Na+
Mg2+ ・
K+
Ca2+
5.8
8.8
31。0 6.7
1.9
t2
8.8
5.3
7.6
27.4
5.5
t3 tO
7.6
5.4
4.1
16.8 3.9
t2 tO
4.1
(mg/D
・41一
3)硫酸イオン(SO42一)
化石燃料の燃焼によって雨水中に生成されたり、人間生活に関わ る多くの食品、洗剤に含まれるので、生活排水による汚染により供 給される。また、岩石中にも含まれる。さらに、温泉、鉱泉水も多 量に硫酸塩を含むため、これらの混入も考えられる。
4)炭酸水素イオン(HCO3一)
炭酸物質は、二酸化炭素(CO2)、炭酸(H2CO3)、炭酸水素イオン(HCO3つ、
炭酸イオン(CO3一)として存在する。その割合は、pHによって決まる。
このうち、二酸化炭素(CO2)と炭酸(H2CO3)は一括して、H2CO3とする。
H2CO3、 HCO3一 A CO3一のモル比は、 pHによって決まる。これによって、
河川水のpHは、 pH;7.0前後なので、この間は、 H2CO3とHCO3一が共存 するが、大半は、HCO3 である。炭酸水素イオンは、生物活動による 二酸化炭素の放出、二酸化炭素と土壌岩石の反応により生成される 割合が大きい。
4)ナトリウムイオン(Na+)
陽イオンのなかでは、カルシウムイオンについで多く、その起源 は、雨水、岩石、人為的な汚染によるものとされている。
5)アンモニウムイオン(NH4+)
アンモニウムイオンは、主としてタンパク態物質の分解によって 生じる。このためアンモニウムイオンの検出は、水の汚染のひとつ の目安とされている。この他、アンモニウムイオンは、深層地下水、
貯水池の底層付近の水中などでの硝酸塩の還元や、肥料に由来する
場合もある。
6)カリウムイオン(K+)
河川水中にはごくわずかしか含まれておらず、起源は、土壌岩石 と考えられているが、詳細は不明である。植物体に多く含まれてい ることから、植物との関連性もある。
7)マグネシウムイオン(Mg2+)
マグネシウムイオンは、主に土壌岩石起源と考えられるが、海水 中に多量に含まれることから、海塩の影響の多いところでは、雨水
一42一
によりもたらされることもある。
8)カルシウムイオン(Ca2+)
カルシウムイオンは、河川水中の陽イオンの中で、最も多い主要 成分である。その起源は、土壌岩石である。特に、石灰岩等を含む 地層では多量のカルシウムイオンを含む。また、マグネシウムイオ ン同様、海水中にも多量に含まれるため、海塩の影響の多いきいと ころでは、雨水によりもたらされることもある。また、降雪地域で は、融雪剤として、塩化カルシウムを用いるため、この影響もある。
一43一
[雨水 ]
図3−3−3bに、一週間ごとに採水した降水(雨水及び雪水)の調査4 地点全地点の平均イオン組成を示す。陰イオンは、図より、塩化物 イオン濃度が90μequiv L−1と最も高く、次に非海塩硫酸イオン濃度
(nssSO42一)が60μequivじ1、硝酸イオン濃度が30μequiv L 1と続く。
また、陽イオンは、ナトリウムイオン濃度ぷ70μequiv L−1で最も高 く、非訟塩カルシウムイオン濃度(nssCa2+)が30μequiv L−1、アンモ ニウムイオン濃度が30μequivじ1と続く。各イオン種とも河川水よ
り濃度は低いが、アンモニウムイオン濃度、水素イオン濃度は、河 川水より高い。ここで、「非海温」とつけた項目は、その起源が海塩 に由来する部分(seasalt:ss一)と、それ以外を由来とする部分(non−
seasalt:nss一)からなる物質において、海内に由来する部分を差し引 いたものである。降水の場合、硫酸イオンとカルシウムイオンにお いて、一般的に用いられている。算出方法は、ナトリウムイオンを すべて海塩由来であるとみなして、非海塩硫酸イオンの場合は、ナ
トリウムイオンのモル濃度に0。0606(海水中のSO42フNa+モル比
=0.0606)を乗じたものを硫酸イオン濃度から差し引いて求める。また、
非海塩カルシウムイオンの場合は、ナトリウムイオンのモル濃度に
0.0224(海水中のCa2÷/Na+モル比=0.0224)を乗じたものをカルシウムイ
オン濃度から差し引いて求める。ただし、本研究では、当量濃度(μ equiv Ul)を使用したので、非海牛硫酸イオンの場合は0.121コ口臨 海塩カルシウムイオンの場合は0.044を乗じた。
降水中に含まれる主要イオン種の起源は、次のように考えられてい
る。16)・17)
1)塩化物イオン
海士起源であるが、冬季の凍結防止剤による場合もある。
2)硫酸イオン
主に化石燃料の燃焼により生じる硫黄酸化物が酸化されて、硫酸
一44一
0 .20 40 60 80 100 120
イオン濫度/μequivじ1
「140 160 180 200
陽イオン ssCa2→
。 20
___⊥_____一___一__L___【
40 60 80 100 120 140 イオン濃度/μequiv L−1
図3−3−3b雨水の平均イオン組成
160 180 200
一45・
として生成される。主な発生源は発電所・大規模工場などがある。カ ルシウムイオン同様、海水中にふくまれているので、海塩起源(ss)と 非海塩起源(nSS)に分けて考える。現在、南海塩硫酸の多くは、東ア ジアからの越境汚染と考えられている。
3)硝酸イオン
河川水と同様であるが、おもな発生源は、自動車や船舶などのディ ーゼル機関である。その多くは、日本国内の発生と考えられるが、近 年、冬季の日本海側地域では、東アジアからの越境汚染の可能性も指 摘されている。
4)ナトリウムイオン
海塩起源物質である。他のイオンを海塩起源(SS)と非海塩起源(nSS)
に分ける基準物質に用いられる。
5)カリウムイオン
カリウムイオンは、植物体に多く含まれている成分であるため、植 物を燃焼させたときの粒子状物質を取り込んだ雨や、木の葉や幹を伝 わってくる雨、すなわち林内濠や樹幹流には多量に含まれる。しかし、
一般的には、濃度は低い。
6)アンモニウムイオン
アンモニアが溶け込んだものであり、肥料や家畜などの排泄物など 人為的な汚染によるものが多いが、硫酸アンモニウムの形で、雲の凝 結核になって、雨雲と共にもたらされるものも多い。
7)マグネシウムイオン 一塩起源物質である。
8)カルシウムイオン
土壌やコンクリートに多く含まれているため、道路粉塵がその起源 となる。また、冬季の凍結防止剤にもふくまれそいる。さらに黄砂と して大陸から飛来する場合もある。海水中にふくまれているので、海
塩起源(ss)と非海商起源(nss)に分けて考える。
一46一
3.3.4河川水の経月変化について ・pH
河川水の全調査地点の2000年7月から2001年7.月までのpHの経月 変化を図3−3−4a、3+4bに示す。安曇川本流の4地点(1、2、3、4)
を図3−3−4aに、それ以外の2地点(5、6)を図3−3−4bに示した。図3−3−4a より、最もpHの高い地点は、最も上流側の地点4で、2000年8.月〜9 月の高い時期はpH=7.4前後で、2000年11月から2001年2月にかけ ての低い時期でもpH=7.1前後であった。また、最もpHの低し,・地点は 下流側の地点1で、比較的pHの高い時期でも、 pH=7.0前後になり、
2000年11月から2001年2,月にかけては、pH=6.6程度まで低下した。
このように、上流部(地点4)はpHが高く、下流に行くにつれてpHは 低下した。また、冬季(20ρ0年11,月から20001年2,月)は、全地点で pHが低下した。2001年6月にも多少低下するが、7月には、全地点で 前年度程度に回復する傾向がみられた。
また、図3−3−4bに示した、渓流の地点5と支流の地点6でも、安曇 川の本流地点と同様に、冬季の2001年2月に最も低下しているが、安 曇川本流よりもpHの明確な季節変動は少なかった。
一47・
7.5
7,3
玉7ゆ
6.8
6.5
ご
。
/
一《}一地点1+地点2
オー地点3十地点4
:
安曇川本流
月(2000年7月〜2001年7月)
図3−3−4a安曇川河川水・各地点のpHの経回変化
7.5
7。3
丑乳。
6.8
6.5
一/.
∴/
→←地点5
一地点6
〆/・「
∵ i
渓流・支流
月(2000年7月〜2001年7月)
図3−3−4b安曇川河川水・各地点のpHの経月変化
・48一
・主要イオン種
河川水の2000年7月から2001年7月までの主要イオン種の濃度の
経月変化を図3−3−5a〜3−3−5gに示す。
[塩化物イオン(Cl一)]
図3−3−5a1の塩化物イオン濃度は、各地点とも20QO年12,月から2001 年3月の冬季に増加する傾向がみられた。安曇川本流の調査地点の地 点1〜4をみると上流(地点4)から河口(地点1)にかけて濃度が高くな つた。しかし、図3−3−5a2の地点5、6は、冬季の増加があまりみら
れなかった。
[ナトリウムイオン(Naり]
図3−3−5b1のナトリウムイオン濃度も塩化物イオンほどではないが、
やはり冬季に増加がみられた。しかし、図3−3−5b2の地点5、6は、
冬季の増加があまりみられなかった。
一49・
ふ
『
250
200
L
・彗150
9 ミr 遡100騨
δ
50
0
+地点1+地点2
cr:安曇川本流
7891011121234567
月(2000年7月〜2001年7月)
図3−3−5a1安曇川・各地点の塩化物イオンの経月変化
250
200
L
喜15。
ミ
饗100
£50
0 o
+地点1+地点2 一地点・一三1
Na+:安曇川本流
7891011121234567
月(2000年7月〜2001年7月)
図3沼一5b1安曇川・各地点のナトリウムイオンの経月変化
250
200
L
・彗150
9
ミ 也臼00
騨・
50δ
0
LCI㌦渓流、支流
78910叢重{21234567
月(2000年7月〜2001年7月)
図3−3−5a2安曇川・各地点の塩化物イオンの経月変化
250
200
L
ξ1509
ミ
遡100舞
芝
50
0
♂
/\
以\、
Na+:渓流、支流
」騨地点5
一一地点6
7891011121234567
月(2000年7月〜2001年7月)
図3−3−5b2安曇川・各地点のナト1乃ムイオンの経月変化
[硫酸イオン(SO42一)]
図3−3−5c1に示した硫酸イオン濃度については、大きな季節変化は みられないが、安曇川本流の調査地点の地点1〜4の中で、地点4が 特に濃度が高かった。上流(地点4)から河口(地点1)にかけて濃度が 低くなった。図3−3−5c2ゐ別河川である地点5と地点6の濃度は、本 流の4つの地点の濃度が、100μequivじ1程度に対して、50μequiv L}1 程度と低かった。特に、地点5の濃度が低かった。
[硝酸イオン(NO3り]
図3−3−5d1の硝酸イオン濃度は、特に季節的な変化はみられないが、
上流(地点4)から河口(地点1)にかけて濃度が高くなった。図3−3−5d2 の別河川である地点5と地点6は、本流の4つの地点と比較して濃度
が高くなった。
一51・