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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

いおく ゆうすけ

井奥 雄介

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 758 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 27 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effect of β -tricalcium phosphate and porous hydroxyapatite bone substitutes on bone regeneration in alveolar bone defects around dental implants

(インプラント周囲骨欠損の骨再生過程に及ぼす多孔体β‐

リン酸三カルシウムおよび多孔体ハイドロキシアパタイト骨 補填材の影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 49 巻 第 1 号 平成 27 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 覚道 健治 教授 副 査 田中 昭男 教授 副 査 森田 章介 教授

論文内容要旨

インプラント体を埋入する部位に十分な骨量,良好な骨質が得られない場合,これらの症例に対す る手段として一般に新鮮自家骨移植などが行われている.しかし,自家骨を採取する場合,健常部に さらに外科的侵襲を加えなければならず.採取できる骨の量にも限度がある.そのため自家骨の代用 材料として様々な材料の骨補填材料の使用が検討されている.人工材料は他の生体由来の骨補填材と くらべ感染症のリスクがない.しかしながら臨床成績は生体由来の骨補填材と比較してよくない.そ こで今回,2 種類の人工骨補填材(多孔体ハイドロキシアパタイトあるいはβ-リン酸三カルシウム)

をインプラント周囲の実験的骨欠損に充填し新生骨形成への影響を組織学的に検討した.

実験動物としてイヌ(ビーグル,雌,約

10kg)9

頭を使用した.全身麻酔下で下顎両側前臼歯を抜 去.3 ヶ月間経過観察し骨性治癒後,同部の歯槽骨に生理食塩液の注水下にてトレフィンバーで直径

5.0×10mmの骨欠損を1頭につき左右2箇所,計4

箇所作製した.骨欠損部遠心にインプラントを埋

入し,インプラント体周囲の骨欠損部に多孔体ハイドロキシアパタイトを充填する群(以下

HA),自

家骨を充填する群,β‐リン酸三カルシウム(以下β‐TCP)を充填する群と非充填群(コントロー ル群)を設定した.創部は完全閉鎖創にした.また新生骨の形成を確認する為,インプラント埋入の 術前と術後に骨標識剤(テトラサイクリン,カルセインを使用)を皮下投与した.術後

2,4,8

週に 標本を採得した.

評価方法として,インプラント安定度指数を測定.組織標本は

Villanueva Bone

染色を施し組織を

(2)

観察,インプラント中心部を基準に骨形態計測システム(

Histometry RT

デジタイザ) ,ソフト

CSS-840

海綿骨計測バージョン:株式会社システムサプライ社製)を使用し骨形態測定を行った。

β

-TCP

群は継時的に骨量の増加を認めたが

HA

群は

8

週まで骨量の増加を認めなかった.また自家 骨群は他の群と比較し有意に骨芽細胞数が高かった.それに対してβ

-TCP

群はコントロールと有意差 は認めず,

HA

群では

8

週まで骨芽細胞数の上昇が確認されなかった.骨芽細胞数より

HA

,β

-TCP

ともに細胞誘導性が低いと推察される.しかしながら骨量ではβ

-TCP

HA

と比較し早い段階で新生 骨の形成を認めた.

HA

群は非吸収性のため破骨細胞に吸収されず骨芽細胞などの細胞の充填物内への 侵入が遅れ、結果的に新生骨の形成が遅れたと推察された.このことより

HA

単体では新生骨の形成 を遅延させることが示唆された.

2

種類の人工骨補填材をインプラント周囲の実験的歯槽骨欠損に充填し,新生骨形成におよぼす影響 について組織学的に検討した結果,β-TCP は

HA

と比較して早い段階で新生骨の形成を認めた.

HA

を人工骨補填材として使用する場合は,自家骨との併用が望ましいことが示唆された.

論文審査結果要旨

本論文は,人工骨補填材の新生骨形成過程組織学的に検討したものである.

インプラント体を埋入する部位に十分な骨量,良好な骨質が得られない場合,これらの症例に対す る手段として一般に新鮮自家骨移植などが行われている.しかし,自家骨を採取する場合,健常部に さらに外科的侵襲を加えなければならず.採取できる骨の量にも限度がある.そのため自家骨の代用 材料として様々な材料の骨補填材料の使用が検討されている.人工材料は他の生体由来の骨補填材と くらべ感染症のリスクがない.しかしながら臨床成績は生体由来の骨補填材と比較してよくない.そ こで今回,2 種類の人工骨補填材(多孔体ハイドロキシアパタイトあるいはβ-リン酸三カルシウム)

をインプラント周囲の実験的骨欠損に充填し新生骨形成への影響を組織学的に検討した.

実験動物としてイヌ(ビーグル,雌,約

10kg)9

頭を使用した.全身麻酔下で下顎両側前臼歯を抜 去.3 ヶ月間経過観察し骨性治癒後,同部の歯槽骨に生理食塩液の注水下にてトレフィンバーで直径

5.0×10mmの骨欠損を1頭につき左右2箇所,計4

箇所作製した.骨欠損部遠心にインプラントを埋

入し,インプラント体周囲の骨欠損部に多孔体ハイドロキシアパタイトを充填する群(以下

HA),自

家骨を充填する群,β‐リン酸三カルシウム(以下β‐TCP)を充填する群と非充填群(コントロー ル群)を設定した.創部は完全閉鎖創にした.また新生骨の形成を確認する為,インプラント埋入の 術前と術後に骨標識剤(テトラサイクリン,カルセインを使用)を皮下投与した.術後

2,4,8

週に 標本を採得した.評価方法として,インプラント安定度指数を測定.組織標本は

Villanueva Bone

染 色を施し組織を観察,インプラント中心部を基準に骨形態計測システム(Histometry RT デジタイ ザ) ,ソフト(CSS-840 海綿骨計測バージョン:株式会社システムサプライ社製)を使用し骨形態 測定を行った.

β-TCP 群は継時的に骨量の増加を認めたが

HA

群は

8

週まで骨量の増加を認めなかった.また自家

骨群は他の群と比較し有意に骨芽細胞数が高かった.それに対してβ-TCP 群はコントロールと有意差

は認めず,HA 群では

8

週まで骨芽細胞数の上昇が確認されなかった.骨芽細胞数より

HA,β-TCP

ともに細胞誘導性が低いと推察される.しかしながら骨量ではβ-TCP は

HA

と比較し早い段階で新生

(3)

骨の形成を認めた.

HA

群は非吸収性のため破骨細胞に吸収されず骨芽細胞などの細胞の充填物内への 侵入が遅れ、結果的に新生骨の形成が遅れたと推察された.このことより

HA

単体では新生骨の形成 を遅延させることが示唆された.

2

種類の人工骨補填材をインプラント周囲の実験的歯槽骨欠損に充填し,新生骨形成におよぼす影響 について組織学的に検討した結果,β

-TCP

HA

と比較して早い段階で新生骨の形成を認めた.

HA

を人工骨補填材として使用する場合は,自家骨との併用が望ましいことを示した点において,博士

(歯学)の学位に値すると判定した.

参照

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