6
6 オプション・周辺機器
6−2−6 ノイズ対策品
ノイズには、外部から侵入しサーボアンプを誤動作させるノイズとサーボ アンプから輻射し周辺機器を誤動作させるノイズがあります。サーボアンプ は微弱信号を扱う電子機器のため、次の一般的対策が必要です。
また、サーボアンプ出力を高キャリア周波数でチョッピングしているので ノイズの発生源になります。このノイズ発生により周辺機器が誤動作する場 合には、ノイズを抑制する対策を施します。この対策はノイズ伝播経路によ り多少異なります。
q
一般的対策・サーボアンプの動力線(入出力線)と信号線の平行布線や束ね配線 は避け、分離配線をする。
・検出器との接続線、制御用信号線には、ツイストペアシールド線を 使用し、シールド線の外被は端子 SD へ接続する。
・接地は、サーボアンプ、サーボモータなどを 1 点接地で行う(3 − 4 節参照)。
w
外部から侵入しサーボアンプを誤動作させるノイズサーボアンプの近くにノイズが多く発生する機器(電磁接触器、電 磁ブレーキ、多量のリレーを使用など)が取り付けられていて、サー ボアンプが誤動作する心配があるときは、次のような対策を施す必要 があります。
・ノイズを多く発生する機器にサージキラーを設け、発生ノイズを抑 さえる。
・信号線にデータラインフィルタをつける。
・検出器との接続線、制御用信号線のシールドをケーブルクランプ金 具で接地する。
e
サーボアンプから輻射し周辺機器を誤動作させるノイズサーボアンプから発生するノイズは、サーボアンプ本体およびサー ボアンプ主回路(入・出力)に接続される電線より輻射させるもの、主 回路電線に近接した周辺機器の信号線に電磁的および静電的に誘導す るもの、そして、電源電路線を伝わるものにわけられます。
サーボアンプの
発生ノイズ 空中伝播ノイズ サーボアンプからの
直接輻射ノイズ
電磁誘導ノイズ
静電誘導ノイズ
電路伝播ノイズ
電源線からの 輻射ノイズ
サーボモータ接続線 からの輻射ノイズ
電源線を伝播する ノイズ
漏れ電流による接地線 からの回込みノイズ
…経路
r
,t
…経路
q
…経路
w
…経路
e
…経路
u
…経路
i
…経路
y
6
ノイズ伝播経路 対 策
qwe
rty
u
i
計測器、受信機、センサなど微弱信号を扱い、ノイズの影響を受け誤作動しやすい機 器や、その信号線がサーボアンプと同一盤内に収納されていたり、近接して布線されて いる場合にはノイズの空中伝播により機器が誤動作することがあるので、次のような対 策を施してください。
(1)影響を受けやすい機器は、サーボアンプから極力離して設置する。
(2)影響を受けやすい信号線は、サーボアンプとの入出力線から極力離して布線する。
(3)信号線と動力線(サーボアンプ入出力線)の平行布線や束ね配線は避ける。
(4)入出力線にラインノイズフィルタや入力にラジオノイズフィルタを挿入して、電線か らの輻射ノイズを抑制する。
(5)信号線や動力線にシールド線を使用したり、個別の金属ダクトに入れる。
信号線が動力線に平行布線していたり、動力線と一緒に束ねられている場合には電磁 誘導ノイズ、静電誘導ノイズにより、ノイズが信号線に伝播し誤動作することがあるの で次のような対策を施してください。
(1)影響を受けやすい機器は、サーボアンプから極力離して設置する。
(2)影響を受けやすい信号線は、サーボアンプとの入出力線から極力離して布線する。
(3)信号線と動力線(サーボアンプ入出力線)の平行布線や束ね配線は避ける。
(4)信号線や動力線にシールド線を使用したり、個別の金属ダクトに入れる。
周辺機器の電源がサーボアンプと同一系統の電源と接続されている場合には、サーボ アンプから発生したノイズが電源線を逆流し、機器が誤動作することがあるので、次の ような対策を施してください。
(1)サーボアンプの動力線(入出力線)にラジオノイズフィルタ(FR−BIF)を設置する。
(2)サーボアンプの動力線にラインノイズフィルタ(FR−BSF01)を設置する。
周辺機器とサーボアンプの接地線により閉ループ回路が構成される場合、漏れ電流が 貫流して、機器が誤動作することがあります。このようなときには、機器の接地線を外 すと誤動作しなくなる場合があります。
計器 受信機
サーボ アンプ
サーボモータ SM w
w
i q
u
u u
t
e
r y
e
センサ 電源
センサ
6 オプション・周辺機器
(1) データラインフィルタ
検出器ケーブルなどにデータラインフィルタを設けることにより、ノ イズの侵入を防止する効果があります。
例 データラインフィルタ:ZCAT3035 − 1330 (TDK 製) ESD − SR − 25 (トーキン製) インピーダンス仕様 (ZCAT3035 − 1330)
(2) サージキラー
サーボアンプ周辺の AC リレー・AC バルブ・AC 電磁ブレーキなどに 取り付けるサージキラーは次のものまたは相当品を使用してください。
なお、DC リレー・DC バルブなどにはダイオードを取り付けます。
最大電圧:リレーなどの駆動電圧の 4 倍以上 最大電流:リレーなどの駆動電流の 2 倍以上
定格電圧 AC[V]
200 C [μF]
0.5 R [Ω]
50 (1W)
テスト電圧 AC[V]
T−C間 1000(1〜5s)
外形寸法図[単位:mm]
MS
サージキラー リレー
20cm以下
(例) 972A−2003 504 11
(松尾電機(株)・・・定格AC200V) サージキラー
サージキラー
青色ビニルコード ビニル被覆 赤色ビニルコード
10±3
200以上 200以上
10±3
18±1.5
15±1 48±1.5
6
φ4 31.5±1
10以下 10以下
上のインピーダンス値は、
参考値であり保証値では ありません。
インピーダンス[Ω]
10〜100MHZ 80
100〜500MHZ 150
外形寸法図(ZCAT3035−1330)
[単位:mm]
39±1
φ13±1 φ30±1
ケーブル固定用バンド取付け部 34±1
ロット番号 品名
TDK
RA
ダイオード
− +
6
(3) ケーブルクランプ金具 (AERSBAN − SET) シールド線のアースは一般にはコ
ネクタの SD 端子へ接続すれば十分 ですが、右図のようにアース板に直 接接続して効果を高めることができ ます。
検出器ケーブルはサーボアンプの 近くにアース板を取り付け、右図に 示すようにケーブルの被覆を一部む いて外部導体を露出させ、その部分 をクランプ金具でアース板に押しつ けてください。ケーブルが細い場合 は数本まとめてクランプしてくださ い。
ケーブルクランプ金具はアース板 とクランプ金具がセットになってい ます。
クランプ部のケーブル被覆をむく カッタ
ケーブル
・外形図
アース板 クランプ金具
注.接地用のねじ穴です。制御盤のアース板に 接続してください。
形 名 AERSBAN−DSET
A 100
B 86
C 30
付属金具 クランプ金具Aが2個
クランプ金具 A
L 70
24
0 -0.2
(注)M4ねじ
B±0.37 113 6 C A
6 22 17.5
35
35
2−φ5穴 取付け穴
L以下 10 3024+0.3 0
クランプ金具
(A,B)
ケーブル
アース板
外部導体
クランプ部分図
40
6 オプション・周辺機器
(4) ラインノイズフィルタ (FR − BLF・FR − BSF01)
サーボアンプの電源側あるいは出力側から輻射するノイズを抑制する 効果があり高周波の漏れ電流(零相電流)の抑制にも有効です。特に 0.5MHz〜5MHz の帯域に対して効果があります。
(5) ラジオノイズフィルタ (FR − BIF) …入力側専用
サーボアンプの電源側から輻射するノイズを抑制する効果があり、特 に 10MHZ 以下のラジオ周波数帯域に有効です。入力専用です。
接 続 図 外形寸法図 [単位:mm]
接続線はできる限り短くしてください。
必ず接地してください。
漏洩電流:4mA
NFB
電源
サーボアンプ
ラジオノイズ フィルタ FR−BIF
29
58
約300 42 4
赤 白 青 緑
44 29 7
φ5穴 L1
L2
L3
接 続 図 外形寸法図 [単位:mm]
三相の電流をすべて同じ方向に同じ回数巻き付けてサーボ アンプの電源側、出力側に接続してください。
電源側は巻付け回数が多いほど効果がありますが、通常で は貫通回数を4回程度巻き付けます。
電線が太くて巻き付けることができない場合は、フィルタ を2個以上使用し、貫通回数の合計が前述になるようにして ください。
出力側の貫通回数は必ず4回以下にしてください。
接地(アース)線は、三相の電線と一緒に巻き付けないで ください。フィルタ効果が減少します。接地には別に電線 を使用してください。
FR−BLF(MR−J2−350A用)
FR−BSF01(MR−J2−200A以下用) 例1
例2
(貫通回数4回)
2個使用した場合 (合計貫通回数4回)
電源
NFB サーボアンプ
L1
L2
L3
ラインノイズ フィルタ
電源
NFB サーボアンプ
L3
L1
L2
ラインノイズ フィルタ
160 180 130 85
802.3 35
31.5
φ7
(110) (95)
(22) (65)7
3
(65) φ33
2−φ5