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in の問い(Q1)の分析結果

第5章 コア・ミーニングの応用における学習者の認知:研究2

5.3 高正答率の問いにおける分析の結果

5.3.1 in の問い(Q1)の分析結果

Q1のI told the caller to phone again ( ) 24 hours.は、inが適切な解答となる12個

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の意味は、「私は電話主に 24 時間以内にかけ直すように言った。」となる。この問いにお けるコア・ミーニングを用いた適切な認知は、「前置詞(X, Y)」という関数の形では、IN

(the caller, phone again / 24 hours)と見なす認知処理である。具体的には、24時間と いう時間を容器的な空間に見立て、電話主がその中に位置づけられ空間関係を捉えること となる。したがって、Q1は、「24時間という時間的な幅の中でもう一度電話をかける」と 解釈する用例である。atは、AT(the caller, phone again / 24 hours)と見なす認知処理 を行い、「24 時間のところで電話主がもう一度電話をかける」と解釈される。ただ、これ では電話主がいったいどの時間に電話をかけるように指示されたのかが漠然としており、

文脈として不明確になるためにatは解答としてそぐわない。また、onはON (X, Y) とな り、X(the caller, phone again)とY(24 hours)が接触している空間関係がイメージさ れる。しかし、onの持つ接触して離れないイメージでは、「電話をかけることと24時間接 触して離れない」イメージから「もう一度電話をかける行動を 24 時間ずっと続ける」と 解釈することになり、意味的な矛盾が生じる。したがって、onもこの用例にフィットしな い。

次に、実際に学習者が行ったQ1の解答の割合を示す(図5-2)。

図5-2 Q1における解答の割合

Q1では、正解のinを選択した学習者が39名で最も多く(70.91%)、その次が不正解の atを選択した学習者10名(18.18%)で2番目に多い。またonを選択した学習者は6名

(10.91%)で最も少ない結果となった。以下では、前置詞の選択理由を記述した内容から、

Q1の前置詞選択における学習者の認知パターンを明らかにする。

0 10 20 30 40 50

at in on

10 (18.18%)

39 (70.91%) 6 (10.91%)

Q1. I told the caller to phone again ( ) 24 hours.

5.3.1.1 Q1 でコア・ミーニングを活用して問いに正解した学習者の認知パターン Q1の解答において、コア・ミーニングを使用して正解のinを選択した学習者の認知パ ターンを表5-3に示す。

表5-3 Q1における正解のin選択者の認知パターン(コア・ミーニング使用)

コア・ミーニング使用+正解 回答した

前置詞 自由記述回答 コード 認知パターン in

24時間という空間の中

だから 24時間, 空間の中

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間の空間の中だか

24時間, 空間の中

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間という空間のな

かだから 24時間, 空間の中

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間以内に、だから時

間的な空間内にあるから 24時間以内, 時間的な空間

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間という時間的な

空間だから 24時間, 時間的な空間内

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

時間的な空間内の出来事

だから 時間的な空間内

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間という空間のう

ちに電話をかけるから 24時間,空間のうち

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間という空間内だ

から 24時間, 空間内

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

24時間という時間内だ

から 24時間, 時間内

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in

時間という空間内に電話

しなければならない 時間という空間内、電話

時間的空間(Y)の中に 何らかの対象(X)があ

in 24時間内の中でという

イメージ 24時間内、~の中で 時間の幅とその内部 in 24時間の間に(中で)と

考えられるから 24時間の間, 中で 時間の幅とその内部 in 24時間という時間の中

だから 24時間, 時間の中 時間の幅とその内部 in 時間の中だから 時間の中 時間の幅とその内部 in 時間の中にいると思った

時間の中 時間の幅とその内部

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in 24時間以内(中に) 24時間以内, 中に 時間の幅とその内部 in 24時間以内だと思った

ため 24時間以内 時間の幅とその内部

in 24時間「以内」にかけな

おす 24時間以内 時間の幅とその内部

in 24時間以内だから 24時間以内 時間の幅とその内部 in 24時間以内に 24時間以内 時間の幅とその内部 in 24時間内 24時間内 時間の幅とその内部 in 24時間「以内」だから 24時間以内 時間の幅とその内部 in 24時間内に電話をかけ

なおすイメージ 24時間内 時間の幅とその内部 in

一定の期間内(24時間以 内)に、電話をかけなおす というイメージ

一定の期間内, 24時間以内 時間の幅とその内部

in

24時間以内のなかでま た電話するという考えか

24時間以内 時間の幅とその内部 in 24時間以内だから 24時間以内 時間の幅とその内部 in 時間的空間を表している

からinにしました 時間的空間 時間的空間 in 時間を空間として考えた

から 時間を空間として考えた 時間的空間 in 時間的空間を表すinだか

時間的空間 時間的空間

in 24時間という空間のイ

メージ 24時間, 空間 時間的空間

in 空間内だから 空間内 空間内

in 空間内だと思ったから 空間内 空間内

Q1においてinのコア・ミーニングを使用して正解した学習者の認知パターンは次の4 つに分けられた。

① 時間を容器的空間と見立て、その中に何らかの対象がある状態をイメージしている。

・時間的空間(Y)の中に何らかの対象(X)がある ② 時間的な幅とその内部に何らかの対象をイメージしている。

・時間の幅とその内部

③ 時間を空間として見立てている。

・時間的空間 *(原文:「時間を空間として考えたから」) ④ 何らかの空間とその内部をイメージしている。

・空間内 *(原文:「空間内だと思ったから」)

5.3.1.2 Q1 でコア・ミーニングを活用せずに正解した学習者の認知パターン inと正答したが、コア・ミーニングを使用せずに解答した学習者の認知パターンを表5-4 に示す。

表5-4 Q1における正解のin選択者の認知パターン(コア・ミーニング不使用)

コア・ミーニング不使用+正解 回答した

前置詞 自由記述回答 コード 認知パターン in 時間はonな気がする 時間はon, 気がする

時間の場合はonを使用

(既有の語彙・文法知識の 適用)

*選択ミスの可能性あり

in

24時間というのはぼん やりとした時間でありま た点としてとらえると文 章として成立しないから

ぼんやりとした時間, 点とし てとらえると文章として成 立しない

atの抽象的なイメージと文 脈の使用

(既有の語彙・文法知識の 適用と文脈による判断)

in 以内? 以内 以内

*(解釈不可)

in 24hoursに起こったから 24hours 24時間

*(解釈不可)

in 感覚で決めました 感覚 直観

in わからないので適当です わからない,適当 適当

コア・ミーニングを使用せずに正解のinを選択した学習者の認知パターンは次の3つに 分類された。

① 既有の語彙・文法知識を適用して回答している。

・時間の場合はonを使用 *選択ミスの可能性あり

② 既有の語彙・文法知識の適用と文脈に基づいて回答している。

・atの抽象的なイメージと文脈の使用

③ 解釈不可、直観、当てずっぽうで回答している。

・以内、24 時間 ・直観、適当

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5.3.1.3 Q1 でコア・ミーニングを活用したが不正解だった学習者の認知パターン コア・ミーニングを使用して回答の理由を記述してはいるが、onまたはatと誤答した 学習者の認知パターンを表5-5に示す。

表5-5 Q1における不正解のon及びat選択者の認知パターン(コア・ミーニング使用)

コア・ミーニング使用+不正解 回答した

前置詞 自由記述回答 コード 認知パターン at 明確な時間がわからないか

明確な時間がわからない

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

at 24時間のどこかだから 24時間のどこか

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

at あたりに あたりに

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

at 24時間の中で幅があるか

24時間の中で幅がある

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

at 24時間のうちのどこかで 24時間のうちのどこか

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

at

24時間の中のどこかから 電話をかけ直したと思うた

24時間の中のどこか

atのコア・ミーニングの漠 然としたイメージを適用

(不明確な時間の範囲内)

on

「24時間以内」という特 定された時間内というイメ ージだったので

24時間以内, 特定された 時間内

特定された時間と時間的空 間とその内部をイメージ

*onのコア・ミーニングか ら特定性とinの容器的空間 の両方をイメージ

on 特定の時間を表すから 特定の時間 特定の時間 on 特定の時間に接触している

と考えたから 特定の時間, 接触 特定の時間との接触状態 on 24時間後という特定の時

間のイメージ 24時間後, 特定の時間 24時間後、特定の時間

コア・ミーニングを使用して回答の理由を記述してはいるが、atと誤答した学習者の認 知パターンは次の1点のみであった。

① 不明確な時間の範囲内をイメージしている。

・atのコア・ミーニングの漠然としたイメージを適用