また、開発区担当者からは、隣接している安 徽省からの採用も可能であるため、労働力は 十分である旨聴取している。
(3) 生活環境 イ.住居
日本人駐在員は100人程度である。単身赴 任する場合が多く、市内や開発区内のホテ ル、アパートに居住している。また、杭州市 と隣接している徳清県に所在する日系企業で は杭州市内に住み通勤している例もある。市 内のアパートの家賃は3LDKで月額1,200〜
3,000元程度である。
ロ.食事・買い物
日本料理店は市内に数店ある。テスコ、大 潤発等の外資系をはじめとする大型スーパー マーケットがあり生活用品・食料品の入手は問 題ない。ただし、日本の食材を専門に扱う店は なく、上海市、蘇州市等に行く必要がある。
ハ.医療
上海にあるような外資系クリニックはなく、
地元の人民病院等を利用する必要がある。
(2) 開発区の紹介
以下では、今回の調査で訪問した湖州経済 開発区と長興経済開発区を紹介する。両開発
区ともインフラが完備され、日本語ができる 担当者が配置されている等、日系企業受入れ の基本的な条件は十分に整備されていた。
イ.湖州経済開発区
設立年 92年
クラス 省級
計画面積 66km2(開発済面積33km2)
運営主体 湖州経済開発区管理委員会
市内での位置 市の中心部から北西へ2km
土地販売代金 252元/m2〜。ただし、業種や投資規模により補助金等の優遇政策あり。
賃貸工場月額賃料 9〜12元/m2(区内には25万m2の賃貸工場がある。)
誘致奨励産業 機械・電気、環境保全(水処理)、バイオ医薬、新素材、自動車部品、電子・情報 進出外資系企業数 130社(うち日系企業は19社)
主要進出日本企業 松尾橋梁、ケンミン食品、日本シグマックス HP http://www.hedtd.gov.cn
連絡先 湖州市経済技術開発区管理委員会招商三局(TEL:+86-572-266-8229)
大阪駐在事務所 聞玉山氏
(日本語可、TEL:06-4790-0033、メールアドレス:[email protected])
(聴取内容)
・ 06年から08年まで3年連続で浙江省内省級開発区総合評価にて第1位となっている。特にハイテク産業の進出企業 数等の産業構造の高度化、効率性の項目にて高い評価を得ている。
・ISO9001の認証を07年12月に、ISO14001の認証を06年に取得している。
・ 10年の認定を目指して、国家級開発区としての認定を申請中である。また、輸出加工区の設立も併せて申請中で ある。
・ 工業地域のほかに、4つの分区に分かれ、湖州市政府をはじめとする政府機関、商業施設、住宅団地も整備された 総合的なニュータウンとなり、人口は20万人近くに達している。
・ 08年の外資直接投資件数は、20件・契約額は3億ドルである。設立以来の累計では130件・21億ドルとなっている。
進出企業数では、香港・台湾系企業が87社で一番多く、日本からの進出は19件で第2位でとなっている。
・ 08年の開発区内の工業総生産額に占める外資系企業の割合は17%、輸出額に占める割合は64%となっている。
・ 当開発区を含む区部(呉興区、南潯区)に外国から投資した企業が、①外国投資産業指導目録の奨励類に該当する 業種であれば、一旦納付した企業所得税の湖州市留保分(企業所得税率25%×浙江省留保分40%×湖州市留保分 80%=8%)の80%を3年間還付する、②世界上位500社企業、業界トップクラスの企業であれば、一旦納付した企 業所得税の湖州市留保分の100%を3年間還付する優遇措置がある。
名称 面積(km2) 特徴
鳳凰分区 12.4
東部商業貿易区と西部工業区に分かれている。西部工業 区の主要誘致産業は、機械、環境保全、医薬・バイオ、
IT、紡績である。
西南分区 13.5 西南商業住居区と西南工業区に分かれている。西南工業
区の主要誘致産業はIT、医薬・バイオ、機械である。
西塞山分区 16.1 主要誘致産業は、電気、機械、IT、金属材料、現代物流 業である。
康山分区 24.0 現在計画中であり、インフラ整備開始予定。
ロ.長興経済開発区
設立年 92年
クラス 省級
計画面積 100km(開発済面積20km2 2)
運営主体 長興経済開発区管理委員会
市内での位置 長興県中心部から東へ2km
土地販売代金 222元/m2〜。ただし、業種や投資規模により補助金等の優遇政策あり。
賃貸工場月額賃料 6〜8元/m(区内には5万m2 2の賃貸工場がある。)
誘致奨励産業 機械・部品、電子情報、電気、紡績・アパレル、自動車部品 進出外資系企業数 185社(日系企業は14社)
主要進出日本企業 ブルボン、日本化薬、ミヤマ、高田 HP http://www.ccdp.gov.cn/jp/
連絡先 長興県人民政府招商局(TEL:+86-572-605-2165)大阪駐在事務所 兪雷達氏(日本語可、
TEL:090-8473-9978、メールアドレス:[email protected])
(聴取内容)
・ 経済力、産業構造の高度化、効率性の各項目のバランスが良く、08年の浙江省内省級開発区総合評価にて第4位と 評価された。07年の第6位から2ランク上昇している。
・ 日本語ができる人材が企業誘致担当3名、進出後のサービス担当6名いる。日本国内には大阪事務所が設置され窓 口となる日本人顧問がいる。
・06年にはISO9001、ISO14001の認証を取得している。
・10年の認定を目指して、国家級開発区としての認定を申請中である。
・ 区内には日本工業団地(52万m2)、自動車部品工業団地(200万m2)等が設置されている。開発区内には大型の火 力発電所があるため、電力が豊富であり、安価な蒸気も供給することができる。
・ 08年の外資新規投資件数は19件、増資分を含む契約額は2.5億ドルである。設立以来の累計では185件・16億ドル となっている。
・08年の工業総生産額の外資系企業の占める割合は20%、輸出額に占める割合は22%である。
・ 長興県からは毎年300人程度を日本に労務派遣している。既に1,000人以上が派遣期間を終了し帰国している。そ の中には、上海、蘇州、無錫で働いている人材もいるが、就業機会があれば地元に戻りたいと考えている人材が多 い。既に進出している日系企業では、地元に帰った派遣経験者をコア人材として採用している。
・ 長興県の最低賃金は780元で、区部の850元より低い。また、安徽省に隣接していることから、区部に比較し平均 賃金も200〜300元程度低い。
・ 開発区内に外国から投資した企業が一旦納付した企業所得税の長興県留保分(企業所得税率25%×浙江省留保分 40%×長興県留保分80%=8%)は、2年間は全額還付し、次の3年間は50%還付される優遇措置がある。
Ⅱ.進出地としての優位性
湖州市の投資環境上の特徴は、08年1月の 高速道路の開通により上海までの交通アクセ スが格段に向上したこと、蘇州、無錫等の外 資受入が先行した蘇南地域の各都市と比較 し、工業用地に余裕があり、進出コストが低 いことである。以上の点を勘案すると、日本 や華東各地域とのアクセスと進出コストの両 立を考える中小製造企業にとり進出候補地の 1つとなると思われる。
以下に湖州市を進出候補地として検討する 際のポイントを取りまとめた。