Run 1 Run 2
A.4 圧電体の振動
で与えられ,
Sij =− ( ∂G
∂Tij
)
E
, Dn =− ( ∂G
∂En
)
T
(A.2.12) 2系が線形で結合している範囲では (0,0) 付近で次式で展開できる。(式A.2.1 に対応 する。)
G= 1 2
( Tij ∂
∂Tij
+En ∂
∂En
) ( Tkl ∂
∂Tkl
+Em ∂
∂Em
)
G (A.2.13)
式A.2.12にこの展開された関数を適用すると,歪みと電束密度について次の関係式を得
られる。
Sij =sEijklTkl+dmijEm (A.2.14) Dn =dnklTkl+εTnmEm (A.2.15) ここで係数 d は圧電定数で,次のように定義される。
dnij =−
( ∂2G
∂Tij∂En
)
=
(∂Dn
∂Tij
)
E
(A.2.16) これは電束密度の変化から応力の変化を結ぶ定数であるが,逆に歪みの変化から電場 の変化を結ぶ定数 d′nij を考える。
d′nij =
(∂Sij
∂En )
T
(A.2.17) これは逆圧電効果である。効果,逆効果の間に相反則が成り立つのでd′nij =dnijとなる。
A.4 圧電体の振動
図A.1 圧電基本式の諸形式[28]
図A.2 圧電体の板の縦効果厚み振動
A.4.1 板の縦効果厚み振動
振動の解析の一例として,図A.2 の形状の圧電体を考える。この圧電体は電場をx 軸 に加えるとx軸方向で厚みが変わる方向に変形する(縦効果)。本測定で用いた縦波の超 音波振動子の運動に対応するものである。
適当な圧電基本式と境界条件,運動方程式から振動と電気的特性を求める。
力学的,電気的条件は,側面は固定され歪みがゼロ,電束密度は縦方向に均一である。
S2 =S3 = 0, ∂D1
∂x1 = 0 (A.4.1)
また,厚み方向の電位差 V は
V =
∫ t
2
−t2
E1dx1 (A.4.2)
この条件を考慮して,圧電基本式は (S, E) 型を選ぶ。歪み,電束密度について,1軸 方向のみ考える。
T1 =cE11S1−e11E1 (A.4.3) D1 =εS11E1+e11S1 (A.4.4)
■運動の解析 圧電基本式を変形して,1軸方向の変位について以下の運動方程式を考 える。
ρ∂2u1
∂t2 = ∂T1
∂x1
(A.4.5) 式A.4.3から電場 E1 を変形により消去し,S1 = ∂u∂x1
1 である事に注意すると,この運動 方程式は
ρ∂2u1
∂t2 =cD11∂2u1
∂x21 (A.4.6)
と変形できる。ここで cD11 は
cD11 = cE11
1−kt2, kt2 = e211
cD11εS11 (A.4.7)
kt2 は電気機械結合定数である。
境界条件は,電極は自由端だとすると
x1 =±t
2の時, T1 = 0 (A.4.8)
u1(x1, t) =u10(x1)ejωt のように時間分離して考えると,運動方程式の解は u10(x1) = e11D10
cD11εS11 (ω 1
v
)cos(ω
v t 2
)sin (ω
vx1 )
(A.4.9)
但しv(音速)=
√ cD11
ρ (A.4.10)
A.4 圧電体の振動
■電気系の解析 電束密度の時間変化を D1 =D10ejωt と分離する。
回路を流れる電流は,電極の面積を S とし,電束密度を電極表面で積分して
I1 =jω
∫ b 0
dx2
∫ b′ 0
dx3D1 =jωSD1 (A.4.11) すると D1 は
D1 = I1
jωS,あるいは D10 = I10
jωS (A.4.12)
圧電基本式??を電場について変形する。
E1 = 1
εS11 − e11
εS11
∂u1
∂x1 (A.4.13)
但しここでは,歪みを微分で表している。
この式A.4.13を式A.4.2に代入して実際に計算する。時間変化を分離すると,次のよ
うになる。
V0 =
∫ 2t
−t2 E10dx1 = t
εS11D10 − e11 εS11
[ u10
(t 2
)
−u10
(
−t 2
)]
(A.4.14)
これにA.4.12を代入して,適当に変数をまとめると,電極間電位差と電流の関係式を作
れる。
V0 = 1 jωC0
(
1−k2t tanβ β
)
I10 (A.4.15)
但しここでは
C0 = εS11S
t , β = ω v t
2, kt2 = e211
cD11εS11 (A.4.16) アドミッタンスは
Y = I10
V0 = jωC0
1−kt2tanββ (A.4.17) Y =Y0+Yp とすると,それぞれの成分は
Y0 =jωC0, Yp =jωC0
kt2 tanββ
1−kt2tanββ (A.4.18)
Y0 は圧電体が元から持つ静電容量によるアドミッタンス成分,Yp は振動する圧電体が持 つ機械的なアドミッタンスである。
共振する条件は, Yp が最大になることである。式A.4.18を変形して Yp が最大にな る条件を求める。
Yp =jωC0
1
1
kt2tanββ −1 (A.4.19) この式から, Yp が最大になる条件は
1
k2t tanββ −1 = 0 (A.4.20)
すなわち
cotβ− kt2
β = 0 (A.4.21)
この条件に合う β を求めたいが,簡単には解けないので以下のように近似する。結合定 数 k2t は一般に小さい。そこで kt2 を無視して β0 を出す。
β0 = π
2(2n+ 1) (A.4.22)
cot を π2(2n+ 1) のまわりで展開する。
cot (π
2 (2n+ 1) + ∆β )
=−∆β (A.4.23)
式A.4.21を用いて式変形すると
∆β =−2 π
kt2
(2n+ 1) (A.4.24)
β =β0+ ∆β なので,共振振動数を ωRM とすると β = ωRM
v t 2 = π
2 (2n+ 1) (
1− 4 π2
kt2 (2n+ 1)2
)
(A.4.25) となる。
付録 B
試料内を伝播する音波
試料内に伝搬する超音波の伝播方程式を説明する。その後付録Cにおいて理想的な試 料の振幅周波数依存性,すなわち共鳴カーブを計算により求める。計算では図2.5のよう な,平行な端面に超音波振動子を取り付け,片方から超音波を入射しもう片方から音波を 検出するような状態を考える。