• 検索結果がありません。

経済:マーケット・フォーカス

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "経済:マーケット・フォーカス"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

税制改革議論が本格化へ

9/27にトランプ政権と議会共和党は統一の税制改革案を発表した。これを受け て、かねてからの政策課題である税制改革論議がようやく本格化することになる。

トランプ大統領は税制改革にあたって①税制の簡素化、②中間層向け減税、③ 海外と公平な競争条件の確保、④海外で蓄積された企業利益の還流、を原則とし て掲げている。これに沿って、今回の改革案には個人所得税の税率区分簡素化や 基礎控除、児童扶養控除の拡大、法人税率の20%への引き下げ、5年間の設備投 資の即時償却の適用、源泉地国課税方式への移行や海外留保利益への1度限り の低率課税等が盛り込まれている(次ページの表を参照)。ただ、4月に発表された 政権としての税制改革案等ですでに提示されていた内容が多く、新味には乏しい。

米Committee for a Responsible Federal Budgetは今回の案が実現した場合、全体 で2.2兆ドルの減税になると試算している。4月の改革案では5.5兆ドルの減税という 試算であったため、それに比べれば規模は縮小する見込みとなっているものの、法 人税率の引き下げが直接的に企業利益を押し上げることに加え、個人消費や設備 投資の増加を通じて、2018年以降の米国経済の成長を支えることが期待される。

税制改革案の発表を 受けて、議会審議が 本格化へ

 9/27にトランプ政権と議会共和党は統一の税制改革案を発表した。主な内容としては、個人 所得税の税率区分簡素化や基礎控除、児童扶養控除の拡大、法人税率の20%への引き下 げ、5年間の設備投資の即時償却の適用、源泉地国課税方式への移行や海外留保利益へ の1度限りの低率課税等が盛り込まれている。

 今回の案が実現した場合、全体で2.2兆ドルの減税になると試算されており、2018年以降の 米国経済や企業利益を押し上げることが期待される。もっとも、現時点では具体性に乏しく、

あくまでも今後の議会審議へのたたき台の段階といえる。協議が難航する可能性もあり、税 制改革の具体的な姿は今後の議会審議で見極めていくことになろう。

 法人税率の20%への引き下げが実現した場合、米主要500社の最終利益は約10%押し上げら れると試算される。また、海外に滞留する利益が米国に還流することで、自社株買いが増加 し、米国株の上昇につながろう。個別では税負担の重い企業や多額の海外留保利益を有し ている企業への恩恵が大きいと見込まれる。

マーケット・フォーカス

経済・株式:米国

投資情報部 シニアエコノミスト 宮川 憲央 シニアストラテジスト 永田 尋嗣

(2)

もっとも、今回提示されたのはあくまでも大枠であり、恒久減税なのか一時的な減 税なのか、どのようにして財源をまかなうのか、財政赤字をどこまで許容するのか、と いった詳細は示されていない。

また、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案を上院で可決することができな かったように、大統領と上下両院を共和党が占めるとはいえ、その意見は必ずしも 一枚岩ではない。税をめぐる利害関係は複雑であるため、減税という総論には意見 の一致があるとしても、各論の段階では協議が難航する可能性がある。また、12/8 には暫定予算の期限を迎えるため、2018年度予算の議論に再び時間を要するとみ られる。このため、共和党としては17年中の法案成立を目指すものの、実際には18 年に後ずれすることになろう。

こうした点から、今回の改革案は、今後本格化していく議会審議へのたたき台とい う位置づけでみるべきであり、議論の展開次第では内容が大きく変わる可能性もあ る。税制改革が最終的にどのような内容、規模、タイミングで実現するかについて は、今後の議会審議の行方を見極めていく必要があろう。この点、次のステップとし て注目されるのは予算決議の可決になる。本来、上院では審議妨害を阻止するた め、法案の成立には総議席数100のうち60票が必要であり、60票の確保には民主党 の協力が必要となる。一方、予算決議を可決して財政調整法を活用すれば、単純 過半数(51票)で法案を成立させることが可能となる。この場合でも、共和党から3名 が反対すれば法案を可決することはできない状況のためハードルは低くないが、共 和党がまとまれば税制改革を実現できることになる。また、予算決議では予算の全 体像が示されるため、この段階で全体的な減税規模がみえてくることになろう。

トランプ政権と議会共和党による税制改革案の主なポイント(2017年9月発表)

個人所得税

・税率区分の簡素化および代替ミニマム税*1の廃止

-税率区分を現在の7区分から12%、25%、35%の3区分に簡素化  -高所得層にはさらに高い税率を適用する可能性も

▲ 1.7

・基礎控除をおよそ2倍に引き上げ ▲ 0.7

・児童扶養控除の拡大、児童以外の扶養控除の新設 ▲ 0.4

・遺産税の廃止 ▲ 0.2

・大部分の税控除の廃止

 (住宅ローン金利や寄付金等に対する控除は維持) 1.6

・その他の税制優遇措置の廃止 1.6

法人税

・連邦法人税率を現行の35%から20%に引き下げ

 および代替ミニマム税の廃止 ▲ 1.9

・パススルー事業体*2への税率を25%に引き下げ ▲ 0.5

・少なくとも今後5年間、設備投資の即時償却を認める ▲ 0.4

・利払い控除を一部制限 0.2

・国内製造業への特別控除廃止 0.1

・特定の目的に対する税制優遇措置を廃止

 (研究開発控除と低所得層向け住宅建築控除は維持) ---

・源泉地国課税方式*3への移行、

海外留保利益には1度限りの低率課税(税率は未定) 0.0*4

合計 ▲ 2.2

(注) 税収の増減額は米Committee for a Responsible Federal Budgetによる試算 その他、物価参照指標の変更にともなう調整によって0.1兆ドルの増加 出所:ホワイトハウス、各種報道資料よりみずほ証券作成

税収の増減額(10年間合計)

兆ドル

*1 代替ミニマム税とは高所得者の 税控除、優遇措置を制限するため の制度。

通常の課税所得・税額の計算とは 別に、減税措置を除いた代替課税 所得・税額の計算も行い、いずれか 高い金額を納付する

*2 パススルー事業体とは通常の株式 会社とは異なる個人事業主、小規 模法人、共同事業体(パートナー シップ)等。

パススルー事業体には法人税が 課税されず、事業体から配当を受 け取る出資者に対して個人所得税 が課税される

*3 源泉地国課税方式とは自国の所 得のみを課税対象とする方式。

現在米国では、全世界の所得が 課税対象となる「全世界所得課税 方式」が採用されている

*4 源泉地国課税方式への移行による 税収減と海外留保利益への低率課 税による税収増が相殺するとの 見通し

(3)

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

米国株は税制改革案を好感して上昇、公表翌日の9/28にS&P500指数が史上最 高値を更新した。また、米国内での事業比率が相対的に高く法人税減税の恩恵が 大きい小型株が買われ、小型株で構成されるラッセル2000指数は連日で史上最高 値を更新した。ただ、NYダウの9/27~28の上げ幅は96ドル(9/26比で0.4%)にとど まった。公表された改革案の内容が事前報道の範囲内にとどまったほか、財源確保 が見通せておらず法人税率の20%への引き下げに対する懐疑的な見方が上値を抑 えたとみられる。もっとも、議会共和党は来年11月の中間選挙に向けた支持固めの 思惑から、規模はともかく何としても減税を実現させようとする、との見方が大勢と なっている。

みずほ証券投資情報部では、仮に法人税率が20%に引き下げられた場合、海外 での税負担は変わらないことを考慮すると主要500社の税負担率が現行の27.7%か ら7ポイント程度低下し、最終利益は約10%押し上げられると試算した。加えて、今回 の改革案では、米国企業が海外で稼いだ利益を米国に還流しやすくする仕組みが 盛り込まれている。ブッシュ(子)政権下で実施されたレパトリ減税の事例を参考に すると、今回は1兆ドル規模の資金が還流し、うち約7,600億ドルが自社株買いに充 てられS&P500指数の1株当たり利益(EPS)を約4%押し上げると試算される。

9/27時点でS&P500指数は2507ポイント、同指数の2018年予想EPSは145.4ドル

(トムソン・ロイター集計)で、18年利益ベースの予想株価収益率(PER)は17.2倍と、

2015年~16年米大統領選挙前のレンジ(15倍~17倍)の上限近辺にある。ただ、18 年予想EPSは法人税減税による最終利益改善の織り込みで約160ドル、自社株買 いも織り込めば約165ドルとなり、予想PERはそれぞれ15.7倍、15.2倍となる。主要 500社の18年利益予想は前年比+11.0%であり、2ケタ増益期待や税制改革による EPS改善見込みからPERは高めの推移が許容されるとみられる。米国株は法人税率 引き下げ幅の着地点や議会審議の進ちょくをにらみつつ、減税による企業収益の 改善を織り込む動きを強めよう。法人税率20%への引き下げの実現がみえれば、

米 国 株 : 法 人 税 率 20%なら最終利益は 約10%改善へ、議会 審議にらみつつ上昇 基調を強めよう

法人税減税および自社株買いによるEPS押し上げ試算

0 10 20 30 40 50 60 70 80

17年予想EPS 18年予想EPS

(ドル)

(注)みずほ証券投資情報部の試算

出所:ブルームバーグおよびトムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成

法人税減税 自社株買い

+14.2ドル +5.7ドル

131.1ドル

165.3ドル

120 130 140 150 160 170 180

(4)

S&P500指数は年末にかけて税制改革によるEPS改善を反映した18年利益ベースの PER17倍の2800ポイント(NYダウで25000ドル)も視野に上昇基調を強める展開が想 定される。

個別では、税負担が重い企業ほど法人税減税の恩恵が大きいとみられるほか、海 外に多額の留保利益を有している企業は自社株買いの拡大が見込まれる。税負担 が重い企業としては小売や通信といった米国内の事業比率が高い企業、多額の海 外留保利益を有する企業としてハイテク企業等が挙げられる。

税負担が重い企業、

海外に 多額の 留保 利益を有している企 業に注目

予想EPSとPERによるS&P500指数の想定

(月次:2007/1~2017/12)

(ポイント)

600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800

07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

S&P500指数 PER17倍 PER15倍 PER13倍 PER11倍

2472

(年)

2017/9/27時点

S&P500指数…2507ポイント 12ヵ月先予想PER…17.9倍 18年予想EPS…145.4ドル

(注)2017/9のS&P500指数は9/27時点。2007/1~2017/9のPER11倍~17倍はS&P500指数の12ヵ月先予想 EPSを11倍~17倍したもの。ただし、2017/9は9/22時点の予想EPSから算出。2017/12のPER11倍~17 倍は、9/27時点のS&P500指数の18年予想EPSを11倍~17倍したもの。予想はトムソン・ロイター集計 出所:トムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成

2181 1890 1599

9/27 終値

(ドル)

直近 1ヵ月の

株価 騰落率

(%)

9/27 終値

(ドル)

直近 1ヵ月の

株価 騰落率

(%)

金額

(億ドル)

時価 総額

(%)

HD ホーム・デポ 一般消費財 160.92 7.5 36.4 MSFT マイクロソフト 情報技術 73.85 1.4 1,420 25.0 DIS ウォルト・ディズニー 一般消費財 99.24 ▲ 3.1 35.0 AAPL アップル 情報技術 154.23 ▲ 3.5 1,098 13.8 C シティグループ 金融 72.28 6.5 34.6 PFE ファイザー ヘルスケア 35.45 6.2 860 40.8 T AT&T 通信 38.77 2.1 33.6 GE ゼネラル・エレクトリック 資本財 24.37 ▲ 0.5 820 38.9 MCD マクドナルド 一般消費財 154.05 ▲ 3.0 32.8 IBM IBM 情報技術 145.66 1.3 714 52.6 S&P500指数 2507.04 2.6 27.7 S&P500指数 2507.04 2.6 21,794 11.2

税負担率が高い企業 海外留保利益が大きい企業

海外留保利益 株価

ティッカー 企業名

直近 3年の 税負担

(%)

ティッカー 企業名

株価

業種 業種

(注1)S&P500指数構成企業のうち、直近3年の税引前利益が黒字かつ9/27時 点の時価総額が1,000億ドル超の企業の中からみずほ証券投資情報部 が任意に抽出

(注2)直近1ヵ月の株価騰落率は、8/25と9/27の終値を比較して算出 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

(注1)S&P500指数構成企業のうち、直近の通期決算で公表されている海外留保利益の 金額が大きい上位5社を抽出

(注2)直近1ヵ月の株価騰落率は、8/25と9/27の終値を比較して算出 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

(5)

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第

94

加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、

一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-170929-13

等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。

■国内株式の手数料等諸費用について

○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。

○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。

○保護預かり口座管理料は無料です。

■外国株式のリスク

○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。

○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。

○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。

○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。

○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。

■外国株式の手数料等諸費用について

○外国委託取引

国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。

詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、

約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。

○国内店頭(仕切り)取引

お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。

○国内委託取引

当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。

○外国証券取引口座

外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。

外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。

商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。

参照

関連したドキュメント

■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用 ・購入時(換金時)手数料 … 上限

商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会

○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大1.134%(税込み)、最低2,700

+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下

+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下

+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下

○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料

固定資産投資の減速が強まるなか、投資全体の56%(17年)を占める民間投資が