∆ F(T)
ⓨߩ࡞
He ዉ࡞
4
Temperature
F re que nc y
Tc
Ᏹᵹേ
ᵹേ
ᘠᕈࡕࡔࡦ࠻
ᘠᕈࡕࡔࡦ࠻
図2.7 ねじれ振り子による超流動観測の概略を示す。4Heの慣性モーメントにより 空の状態から大きく減少した共振周波数は,超流動成分が発生することで慣性モーメ ントが減少し,上昇する振る舞いを見せる。
流動転移に伴う周波数の変化量は,一次の近似範囲で
∆(T) = 1 2π
(√ κ
Icell+IHe(1−ρs(T)/ρ) −
√ κ Icell+IHe
)
(2.4.6)
= 1 2π
√ κ Icell
vu
ut 1 1 + IIHe
cell
(
1− ρs(Tρ ))
(2.4.7)
≃ fcell
2 IHe
Icell ρs(T)
ρ (2.4.8)
となり,発生する超流動密度ρs(T)に比例することがわかる。
2.5 静電容量型圧力計を用いた圧力測定
温度圧力相図を求めるためには同時に試料の圧力を測定する必要がある。本実験では バルクの4Heの固化圧以上の温度圧力領域で測定を行う必要があるが,この領域では試 料導入キャピラリの中で4He が固化し,管路が閉塞する。すると室温部に設置した圧力 計では低温部の試料空間の圧力を知ることはできない。本実験では極低温の箇所に設置 し精度良く圧力を測定することができる圧力計として,StratyとAdamsが考案した圧 力によるダイヤフラムの変形を静電容量の変化として読み取る,静電容量型圧力計を製 作し利用した [20]。
電極
試料空間 コンデンサーギャップ
スペーサー
ダイヤフラム
図2.8 静電容量型圧力計の構造
2.5.1 静電容量型圧力計の原理
静電容量型圧力計の構造と原理を説明する。図2.8は静電容量型圧力計の構造の概略 を示したものである。圧力計本体はサンプルスペースの壁の一部が1 mm程度の厚さに 加工され,試料の圧力によって弾性的に変形する金属ダイヤフラムを形成している。ダ イヤフラムの外側には電極が設置され,ダイヤフラム中心の変位に合わせて移動するよ うになっている。ダイヤフラムの可動電極に対向する位置に固定電極が設置され,数十 µm程度の厚さのスペーサーにより,可動電極と固定電極の間にコンデンサーギャップが 形成されている。
ダイヤフラムは内部の圧力を受けて弾性的に変形し,その変形の大きさは圧力の関数 である。円周を固定されたダイヤフラムが圧力P を受けて変形するとき,中心における 変形量y は,厚みt,直径r,材料のヤング率 E とポアソン比ν によって次式で計算さ れ,静電容量圧力計に形成されたコンデンサーギャップの間隔の変化∆aと一致する。
y = 3(1−ν)r4P
16Et3 =−∆a (2.5.1)
またこの時,ダイヤフラムにかかる応力は次式となる。
γ = 3r2P
4t2 (2.5.2)
2.5 静電容量型圧力計を用いた圧力測定
実際の測定においては,低温状態で室温部の圧力計と内部の試料空間の間が開通し圧力 媒体(4He)が移動できる状態で静電容量と圧力の関係を測定し,圧力と静電容量の関数 を得て圧力計に価を付ける校正作業が必要である。なお圧力変化と静電容量の変化の間 には,圧力によるダイヤフラムの変位が十分小さい範囲での近似で,次式の関係がある。
∆C
C = ∆P
P (2.5.3)
静電容量型圧力計は,測定装置としての感度を高くするために圧力の変化に対する電 極間隔の変化量の割合が大きいことが望ましい。しかしそのためにはダイヤフラムの厚 さを薄くするか直径を大きくする必要がある。式2.5.2から,感度を高めようとダイヤフ ラムを薄くしたり直径を大きくすることにより,圧力によってダイヤフラムに生じる応 力は大きくなることが分かる。またダイヤフラムを薄くし圧力に対する変形の大きさを 大きくすると,圧力によって固定電極と可動電極が接触する可能性もある。実際の設計 においては,測定に必要な圧力の領域と材料が耐えられる応力(この材料固有の値につい ては金属材料の特性表で得ることができる),また実験装置に拘束される幾何学的な条件 などを考慮してダイヤフラムの直径と厚みなどを決定し,圧力計を設計することになる。