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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

こまさ れいこ

小正 玲子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 718 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 3 月 7 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of Rac1 on the Production of MMP-3 by TNF-α

(TNF-α 刺激による MMP-3 の産生におよぼす Rac1 の影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 日本歯科保存学雑誌 第 56 巻 第 6 号 平成 25 年 12 月 31 日

論 文 調 査 委 員 主 査 山本 一世 教授 副 査 池尾 隆 教授 副 査 林 宏行 教授

論文内容要旨

歯髄は常時,物理・化学的刺激下のもと歯を維持するために,象牙質への栄養補給,修復象牙質の 形成などの役割を果たしている.歯髄では,う蝕の進行に伴い白血球やマクロファージが浸潤し,う 蝕細菌の貪食が行われる.その過程において,歯髄組織では tumor necrosis factor-alpha(TNF-α) などの炎症性サイトカインが産生され,歯髄炎が惹起される.また,刺激を受けた歯髄組織では細胞 外マトリックス分解酵素である matrix metalloproteinases (MMPs)が産生され,歯髄組織を破壊し病 態が進行する.歯髄炎の発症機序や進行過程を解明することは歯髄の保存のために重要であると考え る.small G protein は,炎症に深く関わっているタンパク質で知られている.そこで今回,ヒト歯髄 由来線維芽細胞における TNF-α 刺激による MMPs 産生に対する small G protein の関与について検討 した.

本研究に参加同意を得た患者の抜去歯(大歯医倫 110751 号)より歯髄組織を採取・培養し,3~10

世代目をヒト歯髄由来線維芽細胞として本研究に使用した.ヒト歯髄由来線維芽細胞を 24 well plate

に 5.0×10

5

cells/well になるよう播種し,24 時間培養後,TNF-α を各種各条件下で加え,刺激終了

後,上清中の MMPs の産生を western blotting,gelatin zymography にて検討した.次に,ヒト歯髄

由来線維芽細胞を 96 well plate に 1.0×10

5

cells/well になるよう播種し,TNF-α,Rac1 阻害剤であ

る NSC23766 を添加し,細胞増殖について検討した.また,NSC23766 を各種各条件下で加え,刺激を行

い,上清中の MMPs の産生を western blotting ,gelatin zymography にて検討した.最後に,NSC23766

を刺激した場合の Rac1 の下流である p38 のリン酸化について western blotting にて検討した.ヒト

歯髄由来線維芽細胞において TNF-α 濃度依存性に MMP-3 の産生は増強したが,MMP-2 の産生に影響は

認められなかった.また,Rac1 阻害剤である NSC23766 添加により,細胞増殖は有意に減少した.TNF-α

刺激により増強した MMP-3 の産生および p38 のリン酸化は Rac1 阻害剤である NSC23766 により増強し

(2)

た.

以上より,ヒト歯髄由来線維芽細胞において TNF-α 刺激による MMP-3 の産生は small G protein の Rac1 が関与していることが示唆された.

論文審査結果要旨

本研究は,炎症性サイトカインである tumor necrosis factor-alpha(TNF-α)を用いてヒト歯髄由来 線維芽細胞を刺激し,細胞外マトリックス分解酵素である matrix metalloproteinases (MMPs)の産生 と small G protein の影響について検討したものである.

本研究で使用した細胞は,大阪歯科大学医の倫理委員会承認(大歯医倫 110751 号)のもと参加同意 を得た患者の健全歯より歯髄組織を採取・培養し,3~10 世代目をヒト歯髄由来線維芽細胞として実験 に供している.

ヒト歯髄由来線維芽細胞における TNF-α による MMPs の産生について検討を行っている. その結果,

TNF-α 刺激による MMP-3 の産生は濃度依存的に増強した.また,gelatin zymography による MMP-2 の 産生においても検討した結果,TNF-α 無刺激の状態においても産生されていることから,TNF-α 刺激 による影響は見られないとの結果を得ている.Rac1 阻害剤である NSC23766 を用いて,細胞増殖,TNF-α 刺激における MMPs 産生及び p38 のリン酸化について検討している.ヒト歯髄由来線維芽細胞において TNF-α 刺激により増強した MMP-3 の産生と p38 のリン酸化は NSC23766 添加により増強したとの結果を 得ている.

実験結果より,ヒト歯髄由来線維芽細胞では炎症性サイトカインである TNF-α が作用し細胞内シグ ナル伝達物質である Rac1 を介して MMP-3 を産生すること,p38 のリン酸化に Rac1 が関与していること が示唆される.

以上,ヒト歯髄由来線維芽細胞における炎症性サイトカインである TNF-α 刺激による MMPs 産生及

び Rac1 が歯髄炎の発症機序に関与する可能性を示した点において,本論文は博士(歯科)の学位を授

与するに値すると判定した.

参照

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