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株式:マーケット・フォーカス

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この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

中間選挙で想定される3つのシナリオと株価影響

11/6の米中間選挙に市場の関心が集まりつつある。中間選挙の結果によって 2019年からの連邦議会の勢力図が変わり、トランプ大統領と共和党が掲げるインフ

ラ投資拡大や金融規制緩和の実現可能性が変わるとみられるためだ。

今回の中間選挙は、上院100議席中35議席、下院の全435議席が改選される。現 在、共和党は上院で51議席、下院で236議席と、上下両院ともに多数党(議会で多 数の議席を占める政党)となっている。共和党が議会の主導権を握っていることが、

トランプ大統領の重要公約である大幅減税(税制改革)の実現につながった。

米中間選挙の 結果 によって、トランプ政 権の 政策の 実現可 能性が変わる見込み

 各種世論調査によると、11/6中間選挙で共和党が下院の議席数を減らし、来年から下院の 多数党が民主党に移る見込み。新政権発足後の中間選挙では政権批判から大統領所属政 党が下院で議席数を減らす傾向があり、今回もトランプ大統領への批判が共和党の逆風に

 中間選挙結果および株価影響として、以下の3つのシナリオが想定される

シナリオ①「ねじれ議会」…法案成立は滞るが、政治的混乱をもたらすトランプ大統領弾劾 の可能性は低く、株価影響は限られよう。NYダウは年末にかけ27000ドル台に上昇へ

シナリオ②「共和党議会」…シナリオ①に比べ予算が必要なインフラ投資、法改正をともな う金融規制緩和が実現しやすい。選挙後に米国株は上昇基調を強め、NYダウは年末にか け28000ドルが視野に

シナリオ③「民主党議会」…トランプ大統領の弾劾手続きによる政治的混乱への警戒で一 時的な株安へ。NYダウは1000ドル程度の下げも

 過去、新政権発足後の中間選挙年に、NYダウは9月末から年末にかけ平均6.1%、翌年4月 末にかけて平均17.2%上昇した。9/26のNYダウ26385ドルに過去の平均上昇率を当てはめる と2018年末に28000ドル、19年4月末に31000ドルが視野に

マーケット・フォーカス

株式:米国

投資情報部 永田 尋嗣

米連邦議会の勢力図

[上院]

2018年中間選挙では35議席が改選対象

[下院]

2018年中間選挙で全議席が改選される

民主 49

共和 51

26 9

改選対象

全100議席

民主 193

共和 236 空席6 全435議席

(注1)データは2018/9/10時点

(注2)上院の改選対象26議席には、民主党と 共同歩調をとる無所属の議員2名が含ま れる

(注3)上院採決が賛否同数となっ た場合、上 院議長を兼務する副大統領(現在は共 和党のマイク・ペンス氏)が投票し、法案 の可決・否決を決定する

出所:各種資料よりみずほ証券作成

(2)

各種世論調査によると、今回の中間選挙は共和党が上院の多数党を維持する一 方、下院の多数党は共和党から民主党に移る見込み。過去、新政権発足後の中間 選挙は、政権批判から大統領所属政党が下院で議席数を減らす傾向があり、今回 もトランプ大統領への批判が下院共和党にとって逆風となる公算だ。直近では、

2010年にオバマ政権のもと実施された中間選挙で、大統領所属政党である民主党

が大敗。民主党は上院の過半数を維持したものの、下院の多数党は民主党から共 和党に移った。9/26時点でトランプ大統領の支持率は43.5%と、10年中間選挙直前 のオバマ大統領の支持率46%程度とほぼ同水準であり、共和党が下院の議席数を 大きく減らす可能性がある。一方、上院は改選35議席中26議席が民主党であり、民 主党が上院の多数党になるには26議席を守りつつ2議席の上積みが必要となる。こ のハードルは高く、上院は共和党が多数党の座を守るとの見方が多い。

過去の米国株の騰落と中間選挙結果をみると、株高は大統領所属政党に追い 風となっていない。1982年、90年、2010年は、NYダウの年初来(前年末→10月末)

および選挙前6ヵ月間(4月末→10月末)の騰落率がプラスであったが、いずれも大 統領所属政党は下院で議席数を減らしている。1970年以降、政権発足後初の中間 選挙で上下院ともに議席数を増やしたのは、テロとの戦いを背景に支持率が60%台 半ばにあったブッシュ(子)政権のもとで実施された2002年中間選挙だけである。

トランプ大統領への 批判が 共和党に 逆 風、下院の多数党が 共和党から民主党に 移る見込み

株高は 大統領所属 政党に追い風とはな らず

前年末 4月末

10月末 10月末

1970

ニクソン 共和

44 2 180

▲ 12 ▲ 5.6

2.7 1978

カーター 民主

58

▲ 3

277

▲ 15 ▲ 4.7 ▲ 5.4

1982

レーガン 共和

54 1 166

▲ 26

13.3 16.9

1990

ブッシュ(父) 共和

44

▲ 1

167

▲ 8 ▲ 11.3 ▲ 8.1

1994

クリントン 民主

48

▲ 9

204

▲ 54

4.1 6.2 2002

ブッシュ(子) 共和

51 1 229 8

▲ 16.2 ▲ 15.6

2010

オバマ 民主

51

▲ 4

193

▲ 63

6.6 1.0

▲ 2 ▲ 24 ▲ 2.0 ▲ 0.3

2018

トランプ 共和

6.7 9.2

新政権発足後の中間選挙結果と選挙前のNYダウ

上院 下院

大統領所属政党の選挙結果 NYダウの騰落率(%)

選挙 実施

大統領と 所属政党

平均

議席

前回 選挙比

議席

前回 選挙比

(注)2018年のNYダウの 騰落率は9/26時点 出所:各種資料より

みずほ証券作成

(日次:2017/1/25~2018/9/26)

トランプ大統領支持率の推移

(%)

出所:各種資料よりみずほ証券作成 35

40 45 50 55 60

17/1 17/4 17/7 17/10 18/1 18/4 18/7 (年/月)18/10 支持しない

支持する

52.5

43.5

税制改革法案が成立

(17/12/22)

鉄鋼・アルミ製品への

追加関税方針表明

(18/3/1)

トランプ大統領の 元側近に有罪判決

(18/8/21)

(3)

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

今回の中間選挙結果は、①共和党が上院の過半数を維持する一方で民主党が 下院の多数党となる「ねじれ議会」、②共和党が上下両院の多数党を維持する「共 和党議会」、③民主党が上下両院の多数党となる「民主党議会」の3つのシナリオが 想定される。

もっとも、いずれのシナリオでもトランプ政権・共和党議会のもと、これまで成立し た法案が覆される可能性は低い。これは、大統領は議会が可決した法案への署名 を拒否し成立を阻む権限(拒否権)があり、議会が拒否権を覆して法案を成立させ るには上下両院でそれぞれ3分の2以上の賛成で再可決する必要があるため。仮に シナリオ③となり民主党が税制改革を覆す法案を可決した場合、トランプ大統領が 拒否権を行使するとみられ、減税による米景気押し上げが続く公算だ。

ねじれ議会のもと法案成立が滞るものの、政治的混乱をもたらす大統領弾劾の 可能性は低く、中間選挙の株価影響は限られよう。米国株は減税効果を背景とした 米景気の堅調推移を織り込んで上昇基調を維持し、NYダウは年末にかけ27000ド ル台に上昇しよう。個別では金融や医療関連株に注目。トランプ大統領が行政の権 限で進めやすい規制緩和に注力すれば、金融機関がリスクを取りやすくなるほか、

コンプライアンス関連費用の削減で金融株の押し上げ要因となろう。また、共和党 が議会の主導権を失うことで、オバマケア存続の可能性が高まる。トランプ大統領と 議会共和党は、昨年の税制改革でオバマケアへの個人の保険加入義務を廃止し たが、オバマケアそのものは存続している。病院運営会社や医療機器メーカーと いった医療関連株の見直し買いにつながろう。

共和党が議会の主導権を握るため、シナリオ①に比べインフラ投資費用を予算 に盛り込みやすく、法改正をともなう金融規制緩和も実現しやすい。米国株は10年 間で1.5兆ドル規模のインフラ投資や金融規制緩和の実現期待から上昇基調を強 め、NYダウは年末にかけ28000ドルが視野に入ろう。恩恵を受ける銘柄として、建設 機械や建設資材メーカーといったインフラ関連や金融株が挙げられる。

仮に 民主党が 上下 両院の多数党となっ ても、税制改革が覆 される可能性は低い

シナリオ①「ねじれ議 会」…中間選挙の株 価影響は限られる見 込み

シナリオ②「共和党 議会」…政策実現期 待が米国株を押し上 げへ

シ ナリオ① シ ナリオ② シ ナリオ③

「ねじれ議会」 「共和党議会」 「民主党議会」

確率:○ 確率:△ 確率:×

多数党 上院:共和党 下院:民主党

上院:共和党 下院:共和党

上院:民主党 下院:民主党 経済

影響

株価 影響

2018

年中間選挙結果と経済および株価影響の想定

大統領には法案の拒否権があるため、いずれのシナリオでもトランプ政権・共和党議会のもと、こ れまで成立した法案が覆される可能性は低い ⇒ 減税による米景気押し上げが継続へ

法案成立は滞るが、大統領弾劾の 可能性は低い ⇒ 選挙結果の株価 影響は限定的に

金融、医療関連株にポジティブ

インフラ投資や金融規制緩 和の実現期待で上昇基調 を強めよう

インフ ラ投資関連、金融株 にポジティブ

ト ラ ンプ 大統領 の弾劾 手続きによる政治的混 乱を警戒 ⇒ 一時的な 株価下落へ

( 注)確率、経済影響、

株価影響はみずほ 証券投資情報部の 判断。○△×は確 率 の高 さを 示す 。

○:高い、△: 中程 度、×:低い 出所:各種資料より

みずほ証券作成

(4)

民主党がトランプ大統領の弾劾手続きを進め政治的混乱が生じることへの警戒 から、選挙後に米国株の下落が見込まれる。1998~99年のクリントン大統領の弾劾 裁判では、98/8/17にクリントン氏がスキャンダルを認めてから、同日のロシア政府 の債務不履行宣言もありNYダウは一時12%下落。その後、手続き開始を経てNYダ ウは反発し、安値の約2ヵ月後に下落前の水準を回復した。クリントン大統領の事例 を9/26のNYダウ26385ドルに当てはめると、下げのめどは約3000ドルとなる。ただ、

当時の急落はロシア危機が重なったほか、今回は減税効果もあり当時ほどの下げ にはならないだろう。なお、2016年米大統領選挙の直前に連邦捜査局(FBI)がヒラ リー・クリントン候補の私用メール問題の捜査を再開してからNYダウは一時1.5%下 落、16年6月英国民投票直後2日間のリスク回避局面での下げは4.8%で、9/26の水 準に当てはめるとそれぞれ約400ドル、約1300ドルとなる。仮に弾劾手続き入りした 場合、NYダウの下げは1000ドル程度にとどまるイメージだ。

中間選挙後の米国株は、イベント通過による不透明感の後退や、翌々年の大統 領選挙をにらんだ政権の景気重視姿勢への期待から堅調に推移する傾向があると される。実際、1970年以降の新政権発足後の中間選挙年に、NYダウは9月末から 年末にかけ平均6.1%、翌年4月末にかけ同17.2%上昇した。9/26のNYダウ26385ドル に過去の平均上昇率を当てはめると、18年末に28000ドル、19年4月末に31000ドル が視野に入る。

シナリオ③「民主党 議会」…大統領弾劾 手続きによる政治的 混乱への警戒で一時 的な株安へ

新政権発足後の 中 間選挙年に、NYダウ は9 月末から年末に かけ平均6.1%上昇

クリントン大統領の弾劾裁判前後のNYダウ

(日次:1998/7/1~1999/2/26)

5000 6000 7000 8000 9000 10000 11000

98/7 98/8 98/9 98/10 98/11 98/12 99/1 99/2 99/3

(ドル)

出所:各種資料より みずほ証券作成

(年/月)

98年1月に大統領の不倫スキャンダルが浮上

98/9 大手ヘッジファンドが

経営破たん

98/10/5 下院司法委員会、

弾劾調査開始を 決議

99/2/12 弾劾裁判で クリントン大統領が

無罪に 98/8/17

大統領が実習生との 関係を認める。

同日、ロシア政府が 債務不履行を宣言

98/8/17 8574ドル

98/8/31 7539ドル

▲12%

98/10/30 8592ドル

1970

~2017年のNYダウの平均推移

(前年末=100)

90 95 100 105 110 115 120

12月1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月11月12月1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 全体

新政権発足後の中間選挙年 2018年

当年 翌年

前年

中間選挙(11月)

当年9月末

当年12月末

翌年4月末

9月末

12月末

9月末

翌年4月末 全体

3.8 8.9

新政権発足後の

中間選挙年

6.1 17.2

※単位は%

[NYダウの平均騰落率]

(5)

この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する

2018年のこれまでのNYダウを過去の中間選挙年と比較すると、1994年9月までと

似た動きとなっている。94年11月以降のNYダウは、94年末に11月末比3%高の3834 ドル、95年末に94年11月末比37%高の5117ドルに上昇。97年7月末には8222ドルと

94年11月末比で2.2倍となった。94年の中間選挙はクリントン大統領の任期1期目に

実施され、大統領所属政党である民主党が大敗。上下院ともに議会の多数党が民 主党から共和党に移った。クリントン大統領は中間選挙での大敗後、96年に一般教 書演説で「大きな政府の時代は終わった」と述べたほか、共和党が議会を通過させ た福祉改革法案に署名し成立させる等、共和党の政策を取り込み、96年大統領選 挙で再選を果たした。

94年の中間選挙結果は大統領所属政党が上下両院で主導権を失っており、今

回の選挙結果シナリオでは③「民主党議会」に相当する。シナリオ③となった場合、

トランプ大統領が自らを弾劾しようとする民主党と協調する姿勢をみせるかどうかは 未知数で、94年中間選挙後のような政策進展による米株高は見込みにくい。

ただ、上院民主党が2018年3月に10年間で1兆ドルのインフラ投資計画を発表す る等、トランプ大統領と民主党で方向性が一致する政策もある。トランプ大統領が一 部の民主党議員を取り込んでインフラ投資拡大に道筋をつけられれば、NYダウが

2018年末にかけて28000ドルを目指す展開も想定されよう。

【参考資料】投資情報部「外国株式 今月の注目点(2018/9/7)」

1994年中間選挙では 大統領所属政党が 大敗も、選挙後にNY ダウが大幅上昇

1994年中間選挙前後および2018年のNYダウの推移

(前年末=100)

(注)データは月次、2018年のNYダウは9/26まで 出所:各種資料よりみずほ証券作成 90

100 110 120 130 140 150

12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月 2月 4月 6月 8月 10月 12月

1994年中間選挙 2018年

1994/11 99.6(3739ドル)

1994/12 102.1(3834ドル)

1995/12 136.3(5117ドル)

94/11→95/12 3 7%上昇

中間選挙年(1994年、2018年) 翌年(1995年)

前年

1994年11月の中間選挙で民主党が大敗。

上下院とも多数党は共和党に

(6)

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94

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