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2 .投資活動 ― 設備投資・住宅投資は 低迷。公共投資は09年1 〜 3月に増加

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 08年度は、企業の設備投資(実質)が前 年比9.6%減と大幅に悪化した。四半期別に みると、リーマン・ショック後の08年10〜

12月は前年比11.8%減と2ケタの減少となり、

09年1〜3月 は 同20.5% 減 に 落 ち 込 ん だ。09 年4〜6月も減少率が拡大しており、企業の 投資マインドは冷え込んでいる。

 企業が設備投資を行い、その地域で生産や サービスの提供を拡大させれば、雇用が創出 されて、地域経済の活性化につながるという 利点がある。

 08年度における企業(資本金1億円以上で 電力を除く。)の設備投資の動向を、日本政 策投資銀行『地域別設備投資計画調査』でみ ると、北海道は前年水準をわずかに上回り、

近畿、東海は減少率が比較的小さかったもの の、東北・新潟、北陸、四国、九州は大幅に 投資が削減された(図表12)。

 北海道は、日本製鋼所室蘭製作所の原子力 発電所向け部材の増産投資があった鉄鋼、王 子製紙苫小牧工場の新エネルギーボイラの増 設などがあった紙パルプ、バイオエタノール 製造設備の新設が相次いだ化学などの製造業 が全体を押し上げた。近畿は、臨海地域での シャープやパナソニックなどによる薄型パネ ル関連投資の効果が波及しており、パネル向

けガラス基板などの窯業・土石製品のほか、

化学や一般機械なども堅調だった。東海は、

主力の完成車メーカーが世界同時不況で計画 を延期する動きがみられた一方で、東京製鐵 田原工場の建設などで鉄鋼が下支えしたこと などから、減少が小幅にとどまった。近畿や 東海では、工場などが含まれる民間建設工事

(除く居住用建築、出来高ベース)も堅調に 推移している(図表15参照)。南関東は、大 型案件の完了などで不動産などの落込みが大 きく、非製造業は前年比マイナスだったが、

製造業は、ホンダの寄居工場・小川エンジン 工場が建設中であるほか、コスト競争力向上 のための工場投資があった一般機械や能力増 強投資があった化学がけん引して、前年水準 を上回った。

 一方、東北・新潟は、大型投資が一巡した 紙パルプや非鉄金属、化学などの減少の影響 が大きかった。北陸は、大型開発の反動減 図表12 08年度の地域別設備投資(前年比)

全国 北海道 新潟東北 甲信北関東 南関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州

(%)

製造業

非製造業(除く電力)

全産業(除く電力)

-40 -30 -20 -10 0 10

(備考)1.資本金1億円以上の企業が対象。電力を除いた数値 2 .日本政策投資銀行『地域別設備投資計画調査』よ

り作成

で、卸小売や不動産といった非製造業が減少 したことが響いている。四国は、商業施設の 新設があった卸小売や土地関連投資があった 不動産が堅調で、非製造業は前年の水準をわ ずかに上回った。ただ、製造業は、受注残が 多い造船などを含む輸送機械が増加したもの の、能力増強投資が一服した紙パルプや一般 機械、非鉄金属などの落込みで大幅なマイナ スとなった。九州は、新日鉄大分製鉄所の第 一高炉改修などで鉄鋼が堅調だったが、自動 車・電機で前年度の大型投資の反動減や投資 計画の見直しなどがあり、製造業は前年の水 準を下回った。非製造業も、鉄道のターミナ ル機能強化で運輸が増加したものの、不動産 で投資計画の見直しが広がるなど、前年比で 大幅なマイナスとなった。

 総じて、鉄鋼は、世界同時不況前の鉄鋼需 要の拡大を見込んだ投資計画に沿って投資が なされたほか、液晶パネルや太陽電池関連な どのエコ分野における投資も堅調だった。一 方、紙パルプは前年度の大型投資の反動で減 少に転じ、自動車・電機・不動産では景気の 急速な悪化を受けて投資計画の見直しの動き が広がるなど、能力増強投資を抑制する動き が強まった。

 非居住用建築物着工床面積で地域別に企業 の投資動向をみても、08年度通年では南関 東と東海を除いて大幅なマイナスに陥ってい る。特に、四国は4分の1程度、中国と九州・

沖縄は2割程度も前年度の水準を下回った。

07年度は建築確認業務の遅れが生じたため、

その反動で08年7〜9月こそ全地域で前年の

水準を上回ったが、09年1〜3月は南関東以外、

軒並み前年比マイナスに転じている。09年4〜

6月は景気が持直しに転じたものの、全地域で 非居住用の建築着工は一段と減少している

(図表13)。企業業績の悪化や設備稼働率の 低さなどを背景に、09年度の投資計画を大 幅に圧縮した企業が多いことがうかがえる。

 08年度の公共投資(実質)は、前年比4.4%

減と99年度から10年連続でマイナスとなっ た。しかし、四半期別にみると、景気対策に よる補正予算の編成や09年度予算の前倒し 執行を受けて、09年1〜3月に前年比0.3%増 と01年1〜3月以来32四半期ぶりにプラスへ 転じ、4〜6月には同15.8%の大幅な増加率を 記録した。

 08年度の公共工事請負金額を地域別にみ る と、 北 陸 が 前 年 比7.0% 増、 南 関 東 が 同 5.7%増、中国が同1.9%増、北関東・甲信

図表13  08年度の非居住用建築物着工床面積 の前年比

-40 -30 -20 -10 0 10 20

(%)

合計 北海道 東北 甲信越北関東 南関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 沖縄九州

09年4-6月 09年1-3月 08年10-12月 08年7-9月 08年4-6月 08年度

(備考)1 .四半期は年度全体に対する寄与度。例えば、09年4

〜6月の寄与度は「(09年4〜6月−08年4〜6月)/08 年度×100」で計算

2.国土交通省『建築着工統計調査』より作成

越 が 同1.7% 増 と プ ラ ス の 伸 び を 示 し た

(図表14)。 北 陸、 中 国、 四 国 で09年1〜3月 に大幅に増加しており、4〜6月は近畿、北 陸、南関東で増加が顕著であった。発注ベー スでは、09年に入ってから、大幅に増加し ている地域が多い。道路や鉄道のほか、学校 の耐震化工事などが押上げに寄与している。

 一方、出来高ベースでは、08年度は、四 国、東海、東北で落込みが大きかったが、北 海道、南関東、中国が堅調だった。北海道 は、治山・治水や道路、南関東は道路、下水 道、治山・治水、中国は道路と治山・治水が 押 上 げ に 寄 与 し た。 特 に、09年1〜3月 は、

北海道と北陸で公共工事が大幅に増加してお り、中国、南関東、東北も公共事業が建設工 事の下支え役を果たしている(図表15)。た だ、今後は、新政権による09年度補正予算 の一部執行停止などの不透明要因もある。民

主党は、マニフェストに公共事業の削減を盛 り込んでおり、10年度には公共事業が減少 に転じる公算が大きい。

 08年度の新設住宅着工戸数は、07年6月の 図表14 08年度の公共工事請負金額の前年比

合計 北海道 東北 甲信越北関東 南関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 沖縄九州

-10 -5 0 5 10 15

(%) 09年4〜6月

09年1〜3月 08年9〜12月 08年7〜9月 08年4〜6月 08年度

(備考)1.四半期は年度全体に対する寄与度

2 .北海道建設業信用保証㈱、東日本建設業保証㈱、

西日本建設業保証㈱『公共工事前払金保証統計』よ り作成

図表15 地域別の建設工事(出来高ベース)の工事費(前年比・種類別寄与度)

(%)

-15 -10 -5 0 5 10 15 20

25 民間建設工事(居住用建築)

民間建設工事(居住用建築以外)

公共建設工事 合計

 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1  Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

08

09

北海道 北関東

甲信越

南関東 九州

沖縄

東北 北陸 東海 近畿 中国 四国

(備考)国土交通省『建設総合統計』より作成

改正建築基準法の施行による着工遅延の反動 増が期待されたが、建築資材の高騰などを背 景としたマンション価格の高止まり、景気後 退や信用収縮などのマイナス要因が重なり、

前年比0.3%増とほぼ横ばいにとどまった。

GDPベースの実質住宅投資は、前年比3.1%

減と07年度から一段と落ち込んでいる。08 年度に着工戸数が前年度の水準を上回ったの は、南関東、九州・沖縄、東海だけとなった

(図表16)。 し か も、08年7〜9月 に、 南 関 東 が 前 年 比60.3% 増、 九 州・ 沖 縄 が 同49.7%

増、 近 畿 が 同35.4% 増、 北 海 道 が 同34.4%

増、北関東・甲信越や東海が約30%増とい う極めて高い増加率に達するなど、前年の大 幅な落込みによる反動増が下支えした側面が 強い。世界同時不況の影響で、09年に入っ てからはすべての地域で前年の水準を下回っ ており、北海道は1〜3月に、東海は4〜6月 に、建築確認業務が滞った07年7〜9月を上

回る減少率を記録した。とりわけ、南関東な どの都市部では、分譲住宅の減少が著しい。

マンション在庫の積上がりや銀行のマンショ ン開発資金融資の慎重化などによるデベロッ パーの資金繰り難などで、着工を抑制する動 きが強まった。足元ではマンション在庫は減 少に転じており、マンション価格の下落や住 宅ローン減税制度の延長・拡充といった明る い材料も見受けられる。しかし、雇用・所得 環境は悪化が続いており、マンション在庫の 調整局面が長引く恐れもある。当面、住宅投 資は低水準にとどまる公算が大きい。

3 .雇用、個人消費

雇用環境は歴史

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