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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やまうち のぶひろ

山内 伸浩

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 816 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 High-Power, Red Light-Emitting Diode Irradiation Enhances Proliferation, Osteogenic Differentiation and

Mineralization of Human Periodontal Ligament Stem Cells via ERK Signaling Pathway

(高出力、赤色 light-emitting diode 照射は、ERK signaling 経路を介してヒト歯根膜幹細胞の増殖、骨分化および石灰化を 増大する)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Periodontology 第 巻 第 号 平成 年 月 日

論 文 調 査 委 員 主 査 梅田 誠 教授 副 査 山本 一世 教授 副 査 前田 博史 教授

論文内容要旨

現在歯周病学の領域では抗菌的光線力学療法が応用されており,過去に 650 nm の高出力赤色 LED を 使用し,歯周病原細菌に対する抗菌作用を実証した。そして同様の光源を使用している文献によると,

波長やエネルギー量を調節すれば,未分化細胞の増殖能や硬組織分化能を促進させることが示唆され た。つまり光源を直接細胞に当てることで歯周組織再生治療に応用できないかと考えた。そこで本研 究では,波長 650 nm の高出力赤色 LED を用いて歯周組織再生への効果を調べるため,歯周組織再生時 に重要な役割を果たすヒト歯根膜幹細胞(hPDLSCs)の増殖および硬組織分化誘導への影響,また増殖 お よ び 硬 組 織 分 化 誘 導 時 に 重 要 な 細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 1 つ で あ る extracellular signal-regulated kinase 1 and 2 (ERK 1/2)経路の関与について検討した。

hPDLSCs は,ヒト抜去歯より歯根膜組織を採取し,酵素処理を行い,初代培養後 3~5 代目を供試した。

光源は(株)モリタより供与された LedEngin 社製赤色 LED(中心波長:650 nm)を用い,エネルギー 量は照射時間を変えることにより調整した。細胞増殖は,2×104 cells/mL の hPDLSCs を播種し,24 時間後に照射を行い,生細胞プロテアーゼ(LCP)とアデノシン三リン酸(ATP)を対象に検討し,至 適エネルギー量を策定した。硬組織分化は,1×105 cells/mL で播種し,コンフルエンスまで培養した。

そして硬組織分化誘導後 LED 照射を行い,Runx2 mRNA,Osterix mRNA の発現量,Alkaline phosphatase

(ALP)活性,Osteocalcin(OCN) ,Procollagen Type 1 C-Peptide(PIP)産生量,カルシウム析出量

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および Alizarin red 染色による石灰化物形成能について検討した。さらに western blot 法で LED 照 射の有無による ERK 1/2 タンパク発現を観察し, ERK 1/2 経路阻害剤(PD98059)を用いて同様の実験 を行った。

hPDLSCs に対する LED 照射の影響は,LED 照射群の方が非照射群に比べ,LCP 活性および ATP レベル は有意に増加し,高い細胞増殖を示すことが分かった。そのうえで 8 J/cm2 のエネルギー量で最も増 加したので至適エネルギーとした。また hPDLSCs に対し硬組織分化誘導後, 8 J/cm2 のエネルギー量で LED 照射を行うと, その後の Runx2 mRNA, Osterix mRNA の発現量, ALP 活性, OCN 産生量, PIP 産生量, カルシウム析出量および石灰化物形成能は有意に増加した。これは硬組織分化誘導された hPDLSCs に 対し,LED 照射は硬組織分化誘導能を増大させることを示す。さらに ERK 1/2 経路の関与について,LED 照射群では p-ERK のタンパク発現は増強した。そして阻害剤を用いた実験では,LED 照射により増加し た hPDLSCs の増殖および硬組織分化は PD98059 添加により有意に抑制された。

高出力赤色 LED 照射は ERK 1/2 経路を介してヒト歯根膜幹細胞の増殖能および硬組織分化能を促進 し,歯周組織再生へ応用できる可能性が示唆された。

論文審査結果要旨

現在の歯周病領域で応用されている抗菌的光線力学療法の光源は、過去の文献から波長やエネルギ ー量を調整すれば、未分化細胞の増殖能や硬組織分化誘導能を促進させると報告されている。そして 光源を直接細胞に当てることで歯周組織再生治療に応用できるとの推論に従って、波長 650 nm の高出 力赤色 LED を使用し、歯周組織再生時に重要な役割を果たすヒト歯根膜幹細胞の増殖および硬組織分 化への影響を検討している。

またこの機序の一介を解明するため増殖と硬組織分化の両方に共通して重要な細胞内シグナル伝達 経路の 1 つである extracellular signal-regulated 1 and 2(ERK 1/2)経路の関与について、western blot 分析および ERK1/2 阻害剤を用いてその影響について検討した。

その結果、LED 照射群の方が非照射群に比べ高い細胞増殖を示すこと、硬組織分化誘導後に LED 照 射を行うことは Runx2 mRNA および Osterix mRNA の発現量、ALP 活性、OCN および PIP 産生量、カルシ ウム析出量、石灰化物形成能を増大させること、さらに ERK 1/2 経路の関与について、LED 照射群では p-ERK のタンパク発現は増強し、阻害剤で LED 照射により増加したヒト歯根膜幹細胞の増殖および硬組 織分化は有意に抑制されることを明らかにした。

以上、高出力赤色 LED 照射を行うことによって ERK 1/2 経路を介してヒト歯根膜幹細胞の増殖能お

よび硬組織分化誘導能を促進し、歯周組織再生へ応用できる可能性を証明した点において、本論文は

博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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