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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やまわき いさお

山脇 勲

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 800 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of glucose concentration on osteogenic

differentiation of type II diabetes mellitus rat bone marrow-derived mesenchymal stromal cells on a nano-scale modified titanium

(ナノレベル表面構造制御チタン金属上におけるⅡ型糖尿病 モデルラット骨髄由来間葉系間質細胞の硬組織分化誘導にグ ルコース濃度が及ぼす影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Periodontal Research 第 巻 第 号 平成 29 年 月

論 文 調 査 委 員 主 査 梅田 誠 教授 副 査 田中 昭男 教授 副 査 馬場 俊輔 教授

論文内容要旨

糖尿病は生活習慣病の一つで,発症・進行においては歯周病と双方向性があり,オッセオインテグ レーションおよびインプラントの成功率を低下させるとの報告も散見される.そこで本研究では,イ ンプラントフィクスチャー表面のオッセオインテグレーションを模倣して,グルコース濃度がナノレ ベル表面制御構造チタン表面上での硬組織形成に及ぼす影響について検討した.

材料は,市販

JIS

規格

2

級純チタンを研磨後に

10M

水酸化ナトリウム水溶液に室温で

24

時間浸漬・

攪拌し

Titania Nano Sheet

構造(TNS)を析出させ,

TNS

析出チタンと非析出チタンをそれぞれ

600℃

1

時間焼成し,実験に使用した.生後

8

週齢の

Goto-Kakizaki

雄性ラットの大腿骨骨髄から骨髄間 葉系間質細胞を単離し,供試した.各種チタン表面上に播種後,空腹時血糖値を参考に,通常グルコ ース群(5.5mM),コントロールされた糖尿病患者群(8.0mM),非コントロール糖尿病患者群(12.0mM,

24.0mM)の 4

群に濃度調整した培養液で硬組織分化誘導を行い,Alkaline phosphatase(ALP)活 性,Osteocalcin(OCN)産生,細胞外マトリックスへの

Calcium

(Ca)と

Phosphate

(P)の析出な らびに炎症性サイトカインの発現について検討した.

硬組織分化誘導1週目の

ALP

活性は両チタン群においてグルコース濃度の上昇とともに減少した.

これとは対照的に,硬組織分化誘導4週目

OCN

産生量と

Ca

析出量がグルコース濃度

8.0 mM

で著明

に減少したが,8.0 mM より高濃度になるとグルコース濃度上昇とともに増加した.Ca/P 比はグルコ

(2)

ース濃度に関係しており,

OCN

産生量および

Ca

析出量に類似した傾向を示した.硬組織分化誘導

3

4

週目の炎症性サイトカインは,高グルコース濃度によって高い発現を認めたが,ナノレベル表面制御 構造チタン表面では,高グルコース濃度の効果においても発現は上昇しなかった.

以上の結果から,ナノレベル表面制御構造チタン表面上では,硬組織形成および抗炎症性は増加し たが,硬組織の質はグルコース濃度に依存していた.すなわち,糖尿病による高血糖状態はナノレベ ル表面構造制御チタン表面において,インプラントフィクスチャーの初期固定やインプラント周囲炎 予防に重要な役割を果たす骨髄細胞の硬組織形成に影響を及ぼすことが示唆された.

論文審査結果要旨

近年、歯牙喪失に対する治療として、インプラント治療が広く浸透してきている。そして、これか らより様々な患者にインプラントを施行することになるであろう。しかしながら、インプラント症例 数が増加するにつれて、インプラント周囲炎の報告も増えてきているのが現状である。特に生活習慣 病のトップに挙げられる糖尿病患者におけるインプラント治療は創傷治癒期間が長くなり、発症・進 行においても歯周病と双方向性があり、オッセオインテグレーションおよびインプラントの成功率を 低下させるとの報告も散見される。

著者はこの研究でインプラントフィクスチャー表面のオッセオインテグレーションを模倣して、グ ルコース濃度がナノレベル表面制御構造チタン表面上での糖尿病ラット骨髄由来間葉系間質細胞の硬 組織形成に及ぼす影響について明らかにしている。

硬組織分化誘導1週目の

Alkaline phosphatase

活性はナノレベル表面制御のあるなしに関わらず、グ ルコース濃度の上昇とともに減少していた。これとは対照的に,硬組織分化誘導4週目

Osteocalcin

産生量と

Calcium

析出量がグルコース濃度

8.0 mM

で著明に減少したが,8.0 mM より高濃度になる とグルコース濃度上昇とともに増加していた。Calcium/Phosphate 比はグルコース濃度に関係してお り、Osteocalcin 産生量および

Calcium

析出量に類似した傾向を示した。また硬組織分化誘導

3,4

週 目の炎症性サイトカインは、高グルコース濃度によって高い発現を認めたが、ナノレベル表面制御構 造チタン表面では、高グルコース濃度の効果においても発現は上昇しなかった。

つまり、グルコース濃度上昇によって細胞内情報伝達が阻害され

Alkaline phosphatase

活性は低下 したが、骨髄間葉系細胞は周囲の高グルコース環境に反応して

Osteocalcin

を産生していると考えられ、

それにより硬組織が高グルコース状態で多く析出していると推測される。しかしながら、Calcium と

Phosphate

のバランスが崩れることで骨質の低下が疑われた。そこで、ナノレベル表面制御すること

によって骨量と骨質の改善が認められていた。

以上、ナノレベル表面制御構造チタン上における骨髄由来間葉系間質細胞が形成する硬組織の量と

質に対するグルコース濃度の影響について明らかにしており、本論文は博士(歯学)の学位を授与す

るに値すると判定した。

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