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機構の開発

ドキュメント内 歯車測定機の精度向上に関する研究 (ページ 153-160)

第 4 章 新高精度歯車測定機の開発

4.3 システム構成

4.3.1 機構の開発

1)回転駆動系の機構

回転駆動系は,高精度な回転を実現するTable 4.3に示す仕様のエアベアリン グに直結したシャフトを介してDDモータによって直接駆動する回転軸と被測 定歯車を上側から支持して滑らかに回転する上部センターで構成した.Figure 4.2 は,その構想図である.また,その角度計測に用いるロータリエンコーダ には,偏心等に起因する角度誤差を低減させるために自己校正型ロータリエン コーダ[52]を採用した.これは,Figure 4.3のように1つの目盛り板に対して複 数個のセンサヘッドを配置して自身の持つ角度誤差を校正することができる.

そして,その校正値を用いて歯車精度を算出することでロータリエンコーダの 偏心や誤差の影響を小さくすることができる.

(a) Upper center side

(b) Lower center side Air bearing

Air spindle

DD motor

Rotary encoder

Shaft

Figure 4.2 Design of rotary axes

Table 4.3 Specification of the air bearing GBS100HR (NSK)

Deflection Radial 0.6 [μm P-P]

Axial 0.2 [μm P-P]

Rigidity Radial 46.2 [N/μm]

Axial 339.1 [N/μm]

Load Radial 127 [N]

Axial 686 [N]

0.5 [Mpa] 7.3 [l/min]

Moment of inertia 0.003724 [kgm2]

Weight 6.3 [kg]

Material SUS420

Model (Maker)

Air pressure Air consumption

j=1 j=2

j=3

j=4

j=5

(a) Layout of reading heads (b) Mounting appearance Figure 4.3 Self-calibratable rotary encoder

ロータリエンコーダは通常1つの目盛り板と1つのセンサヘッドで構成され る.自己校正型ロータリエンコーダの場合,Figure 4.3のように複数個のセンサ ヘッドを等角度間隔に配置し,全てのセンサヘッドの信号を等分割平均法

[48,49]で処理することで回転軸中心に対する目盛り板の偏心およびスケール誤

差の校正値を得ることができる.センサヘッドの数を n,その配置番号を

j(=1,2,・・・n),目盛り板 1回転の位相を i とした場合,それぞれのセンサヘッド

が出力する角度信号には,角度偏差Ai+2π(j-1)/nが含まれている.ただし,各セン サヘッドは同一の目盛り板を検出しているため,Ai+2π(j-1)/n (j>1)はそれぞれ基準 とするセンサヘッド(j=1)の角度偏差 Aiに対して 360/n[°]間隔ずつ位相がずれて

いるだけである.直接には各角度信号から角度偏差を分離することはできない ため,基準とするセンサヘッド(j=1)の角度信号との差を計算するとその差

δi+2π(j-1)/nは式(4.1)のように角度偏差 Ai+2π(j-1)/nだけで表せる.このとき n 個のセ

ンサヘッドの平均値μiは式(4.2)で表せる.

n j i i n j

i+2π( 1)/ = AA+2π( 1)/

δ (4.1)

(

2 /5 4 /5 6 /5 8 /5

)

1

/ ) 1 (

2 5

1 1

π π

π π

δ π

μ + + + +

= + = − + + + +

=

n i i i i i i

j

n j i

i A A A A A A

n (4.2)

-4 -2 0 2 4

0 90 180 270 360

Angle [°]

Angle deviation ["]

j=1 j=2 j=3

j=4 j=5

(a) Measured data from 5 sensor heads

-4 -2 0 2 4

0 90 180 270 360

Angle [°]

Angle deviation ["]

(b) Analyzed data as calibration curve

Figure 4.4 Calibration results by the angle self-calibration system

開発機ではセンサヘッドを5個配置(n=5)した.Figure 4.4(a)に5個のセンサヘ ッドの1回転(360[°])の計測値から算出されるそれぞれのδを示す.次に,この 5個のδの平均値μiは式(4.2)の右辺で表せ,その結果をFigure 4.4(b)に示す.こ こで,等分割平均法から式(4.2)の右辺第2 項は,Aiの 5次のフーリエ成分とみ なすことができる.したがって,この構成では5の倍数次成分が十分小さけれ ば平均値μiは校正曲線とみなすことができる.歯車測定機で特に問題となる測 定機の偏心や倒れは1次成分および2次成分が支配的であり,それらを校正で きることで効果が得られると判断した.

2)直線駆動系の機構

直線駆動系は,Table 4.4に示す仕様のエアスライドをリニアモータによって 駆動するDD機構で構成される2軸(Y-Z)ステージを開発し,そのリニアモータ には,回転軸に追従して駆動する必要性から,速度リップルが少なく,コギン グの発生しないモータを採用した.Figure 4.5は,その構想図である.実験機で は水平方向のY軸のみを検証したが,開発機ではカウンターウエイトを取り付 けて垂直方向のZ軸にもY軸同様のDD機構を適用した.位置計測においては,

高精度な制御のために分解能が高く,測定結果がモータの発熱等の影響を受け ないように熱膨張係数の低い材質のリニアエンコーダを採用した.

+

-Counterweight

Air slide

Linear encoder Linear motor

Figure 4.5 Design of linear axes

Table 4.4 Specifications of the air slide XY-AD2030 (NSK)

Stroke Y axis 200 [mm]

Z axis 300 [mm]

Straightness Y axis Z direction 0.30/200 [μm/mm]

X direction 0.16/200 [μm/mm]

Z axis X direction 0.29/300 [μm/mm]

Y direction 0.27/300 [μm/mm]

Rigidity Virtical 40 [kgf/μm]

Horizontal 30 [kgf/μm]

Load Virtical 40 [kgf]

Horizontal 30 [kgf]

4 [kgf/cm2] 5 [kgf]

Air pressure Slider weight Model (Maker)

4.3.2 検出器の開発

試作機や実験機では測定子の直線変位検出には差動変圧器等を用いていたが,

計測・制御のリアルタイム性を向上させるために Figure 4.6のようなリニアエ ンコーダによる変位検出システムを開発した.また,計測精度をより向上させ るためにはピッチング(Pitching)等による影響も除去できるように可能な限り 測定子に近い位置での変位計測が必要であるため,He-Ne レーザ光の波長を基 準とする干渉法を利用したレーザ測長機を導入し,1[nm]の高分解能で測定子の 変位を直接検出する光学系を組み込んだ.

Linear encoder in Detector Leaf spring

Cube corner Linear encoder

Test bar

Laser head Laser

interferometer

Stylus

→Δy

←Δf

←Δl

Linear encoder in Detector Leaf spring

Cube corner Linear encoder

Test bar

Laser head Laser

interferometer

Stylus

→Δy

←Δf

←Δl

Figure 4.6 Composition and verification of detector

(a) φ1.5 Steel (b) φ1.5 Carbide (c) φ2.0 Ruby Figure 4.7 Example of three kinds of styli

しかし,測定子部にたわみ等の誤差を生じるとレーザ測長機を用いても測定 値が影響を受ける.そこで,そのたわみの影響を調べるために異なる種類の測 定子を使って検出器の直線性を検証した.測定子にはそのサイズ,形状,材質 等に様々あるが, ここではFigure 4.7の(a)先端がφ1.5円錐形状の鋼製測定子,

(b)先端がφ1.5円錐形状の超硬製測定子および先端がφ2.0球形状のルビー製測定

子(c)を検証に用いた.検証方法は,Figure 4.6に示したように測定子先端をテス トバーに左右から当て,スライダを 10[μm]ずつ移動させてスライドの変位Δy, 検出器の変位Δf およびレーザ測長機の変位Δl を計測して解析した.Figure 4.8 はそれぞれの測定子での検証結果である.

まず,測定子部や検出器によるたわみεMを式(4.3)で定義する.

f

My−Δ

ε (4.3)

ここで,測定子部が完全な剛体ならば εM=Δl=0となるが,実際は検出器の変 位量に応じた測定子部のたわみが生じていることが分かった.また,検証の結 果Δl ≈εMとなり,たわみの大部分は測定子部で生じていることになる.そこで,

たわみ補正係数をαとすると,予測されるたわみεPは式(4.4)で表せる.

P =α⋅Δf

ε (4.4)

そのたわみ補正係数 α は,εM(またはΔl)の傾きから測定子の種類に依って 異なることが分かる.そして,検証したいずれの測定子についても,式(4.3)の 実測値と式(4.4)の予測されるたわみとの差Δε(=εM -εP)はFigure 4.8のようにほぼ 0になり,Δl≈εMの関係から,取り付けた測定子に応じたたわみ補正係数αを 求めて,測定時の検出器の変位Δf を用いて測定子のたわみの影響 εPを算出し,

レーザ測長機の変位Δl を補正することで精度の高い直線変位計測が可能であ ることが分かった.

-3 -2 -1 0 1 2 3

-200 -100 0 100 200

Displacement of detector [μm]

Deflection [μm]

ε Δl Δε

M

(a) φ1.5 Steel

-3 -2 -1 0 1 2 3

-200 -100 0 100 200

Displacement of detector [μm]

Deflection [μm]

ε Δl Δε

M

(b) φ1.5 Carbide

-3 -2 -1 0 1 2 3

-200 -100 0 100 200

Displacement of detector [μm]

Deflection [μm]

ε Δl Δε

M

(c) φ2.0 Ruby

Figure 4.8 Deflection of three kinds of styli

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