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博士(理学)吉田学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博 士 ( 理 学 ) 吉 田 学 位 論 文 題 名

上と

新規ヒト CC 型ケモカインELC とレセプターCCR7 の同定

ならびにそのりガンド・レセプター系に関する研究

学位論文内容の要旨

  ケモカインは自血球に作用して、炎症部位へ細胞を遊走する活性を持つ低分子量のポリ ペプチドである。近年多くのケモカインが同定され、生体内で重要な働きをしていること が明らか にされ つっある 。本研 究では新規ヒトCC型ケモカインELCについて、そのcDNA をク口一ニングし、組換えタンバク質を用いてその活性についてIn vitroにおいて検討し、

その結果をまとめたものである。骨子は以下の4章からなる。

  第1章: ELCのcDNAク ロ 一二 ン グ およ び 組 換えELC夕 ン バク質 の作製:ESTデ一 夕 ベースを 利用し て新規ヒ トCC型ケ モカイン を検索 し、cDNAをク口ーニングした。この 遺伝子は 染色体9p13に位置し 、またmRNAは免疫 系の組織 に強い発現が認められること から、新 しいタイプのCC型ケモカインである可能性が考えられた。後の実験結果からこ の新規ケモカインをEBIl‑ligand chemokine: ELCと名付けた。後に行う実験に用いるた め、2種類の組換えELC夕ンバク質を作製、精製した。

  第2章 :ELCの レ セプ タ ーEBIl/CCR7の同 定 : 組換 えELC夕 ンバク 質を用 いて、ELC が示すケモカイン受容体発現細胞に対する結合能、カルシウム濃度上昇の誘導能、遊走能 について検討した。その結果ELCのレセプターがEBIl(Ep stein‑Barr vlrus.mducedgene 11で あること を明ら かとした 。リガ ンドが判明した7番目のCC型ケモカインレセプター であるのでEBIlをCCR7と提唱した。

  第3章 : 末梢リ ンバ球 に対するELCの活 性:末 梢血を用 いてELCのター ゲット 細胞を 調べた。ELCは単球や好中球には作用せず、リンパ球、特に活性化したりンパ球に対して 強 い 遊 走 活 性 を 示 し た 。 ま たELCはCD45RO陰 性 ナ イ ー ヴT細 胞 とCD45RO陽性 メ モ リ‑T細 胞 を 両方 と も 同程 度 の 活性 で 遊 走し た 。 レ セプ 夕‑CCR7 mRNAは活性 化T細 胞 に強く発現し、また主に免疫組織内で強い発現が認められた。組織分布はELCの発現とよ く 似 てい た 。 リン バ 節 や虫 垂 に おい てELC、CCR7 mRNAは お互いに 非常に近 い領域 に 局 在 して お り 、免 疫 組 織内 で の ルン バ 球の移 動に関与 してい ることが 示唆され た。

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  第4章 : レ セ プ タ ーCCR7を 共 有 す るSLCとELCの 比較 :CCR7を レ セプ タ ー とす る の はELCだ け でな く 、SLCと い う新 し いCC型 ケ モカ イ ン もCCR7を レ セ プ ター と し て いるこ とが判っ た。そこで両者の活性を比較した。その結果、CCR7を発現させた細胞に 対して はSLCとELCはほぼ同等の活性を示した(結合能、カルシウム濃度上昇の誘導能、

遊走能 )。しか し末梢 血T細 胞に対し てはSLCはELCに比べ、カルシウム濃度上昇誘導能 が弱かった。末梢血T細胞に対する結合実験の結果、両者の活性の違いは細胞上に発現し ているレセプターへの親和性の違いであることが示唆された。

  以上 のことか らELCがりンバ 球に対し て特異的に働く新しいカテゴリーのCC型ケモカ インであることが明らかとなった。またELC(リガンド)、CCR7(レセプター)がどちらも免 疫系の組織に強く発現しており、その局在も非常に近接していることなどから、従来のケ モカインのように炎症友応において機能しているだけでなく免疫系の組織へのりンバ球の ホー ミング、 あるいは 組織内 でのりン パ球の 移動に関 与して いることが示唆された。

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(3)

学 位 論 文 審 査 の要 旨 主 査    教 授    東    市 郎 副査    教 授    菊 池九二三 副 査    教 授    矢 澤 道 生 副 査    講 師    劉    永 春

学 位 論 文 題 名

新 規 ヒ ト CC 型 ケ モ カ イ ン ELC と レ セ プ タ ー CCR7 の 同 定 ならびにそのりガンド・レセプター系に関する研究

  ケモカインは自血球に作用して、炎症部位ヘ細胞を遊走する活性を持つ低分子量のポリ ベプチドである。近年多くのケモカインが同定され、生体内で重要な働きをしていること が明らかにされっつある 。本研究では新規ヒ卜CC型ケモカインELCについて、そのcDNA をク口ーニングし、組換えタンバク質を用いてその活性についてIn vitroにおいて検討し たものである。

  本論文の要旨は以下の4点である。

  1. ELCのcDNAク ロ ー ニ ン グ お よ び 組換 えELC夕ン バク 質の 作製 :ESTデ 一 夕ベ ー スを 利用 して 新規 ヒトCC型 ケモ カイ ン を検索し、cDNAをク口ーニン グした。この遺伝 子は染色体9p13に位置し、またmRNAは免疫系の 組織に強い発現が認められることから、

新しいタイプのCC型ケモカインである可能性が 考えられた。後の実験結果からこの新規 ケモカインをEBIl‑ligand cheDユokine: ELCと名付けた。後に行す実験に用いるため、2 種類の組換えELC夕 ンバク質を作製、精製した。

  2. ELCのレ セブ ターEBIl/CCR7の同 定: 組換 えELC夕ン バク 質を 用い て、ELCが示 すケモカインレセプタ一発現細胞に対する結合能、カルシウム濃度上昇の誘導能、遊走能 について検討した。その結果ELCのレセプターがEBIl(Epstein‑Barr vrus.lnducedgene l) であることを明らかとした。リガンドが判明した7番目のCC型ケモカインレセプ夕一 であるのでEBnをCCR7と提唱した。

  3.末 梢リ ンバ 球に 対す るELCの活 性: 末梢 血を 用いてELCのターゲット細胞を調ぺ た 。ELCは単球や好中球には作 用せず、リンバ球、特に活性化したりンパ球に対して強い

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遊 走 活 性 を 示 し た 。 ま たELCはCD45RO陰 性 ナ イ ー ヴT細 胞 とCD45RO陽 性メ モリ ーT 細胞 を両 方と も同 程度の活性で遊走した。レセプターCCR7 mRNAは活性化T細胞に強く 発現レ、また主に免疫組織内で強い発現が認められた。組織分布はELCの発現とよく似て いた 。リ ンバ 節や 虫垂 にお いてELC、CCR7 mRNAはお 互い に非 常に 近い領 域に局在し て お り 、 免 疫 組 織 内 で の り ン バ 球 の 移 動 に 関 与 レ て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。

  4. レ セ プ タ ーCCR7を 共 有 す るSLCとELCの 比 較 :CCR7を レ セ プ タ ー と す る の は ELCだけ でな く、SLCと いう 新し いCC型ケ モカ イン もCCR7をレ セプ ター とし てい るこ とが判った。そこで両者の活性を比較した。その結 果、CCR7を発現させた細胞に対して はSLCとELCはほぽ同等の活性を示した(結合能、カルシウム濃度上昇の誘導能、遊走肓と)。

しか し末 梢血T細 胞 に対 して はSLCはELCに 比ベ 、カ ルシ ウム 濃度上昇誘導能が弱か っ た。末梢血T細胞に対す る結合実験の結果、両者の活性の違いは細胞上に発現しているレ セプターへの親和性の違いであることが示唆された。

  以上の点 からELCがりンバ球に対して 特異的に働く新しいカテゴリーのCC型ケモカイ ンであることが明らかとなった。またELC(リガンド)、CCR7(レセプタ一)がどちらも免疫 系の組織に 強く発現しており、その局在も非常に近接していることなどから、ELCが免疫 系の組織へのりンパ球のホーミング、あるいは組織内でのりンバ球の移動に関与している ことが示唆された。本研究の成果は、ケモカインが炎症反応だけでなくりンバ球のホーミ ングなど広く免疫反応に関わっていることを示唆するものであり、ケモカインの生理活性 に新たな知見を与えるものと考えられる。

  よって、申請者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格を有するものと認 めた。

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参照

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