水谷 裕之
一174一
【付 録】
(1)関連新聞記事
(2)選択理科学習指導案
(3)環境教育に関する教員の意見
一環境教育の実施に関する中学校理科教員アンケートから一
(4)第9回世界湖沼会議 発表抄録
(5)調査データー覧 一河川水、降水、積雪水一
(1)関連新聞記事
(朝日新聞2000年8,月18日より)
琵琶湖 水位 マイナス62センチ
2000年8月17日、朝琵琶湖の水位が、マイナス62センチになった。7月末か ら毎日1〜2センチほどずつ下がり続け、8,月としては1994年のマイナス104セ』
ンチに次ぐ記録になった。県は18日にも県庁内に「水位低下連絡調整会議」(議 長、田口宇一郎・琵琶湖環境部長)を設置して湖の生態系や漁業などへの影響を 調稽ることにしたが、漁業関係者の間からはアユの漁獲への影響を心配する声も 出始めた。
彦根地方気象台によると、この年の梅雨期(6,月9日〜7.月17 日)の降水量は、
平年の半分以下の156ミリ。その後もまとまった雨が観測されたのは2日間だけ だった。7月の最高気温の平均は322度(平年29.5度)に上った。
県水政課によると、琵琶湖の水位は7,月中旬に夏季制限水位のマイナス20セン チを下回り、その後ほぼ毎日減り続けた。記録的な渇水となった94年には、河川 の魚が減ったり、農作物が枯れるなどの被害が報告された。一方、淀川水系の支 流の水量も減っており、建設省琵琶湖工事事務所は、瀬田川洗堰(あらいぜき)
の放流量を毎秒51トンに減らしている。「取水制限には至っていないが、琵琶湖 の水位を考慮して最低限の放水量に努める」という。
県漁業協同組合連合会(大津市)によると、県内のアユの漁獲量は94年には、
前年の約1000トンから約260トンも減少した。県西部の安曇川では7,月中旬か ら河口付近から上流約5キロまでが干上がっており、北船木漁協(安曇川町)の 駒井順一組合長は「このままでは九月に産卵期を迎えるアユがそ上できなくなる」
と心配した。
(関連する本文 2.琵琶湖の環境について 2.1地形と気候)
(京都新聞 2001年 4,月2日より)
「酸性雪」滋賀北部で広がる 「雨」より汚染濃縮
滋賀県北部の山林から鈴鹿山脈にかけて「酸性雪」による樹木の立ち枯れ被害 が広がっていることが、滋賀県立大環境科学部の伏見三二教授(59)二雪三三、環 境地学=の研究で1日までに分かった。酸性雨よりも酸性度が高く、雪解け期を 迎えて、さらに被害拡大の恐れが強まっている。
伏見教授は、1990年ごろから県北部の山間部で樹木の立ち枯れが目立ち、残雪の 多い北側斜面に集中しているのに着目した。「雪に含まれた酸性物質が原因では。」
と、約5年前から県内山間部123地点で雪中の酸性物質に焦点を当て、研究を続
けてきた。
研究によると、酸性雪は自動車や工場の排ガスに含まれる硫黄酸化物などを核 に形成され、地上へ降る途中も表面に酸性物質が付着する。結晶化の際の濃縮効 果でpH3.5の雪もあり、酸性雨のpH4.5よりも酸性度が高い。酸性雪で知られる 極寒の北欧は、冬の平均気温が氷点下約20度で、雪の表面にだけ酸性物質が付着
し、春には一気に溶ける。 これに対し、平均気温零度前後の滋賀は、冬の間、地 上で融解と凍結を繰り返し、酸性物質が結晶の内部にまで行き渡ることが、雪の X線解析で分かった。
伏見教授は、この酸性雪が溶けてじわじわと土にしみ込み、3カ月近い長期に 渡って根が酸性物質にさらされて、害虫などへの樹木の抵抗力を弱め、立ち枯れ を引き起こすとみている。
現在、面接北部の余呉町から奥伊吹や鈴鹿山脈などの山間地にかけて、ナラなど の雑木林を中心に立ち枯れ被害が見られる。「極寒地に比べ雪解け期間が長い分、
影響は深刻。年々、被害地域が拡大する傾向にある。」としている。
酸性雪の影響で立ち枯れしたとみられる樹木
(余呉町・栃ノ木峠付近、2000年10月撮影)
(関連する本文 2.琵琶湖の環境について 2.2酸性雨の現状)
(朝日新聞2001年6月14日より)
琵琶湖の最深部低温で酸素多く
水深100㍍雪解け水流入? 水質監視へ調査続ける 県琵琶湖研究所調査 水深100㍍付近の琵琶湖の最深部に、低温度で酸素を多く含む水域があることが、
県琵琶湖研究所の自律型水中ロボット「淡探」の調査で確認された。雪解け水が湖 底まで到達したためとみられる。湖底で酸素が不足すると、富栄養化の原因となる リンや窒素が水中に溶け出す可能性があり、同研究所は琵琶湖の水質悪化を防ぐた めにも、今後調査を続けていくことにしている。
調査は同研究所の熊谷道夫総括研究員と東京大生産技術研究所の浦環教授らの グループが3月下旬、安曇川町沖の琵琶湖で実施した。
潜航しながら水深約25㍍から最深部の104㍍まで、酸素濃度、水温、水素イオ ン濃度(pH)などを測定。水深100㍍前後は南北方向に約240㍍移動しながら測っ た。水深97㍍付近で、水温6.9℃が6.6℃に、pHは7.83が7.80に急激に変化し、
酸素濃度は逆に11.85PPmから12.05ppmに急激に上昇した。40㍍から97㍍は水温 は7.2〜6.9℃、pHは7.85〜7.83、酸素濃度は11.50〜11.85ppmといずれも緩やか な変化だった。
琵琶湖研究所によると、湖水中の酸素は、浅い場所では大気や水草の光合成で年 間を通じて供給される。しかし、深い場所になると、冬の気温低下で潮表面の水温 が下がって起きる水循環か、雪解け水など低温の水が流れ込まないと供給されにく いという。
琵琶湖の底の酸素は、バクテリアによる有機物の分解などで平均約14ヵ月で消 費されるとみられるが、地球温暖化などの影響で降雪量が減ると、無酸素状態にな る可能性があるという。
熊谷総括研究員は「酸素が不足すると、リンや窒素が遊離して起きる富栄養化や、
酸素がない状態で活動するバクテリアが増えて、湖底環境が激変する可能性があ る。観測を続けたい」と話している。
(関連する本文 2.琵琶湖の環境について 2.3降雪と琵琶湖の水質)
(毎日新聞2001年1月16日より)
西日本の日本海側は大雪続く滋賀県で126センチ積雪量
西日本の日本海側を中心とする大雪は、16日朝も降り続き、富山県魚津市で午前 9時までの24時間で68センチの積雪を記録、滋賀県余呉町柳ケ瀬では積雪量が126 センチに達した。北陸や近畿北部のJR線では前夜から列車の運休などが相次ぎ、
多くの乗客が列車の中で夜を明かした。北陸線ほこの日午前中も上下計79本が運 休し、マヒ状態となった。
最低気温も近畿各地で前日に続き氷点下に。落差日本一(高さ133メートル)を 誇る和歌山県那智勝浦町の蔀智の滝では、今冬初めて滝つぼが凍結し、岩肌に凍り ついた水しぶきが「氷の花」を咲かせたようになった。熊野那智大社の話によると、
二つぼがびっしりと凍るのは「ここ数年では珍しい」という。
大阪管区気象台によると、寒波は18日まで続くといい、17日朝までに近畿北部 の山沿いで40〜60センチ、平野部で20〜40センチ、中部や南部でも数センチの雪 が降る見込み。
(関連する本文 4.積雪調査 4.3.1積雪量)
(京都新聞 2001年2月16日より)
京滋北部にドカ雪西舞鶴59cm今津44cm
京滋北部は16日、強い冬型の気圧配置となつ七日本海側を中心に15日に引き続 き大雪となった。京都府北部の積雪量は市街地でこの冬最多の50センチ前後に達
し、交通機関などに影響が出た。
舞鶴市西市街地の積雪量は16日正午現在、2月としては1994年からの観測史上 3番目の59センチを記録した。
正午現在の各地の積雪量は、宮津市街地53センチ、舞鶴市東市街地50センチ、
福知山市街地47センチ、綾部市勘弁町145センチ、夜久野町額田66センチなど。
舞鶴海洋気象台によると、雪は17日午前まで断続的に降る見込み。今後、府北 部の降雪量はさらに平野部で20〜30センチ、山沿いの多いところで40センチにな るという。 また滋賀県内でも同日午前、北部を中心に雪が降り続いた。
正午現在で坂田郡伊吹町春照の61センチをはじめ、県北部の多いところで30〜
50センチの積雪になった(彦根地方気象台調べ)。
滋賀県内の積雪量(16日正午現在)は次の通り(単位はセンチ)
今津町44▽余呉町柳ケ瀬38▽彦根14。
(関連する本文 4.積雪調査 4.3.1積雪量)
(2)選択理科学習指導案
選択理科学習指導案
学校名
学 級 実施日時 場 所
指導者
大津市立真野中学校
第3学年後期理科(生徒数21名)
平成11年11月4日第5〜6即時 第1理科室
早藤文和・水谷裕之 1.題材名 身近な環境科学「酸性雨・水道水について」
2。はじめに 選択理科について
本校で、選択教科が8教科開講実施され、本格化したのは7〜8年前からであり、市内 の学校と比較しても早くから選択に取り組んできた。選択理科の場合も同様に、8教科実 施当初から開講し、現在に至っている。この間、選択教科そのものに関する諸問題もあっ た。第1に、選択であるために生徒の希望を尊重することが大切であるが、1学年の生徒 数が増加の傾向にあったこの時期、特定の教科に集中するなど人数の片寄りがでて、調整 が大変困難を極めた。仕方なく第2・第3希望に変更せざるをえない生徒も少なくなく、
結果として生徒の学習意欲を低下させることとなった。また、選択教科の意義や目的を十 分理解させるためオリエンテーション等を実施してきたが、生徒には、「好きなことがで きる。必修教科より気楽」といった印象が強く、学習の内容が深まらないままに終わるこ とがあった。
現在でも、「友達と相談して・・」「これしかいくところがないから・・」といった消極 的な動機で教科を選択している生徒がいる。もちろん、得意な教科、好きな教科を選択し て、学習意欲の高い生徒が多くを占めているが、それだけではないという現状を十分に把 握して、指導計画を立てる必要がある。
選択理科の場合は、年度によって異なるが、大別すると「理科が好きな生徒・得意な生 徒」、「実験や観察などの体験的な活動を好む生徒」、「理科しかいくところがない・友達と 一緒だからという消極的な生徒」になる。以前は、一人の教師が担当し、他の教師は手が 空けば補助に入る程度であったが、近年は、TTとして、2名の教師で指導している。内 容は、課題研究的な内容で、最初に、全体でいろいろな観察実験をおこない課題の内容を 理解した後、グールプを作り、生徒に課題を選択させて、課題追究を行うことを主にして いた。内容も雑多で、「熱気球づくり」「化学カイロづくり」「水ロケット」「染色」「炭酸 水作り」・・等 生徒は、興味関心が高く意欲的に取り組んだ。一方で、教師の準備も大 変で、各課題に対応した準備に追われた。しかし、これらは、単なる「おもしろ実験」で あり、深く追求すれば、教科での学習との関連も持てるが、「おもしろさ」だけで終わっ ていた。「できたか、できなかったか。」といった考察で、方法や考察、正確さ、客観性な どいわゆる科学の方法とは、ほど遠い活動の過程になっていた。課題の設定や追究の過程 を工夫する必要があった。また、課題について調べたり、自分たちで考え工夫することが 苦手で、マニュアルに従って実験観察をするだけで、失敗すればすぐに教師を頼る傾向が あった。これらの闇題は、多少の例外はあるものの、毎年同じ傾向であった。
選択教科は、あくまで、必修教科の延長上にあるもので、別教科ではない。従って、必 修教科で培われたカがそのまま選択教科に引き継がれる。課題研究の場合も同様で、普段 の授業で課題研究の場の設定や、その追究の方法の習得がされていないのに、選択教科で