絶対位置検出システム
絶対位置検出システムの構築方法を記載しています。
このサーボアンプはバッテリを装着するだけで絶対位 置検出システムになります。詳細は MR − J2 − A 絶対位 置検出システム取扱説明書 (IB (名) 67308) を参照して ください。
1 章 2 章 3 章 4 章 5 章 6 章 7 章 8 章 9 章 10 章 11 章 はじめに
運転と操作 配線
据付け
絶対位置検出システム オプション・周辺機器 点検
異常と対策 特性
仕様 選定
(1) 絶対位置検出システムの制約事項 (2) 仕様
(3) 構成
(4) 絶対位置検出データの通信概要 (5) バッテリの装着方法
(6) パラメータの設定
(7) 接続例
絶対位置検出システム 5
(1) 絶対位置検出システムの制約事項
次の条件による絶対位置検出システムの構築はできません。
1
速度制御、トルク制御運転の場合2
制御切換モード(位置/速度、位置/トルク)の場合3
回転軸、無限長位置決めなどストロークのない座標系のシステムの 場合4
瞬時停電再始動機能を有効にして運転する場合5
アラームコード出力を使用する場合(2) 仕様
構成品 サーボアンプ サーボモータ バッテリ 検出器ケーブル 汎用プログラマブル コントローラ
標準品を使用します。
MR−BATまたはA6BAT 標準品を使用します。
製作する場合は6−1−2項(2)にしたがって製作してください。
絶対位置検出データの送受信は、入出力ユニット(入力3点、
出力2点)で行います。
内 容 項 目
方式 バッテリ 検出器分解能 最大回転範囲
(注1)停電時最大回転速度 (注2)バッテリバックアップ時間 (注3)バッテリ交換時のデータ保持時間 バッテリ保存期間
内 容
電子式、バッテリバックアップ方式 リチューム電池(1次電池、公称+3.6V)×1個
形名:MR−BATまたはA6BAT 10−1節(2)による
原点±32767rev 500r/min
約1万時間(無通電時の電池寿命)
納入時2Hr、5年後1Hr 製造日付より5年間
注 1.停電時などにおいて、外力により軸が回されるときの最大回転速 度です。
2.無通電状態でのバッテリによるデータ保持時間です。
3.電池の電圧が低下した状態か電池を抜いた状態で、電源を OFF したあとに検出器内蔵のスーパコンデンサにデータを保持できる 時間、または検出器ケーブルを外してもデータを保持できる時間 です。電池の交換はこの時間内で行ってください。
(3) 構成
1
構成品5
構成図
(4) 絶対位置検出データの通信概要
1
システムブロック図下図に示すように、検出器は通常運転のときには位置制御用A・B・
Z 相信号のほかに、1 回転内の位置を検出するための検出器と回転数 を検出する回転累積カウンタから構成されています。
絶対位置検出システムは汎用プログラマブルコントローラの電源の ON/OFF に関係なく、常時機械の絶対位置を検出しバッテリバック アップにより記憶しています。このため機械の据付け時に一度原点 セットを行えば、その後の電源投入時のドグ式原点復帰の必要がな く、停電や故障の場合でも復旧が容易に行えます。
また、絶対位置データを検出器内スーパーコンデンサによりバック アップしているため、ケーブルを着脱したときやケーブルが断線した ときでも規定時間 (回転累積カウンタ保持時間) 内であれば絶対位 置データを保持できます。
注 1. A0J2CPU は使用できません。
2. 上記以外の使用可否については、ご相談ください。
3. FX − 1GM・FX (E) -20GM・FX − 10GM 使用時は絶対位置検 出専用のプログラムは必要ありません。
2
汎用プログラマブルコントローラの適用ユニット汎用プログラマブル
コントローラ サーボアンプ
サーボモータ バッテリ
CN1A CN1B CN2 AD75□
など
I/O
位置決めユニット AD71・AD71S2・AD71S7 A1SD71S2・A1SD71S7 AD75P□・A1SD75P□
FX−1PG・FX−1GM FX(E)−20GM・FX−10GM
入出力ユニット AX40・41・42
AY40・41・42 FX2−32MT
汎用プログラマブルコントローラ サーボアンプ
EEP−ROMメモリ LSO
1XO CPU 位置決めユニット
入出力ユニット 現在位置
入力 出力 現在
位 置 読 込み
パルス列指令 原点データ
電源遮断時 バックアップ
現在位置
LS 回転数検出
1X 1回転内の 位置検出
位置 制 御 速度 制 御
1P/rev回転累積カウンタ
1回転内カウンタ A・B・Z相信号
スーパーコンデンサ サーボモータ
MR−BAT バッテリ
高速シリアル通信
絶対位置検出システム 5
2
通信フロープログラマブルコントローラ サーボアンプ 手順1
手順2
手順3
手順4
ABS転送モード要求
送 信 レ デ ィ を 受 信
ABSデータ要求信号出力
ABSデータ2ビットの受信
( A B S 処 理 完 了 )
DI/DOをABS転送用の入 出 力 信 号 に 機 能 変 更
検出器よりABSデータを読 み込み現在位置データを作 成 し 送 信 レ デ ィ を 出 力
ABSデータ要求信号受信
ABSデータ2ビットの出力
19回繰り返して、
データを組み立てます。
サーボアンプとプログラマブル コントローラ間は、DI/DOによ りABSデータを送受信します。
送信は、
2bit×19回で行います。
データ 32bit チェックサム6bit
トータル 38bit
(5) バッテリの装着方法
サーボアンプの内部回路は静電破壊をおこす恐れがあります。以下のこ とを必ずお守りください。
1. 人体および作業台を接地する。
2. コネクタのピンや電気部品などの導電部分に手で直接触れない。
お願い
1
操作部窓を開く。(MR−J2−200A以上の場合、正面カバーも取り外す。)2
バッテリホルダにバッテリを装着する。3
バッテリコネクタを CON1 にカチッと音がするまで差し込む。バッテリコネクタ
バッテリ 操作部窓
CON1
バッテリホルダ
MR−J2−100A以下の場合 MR−J2−200A以上の場合 CON1 バッテリコネクタ
バッテリ
バッテリホルダ
(6) パラメータの設定
パラメータ No.1 を 1 □□□に設定 し絶対位置検出システムを有効にし
ます。 位置決め方式0:インクリメンタル
1:絶対位置検出システム パラメータNo.1
1
5
(7) 接続例
ここでは MELSEC − A1SD75 (AD75) とサーボアンプの接続を記載し ます。
注記については 5 − 6 ページを参照してください。
A1SP62
INPUT AC100/200
600mA LG
電源
A1SCPU A1SX40
A1SY40
A1SD75-P COM1
COM2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B
0 1 2 3 4
+ -8 9 A B +
-11 12 13
準備完了 位置決め完了 14
15 16 35 36 7 8 26
5 23 24 25
(注2)
(注6)
(注5) (注2) (注3)
(注1) 近点信号
電磁ブレーキ出力 (注4)
9 19 18 CN1A
SON ABSM ABSR RES JOG
原点復帰 位置決め 2 OFF
ON OFF ON
LSP LSN EMG サーボアンプ CN1B
上限リミット
下限リミット
RA2
15 ALM 18
16 17 ABS bit0 ABS bit1 ABS busy
4 19
6 3 13 10 20 VDD COM SG SG
1 OFF OFF ON ON 運転モード 運転状態
5 8 9 14
8 10 20 5 15 13 3 12 2 1 プレート COM
RD INP CR SG SG LZ LZR
PG PP NG NP LG SD 21
3 22
4 19 20 DOG FLS RLS STOP CHG START コモン コモン
PGO PULSE-F PULSE-R PLS COM PLS COM RDY INPS コモン CLEAR コモン
5 6 7 C D E F COM +24 24G FG
汎用シーケンサ
COM NC NC
アラームリセット 非常停止 サーボオン 原点復帰 運転モード1 運転モード2 位置始動 位置停止 JOG+
JOG-サーボアラーム ABS交信エラー ABSチェックサムエラー サーボオン
ABS転送モード ABS要求 アラームリセット ABSデータ bit 0
ABSデータ bit 1/零速度検出 送信データ準備中/トルク制限中 故障
絶対位置検出システム 5
注1. ドグ式原点復帰の場合です。データセット式原点復帰の場合は接続し ないでください。
2. サーボモータが零点信号上にあるときに立ち上げを行うと、A1SD75 (AD75) の偏差カウンタクリア信号を出力するので、MR − J2 − A の クリア信号は A1SD75 (AD75) 側へ配線しないで、シーケンサの出力 ユニットに配線してください。
3. 参考回路です。
4. 電磁ブレーキ出力は、プログラマブルコントローラの出力にリレーを 経由して制御してください。
5. パルス入力方式は、差動ラインドライバ方式を使用してください。
オープンコレクタ方式でも使用できますが、 外来ノイズなどの影響 の少ない差動ラインドライバ方式を推奨します。
6. ノイズ強化のため LG とパルス出力 COM 間を接続してください。