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博 士 ( 理 学 ) 田 邊 学 位 論 文 題 名

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Academic year: 2021

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     博 士 ( 理 学 ) 田 邊 学 位 論 文 題 名

  Revisions of the millipede genera Xystodesmus and Parafontaria  (Diplopoda;

Xystodesmidae) with applications of multivariate analyses for the delimitation of species

(タカクワヤスデ属およびババヤスデ属の分類学的再検討:ヤスデにおける種の認識への多変量解析の適用)

学位論文内容の要旨

  バ バ ヤ ス デ 科 の 日 本 固 有 属 で あ る タ カ ク ワ ヤ ス デ 属Xystodesmus Cook,/ヾ バ ヤ ス デ 属Parafontania Verhoeffな ら び に そ れ ら に 近 縁 な 型 に つ い て , 形 態 デ ー タ に も と づ く 多 変 量 解 析 の 結 果 な ら び に 地 理 的 分 布 に も と づ ぃ て 分 類 学 的 再 検 討 を お こ なっ た.

  主 な結果 は以下 の通り である .

  1) ズ 如 めde跚usm缸en蚶 な ら び に そ れ に 近 縁 な 型 ( 5属10種 ) に つ い て 分 類 学 的 再 検 討 を お こ な っ た . 種 の 認 識 は , 形 態2値 デ ー タ を 用 い た ク ラ ス タ ー 分 析 の 結 果 と 地 理 的 分 布 に も と づ ぃ て お こ な っ た . 検 討 の 結 果 , こ れ ら の 型 の す べ て を 夕 カ ク ワ ヤ ス デ 属 に 含 め る こ と , そ し て 種 構 成 と し て は 次 の1新 種 を 含 む6種 を 認 め る こ と を 提 案 し た :Xm織n蜥 (Peters) ,Xseロufafus(Miyosi) ,Xn心 出 〇en蝣 (Cham− berlinandWang) ,X曲 む .oz小 (Takakuwa) ,X呂rac卸es(Takakuwa) ,X脚 瀏 朗 始n.sp.   2) 新 た に 定 義 さ れ た タ カ ク ワ ヤ ス デ 属 は 雄 交 尾 器 形 態 の 著 し い 地 理 的 変 異 と , そ れ と は 対 象 的 な 保 守 的 な 体 色 ( 青 灰 褐 色 の 背 板 と オ レ ン ジ ま た は 黄 白 色 の 側 庇 ) , 側 庇 形 態 , 体 サ イ ズ ( 体 長2.5‐3.Ocm) に よ り 特 徴 づ け ら れ る . い く っ か の 集 団 に つ い て は 材 料 不 足 の た め そ の 分 類 学 的 位 置 は 不 明 で あ る . 夕 カ ク ワ ヤ ス デ 属 の 所 属 す るmbeXystodesminiに つ い て は , mbeHa叩 aphiniと 区 別 が 困 難 で あ る こ と が 判明 した.

  3) 以 上 の 結 果 に も と づ き , 次 の 分 類 学 的 変 更 を 提 案 し た .mbeHa叩aphiniをmbe Xystodesmmiの シ ノ ニ ム と す る . ト リ デ ヤ ス デ 属 勵 rurod飴musと ニ ッ コ ウ ヤ ス デ 属N泌 鰤Usを タ カ ク ワ ヤ ス デ 属 の シ ノ ニ ム と す る .Xsca6.raVerhoeff,R々 卩odes― mUsruぬrcUぬrUSTakakuWa,Rカ . 蠱 ごa〇en蝣TakakuWa,Rカ . 灯 缸 狛 朋jMiyOSiをX.m紬 】 ― 蜥 の シ ノ ニ ム と す る . 勵 朋r〇de跚us緬 如aen蝣MurakamiをXぎ 瑚 甜 な 瑯 くTakakuwa) の シ ノ ニ ム と す る .Rm紅uja曲 由 . 〇z甜Takakuwa,Rカ ,sem| ねfusMiyosi,P.g瑚cゆ ヰ 嬲 Takakuwaをタカ クワヤ スデ属 に移す .

  4) バ バ ヤ ス デ 属 R旧 ′ 〔 珊 細 ね を 再 検 討 し た . 本 属 に は こ れ ま で20種 が 知 ら れ て い た . そ の う ち 特 に 変 異 の 著 し い 関 西 地 方 のP.fC岨 〇m加eaお よ び そ れ に 近 縁 な 型 に つ い て は , 交 尾 器 の 形 態 座 標 デ ー タ な ら び に 体 サ イ ズ デ ー タ に も と づ き , 薄 板 ス プ ラ イ ン , 正 準 変 量 分 析 , ク ラ ス タ ー 分 析 を 適 用 し て 形 態 変 異 を 解 析 し た . そ の 結 果 も 含 め て 種 の 分 類 を 検 討 し , 次 の12種 を 認 め た :PIef) 伽 髑 ( )ma(Takakuwa) , P.i始 箇 (Shinohara) ,P. あ面 函 (Karsch) ,P. 細m血a仏 (Takakuwa),P.伽 洫aぬ(Attems),

P, 淵 }aぬShinohara,P. 曲 む aj、 瑚ensおShinohara,P.′a紅 ぬ用(Verhoef.D,P. づpaめuねfa

(Miyosi),P.ぬ 紅汝uw酊(Shinohara) ,P.知( m面ea(Attems). このう ちP.fe.m】加 心むの分 類学 的位置 はぃ まだ不 明瞭で ある.

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  5) バ バ ヤ ス デ 属 の 再 検 討 に お い て , 次 の シ ノ ニ ム を 提 案 し た :P. 1aminata armi‑

gera (Verhoeff),PIechizenensis Shinohara,P.kuhlgatzi (Verhoeff)をP,1aminataのシノ ニムとする.P. acutidens (Attems),P.cむ.cL出(Attems),PI昭re.呂ね(Haga),P.Jo卩餌―

づp面oSaJ〇n夢ゆ面〇Sa(MiyOSi),P.Jon.餌叩mOSa讎caぬ(MiyOSi),P.ma閲()m組(VerhoefD, P・叩iraf蜘fa(VerhoefDをP.紬()m加eaのシノニムとする,

  6) 本 研 究 で 定 義 し たP. 紀 岨om加eaは 本 州 , 四 国 , 九 州 に 分 布 し , さ ら に 関 西 地 方 で , 近 縁 な 型 の 複 合 体 で あ る speciescomplexを 形 成 し て い る . そ れ ら の 型 の い く っ か は お 互 い に 生 殖 的 に 隔 離 さ れ て い る こ と が 強 く 示 唆 さ れ た . し か し な が ら , 現 段 階 で は 情 報 不 足 の た め に こ れ ら の 型 に つ い て 種 の 境 界 を 設 定 す る の は 困 難 で あるので,操作上,一種として扱う,

  7) バ バ ヤ ス デ 属 の 種 レ ベ ル の 分 岐 分 析 を21形 態 デ ー タ に も と づ ぃ て お こ な っ た ・ 分 類 学 上 の 位 置 が 未 確 定 のP.fe. 鬩 面a瓜 に つ い て は 解 析 か ら の ぞ い た . ヤ マ ン バ ヤ ス デ 属 エ £yセ0nusA眦msを 外 群 と し て も ち い て 分 析 し た 結 果 , バ バ ヤ ス デ 属 の 単 系 統性が支持された.また属内で2つのクレードが認められた.

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学位論文審査の要旨 主査    教 授   馬 渡駿 介 副査    教 授   増 田道 夫 副査   助教授   片倉晴雄 副査    教 授   戸 田正 憲

. 大学院 地球環 境科学 研究科( 低温科学研究所)

学 位 論 文 題 名

  Revisions of the millipede genera Xystodesmus and Parafontaria  (Diplopoda;

Xystodesmidae) with applications of multivariate analyses for the delimitation of species

(タカクワヤスデ属およびババヤスデ属の分類学的再検討:ヤスデにお|ナる種の認識への多変量解析の適用)

バ バ ヤ スデ 科は 、土 壌の 分解 者と して 生態 系の 中で重 要な 位置 をし める 動物 群で ある 。 こ れ ま で に 世 界 か ら 61 属 が 知ら れ て お り、 その うち の 8 属 が日 本に 生息 して いる 。し か し、 日本 産バ バヤ スデ 科は 原記 載の みで知られている種を多く含み、その分類学的研究は 著し く遅 れて いた 。中 でも 日本 固有 属であるタカクワヤスデ属ならぴにババヤスデ属は、

分類 上重 要な 形質 に著 しい 地理 的変 異を示すにもかかわらず、ささいな形質の違いで多数 の種 が記 載さ れた ため に分 類は 極め て混乱しており、現代的な分類の規範に基づぃた属全 体の 再検 討が 必要 とさ れて いた 。著 者は 、多 変量 解析 を適用 する 事によってこの2 属の形 態 の 地 理的 変異 を客 観的 に評 価し 、種 の境 界の 設定す る事 を意 図し て本 研究 を行 った 。    タ カク ワヤ スデ 属の 分類 学的 再検 討に おい ては 、タ カクワ ヤス デ属の2 既知種、およぴ 現在 は他 の近 縁な 4 属 に振 り分け られ ては いる が、 形態 が酷 似し 、明らかにタカクワヤス デ 属 に 属 す る と 思 わ れ る 8 種 の 計 5 属 10 種 を 研 究 グ ル ー プ と し て 設 定し た。 この グル ー プ で は 、雄 交尾 器の 構造 や感 覚毛 の配 置に 顕著 な変異 が見 られ るが 、著 者は それ を 41 形 質の 二値 デー タと して 表現 し、 クラ スター分析を行ったうえで、その結果を体サイズデー タおよび地理的分布と照らし合わせて、属の内容の再検討と種の設定を行う事に成功した。

そ の 結 果 、 従 来 5 属 10 種 に 分 類 さ れ て い た 対 象 群 は、 夕 カ ク ワ ヤ ス デ 属 1 属 6 種 ( 1 新

種を 含む )に 整理 され てい る。 この 過程で、著者はニッコウヤスデ属とトリデヤスデ属を

タカ クワ ヤス デ属 のシ ノニ ム( 異名 )とし、さらに、タカクワヤスデ属の所属する族であ

るXystodesmini およぴそれに近縁な族であるHarpaphini についても再検討を行い、後者を前

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者 のシ ノニ ムと した 。ま た、6 種名 を他 種名 のシ ノニ ムとし て整 理し、他の属に分類され ていた3 種をタカクワヤスデ属に移した。

   バ バ ヤ スデ 属の 分類学 的再 検討 は、 既知 の20 種す べて を対 象と して おこ ない、 最終 的 に は 12 種 に 整 理 し た 。 こ の 過 程 で 9 種 ・亜 種名 を他 の種 名の シノ ニム とし た。こ の属 の 分類では、関西地方に生息するParafontaria tonommea ならぴにそれに近縁な複数の型の分類 学 的扱 いが 特に 問題 であ った。 この グル ープ は交 尾器 の形 状の 違いに基づき6 種に分類さ れていたが、分類の基準は曖味で実用には耐えないことがあきらかになっている。しかし、

そ の一 方で 、こ の分 類群 におい ては 、い くっ かの 地点 で形 態上 明瞭に区別される2 つの型 が 発見 され てい るこ とか ら、複 数の 種が含まれている事は間違いないと考えられた。著者 は 、座 標デ ータ にも とづ く薄板 スプ ライン、クラスター分析、およぴ正準変量分析を駆使 し て、 交尾 器形 状の 変異 の定量 的な 把握と解析を行い、このグループに含まれている種の 境 界が 、形 態学 上の ギャ ップと して は認識できないことを示した。以上の事実に基づき、

著者はこの近縁種群を操作上は1 形態種P . tomon 面ea として扱うことを提案した。さらに、

バ バヤ スデ 属に つい ては 種間の 系統 関係を19 形態形質にもとづく分岐分析により推定し、

こ の属 が単 系統 群で ある こと、 およ び、 属内 に2 つの 明瞭な 分岐 群が存在することを明ら かにした。

   顕著 な地 理変 異を 示す 生物群 の分 類は一般に難しくく種の境界設定が主観的になされる

場 合も 多々 見ら れる 。本 研究が 扱っ たタカクワヤスデ属とババヤスデ属は、こうした分類

の 困難 なグ ルー プの 典型 的な例 であ る。本研究で、著者は多変量解析を適用して客観的な

デ ータ に基 づく この 2 属の 分類 学的 再検 討を おこ ない 、東ア ジア のこのグループの分類の

水 準を よう やく 世界 的な 水準に 引き 上げた。ヤスデ類への多変量解析の適用例は国際的に

も これ まで にほ とん ど例 がなく 、分 類の困難なグループの研究の進め方のーつの方向を指

し 示し てい る。 さら に、 ババヤ スデ 属内の系統関係を初めて解明した点も、ヤスデ類の系

統 分類 にお ける 重要 な貢 献とし て高 く評価される。これらの点で、本研究の分類学への貢

献 は極 めて 大き い。 よっ て、審 査員 一同は著者が博士(理学)の学位を受けるに充分な資

格があるものと認定した。

参照

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