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アプリケーションサーバの実行系と待機系を相互スタンバイに する構成

ドキュメント内 アプリケーションサーバ システム設計ガイド (ページ 138-141)

(2) CTM

3.11.4  アプリケーションサーバの実行系と待機系を相互スタンバイに する構成

アプリケーションサーバの実行系と待機系を 1:1 にする構成で,それぞれのアプリケーションサーバを実 行系として稼働させながら,お互いの待機系にする構成について説明します。この構成を,相互スタンバイ 構成といいます。また,この構成で構築されたシステムを,相互系切り替えシステムといいます。

(1) システム構成の特徴

この構成は,実行系のアプリケーションサーバマシン 1 台に対して待機系のアプリケーションサーバマシ ンを 1 台用意しておく構成の一つです。ただし,待機系のアプリケーションサーバを停止させておくので はなく,実行系とは異なる J2EE サーバを動作させておきます。これを,相互スタンバイといいます。

それぞれのアプリケーションサーバに同じ種類の J2EE サーバを配置して,異なる J2EE サーバを起動して おくことで,それぞれのアプリケーションサーバが現用系として動作しながらお互いの予備系として機能し ます。どちらかのマシンに障害が発生した場合は,系が切り替えられ,もう片方のアプリケーションサーバ マシンで両方の J2EE サーバの処理が実行されるようになります。

この構成は,次のことが前提になります。

• CORBA ネーミングサービスはインプロセスで起動されていること

• グローバルトランザクションを使用する場合,トランザクションのステータスファイルは共有ディスク に格納されていること

• Management Server を利用して運用していること

Management Server は,アプリケーションサーバと同じマシンに,一つずつ配置して,両方のホストで起 動します。それぞれの Management Server は,別の運用管理ドメインを管理します。それぞれの運用管 理ドメインの範囲は,Management Server が配置されているアプリケーションサーバマシン内です。

相互系切り替えシステムの構成の例を次の図に示します。この例は,トランザクションサービスを使用する 例です。共有ディスクは,トランザクションサービスを使用する場合にだけ必要です。

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

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図 3‒57 相互系切り替えシステムの構成の例(トランザクションサービスを使用する場合)

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴

• 実行系と待機系は 1:1 で構成します。それぞれのマシンに Management Server を配置します。

• 一つの運用管理ドメイン(一つのマシン)内に,二つの仮想ホストを定義します。それぞれの仮想 ホストを,実行系のアプリケーションサーバのホスト,待機系のアプリケーションサーバのホスト として,システムを構築します。

• 運用管理ドメイン内のそれぞれの仮想ホストは,一つの運用管理エージェントで起動・停止を制御 されます。ただし,それぞれの仮想ホストには実際に運用に使用される IP アドレスとは異なる IP アドレスが割り当てられているため,見かけ上異なるホスト上で動作しているように定義されてい ます。

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

• 各アプリケーションサーバの運用に使用する IP アドレスは,クラスタソフトウェアによって動的に 割り当てられる IP アドレスを使用します。Management Server から運用管理エージェントに対 するリクエストの送信には,系切り替えによって他系へ移動しない IP アドレスを使用します。

• グローバルトランザクションを使用する場合は,共有ディスク装置が必要です。共有ディスクは,

仮想ホストごとに必要です。

• 図の場合,仮想ホスト単位に LAN を分けていますが,必須ではありません。

系切り替えの流れ

どちらかのアプリケーションサーバマシンに障害が発生すると,系切り替えが実行されます。系切り替 えは,Management Server,運用管理エージェント,またはクラスタソフトウェアなどに障害が発生 した場合に実行されます。なお,このほか,明示的に系切り替えを実行するコマンドを実行した場合 や,これ以外にクラスタソフトウェアが系切り替えの対象にしている事象が発生した場合も,系切り替 えが実行されます。

系切り替えが実行されると,待機系だった側のアプリケーションサーバマシンの運用管理エージェント によって,それまで停止していた論理サーバのプロセスが起動されます。

例えば,図の場合に,アプリケーションサーバ 1 に障害が発生した場合は,クラスタソフトウェアに よってアプリケーションサーバ 2 への系切り替えが実行され,アプリケーションサーバ 2 の運用管理 エージェントによって,アプリケーションサーバ 2 上の J2EE サーバ 1 およびそれ以外の論理サーバの プロセスが起動されます。

(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスについて説明します。

(a) アプリケーションサーバマシン(実行系 1/待機系 2)

アプリケーションサーバマシンには,Application Server をインストールする必要があります。

相互系切り替えシステムのアプリケーションサーバマシンで必ず起動するプロセスは次のとおりです。

• 運用管理エージェント

• Management Server

これ以外にアプリケーションサーバに必要なソフトウェアおよびプロセスは,使用する機能に応じたシステ ム構成ごとに異なります。使用する機能に応じて必要なソフトウェアとプロセスを配置してください。

なお,系切り替えの対象になるプロセスは,仮想ホスト 1 のプロセスだけを起動してください。

(b) アプリケーションサーバマシン(待機系 1/実行系 2)

待機系のアプリケーションサーバマシンにインストールするソフトウェアおよびプロセスの構成は,実行系 1/待機系 2 と一致させてください。

なお,系切り替えの対象になるプロセスは,仮想ホスト 2 のプロセスだけを起動してください。

(c) クライアントマシン

クライアントマシンには,次のソフトウェアをインストールしてください。

Web クライアント構成の場合 Web ブラウザ

3 システム構成の検討(J2EE アプリケーション実行基盤)

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EJB クライアント構成の場合

Client(Windows の場合),Application Server

3.11.5 リカバリ専用サーバを使用する場合の構成(N:1 リカバリシス

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