この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
リバーサル・レートへの言及は政策見直しを意味せず
日本銀行は12/20~21に開催された金融政策決定会合において、金融政策の現 状維持を決定した。2016年9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入 して以降、現状維持を続けている。 具体的には短期金利を▲0.1%、長期金利(10年国債金利)をゼロ%程度で推移す るように長短金利の操作(イールドカーブ・コントロール)を行い、ETF等の資産買い 入れも継続する。また、長期国債の買い入れについても、保有残高が年間80兆円 程度増加するペースをめどとする、という方針が維持された。 また、経済の現状に関する判断をみると、「緩やかに拡大している」と前回10月の 判断を据え置いたものの、設備投資や個人消費の評価が前進しており、日銀が経 済動向に関する自信を深めていることがうかがえる。一方で物価についての評価に は変更はなかった。金融政策の 現状維
持を決定
日本銀行は12/20~21に開催された金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定。
11/13の講演で言及されたリバーサル・レートについて注目が高まっていたが、黒田総裁は政
策の見直しを意味しないと発言。
欧米の中央銀行は徐々に緩和縮小に向かっているものの、日銀は追加緩和にも引き締めに
も動かず、現在の枠組みでの金融緩和を粘り強く継続すると考えられる。
マーケット・フォーカス
経済:日本
投資情報部 佐野 貴子 宮川 憲央2017/
12/22
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール) 短期金利: 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用 長期金利: 10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行う 買い入れ金額はおおむね現状程度の買い入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円) をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営 資産買い入れ ETF: 保有残高が年間約6兆円増加するペースで買い入れ J-REIT: 保有残高が年間約900億円増加するペースで買い入れ CP等: 年間約2.2兆円の残高を維持 社債等: 年間約3.2兆円の残高を維持 出所:日本銀行の資料よりみずほ証券作成 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針(2017年12月)なお、今回の決定に関して、片岡委員は9月、10月の会合に続いて反対票を投じ た。前回はオーバーシュートコミットメントの強化に加えて、15年国債金利が0.2%未 満で推移するように、と主張していたが、今回は10年以上の国債金利を幅広く下げ るように、長期国債の買い入れを行うことが適当である、と主張を変更した。 11/13の講演で黒田総裁がリバーサル・レートの考え方に言及して以降、市場の 一部で、現在の金融緩和の縮小に向けた初期のアナウンスの可能性があるという 見方も浮上した。このため、市場は今回の会合でこの点についてどのような発言が あるか、注目していた。なお、リバーサル・レートとは、行き過ぎた低金利は金融機関 の預貸利ざやの縮小による財務悪化をもたらし、金融仲介機能を低下させるため、 かえって金融緩和効果を反転(リバース)させかねないという考え方である。 しかし、総裁は12/21の記者会見で、あくまでもリバーサル・レートは「学術的な分 析の1つ」であって、「金融仲介機能に現段階で問題が生じていることはない」、 「イールドカーブ・コントロールの変更が必要だということは意味していない」と発言。 また現在のイールドカーブは「最も適切な効果を発揮」しており、「現時点で変える 必要はない」と述べ、現在の緩和政策を粘り強く続ける方針を示唆した。 今後の金融政策について考えると、経済は堅調な成長が続いているため、追加 緩和の必要性は乏しい。また、過度な金利低下や長短金利差の縮小には、銀行の 利ざや縮小や保険・年金の運用利回り低下等の副作用もあることからも、追加緩和 のハードルは高いといえる。内外経済の下振れリスクの高まりやそれにともなう国際 金融市場の不安定化、とくに急速な円高が生じるような展開とならない限り、追加緩 和の可能性は低いと考えられる。 一方、日銀が長期金利目標の引き上げ等、緩和を縮小する可能性も当面は低い と考えられる。経済や労働市場は堅調であるものの、賃金の上昇圧力は鈍く、物価 への波及も限定的であり、日銀の物価目標の達成が難しい状況に変わりはないた めだ。 実際、10月の消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数で前年同月比+0.8%、さ らにエネルギーを除いた指数では同+0.2%と伸び悩んでいる。過去の消費者物価の 動きをみると、経済全体の需要と供給の差をあらわすGDP ギャップが大幅にプラス (需要超過、景気の過熱)となるか、商品市況の高騰がなければ、同+2%には届いて いない。また、賃金が伸び悩むなかでは、家計の節約志向は根強く、企業が値上げ による顧客離れを警戒する姿勢も残っているとみられる。このため、物価目標の達 成にはいまだ時間を要するとみられる。
講 演 で の リ バ ー サ
ル・レートの言及は
政策の見直しを意味
せず
欧米が 緩和縮小に
向かうなか、日銀は
粘り強く緩和を維持
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する こうした点から、少なくとも黒田総裁の任期中(2018年4月まで)は追加緩和にも引 き締めにも動かず、現状維持を続ける可能性が高いと考えている。また、次期総裁 が誰になるとしても、現在の緩和路線が大きく変化することはないとみられる(みず ほ証券投資情報部では黒田総裁が再任される可能性が高いと予想)。 経済の成長や労働市場の改善を背景として、米連邦準備理事会(FRB)は利上げ に続き、バランスシートの正常化を開始したほか、欧州中央銀行(ECB)も資産購入 プログラムの購入規模縮小を決定する等、欧米では金融危機に対応すべく打ち出 された異例の金融緩和からの出口へ向かい始めている。一方、日銀は当面、緩和 スタンスを継続するとみられるため、日本における低金利が長期化するとともに、欧 米との金利差はより拡大していく可能性が高い。結果として、ドルやユーロに対して 徐々に円安が進んでいく可能性が高いと、引き続き予想している。
▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 ▲ 2.0 ▲ 1.5 ▲ 1.0 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 消費者物価指数と所定内給与の推移(前年同月比) ( 月次:2000/1~2017/10) 消費者物価指数(左目盛) 所定内給与(右目盛) (%) (注) 消費者物価指数は食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合、消費税の影響を調整 出所:総務省、厚生労働省のデータよりみずほ証券作成 (年) (%) ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 85 90 95 00 05 10 15 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、前年同月比)の推移 ( 月次:1985/1~2017/10) GDPギャップ(右目盛) 消費者物価指数(左目盛) (注) GDPギャップ=(実質GDP-潜在GDP)/潜在GDPで算出、経済の供給力と需要とのかい離を示す、内閣府による推計値 四半期の中間月(7-9月期なら8月)の時点にプロット、 直近は2017年7-9月期、図中では9ヵ月先行して表示 消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数、消費税の影響を調整している 出所:内閣府、総務省のデータよりみずほ証券作成 (%) (年) 物価安定の目標(2%) (%) 70 80 90 100 110 120 130 140 0 1 2 3 4 5 6 7 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 ドル円と日米金利差の推移 (日次:2000/1/4~2017/12/21) 日米金利差(左目盛) ドル円(右目盛) (%) (年) (注)日米金利差は米2年国債-日本2年国債 (1ドル=円)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-171222-05 リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。