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阿見町立竹来中学校阿見町立竹来中学校

ドキュメント内 阿見町の教育(平成29年度).indb (ページ 75-79)

1 主題設定の理由

本校の教育目標である「主体的でたくましく,心豊かな生徒の育成」を受け,「自分を磨き 仲間 と磨き合って 輝け今 輝け未来」を本校の教育テーマとして取り組んでいる。学力向上は,主体 的な学びによって実現する。そのためには,自ら学ぼうとする意欲を高め,交流を通して新たな学 びを構築できる力を育てていくことが大切である。そこで,本年度は各教科,各領域においてユニ バーサルデザインの視点を取り入れ,知的好奇心をかき立てる課題の工夫,つながりのある学びの 指導改善など,学ぶ楽しさを味わい主体的に行動できる生徒の育成を図る研究を行う。それぞれの 教科における課題を見極めるとともに,思考力や表現力を高められるような課題の設定や場の工夫,

適用練習の充実を図りながら,生徒が主体的に問題を追究することを通して確かな学力を身につけ,

学ぶ楽しさを味わいながら主体的に行動できる授業を創造したいと考え,本主題を設定した。

2 研究のねらい

各教科,各領域においてユニバーサルデザインの視点を取り入れ,知的好奇心をかき立てる課題 の工夫,つながりのある学びの指導改善などを通して,学ぶ楽しさを味わい主体的に行動できる生 徒の育成を図る。

3 研究の仮説

(1)課題を吟味し,課題意識を高めるための手立てを工夫していけば,生徒はめあてをもって学習 に取り組み,解決の手がかりを見つけようと進んで思考するであろう。

(2)ユニバーサルデザインの視点から,各教科,各領域の特質に応じた指導法を抽出し段階的・継 続的に指導を行っていけば,生徒は進んで思考しながら表現の仕方を身に付け,主体的に学び合 おうとするであろう。

(3)授業における視覚化,焦点化,共有化を意図的に取り入れた指導の充実をしていけば,生徒の 学習意欲を高め,確かな学力を身に付けることができるであろう。

4 研究の内容

(1)「学ぶ楽しさを味わいながら主体的に行動できる生徒」とは

① テキストや事象に向かい,自分なりの課題をもっている。

② 課題解決のために,意欲的に活動したり思考したりして,自分なりの考えをもっている。

③ 互いの考えを擦り合わせ,学び合っている。

ア 自分の考えや問題点などを伝えてる。

イ 根拠やつながりを意識しながら発言している。

ウ 他の考えを受け入れ,整理して,自分の考えと比較しながら考えている。

エ 自分の考えを修正したり,新たな考えを生み出している。

④ 考えの深まりや自己の高まりに気付き,更なる追究への意欲をもっている。

(2)研究の視点

① 課題の工夫

ア 課題の吟味…ねらいに沿った課題,驚きのある課題,実態に合った課題,生徒にとって必 要感のある課題

イ 課題意識を高める…「えっ?」,「どうして?」,「やってみたい!」を引き出す課題

② ユニバーサルデザインの視点を取り入れた指導改善

ア 教材研究により,各教科,各領域の特質を踏まえたユニバーサルデザイン化

イ ペアやグループで話し合う場の改善(目的や方法を明確し,短時間で複数回取り入れる)

③ 個に配慮した指導の充実

ア 配慮を要する生徒にも理解し易い,視覚化・焦点化・共有化を図った授業 イ 少人数指導やグループ学習など,誰もが安心して参加できるきめ細かな指導 ウ 実態に応じた適応練習の選定と精選

(3)授業における具体的な手立て

① 「テキストや事象に向かい,自分なりの課題をもつ」ために ア 課題や学習材を吟味する。

イ 「考える活動」を工夫する。

ウ 提示の方法を工夫する。

② 「課題解決のために,意欲的に活動したり思考したりして,自分なりの考えをもつ」ために ア 自分なりの考えをもつ場を確保する。(自力解決)

③ 「互いの考えを擦り合わせ,学び合う」ために

ア ペアやグループ(3〜4人)での話合いの場を設ける。(比較検討)

イ 全体での話合いを充実させる。(比較検討)

ウ 深めるための補助発問や具体的な手立て(具体物の提示など)を準備する。

エ 様々な表現方法を用いて,考えを発表できるにようにする。

④ 「考えの深まりや自己の高まりに気付き,更なる追究への意欲をもつ」ために ア 振り返りの場を設ける。(適用練習)

イ 更に追究したいこと(意欲)を大切にする。

ウ 学び合うことの価値・喜び・感動を実感できるようにする。

5 研究の実践

(1)各教科・各領域からの実践

① 第1学年(国語科)の実践 単元名「様々な古典作品を知ろう」

ユニバーサルデザインの推進のために茨城県教育研修 センター安藤先生を招いて研究授業を行った。本単元に おいては,まずは生徒が古典の世界に慣れ親しむことを ねらいとし,導入において指導事項をもとに各古典作品 を要約し,問題を作成する活動を行った。ユニバーサル デザインの視点としては,自力では考えを導くことが困 難な生徒の支援や考えを広げたり深めたりするため,グ ループ活動(ジグソー法)を中心とした活動を行い共有 化を図った。さらに,タブレットPCや電子黒板といっ

たICT機器を活用することにより,視覚化を図った。生徒は,グループ活動を取り入れるこ とにより,考えを深めるだけでなく自信をもって発表することができるようになった。その他 にも,グループは4人一組で各古典作品を担当分けするため,自分ができないと他の生徒もわ からなくなるという責任感が生まれ,懸命に学習する様子が見られた。また,タブレット PC に おいては,これまでにないツールということもあり,意欲的に学習する姿が見られた。一斉学 習の際には,生徒がまとめたデータを電子黒板で映し,比較検討することで共有化が図られ,

考えを深めることができた。その他にも,本時の展開がわかるタイムテーブルや拡大した指導 事項を掲示するなど視覚化において掲示物を工夫することの有効性を感じた。

【 共有化 タブレット PC による意見交換 】

② 第2学年【道徳】の実践  題材名 「家族の深い愛」(家族愛・家庭生活の充実)

道徳の教科に向けた取組として,文部科学省初等中等 教育局教育課程課  調査官  澤田先生を招いて授業研究を 行った。中学2年生という思春期真っ只中の時期は自我 の確立期であることからも,頭で分かっていても言動が 伴わないことが多々ある。時に家族の存在を面倒だと感 じている生徒もアンケート結果より半数近くいた。そこ で本時は,家族の深い愛情によって育てられていること に感謝し,より充実した家族生活を築こうとする意欲を

高めることをねらいとした。ユニバーサルデザインの視点からの工夫として,価値への導入に おいて自分たちの生活についてのアンケート結果をスクリーンに提示することで視覚的に意識 を高めた。また,毎時間の道徳で「誰もが必ず一回は自分の考えを表現する」ことを目標に取 り組んできたが,今回は補助発問と中心発問とで主人公の気持ちの変化をカラーマグネットを 活用することで,全員が自分の考えを表現することができた。また,資料を基に自己を見つめ る場面では,「目に見える愛だけではなく目に見えない愛」を考えさせることで,家族愛につい ての内面的資質を高めた。ワークシートの工夫として,発問を焦点化したものを書き込んだり,

ハートマークを塗ったりと配慮を要する生徒でも理解しやすく書きやすいものを用意した。そ のワークシートを基にさらにグループで話し合い,コンセプトマップを作成することで互いの 考えの共有化を図り,多様な考えの存在に気付くことができた。

6 研究のまとめ

(1)成果

○ ユニバーサルデザインの視点から,毎時間の授業の中に視覚化・焦点化・共有化を意識した 授業展開を行ったことで,生徒たちは安心して授業に取り組むことができた。

○ 導入において課題の工夫を行ったり,視覚的に課題を提示したりしたことで,ねらいを明確 にし,一単位時間に身に付けるべき力を理解した上で授業に取り組むことができた。

○ ICT を活用した授業を積極的に取り入れたことで,生徒の課題に対する興味関心や学習意欲が 高まった。

○ 課題の工夫として,発達段階や各教科・各領域の特質に応じた課題を作成したことで,生徒 たちは,考えを組み立てていく手がかりや表現する手順が分かるようになり,互いの考えをか かわらせながら学び合うことができるようになった。

○ 自力解決→ペアやグループでの話合い→全体での比較検討→適用練習と段階的に思考を高め る活動を取り入れた指導を継続的に行ったことで,思考力や表現力を高めることができた。

○ 適用練習や自分の言葉でまとめる活動を取り入れたことで学習の定着を図ることができた。

(2)課題

○ 友達の考えを参考に自分の考えを広げたり深めたりできるようになってきたが,他者説明に 苦手意識があるため,そのような経験をこれからも積ませていきたい。

○ 一単位時間の評価規準を具体化し,生徒の学びの質的変容を見とっていきたい。

○ アクティブ・モラル・ラーニングの考えを取り入れた研究を進め,生徒の主体性をさらに高 めていきたい。

【 視覚化 全員参加型の板書構成 】

ドキュメント内 阿見町の教育(平成29年度).indb (ページ 75-79)

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