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博士(工学)吉田 裕 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)吉田   裕 学位論文題名

レーザー照射による半導体表面の周期的ナノ構造化に      関する研究

学位論文内容の要旨

  近 年 、太 陽電 池 教ど のデ パ イス 特性 の 高効 率化 を 目指 した 量 子ド ット に 代表 され る ナノ 構造作 製の 研 究が 広く 行 われ てい る 。量 子ド ッ トの 作製とし ては、ポトムアッ プ法である自己組 織化を利 用したStr.anski−Kr恥t孤()w結晶成長(S−Kモード)法が主流とをっているが、ドットサイズや配列 の制 御 が困 難で あ るこ とか ら それ らを 制 御で きる 簡 易的 を作 製 技術 が求 め られ てい る 。一 方、高 強度 レ ーザ ー光 照 射に よる ナ ノド ット の 作製 やレーザ ー誘起周期的表面 構造(uPSS:L慾erInduced PcIiomcSu血ccStmctllrc) が でき るこ と が知 られてお り、様々誼分野で の応用が期待され ている。

UPSSは レー ザー ビ ーム の持 つ 干渉 性( ト ップ ダウン効 果)により形成さ れると考えられて きたが、

詳細 に つい ては 明 らか にを っ てお らず 、1965年の発見 以来、長期にわた り研究が進められ ている。

本研 究 にお いて も デ′ ヾイ ス 応用 を目 的 とし たレーザ ー照射による周期 的ナノ構造化に関 する研究 を行 っ た。 その 結 果、 レー ザ ー照 射効 果 には 、トップ ダウンとポトムア ップ効果によるサ プナノス ケー ル のド ット の 生成 が起 こ るこ とが 判 明し た。また 、照射条件を制御 することにより、 シリコン 表面 上 には ナノ ス ケー ルの ド ット 周期 列 がパ ルスレー ザー照射を行うに っれ、レーザー波 長よりも 短く 周 期的 に一 斉 形成 され る こと が確 認 され 、当該現 象のメカニズム解 明に対して重要社 知見が得 られ た 。こ れま で 、ナ ノレ ベ ルで の自 己 組織 化(ポト ムアップ的アプロ ーチ)は制御が非 常に難し いと さ れて いる が 、本 研究 で 明ら かに を った ドットパ ターンはレーザー 照射条件によって 制御する こと が 可能 であ る 。そ こで 本 研究 では 、 レー ザーの持 っトップダウンと ポトムアップ効果 によるシ リコ ン 及び シリ コ ン以 外に お ける 周期 的 ナノ 構造の制 御性について、電 子顕微鏡を用いた 微細構造 解 析 に よ り 明 ら か に し 、 こ れ に よ っ て 機 能性 デ ′ヾ イス 材 料開 発へ の 応用 への 可 能性 を示 す 。 本研究での主 たる研究項目は以 下の4項で ある。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ る シ リ コ ン 基 板 上 に 形 成 さ れ る ド ッ ト サ イ ズ 及 ぴ 形 態 の 制 御 。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ っ て 作 製 さ れ た 周 期 的 ド ッ ト の 成 長 メ カ ニ ズ ム の 検 討 及 び 制 御 。

・ シ リ コ ン 以 外 の 半 導 体 表 面 に お け る レ ー ザ ー 誘 起 周 期 的 ド ッ ト 形 成 へ の 応 用 。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ る 表 面 の ナ ノ 複 合 構 造 作 製 及 び そ の メ カ ニ ズ ム の 検 証 。 本論文は6章で構成さ れている。

  第1章で は 、デ バイ ス 応用 の代 表 とし て太 陽 電池 を例 に 挙げ 、本 論文 の総括的を序論と して、研 究の背景及ぴ 目的について述べ た。

  第2章で は 、ト ップ ダ ウン とポ ト ムア ップ 効 果を レー ザ ーの 持つ 干渉 性と自己組織化と いう観点 から 明 らか にす る こと を主 眼 にお いた 。 シリ コン表面 のドット形成と自 己組織化は低圧力 下におい て、 一 定の エネ ル ギー 密度 に おい て累 積 的社 変化であ り、ランダムをド ット形成状態(〜1000パル ス) から縞状(1000〜3000パルス) 、線状ドット配列(3000〜4000パルス )へと形態変化が パルス数 に依 存 して いる こ とを 示し た。また、形成さ れた初期ドット(0〜30nm) は、ホモエピタキ シャルで あり 結 晶方 位は バ ルク と同 一 方向 に成 長 して いること を明らかにした。 また、ドットサイ ズもパル

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ス 数 に 依存 し て 増 大 し、0〜9000パ ルス では、200nmにまで 粗大化 する。 大気中 にお いても 、低圧 中と 同様の 線状 ドット 配列の 作製が 可能で ある ことか ら、簡 易的教 ドッ ト配列 作製法 として提案し た。 また、 レー ザービ ームの 偏光回 転によ る重 ね合わ せ(重 畳)照 射に よって も簡易 的を配列制御 が可 能であ るこ とを明 らかに した。

  第3章 で は 、 透過 型 電 子 顕 微鏡 に よ る シ リ コン 表 面 ド ッ トの微 細構造 解析を 示し た。ド ットの 成長 課程に おい て初期 の突起 (ドッ ト)〜 半球 状のナ ノ突起 までの 成長過程は、3段階であることが 明 ら か とを り 、 特 に 第2形 状 で あ るフ ラ ス コ 状 形状 は ト ッ プダ ウンの みでは 成しえ ること ので き をい 形状で あり 、ポト ムアッ プ効果 が寄与 して いるこ とを示 す重要 を知 見であ る。本 研究ではこの 形 状 をWdro̲nanodotと 定 義 し、 微 細 構造解 析に よって 詳細を 調査し た結 果、ド ットの 成長課 程で 重要 を知見 を示 すこと に成功 した。 また、 ナノ ドット デバイ スの作 製技 術の発 展に寄 与したと思わ れる 。

  第4章 で は 、レ ーザー 照射 のトッ プダウ ンとポ トムア ップ 効果の 表面効 果利用 した シリコ ン以外 での 半導体 表面 のドッ ト作製 及び周 期的ナ ノ構 造化の 検討を 行った 。シ リコン 以外の 半導体では主 に 化 合 物系 半 導 体 が 次世 代 の デ バ イス 開 発 に 注 目さ れ て い る が 、GaA6をど はAiのもつ 毒性を ど の 懸 念 があ る た めGaSbへ の 代替 え が 期待さ れて いる。 そこで 本章で は(弧Sbへの レーザ ー照射 を 実施 し、′ 表面 の周期 的ナノ 構造化 の制御 につ いて検 討結果 を示し た。

  第5章 で は 、レ ーザー 照射 による トップ ダウン とボト ムア ップ効 果の応 用とし て、AIソSi表面 ナ ノ 複 合 構造 の 作 製 に つい て 述 べ る 。そ の作製 法はナ ノ複合 構造 を短時 間で一 括形成 が可能 な簡 易 的 方 法 であ り 、 そ の ナノ 複 合 構 造 の形 態は、 パルス 数によ って 制御で きるこ とを示 した。 初期 状 態 ( 〜50パ ル ス )で は ラ ン ダ ム であ ったAuナノ 粒子が パルス 照射を 行うに っれ 、波長 間隔そ 線状 化 し 、 縞状 、 島 状 ド ット 構 造 の 形 成が 確認さ れた。 一方で 、表 面には 〜10nmの 均一化 された ラン ダ ム を 球状 のAuナノ 粒 子 層 も 形 成し 、 こ の 表 面のAnナ ノ 粒子 か ら の 光 特性 向 上 の可 能性を 述べ た 。 ま た、 レ ー ザ ー 超高 圧 電 子 顕 微鏡 皿 誌eト ぼ江M:LascrmghvoltageDec的nMicroscope) によ る レ ー ザー 照 射 下 で のそ の 場 観 察 を行 うこと で、リ アルタ イム で表面 のAuナノ 粒子 の挙動 を調査 した 。さら に微 細構造 解析に よって 、照射 後の サンプ ルの高 分解能 断面 観察を 実施し 、原子レベル 構造 を明ら かに した。 これら の結果 からレ ーザ ーの照 射効果 を利用 した 新規の 機能材 料作製の応用 技術 として の可 能性を 示した 。

  第6章 は 、 研究 で得ら れた 成果の 総括で ある。 レーザ ーが 持つ干 渉性と そこか ら引 出され る自己 組織 化によ って 、半導 体表面 の形態 変化を 原子 レベル の微細 構造と して 評価し た初め ての研究であ る。 レーザ ー照 射中の 形状の 制御が 可能で あり 、かつ、それらを一括で作製できることが示された。

  以上 、本 論文で はシリ コン表 面形 成したWめ 竹―胞 肋あfの発 見とと もにポ トムア ップ による形状 制御 は非常 に難 しいと されて いたそ れを制 御で きるこ とを示 し、立 体構 造を一 括で作 製する技術の 確立 に貢献 した 。さら には、 簡易的 をドッ トパ ターニ ング技 術とし て、 シリコ ン以外 やシリコン表 面の 任意材 料の 自己組 織化制 御への 応用と して 提案す ること ができ た。 これら の成果 により、本研 究成 果は、 今後 の機能 デバイ ス開発 に有効 であ ること が示さ れた。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

レーザー照射による半導体表面の周期的ナノ構造化に      関する研究

  近年 、太陽 電池社 どのデ バイ ス特性 の高効 率化を 目指し た量 子ドッ トに代 表されるナノ構造作 製の研 究が 広く行 われて いる。 量子ドットの作製としては、ポトムアップ法である自己組織化を利 用したStranski‑Krastanow結晶 成長(SーKモード)法が主流と極っているが、ドットサイズや配列 の制御 が困 難であ ること からそ れらを 制御 できる 簡易的 社作製 技術 が求め られている。一方、高 強度レーザー光照射によるナノドットの作製やレーザー誘起周期的表面構造(I」IPSS:Laser In(hlced P師omcSurf瓩eS缸ucturめ ができ ること が知ら れて おり、 様々を分野での応用が期待されている。

uPSSはレ ーザー ピーム の持 つ干渉 性(トップダウン効果)により形成されると考えられてきたが、

詳細に つい ては明 らかに をって おらず、1965年の発見以来、長期にわたり研究が進められている。

本研究 にお いても デバイ ス応用 を目的 とし たレー ザー照 射によ る周 期的ナ ノ構造化に関する研究 を行っ た。 その結 果、レ ーザー 照射効果には、トップダウンとポトムアップ効果によるサプナノス ケール のド ットの 生成が 起こる ことが判明した。また、照射条件を制御することにより、シリコン 表面上 には ナノス ケール のドッ ト周期列がパルスレーザー照射を行うにっれ、レーザー波長よりも 短く周 期的 に一斉 形成さ れるこ とが確認され、当該現象のメカニズム解明に対して重要を知見が得 られた 。こ れまで 、ナノ レベル での自己組織化(ポトムアップ的アプローチ)は制御が非常に難し いとさ れて いるが 、本研 究で明 らかにをったドットパターンはレーザー照射条件によって制御する ことが 可能 である 。そこ で本研 究では、レーザーの持っトップダウンとポトムアップ効果によるシ リコン 及び シリコ ン以外 におけ る周期的ナノ構造の制御性について、電子顕微鏡を用いた微細構造 解 析に よ り 明 ら かに し 、 こ れ によ っ て 機 能 性 デバ イ ス 材 料 開発 へ の 応 用への 可能 性を示 す。

  本研究での主たる研究項目は以下の4項である。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ る シ リ コ ン 基 板 上 に 形 成 さ れ る ド ッ ト サ イ ズ 及 び 形 態 の 制 御 。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ っ て 作 製 さ れ た 周 期 的 ド ッ ト の 成 長 メ カ ニ ズ ム の 検 討 及 び 制 御 。

・ シ リ コ ン 以 外 の 半 導 体 表 面 に お け る レ ー ザ ー 誘 起 周 期 的 ド ッ ト 形 成 へ の 応 用 。

・ レ ー ザ ー 照 射 に よ る 表 面 の ナ ノ 複 合 構 造 作 製 及 び そ の メ カ ニ ズ ム の 検 証 。   本論文は6章で構成されている。

  第1章では 、デ バイス 応用の 代表と して 太陽電 池を例 に挙げ、本論文の総括的を序論として、研 究の背景及び目的について述べた。

  第2章では 、ト ップダ ウンと ポトム アッ プ効果 をレー ザーの持つ干渉性と自己組織化という観点 から明 らか にする ことを 主眼に おいた。シリコン表面のドット形成と自己組織化は低圧力下におい て、一 定の エネル ギー密 度にお いて累積的を変化であり、ランダムをドット形成状態(〜1000パル ス)から縞状(1000〜3000パルス)、線状ドット配列(3000〜4000′Sルス)へと形態変化が′Sルス数 に依存 して いることを示した。また、形成された初期ドット(0〜30nm)は、ホモエピタキシャルで

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一 孝

高 樹

精  

  清

辺 吉

倉 山

渡 住

朝 柴

授 授

授 授

   

   

教 教

教 准

査 査

査 査

主 副

副 副

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あり結晶方 位はバルクと同一 方向に成長してい ることを明らかにし た。また、ドットサイズもパル ス 数に 依存 し て増 大し、0〜9000パルスでは、200nmにま で粗大化する。大 気中においても、 低圧 中と同様の 線状ドット配列の 作製が可能である ことから、簡易的を ドット配列作製法として提案し た。また、 レーザーピームの 偏光回転による重 ね合わせ(重畳)照 射によっても簡易的誼配列制御 が可能であ ることを明らかに した。

  第3章 では 、透 過 型電 子顕 微 鏡に よる シリコン表面ド ットの微細構造解 析を示した。ドッ トの 成長課程に おいて初期の突起 (ドット)〜半球 状のナノ突起までの成長過程は、3段階であることが 明 らか とを り 、特 に第2形状 で ある フラ スコ状形状はト ップダウンのみで は成しえるてとの でき をい形状で あり、ポトムアッ プ効果が寄与して いることを示す重要 を知見である。本研究では匸の 形状を¥fidro‑nanodotと定義 し、微細構造解析 によって詳細を調査 した結果、ドットの成長課程で 重要極知見 を示すことに成功 した。また、ナノ ドットデバイスの作 製技術の発展に寄与したと思わ れる。

  第4章では、レー ザー照射のトップダ ウンとポトムアッ プ効果の表面効果 を利用したシリコン以 外での半導 体表面のドット作 製及び周期的ナノ 構造化の検討を行っ た。シリコン以外の半導体では 主 に化 合物 系 半導 体が 次 世代 のデ バ イス 開発 に 注目 され て いるが、GaAsをどはAsのもつ毒 性を ど の懸 念が あ るた めGasbへの 代替 え が期 待さ れ てい る。 そ こで本章ではGaSbへのレーザー 照射 を実施し、 表面の周期的ナノ 構造化の制御につ いて検討結果を示し た。

  第5章 では 、レ ーザー照射 によるトップダウ ンとポトムアップ 効果の応用として、Au/si表 面ナ ノ 複合 構造 の 作製 について述べる。 その作製法はナノ複 合構造を短時間で 一括形成が可能教 簡易 的 方法 であ り 、そ のナノ複合構造の 形態は、パルス数に よって制御できる ことを示した。初 期状 態(〜50パ ルス)ではランダ ムであったAuナノ 粒子が′Sルス照射を行うに っれ、波長間隔で線状 化 し、 縞状 、 島状 ドット構造の形成 が確認された。一方 で、表面には〜10nmの均ー化された ラン ダ ム顔 球状 のAuナ ノ粒 子 層も 形成 し 、こ の表 面 のAuナノ 粒 子からの光特 性向上の可能性を 述べ た 。ま た、 レ ーザ ー超 高 圧電 子顕 微 鏡皿 盤蟹m隠M:L噛ermghVoltageDec伽n贓croscope) によ る レー ザー 照 射下 でのその場観察を 行うことで、リアル タイムで表面のAuナノ粒子の挙動を 調査 した。さら に微細構造解析に よって、照射後の サンプルの高分解能 断面観察を実施し、原子レベル 構造を明ら かにした。これら の結果からレーザ ーの照射効果を利用 した新規の機能材料作製の応用 技術として の可能性を示した 。

  第6章は、研究で 得られた成果の総括 である。レーザー が持つ干渉性とそ こから引出される自己 組織化によ って、半導体表面 の形態変化を原子 レベルの微細構造と して評価した初めての研究であ る。レーザ ー照射中の形状の 制御が可能であり、かつ、それらを一括で作製できることが示された。

  以上、本 論文ではシリコン 表面でのレーザー 照射により誘起形成 した特異ナノ構造配列の発見と ともに、そ れらの形状制御を らびにパターン配 列化制御ができるこ とを示し、立体構造を一括で作 製する技術 としての確立に貢 献した。加えて、 簡易的をドットパタ ーニング技術として、シリコン 以 外 の 半 導 体 を 含 む 任 意 材 料 の 自 己 組 織 化 制 御 へ の 応 用 と し て 提 案 す る こ と が で き た 。   これを要 するに、本研究成 果は、パルスレー ザー照射を利用した ドットパターン制御型機能性表 面デバイス 開発に有効を知見 を与え、量子ビー ムによるナノ材料科 学の進展として量子理工学に貢 献するとこ ろ大極るものがあ る。よって著者は,北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格が あるものと 認める。

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