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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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(1)

ふ り が な

氏 名

もりおか ひろき

森岡 裕貴

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 821 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Bactericidal effect of performic acid on salivary bacteria (過ギ酸による唾液細菌に対する殺菌効果)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 52 巻 第 1 号 平成 30 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 髙橋 一也 教授 副 査 岡崎 定司 教授 副 査 田中 昌博 教授

論文内容要旨

近年,特に歯科訪問診療の現場において嚥下内視鏡など滅菌操作が適用できない精密検査機器の使 用頻度が増加している.これらの使用後の消毒操作にはグルタラールなどの高水準消毒薬が使用され ているが,残留毒性等の問題も多く残されたままである.そこで,強い殺菌効果を持ち従来の高水準 消毒薬と異なった特性を有する過ギ酸に着目し,その唾液細菌に対する殺菌効果を検証した.

化学合成した過ギ酸が不安定であることから,まず安定して実験を実施する条件の検討を行った.

過ギ酸合成後に純水で 1.1 倍,800 倍希釈したもの,あるいは希釈なしの原液を 60 分間静置し,経時 的に濃度測定を行った.一方,殺菌効果は 8×10

-6

~8×10

-4

%(w/v)に希釈した過ギ酸を用い,唾液 と 1~5 分間混合することにより解析した.純水による 100 倍希釈により殺菌反応を停止させ,速やか に変法 GAM 培地上に塗抹し,生育したコロニーをカウントすることで殺菌効果を評価した.

過ギ酸合成後の安定性を調べた結果,原液,もしくは 800 倍希釈した場合,それぞれの濃度は 60 分 間で有意に変化した.一方,過ギ酸を 1.1 倍に希釈した場合,60 分間で有意な濃度変化は認められな かった.この条件で保存した過ギ酸を用いて唾液細菌に対する殺菌実験を行ったところ,8×10

-4

% (w/v) 過ギ酸では,唾液細菌に対し 1 分間の暴露で 99.9%以上の殺菌効果が認められた.これは過酸 化水素に比べ 10

4

倍程度強力であった.また希釈に伴って殺菌効果は低下したが,8×10

-6

%(w/v)でも 1 分間で 67%の殺菌効果が認められた.この殺菌効果は時間依存的であり, 5 分間暴露させることで 85%まで殺菌効果が上昇することを確認した.

本研究で用いた化学合成した過ギ酸は,唾液細菌に対し非常に強力かつ即効性のある殺菌効果を有

することが示唆された.

(2)

論文審査結果要旨

化学滅菌を行う際、高水準消毒薬が使用されているが、残留毒性等の問題も多く残されたままであ る。著者らは、強い殺菌効果を持ち従来の高水準消毒薬と異なった特性を有する過ギ酸に着目し、そ の唾液細菌に対する殺菌効果について検討を加えた。

その結果、過ギ酸を用いて唾液細菌に対する殺菌実験においてコロニー数のカウントにて行ったと ころ、8×10

-4

%(w/v) 過ギ酸では、唾液細菌に対し 1 分間の暴露で 99.9%以上と非常に低濃度の条件 下でも強力な殺菌効果を有することを明らかにした。そして、過ギ酸をさらに希釈し、5 分間での殺菌 効果を検証することで、過ギ酸は時間依存的に殺菌効果を有することを明らかにした。また、ATP 活性 を利用した殺菌効果の検証においても、過酸化水素と比較すると、100 倍ほど強力な殺菌効果を有する ことを明らかにした。

以上、化学合成過ギ酸は非常に低濃度の場合においても、唾液細菌に対し即効性かつ非常に強力な

殺菌効果を有することを証明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判

定した。

参照

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