 1 7 00m 80om 1 1 9oom 2000m. 岳. 5. 2. 40 O .. 岳. 0. 0. 0. 旭 岳 山頂. 9. I. 11 I ,. 旭. 21oom 220om 229om. キ. 2. 1. 形. 円. 楕 円 形. 〆 〆 柊 〆 声 , 25^ カ マ ド 10~24 }3435 F ′ Y4010~2426 ′ Y3435~4 I. 5. n z 1. 6. l ム. 【 ー. 5. ? ”. ー. 8. -. n x v 1. 3. 間. 一. 1. 2. -. ? ”. 1. 一. -. ー. 1. 2. -. 1 ▲. 一. -. 一. 1. .ふ. 1 ▲. 2. 1 ム ー 1 1. I. 3 一 8. は開花がみ られない時期にかかわ らず, 採集された花粉個体数が植物の開花が見 られない時期に比 して低い値を示した事は, 空中花粉の分布状態は花粉を採集した地点附近の植物の開花というより. はむしろ遠い場所における木本植物の開花による花粉の飛来した結果によるものの様に思われる . また, この時期におけるマッ類の 花粉についてみると, 千寿ヶ原26個で最高値を示し総花粉数中の 4% と高率を示した, しかし第1回目の6月 3 日に比 べて マッ類の マッ類の花粉の占める割合は7 花粉は全般的に多数採集された. まだこの時期においては, 旭岳においてはマッ類の開花は見 られ. ない時期であった事を考えれば, これ らの花粉は大雪山の花粉採集地点以外の場所よ り飛来したも の と 思 わ れ る.. つ ぎに マ ッ 類 以 外 の 花 粉 に つ い て み る と, ダ ケ カ ソバ, ミ ヤ マ ハ ソノ キ, ナ ナ カ マ ド, ウ ラ ジ ロ ナ ナカ マ ドの 花 粉 が 採 集 さ れ た, ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド, ダ ケ カ ソバ, ミ ャ マ ハ ソノ キ 等 は 天 女 ヶ 原. 附近に開花が見 られ, その結果, 旭岳登山道入口附近より姿見ノ池まで多量の花粉が採集された , また旭岳山頂においても8個の ダケカ ソバ, ミャマ ハ ソノキ等の花粉が認 められた事は 天女ヶ原 , 附近よりの上昇気流に乗り旭岳山頂まで運ばれたものと思われる二 つぎに7月 6日の空中花粉採集 時 期 に お い て は, ダ ケ カ ソバ, ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド ウ コ ンウ ツ ギ等 の 潅 木 類 は 旭岳 登 山 道 入口 で ,. は開花が終り, 千寿ヶ原, 盤ノ沢を中心として開花がみ られる時期であった . この時期における採集された花粉個体数については第4表に示す結果 得をた すなわち花粉の総 . 個体数についてみると, いずれも第1回目, 第2回目の採集花粉に比して 減少的傾向がみ られた . 盤 ノ 沢 1400m 地点で1 8個, 旭岳登山道入口で1 8 個がみ られた このことは 大雪山以外の地域 . , の植物の開花が終り, 飛来花粉の減少の 結果によるものと 思われる マツの花粉に ついても極めて ,.
(8) . 空中における花粉の種類について. 第4表. マッ類の. 1. 5. 1. ケ 原. 0. 0. 寿 ケ 原. 8. 2. 100om. 110om. 天 千. 女. 1200m. 1300m. 18 1. 2. 7. 0. ノ 池. 5. 3. 岳. 7. 0. 岳. 3. 0. 岳. 2. 1. 沢 140m 沢 盤 d l om. 盤. 姿 見. 1600m. 旭 旭 旭 旭 旭. 採集花粉 マッの花 花粉の占 総個体数 粉個体数 める割合 % 18▲. 旭岳登山道入口. 17 00m 00m 18 19oom 2000m 00m 21. h l973 Ma rc. IB ion l i i t ) ido Uni t ty of Educa on (Sec journalof Hokka rs ve. VO1 ,23 ,2 , No. ッ. マ. 類. サンカ ヨ ウ. ダケ カ ソ. ムラサキ バ ミ ヤ , ヤシ オ ツ ツジ. マノ、ソ ノ. ハイマツ. その他の マッ類. 5 6 ,. 0. I. 20 O ,. 0. I. 0. 0. 0. 0〉 25 .. 0. 2. I 11 ・. 0. 2. 10. 0. 0. 0. 3. 60 O ,. 0. 3. I. 0. 0. 0. I. 0. 0. 0. I. 50 O .. I. 0. 形. 楕. 円. 3. ナ ナカ ド ウ. キ. 6. I. 4. I. 岳 岳. 岳 22mm 旭 雌 山 頂. 旭. 2290n o. 円. 旭岳登山道入口. 声 10^ )24. ケ. 原. 寿 ヶ. 原. 2. 沢 4命m , 沢 盤 d l om. 4. 千. 盤. 姿 旭 旭 旭 旭. 旭. 1300m. 見 ノ. 1600m. 17mm 18 0om 9oom 1 2000m 00m 21. 2290m. 2. 池. 1. 岳. 4. 岳. 1. 岳. 1. 岳 岳. 岳 2200m 旭 岳 山 頂 旭. 〆 10~24. 戸 25^ }34. 〆 35 ′ Y40. 三. 角. “ 10^ -24. 柊 25~34 2. 3. I. 3. 110om 1200m. 〆 35^}40. 2. 100om. 天 女. 〆 25 ′ Y34. 形. I. I. 2. .. I I. 形 〆 35( )40.
(9) . 第23巻 第2号. 昭和48年3月. 北海道教育大学紀要 (第2部 B). ・. 90om 減少的傾向がみ られた, ただこの時期においてマッ類の花粉の中にハイマッ の花 粉 が旭岳 1 地点において 1個採集された. この事はハイ マッの開花が開始 されたものと思われる. マッ類以外 の ダ ケ カ ソバ, ミ ャ マ ハ ソノ キ の 花 粉 で は 盤 ノ 沢 1400m 地 点 で 10 個 採 集 さ れ た 最 高値 を 示 し, 姿. 見ノ池附近で僅か1個採集した.. この 時 期 に お い て は, 千 寿 ヶ 原, 盤 ノ 沢 を 中 心 と して ダ ケ カ ソバ, ミ ヤ マ ハ ソノ キ の 最 盛期 で あ. 8日における大雪山の空中花粉の採集結果については, 第 5表に る事か ら理解される. 次に7月1 示す結果を得た. すなわち, この時期では盤ノ沢の高い所ではウラ ジロナナカマ ド等の開花がみ ら 第5表 空中における花粉の種類について. マッ類 マ. 宏醜. 採集花 マッ類 粉総個 の花粉 体 数個体数 る割合 ミ. ッ. 類. その他 ハイ のマ マツ. 類. ツ. に. 7 2. ハ = V 0. 0. 0. 2. 千 寿 ケ 原. 4. n ‘ 50 O ,. 2. 0. 一. 盤. n d 75 O . ハ リ 66 6 . ー ← 20 O .. 3. 0. ・. -. 6. 0. 一. イ ー. 1. 0. 3. 110om. 天 女 ケ 原 1200m 1300m. 盤. 16. ノ. 沢. 4. ノ. 沢. 9. 1400m 1500m. 姿 見 ノ 池 1600m. 5. 3. 3. 角 形. 〆 〆 摩 〆 〆 ” 〆 ” 〆 o }40 10~2425 -2425^ }3435^ ′ Y3435^ J40l ′ V2425~3435~4010( r. ( Q 37 5 , 1 4 57 O ,. 旭岳登山道入口 100om. 三. 楕 円 形. 形. 2. 1 1 ( U. 4. 0. 一. ^ Z ”. 3. 2. 【 ? 一”. ・. I. I. れ る だ け で, ダ ケ カ ソバ, ミ ャ マ ハ ソノ キ 等 の 木 本 植 物 の 開 花 は ほ と ん ど完 了 した 時 期 で あ っ た.. またこの時期に至り, 盤ノ沢, 姿見ノ池附近の ハイ マッに開花がみ られた. この時期における花粉 個体数は旭岳登山道入口では 16個で最高値だ った. 天女ヶ原, 千寿ヶ原ではいずれも前回に比し て 花粉 数 は 減 少 的 傾 向を 示 した, こ の こと は ダ ケ カ ソバ, ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド, ミ ャ マ ハ ソノ キ等. の開花 がほとんど完了した時期である事を考えれば理解される事である. 以上の結果か らみると, 第1回目には多量の花粉 が採集され, 続いて 2 回目, 3回目, 4回目と減少の傾向を示した, なか でも4回目採集時期ではほとんど潅木の開花が終り一年生草本の開花の最盛時期であ ったが採集さ. れた空中花粉は, いずれの時期に比 しても少数の個体であった事は興味ある問題である. 次にマッ 類の花粉についてみると, この時期では盤ノ沢附近で75% と高い割合を示しているが, このマッ 0% がマ ッ類の花粉で, 類の花粉はほとんどハイ マッの花粉であ ったが, ただ旭岳登山道入口では 5. 50%がハイ マッの花粉であった. この結果よりハイ マッの花粉は盤ノ沢, 姿見ノ池附近より, 飛来 したものと思われる. この時期におけるマッ類の花粉以外では, ほとんど草本植物の花粉で木本植 物の花粉は採集されなかったものと思われる (第5表参照) . 以上の結果より大雪山の空中花粉の分布状 態について考察すると, 大雪山の植物の開花がみ られ. ない時期における花粉は, 主として大雪山以外の地点より飛来 したものと考え られる. この花粉の 飛来 した場所は開花が最盛期であるものと思われる, 特にシラカバ, ナナカマ ドの花粉が多量に旭 岳各地点で採集された事, またマッ類の花粉においてもこの 傾向が顕著にみられた. これらの結果 よりこの時期には多量の花粉が採集されたものと思われる. 次いで6月27日においては, 旭岳登 山道入口に僅かにミャマハ ソノキ等の開花が開始される時期であるにかかわ らず, 6月 3 日 に 比 し. て採集された花粉は少数であった. 次にマッの花粉においては天女ヶ原, 盤ノ沢等では逆に多数の 花粉が採集されたことは, この花粉が飛来した結果にもとずくものと思われる. 次いで7月 6 日 に (8ヱ).
(10) . VO1 ,23 , No .2. ido Univer i Journalof Hokka ion(Sect ion l IB ty of Educa t s ). Mar ch l973. おいては, 盤ノ沢附近まで, ウラ ジロナナカマ ド , ダケカ ソパ等の潅木の開花が見 られたにもかか わ らず空 中花粉は次第に減少の傾向がみられた また7月 6 日においては, ほとんど潅木類の開花 , が終りハイ マッの開花の時期であるが採集された空中花粉は次第に減少をきた した この事は大雪 , 山以外か らの花粉の飛来 が次第に減少し, 大雪山の植物の花粉の散布が起こるものと思惟される. 参 考 1 ) 幾瀬マサ 1956 . 日本植物の花粉, 庚川書店 2 97 ) 岩波洋造 1 1 23 9 , 花粉学大要, 風間書房, 228‐ , 3 ) 大井次三郎 1 965 . 日本植物誌, 至女堂. 文 献.
(11)
関連したドキュメント
工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科
労働安全衛生法第 65 条の 2 、粉じん則第 26 条の 4
The results indicated that (i) Most Recent Filler Strategy (MRFS) is not applied in the Chinese empty subject sentence processing; ( ii ) the control information of the
等に出資を行っているか? ・株式の保有については、公開株式については5%以上、未公開株
今日は13病等の短期入院の学生一名も加わり和やかな雰囲気のなかで
※ 本欄を入力して報告すること により、 「項番 14 」のマスター B/L番号の積荷情報との関
泥炭ブロック等により移植した植物の活着・生育・開花状況については,移植先におい