第5章 コア・ミーニングの応用における学習者の認知:研究2
5.4 低正答率の問いにおける分析の結果
5.4.2 on の問い(Q7)における分析結果
5.4.2.3 Q7 でコア・ミーニングを活用したが不正解だった学習者の認知パターン
回答した
前置詞 自由記述回答 コード 認知パターン
on 増えている途中だから 増えている、途中
増加の傾向が継続している イメージ
(抽象的な解釈としては適 切だが、コア・ミーニング を使用したかが不明)
on 被雇用者が増加してるか
ら。 被(非)雇用者、増加
増加の傾向が継続している イメージ
(既有の語彙・文法知識)
on 直観です 直観 直観
on なんとなくです なんとなく 直観、当てずっぽう
on 抽象的 抽象的 抽象的(不明)
on わかりません わからない 理由なし(不可)
onと正答したが、コア・ミーニング使用の可能性が明確でない、またはコア・ミーニン グを使用せずに回答した学習者の認知パターンは、次の4つに分けられた。
① 抽象的な解釈に基づき回答している
・増加の傾向が継続しているイメージ
*解釈は適切だが、コア・ミーニングを使用したかが不明 ② onに対する既有の語彙・文法知識を適用している。
・増加の傾向が継続しているイメージ ③ 直観により回答している。
・直観、当てずっぽう ④ 解釈が不明・不可 ・抽象的、理由なし
5.4.2.3 Q7 でコア・ミーニングを活用したが不正解だった学習者の認知パターン コア・ミーニングを使用して回答の理由を記述してはいるが、inまたは atと誤答した 学習者の認知パターンを表5-28に示す。
表5-28 Q7における不正解のin及びat選択者の認知パターン(コア・ミーニング使用)
コア・ミーニング使用+不正解 回答した
前置詞 自由記述回答 コード 認知パターン in 増加する中に失業者がいる
イメージ 増加、中、失業者、いる
失業者(X)が増加という 状況(Y)を表す容器の中 にいるイメージ
in increaseの中にあるイメー
ジ increase、中にある 増加という状況(Y)を表
す容器の中にいるイメージ in 増加の中にいる感じ 増加の中、いる 増加という状況(Y)を表
す容器の中にいるイメージ in 失業者が増えるという状態
の中にいると思ったため 増える、状況、中、いる 増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 増加の状況の中っていうイ
メージだから 増加、状況、中 増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 非雇用が増えている状況の
「中に」ある
増えている、状況の中にあ る
増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 増えているという状態の中
にいると考えられるから
増えている、状態、中、い る
増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 失業者が空間内で増え続け
ていると考えた 空間内、増え続けている 増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 失業者がふえてきている中
にいるという考えから 増えてきている、中、いる 増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 失業者っていう空間内で増
加するから 空間内、増加 増加という状況(Y)を表 す容器の中にいるイメージ in 失業者という枠が増加して
いるから 失業者、枠、増加 空間内のイメージ(枠)
in 数字という空間内でのこと
だから 数字、空間内 空間内のイメージ(失業者 の数字)
in 空間内? 空間内 空間内のイメージ
in 空間内の出来事だから 空間内、出来事 空間内のイメージ
in
増え続けている。時間的な 空間内に何かの出来事があ るから
増え続けている、時間的な 空間内、出来事
時間的空間内のイメージ
(inのコア・ミーニング)
増加が継続しているイメー ジ(onのコア・ミーニング)
in 上昇中の期間中にあるから 上昇中、期間中にある
時間的空間内のイメージ
(inのコア・ミーニング)
増加が継続しているイメー ジ(onのコア・ミーニング)
in
一定の期間内(空間内)に、
失業率が増えていると捉え たため
期間内(空間内)、増えてい る
時間的空間内(期間内)の イメージ(inのコア・ミー ニング)
増加が継続しているイメー ジ(onのコア・ミーニング)
in そういう状況に陥りつつあ
るイメージ 状況、陥りつつある
ネガティブな状況という空 間内を目標点とするイメー ジ(inとatのコア・ミー ニングの混同)
in 時間の空間があるから 時間、空間 時間的空間はinと認識
135 in 時間的な空間のことかなと
思った 時間的な空間 時間的空間はinと認識 in 失業者という特定の人が直
面している出来事だから 特定の人、直面、出来事
特定性のイメージ(onのコ ア・ミーニング)
*選択ミスの可能性あり at 失業者は増えている地点に
いるから 増えている、地点 目標点(地点)にいるイメ ージ
at 不雇用者が今の時期に増え
るイメージ 今の時期、増える 目標点(時期)のイメージ at 増加の部分に達しているか
ら 増加、部分、達する 目標点(到達)のイメージ at 非雇用が増加のところ進ん
でるイメージ 増加、~のところ、進む 目標点(到達+そこに向か っていくイメージ)
at
どれくらいふえたかわから なくて、確実にはいえない から
どれくらい増えたかわから
ない、確実にはいえない 不確定性
at
減るのは、特定の数まで減 ると決まっているわけでは ないので
減る、特定の数、決まって
いない 不確定性
at はっきりわかるわけではな いから
はっきり、わかるわけでは
ない 不確定性
at 増加の「ところに」あるよ
うな気がしたから 増加、ところに 「・・・のところに」のイ メージ
at 空間内でもないし接触関係 でもないから
空間内ではない、接触関係 ではない
inとonのコア・ミーニン グに基づく消去法(空間内 でもなく、接触関係でもな い)
コア・ミーニングを使用して回答の理由を記述してはいるが、inと誤答した学習者の認 知パターンは次の5つに分けられた。
① 「増加」という状況を容器的な空間に見立て、その中に対象が位置づけられている状 態をイメージしている。
・失業者(X)が増加という状況(Y)を表す容器の中にいるイメージ
・増加という状況(Y)を表す容器の中にいるイメージ
② 何かが空間内に位置づけられている状態をイメージしている。
・空間内のイメージ(失業者の数字、枠)
③ 2つのコア・ミーニングが混同している。
・増加が継続しているイメージ(onのコア・ミーニング)及び時間的空間内のイメ ージ(inのコア・ミーニング)
*(原文:「増え続けている。時間的な空間内に何かの出来事があるから」
「上昇中の期間中にあるから」)
・ネガティブな状況という空間内を目標点とするイメージ(inとat のコア・ミー ニングの混同)
④ 時間的空間はinとして判断している。
・時間的空間はinと認識
⑤ 特定性を認識している(選択ミスの可能性あり)。 ・特定性のイメージ(onのコア・ミーニング)
一方、atと誤答した学習者の認知パターンは、次の4つに分けられた
① atの持つ点的イメージを適用している。
・目標点(地点/時期/到達/到達+そこに向かっていく)のイメージ ② atの持つやや漠然としたイメージを適用している。
・不確定性
*(原文:「どれくらいふえたかわからなくて、確実にはいえないから」
③ atの持つ「・・・のところに」のコア・記述により回答している。
・「・・・のところに」のイメージ
④ in及びonのコア・ミーニングを適用した消去法で回答している。
・空間内でもなく、接触関係でもない
5.4.2.4 Q7 でコア・ミーニングを活用せずに不正解だった学習者の認知パターン