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CTM を利用した負荷分散(Stateless Session Bean の場合)

ドキュメント内 アプリケーションサーバ システム設計ガイド (ページ 101-105)

(2) CTM

3.7.4  CTM を利用した負荷分散(Stateless Session Bean の場合)

アクセスポイントになるコンポーネントが Stateless Session Bean の場合に,CTM によって負荷を分散 する構成です。

(1) システム構成の特徴

J2EE サーバ上で動作するアプリケーションのアクセスポイントが Stateless Session Bean の場合に,

CTM を使用して実現する構成です。ここでは,クライアントが EJB クライアントアプリケーションの場合 について説明します。

EJB クライアントアプリケーションは,システムプロパティに登録したグローバル CORBA ネーミング サービスからオブジェクトリファレンスをラウンドロビン方式でルックアップすることで,リクエストの振 り分け先を分散します。ただし,それぞれの J2EE サーバでは同じ名前(同じ別名)で Stateless Session Bean を開始しておく必要があります。

Stateless Session Bean を対象にした CTM による負荷分散の構成の例を次の図に示します。

図 3‒40 Stateless Session Bean を対象にした CTM による負荷分散の構成の例

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴

• Stateless Session Bean の負荷の均衡を実現して,高い可用性を確保できます。

• EJB クライアントからのラウンドロビン方式によるグローバル CORBA ネーミングサービスのルッ クアップと,CTM によるリクエストの振り分けによって,J2EE サーバ間の負荷均衡が実現できま す。

• Stateless Session Bean のスケールアウトが容易に実現できるので,アプリケーションサーバの稼 働率を向上できます。

• 特定の J2EE サーバにトラブルが発生した場合,CTM によってほかの J2EE サーバにリクエストを スケジューリングすることで,システムの縮退運転ができます。また,EJB クライアントアプリケー ションからは,トラブルを検知した J2EE サーバにはアクセスされません。

リクエストの流れ

アクセスポイントである J2EE サーバ上の Stateless Session Bean へのリクエストは,EJB クライアン トから CTM 経由で送られます。その際,EJB クライアントは,グローバル CORBA ネーミングサービ スから Stateless Session Bean の EJBHome オブジェクトリファレンスの名前をルックアップしま す。そのあと,リクエストは CTM によって,適切なアプリケーションサーバ上の J2EE サーバに振り 分けられます。

CTM を使用して負荷を分散する場合,グローバル CORBA ネーミングサービスを独立したマシンに配置 することもできます。このとき,グローバル CORBA ネーミングサービスを配置したマシンを,統合ネー ミングスケジューラサーバといいます。

統合ネーミングスケジューラサーバを配置したシステムの構成を次の図に示します。

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

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図 3‒41 Stateless Session Bean を対象にした CTM による負荷分散の構成の例(統合ネーミングスケ ジューラサーバを配置した場合)

凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴

• Stateless Session Bean の負荷の均衡を実現して,高い可用性を確保できます。

• 統合ネーミングスケジューラサーバのレプリカを作成して複数配置することで,ネーミングサービ スの可用性を確保できます。

• EJB クライアントからのラウンドロビン方式によるグローバル CORBA ネーミングサービスのルッ クアップと,CTM によるリクエストの振り分けによって,J2EE サーバ間の負荷均衡が実現できま す。

• Stateless Session Bean のスケールアウトが容易に実現できるので,アプリケーションサーバの稼 働率を向上できます。スケールアウト時に,EJB クライアントで定義したグローバル CORBA ネー ミングサービスのリストを変更する必要はありません。

• 特定の J2EE サーバにトラブルが発生した場合,CTM によってほかの J2EE サーバにリクエストを スケジューリングすることで,システムの縮退運転ができます。EJB クライアントアプリケーショ ンからは,トラブルを検知した J2EE サーバにはアクセスされません。

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

• EJB クライアントは,統合ネーミングスケジューラサーバ上のグローバル CORBA ネーミングサー ビスから Stateless Session Bean の EJBHome オブジェクトリファレンスの名前をルックアップ します。そのあと,アプリケーションサーバの CTM デーモンに処理が振り分けられます。

(2) それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセス

CTM を使用して負荷を分散する場合に,それぞれのマシンに必要なソフトウェアと起動するプロセスにつ いて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン

アプリケーションサーバマシンには,Application Server をインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

• J2EE サーバ

• 運用管理エージェント

• PRF デーモン

• グローバル CORBA ネーミングサービス

• CTM のプロセス群(CTM デーモンおよび CTM レギュレータ)

• CTM ドメインマネジャ

• スマートエージェント

(b) 統合ネーミングスケジューラサーバマシン

統合ネーミングスケジューラサーバを配置するシステム構成の場合,統合ネーミングスケジューラサーバマ シンには,Application Server をインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。J2EE サーバを起動する必要はありません。

• グローバル CORBA ネーミングサービス

• CTM のプロセス群(CTM デーモン)

• CTM ドメインマネジャ

• スマートエージェント

• 運用管理エージェント

• PRF デーモン (c) 運用管理サーバマシン

運用管理サーバマシンには,Application Server をインストールする必要があります。

起動するプロセスは次のとおりです。

• Management Server (d) EJB クライアントマシン

EJB クライアントマシンには,Application Server または Client(Windows の場合)をインストールす る必要があります。

起動するプロセスは EJB クライアントアプリケーションのプロセスです。

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

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3.8 サーバ間で非同期通信をする場合の構成を検討す る

この節では,サーバ間で Message-driven Bean を使用して非同期通信をする場合のシステム構成について 説明します。アクセスポイントは Message-driven Bean になります。

Message-driven Bean を使って非同期通信をするシステム構成としては,CJMS プロバイダを使用するシ ステム構成,TP1/Message Queue を使用するシステム構成,および Reliable Messaging を使用するシ ステム構成があります。JMS プロバイダと Reliable Messaging は,アプリケーションサーバの構成ソフト ウェアです。なお,Reliable Messaging を使用したシステムでは,Message-driven Bean のインスタン スプールを使用した負荷分散はできません。

3.8.1 Message-driven Bean をアクセスポイントに使用する場合の構

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