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新高精度歯車測定機の適用評価

ドキュメント内 歯車測定機の精度向上に関する研究 (ページ 193-200)

第 5 章 歯車校正システムへの適用評価

5.3 新高精度歯車測定機の適用評価

(a) C軸の回転精度

検出器付近に汎用治具を取り付けて,C軸上に設置した基準ボールを測定 する.C軸を左右回転させて45[°]ピッチで8回繰り返し測定する.

(b) C軸の基準面の振れ

検出器付近に汎用治具を取り付けて,C軸基準面を直接測定する.C軸を 左右回転させて45[°]ピッチで5回繰り返し測定する.

(c) X軸のC軸との直角度

検出器付近に汎用治具を取り付けて,C軸上に設置した直定規を反転測定 する.それぞれ135[mm]を45[mm]ピッチ(4ヶ所)で3往復測定する.

(d) Y軸のC軸との直角度

検出器付近に汎用治具を取り付けて,C軸上に設置した直定規を反転測定 する.それぞれ180[mm]を45[mm]ピッチ(5ヶ所)で3往復測定する.

(e) W軸のC軸との平行度

上部センターを取り外し,オシコップに汎用治具を取り付けて,C軸上面 に設置した片持ちテストバーを測定する.X/Y方向それぞれ340[mm]を

85[mm]ピッチ(5ヶ所)で3往復測定する.

(f) Z軸のC軸との平行度(X=25[mm],Y=0[mm]の位置)

検出器付近に汎用治具を取り付けて,C軸上面に設置した片持ちテストバ ーを測定する.X/Y方向それぞれ260[mm]を65[mm]ピッチ(5ヶ所)で3 往復測定する.

(g) Y軸の位置替え(±50[mm])によるZ軸のC軸との平行度

項目(f)と同じ内容をY=±50[mm]の位置で実施する.

(h) X軸の位置替えによるZ軸のC軸との平行度

項目(f)と同じ内容をX=100[mm]の位置で実施する.

(i) D1軸の振れ

検出器付近に汎用治具を取り付けて,上下センター間に設置したテストバ ーを非回転にして下端付近の表面の振れを測定する.C軸を左右回転させ てそれぞれ45[°]ピッチで5回繰り返し測定する.

(j) D2軸の振れ

検出器付近に汎用治具を取り付けて,上下センター間に設置したテストバ ーを非回転にして上端付近の表面の振れを測定する.D2軸を左右回転さ せてそれぞれ45[°]ピッチで5回繰り返し測定する.

(k) D2軸のD1軸(C軸)との一致度

C軸に専用治具を取り付けて,上下センター間に設置したテストバー

(400L)の上端付近の水平方向の振れを測定する.C軸を左右回転させてそ

れぞれ45[°]ピッチで5回繰り返し測定する.

(l) D2軸の定位置間隔(200L)の平行度

項目(k)と同じ内容で200Lテストバーを使用して実施する.

(m) Z軸のD1- D2軸を結ぶ軸心との平行度

検出器付近に汎用治具を取り付けて,上下センター間に設置したテストバ ーを測定する.それぞれ260[mm]を65[mm]ピッチ(5ヶ所)で3往復測 定する.

マスターボール

C軸 a.

b.

C軸基準面

a.

b.

(a) (b)

直定規

片持

円板 200

(c) (d)

片持 テストバー

下位置 上位置

L=340

平行度測定図

逃げ;20

L=260 上位置

下位置

L=260

上位置

下位置

50

50

L=260

X軸の位置替え

Rg2 Rg2 Rg1 上位置

下位置

(g) (h)

D テストバー

回転止め

L2

R軸(スライド)

軸(回転)

テストバー 非回転

(i) (j)

テストバー

Lb

La

Lb

テストバー

L

L260

(k) (l) (m) Figure 5.4 Definition of GMM’s axes

上記測定を定期的に実施し,当初,歯車の測定結果に影響を及ぼす程の値で はないもののセンター台の倒れやリードコラムの倒れに約 1.0[μm]程度の変化 が見られた.その後の検証で4.4節に示した通りベッド(花崗岩)と据付台(鋳 鉄)の締結部における線膨張係数が異なる為に生じる応力を解放し,再度キサ ゲ等によりセンター台とリードコラムの倒れ修正を実施することで改善された.

その他の0.5[μm]以下の僅かな変化が見られた項目は,ほとんどが測定方法に

起因するばらつきと考えられる.よって,歯車基準器(歯車アーティファクト)

の測定結果に大きな影響を与えるような要因は残っていないと判断した.

5.3.2 最高測定能力の算出

開発機を歯車校正システムに組み込む有効性を検証するため,各種不確かさ 要因の大きさを把握して開発機のBMCを算出する.ここで不確かさとは,1993 年にISOなど7つの国際機関の共著によって発行された「計測における不確か さの表現ガイド(GUM)」[26]の中で初めて用いられた言葉で,測定値からどの 程度のばらつきの範囲内に真の値があるかを示す.そして BMC は校正事業者 が認定事業の範囲で実施する校正の最小不確かさとして定義し,その定義に基 づいて審査を行い,認定する.なお,詳細は JCSS 校正事業における歯車アー ティファクト校正不確かさ要領書(GMCK-03-01)に準じて実施する.

歯車基準器(歯車アーティファクト)の校正は,実用標準ブロックゲージを 用いて校正された検出器を使い,「長さ」の国家標準に対してトレーサビリティ を確保される.しかし,単純な比較校正では無く,検出器と一体の歯車測定基 準機を使用して歯車測定機としてインボリュートヘリコイド創成運動を行い,

理論形状と実際の歯面を検出器によって比較した長さの差として測定する.そ して,校正結果はその長さの差を用いて各評価項目で表される.よって,歯車 基準器(歯車アーティファクト)の校正における不確かさは以下に大別される.

(1) 長さの差を検出する検出器の不確かさ (2) 創成運動の不確かさ(歯車測定基準機本体)

(3) 校正作業の不確かさ

(4) その他,環境条件等による不確かさ.

比較測定による長さの校正は,寸法が既知の標準器と校正する機器の長さの 差を測微器等で測定することを基本とする.その他,本体精度等はすべて不確 かさに盛り込んでBMCを算出する.

1)不確かさ要因と測定方法

ⅰ)検出器

①器差と直線性:u(md1)

±0.05mm範囲でブロックゲージを測定する.

②剛性(ねじれ角の影響):u(md2)

上記実験を0°15°30°45°に傾けて測定する.

③延長ホルダの影響:u(md3)

延長ホルダを装着して①の測定を実施する.

④繰り返し安定性:u(md4)

①の測定を繰り返し20回実施して標準偏差を求める.

よって,検出器の標準不確かさu(M)は以下の式で表せる.

( ) (

M u md1

) (

u md2

) (

u md3

) (

u md4

)

u = + + + (5.1)

ⅱ)回転軸

①上部センターの偏心量:u(ef)

非回転の両センターテストバーの表面を電気マイクロメータで測定する.

使用した電気マイクロメータの拡張不確かさ(U)は0.09[μm](k=2)である.

②下部センターの偏心量:u(ej)

非回転の両センターテストバーの表面を電気マイクロメータで測定する.

③下部センターに対する上部センターの一致度:u(ejf)

上部センター位置(100,200,300[mm))での一致度を測定し,管理幅を決定.

④ロータリエンコーダの分割精度:u(rt1),u(rt2)

ポリゴン鏡(U=0.11[“](k=2))とオートコリメータ(U=0.29[“](k=2))を使 用して比較校正する.累積ピッチの場合は,1回転を使用することから歯 形測定,歯すじ測定,単一ピッチよりも大きくなる.

ⅲ)X軸

①基礎円位置への位置決め精度:u(LX) ステップゲージを測定する.

②X軸位置決め繰り返し安定性:u(X2)

Y軸両端とZ軸上部において,X軸位置決めの繰り返し標準偏差を求める.

③X軸とY軸の直角度誤差:u(XY) 直角定規を反転測定する.

④XY平面度によるZ軸の傾き:u(XE)

両センターテストバーのZ運動平行度をX軸2位置,Y軸3位置で行う.

⑤測定子長さに起因する要因:u(b1)

テストバーを使用した原点設定のX座標の繰り返し標準偏差を求める.

ⅳ)Z軸

①Z軸運動の傾き誤差(回転軸心との平行度):u(JFZx),u(JFZy)

両センターテストバー(100,200,300[mm])を,Z軸運動で平行度を X/Y軸2 方向測定し,管理幅を決定する.

②Z軸の運動精度:u(LZ)

ステップゲージを測定(検出器は平行バネ仕様の切り替え式を使用).

③Z軸運動のX軸方向真直度:u(ZLX) 両センターテストバーを測定する.

④Z軸運動のY軸方向真直度:u(ZLY) 両センターテストバーを測定する.

ⅴ)Y軸

①測定子のY軸原点からのズレ:u(b2)

テストバーを使用した原点設定のY座標の繰り返し標準偏差を求める.

②Y軸運動の直角度誤差(回転軸心との直角度):u(JFY) C軸上に直定規を設置し,C軸ごと反転測定する.

③Y軸の移動量補正:u(LY) ステップゲージを測定する.

④Y軸運動のZ軸方向の直角からの狂い(直角度成分+真直度成分):u(YLZ) 直定規を主軸上で測定する.

⑤Y軸運動のX軸方向真直度:u(YLX) 直定規を主軸上で測定する.

ⅵ)測定の再現性

測定の再現性に起因する不確かさを推定するために,2種類の歯車アーテ ィファクトを測定して標準偏差を求める.測定要領を以下に示し,Table 5.3 に測定結果(測定日:2009/12/7~12/11,室温:20℃±1℃)を示す.

測定対象:自動測定マスター m=4, PA=20°, HA=L27.336°, Z=24, B=40 ピッチマスター m=4, PA=14.5°, HA=0°, Z=28, B=30 測定回数:24回(4名×6回/名)

ドキュメント内 歯車測定機の精度向上に関する研究 (ページ 193-200)