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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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全文

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ふ り が な

氏 名

こばやし のぶひろ

小林 信博

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 798 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Porous Alpha-Tricalcium Phosphate with Immobilized Basic Fibroblast Growth Factor Enhances Bone Regeneration in a Canine Mandibular Bone Defect Model

(イヌ下顎骨骨欠損モデルにおいて塩基性線維芽細胞増殖因 子を固定させた α-リン酸三カルシウム多孔質体は骨再生を促 進させる)

学 位 論 文 掲 載 誌 Materials 第 9 巻 第 10 号 平成 28 年 10 月 論 文 調 査 委 員 主 査 森田 章介 教授

副 査 今井 弘一 教授 副 査 中嶋 正博 教授

論文内容要旨

塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は人体に広く分布する強力な血管新生因子であり、神経や骨の 形成にも関与していることが知られている。α-TCP は生体吸収材料であり、骨再生材料として使用さ れる。そこで、bFGF のヘパリンとの親和性に着目し、ヘパリン、bFGF をリン酸三カルシウム(α-TCP)

多孔質体に化学的に固定させた α-TCP 多孔質体薬物担持担体を開発した。すなわち、α-TCP 多孔質体 にオリゴリジンを固定化することで表面を正電荷にし、負電荷であるヘパリンを静電的相互作用にて 固定した。その後、bFGF 溶解液に浸漬し bFGF を特異的に固定させ α-TCP 多孔質体薬物担持担体を作 製した。走査電子顕微鏡画像では α-TCP 本体は直径約 5~10 µm の連通孔形状をしていた。開発した 担体では X 線光電子分光分析においてはヘパリンに特異的に反応する S2p と有機質に反応する N1s で ピークが存在することから、α-TCP にヘパリンが固定されていることが分かった。

ビーグル成犬、雌 2 歳、体重約 10 kg の 6 匹を使用した。下顎小臼歯を抜去し 8 週後に、インプラ ントドリルを用いて骨窩洞(直径 4.5 ㎜、深さ 6 ㎜)を 3 箇所形成し、開発した担体を填入した群を bFGF 群、α-TCP 多孔質体単体を埋入した群を対照群とした。術後 2、4、8 週に各 2 匹を安楽死させ、

下顎骨を摘出し、灌流固定を行った。実験部位をマイクロ CT で撮影後に、マイクロ X 線画像解析装置 を用いた骨のパラメーター解析を行い、硬組織脱灰研磨・薄切にてヘマトキシリン・エオジン(HE)

染色、免疫染色、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)染色による病理組織学的観察も行った。

骨のパラメーター計測において、bFGF 群と対照群を比較して骨密度は 2、4、8 週の全てにおいて、

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骨塩量は 4、8 週において bFGF 群が有意に高値を認めた。一方、骨体積率では 2、4、8 週の全てにお いて有意差を認めなかった。病理組織学的観察では、2 週においては bFGF 群では結合組織が残存 α-TCP 顆粒を取り囲む様に形成され、多数の新生血管や破骨細胞を認めることから骨形成が活発に行われて いた。対照群では多数の α-TCP 顆粒の残存が観察された。4 週においては bFGF 群では新生血管や破骨 細胞は少なくなるのに対し、対照群では 2 週の bFGF 群と同様、結合組織が残存 α-TCP 顆粒を取り囲 む様に形成され、多数の新生血管や破骨細胞を認めることから bFGF 群に遅れて骨再生が行われている ことが明らかとなった。8 週においては bFGF 群では新生血管や破骨細胞はほとんど認めず、大部分の α-TCP は分解され新生骨に置換されるのに対し、対照群では新生血管や破骨細胞が多数確認でき骨形 成が続いていることが明らかとなった。さらに、HE 染色画像より計測した骨領域率では 2、4、8 週全 てにおいて bFGF 群は対照群と比較して有意に高値を認めた。

以上、bFGF を固定させた α-TCP 多孔質体薬物担持担体は、顎骨骨欠損部の骨再生における新規足場 材料として臨床応用が可能であると示唆された。

論文審査結果要旨

本研究は、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)のヘパリンとの親和性に着目し、ヘパリンをあらかじ め骨再生材料として使用されている α-リン酸三カルシウム(α-TCP)多孔質体に化学的に結合させた 薬物担持担体を開発することで、薬物担持担体に bFGF を固定させた α-TCP 多孔質体薬物担持担体の 骨再生効果を、イヌ下顎骨骨欠損モデルを用いて検討したものである。

本材料は、X 線光電子分光分析においてはヘパリンに特異的に反応する S2p と有機質に反応する N1s でピークが存在することから、α-TCP にヘパリンが固定されていることが分かった。

実験にはビーグル成犬、雌 2 歳、体重約 10 kg の 6 匹を使用した。下顎小臼歯を抜去し 8 週後に、

インプラントドリルを用いて骨窩洞(直径 4.5 mm、深さ 6 mm)を 3 箇所形成し、開発した担体を填入 した群を bFGF 群、α-TCP 多孔質体単体を埋入した群を対照群とした。術後 2、4、8 週に各 2 匹を安楽 死させ、下顎骨を摘出し、灌流固定を行った。実験部位をマイクロ CT で撮影後に、マイクロ X 線画像 解析装置を用いた骨のパラメーター解析を行い、硬組織脱灰研磨・薄切にてヘマトキシリン・エオジ ン(HE)染色、免疫染色、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)染色による病理組織学的観察も 行った。X 線 CT 画像データ解折では、bFGF 群は対照群と比較して骨密度は 4 週、8 週において、骨塩 量は 2 週、4 週、8 週全てにおいて有意に高い傾向にあった。病理組織学的観察では、bFGF 群は対照群 と比較して破骨細胞や新生血管が 2 週間で出現し、骨再生が促進した。したがって、bFGF 群が対照群 に比較して創部治癒過程の早期において骨形成、リモデリングを誘導することから、α-TCP 多孔質体 からの bFGF の徐放が骨組織再生の治癒期間を短縮させるのに効果的であると立証された。

以上、bFGF を固定させた α-TCP 多孔質体薬物担持担体は、顎骨骨欠損部の骨再生における新規足場

材料として臨床応用が可能であると示唆された点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与する

に値すると判定した。

参照

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