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阿見町立本郷小学校阿見町立本郷小学校

ドキュメント内 阿見町の教育(平成29年度).indb (ページ 47-51)

阿見町立本郷小学校

平成 28 年度 研究の全体構想

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1 研究の実際

(1)第3学年 単元「まるい形を調べよう」(算数科)

−聴き合う活動を通して,算数的な表現力を身に付ける学習指導の工夫−

① 本時の目標 コンパスを使って,円を使った模様をかくことができる。

② 授業の実態 ア 導入・課題把握

児童の興味関心を喚起するために,見本となる円を組み合わせた模様の紙に,布をかぶせ,

その布をめくりながら課題を提示した。一部の状態を最初に示し,その後,全体像を示すこと で,課題解決に向けての見通しがもてるようにした。模様の形は,教科書の例題となっている 模様の形を,規則性をもたせて複数並べた形である。すぐに答えが見つからない発展的な内容 とすることで,コンパスを活用する作業場面を増やし,体感的にコンパスの扱い方や,円の特 徴にも気付けるようにした。そして,学習課題を「コンパスを使って,もようをかきましょう。」

と設定し,児童にとって課題がイメージしやすい事象としてとらえやすいよう配慮した。

イ 自力解決・ペア・グループ

児童に解決の見通しをもたせるために,既習の学習とつなげ,

「図形の形をよく見て,何か気が付くことはないかな」と投げか けた。すべての円の大きさが同じことや,円と円が一定の距離 で重なっていることから,半径の特徴を活用していることに気 付き,ペアで確認し合う姿が見られた。また,デジタル教科書

の動画を自由に見ることができるようにした。映像と課題を見比べながら既習事項の図形が もとになっていることに気付く児童もいた。

ペア同士で作図の途中経過を互いに見せ合い,互いの考えを共有したり,デジタル資料や 他のグループから知り得た気付きを自分のグループに持ち帰り,嬉々として伝えたり,児童 は聴き合いを通して解決の糸口を見つけ,自分の課題解決に生かす様子が見られた。

ウ 全体の共有

「全員で力を合わせ,全員がコンパスを使って模様をかくこ とができるようにしよう。」と,クラス全体の到達目標を伝えた。

そのために,分からないことや確かめたいことはすぐに相談し 合うことができるように,基本の学習形態をグループとした。

さらに,他のグループに相談をしに行くことも認めた。いつで もだれにでも聞きに行くことができる環境にすることで,児童が自ら判断して,行動する力 を身に付くことができるようにした。

「ここが分からないから教えて。」「どこが分からないの。」と,授業を通して互いの人間関 係を深める様子も見られた。また,考えを説明する際は,「半径」「中心」という用語を使う ことを意識させた。コンパスを使った具体的な操作を通して,円や球の概念や性質を理解させ,

算数的な表現力を高めることにも有効であった。

③ 考察

既習事項をもとにした発展的な学習課題を設定したことにより,児童は意欲をもって最後ま で課題に取り組むことができた。また,いつでもだれにでも考えを聴きに行けたり,デジタル 教材を自由に使えたりする学習環境は,多方面からの気付きにもつながり,児童は分かる楽し さを実感することができた。日頃の授業から,相手に分かりやすい説明を意識させている。そ の結果として,用語や具体的な操作を大切にしようとする姿が見られるようになり,算数的な

表現力も高まりつつある。

(2)第5学年 単元「情報を生かすわたしたち」(社会科)

−聴き合う活動から異なる視点での考え方に気づき,社会的な思考力を深める学習指導の工夫−

① 本時の目標 インターネットを有効に活用さるときのルールやマナーについて,考えること ができる。

② 授業の実際 ア 導入・課題把握

プロジェクターによって「インターネットが原因の犯罪の件数の変化」「インターネットが 関連した犯罪を伝える新聞記事」についての実際の資料を示しながら,日常生活に潜むイン ターネットの危険性について,興味関心が高まるようにした。その中で,実際に起きている 犯罪は一部の限られた人にだけ起こり得るのではなく,すべての利用者にとって,いつ巻き 込まれてもおかしくない身近な問題であることに気付くことができるようにした。

イ 自力解決・ペア・グループ

「インターネットが原因の犯罪の件数の変化」「インターネットが関連した犯罪を伝える新 聞記事」の資料を用意し,資料から判断できる自分の考えを箇条書きで端的に書けるように した。その時に,自分はなぜその考えかという根拠を明確にすることを大切にした。また,

自力解決の後にはグループ活動を行い,ほかの人がどのような考えをもっているのか,なぜ そう考えたのかを交流する時間を設定した。自分とは違う考えは,緑ペンでメモしたり,詳 しく理由をたずね合ったりするように助言し,異なる視点での考え方に気付き,自分の意見 を再構築できるようにした。

ウ 全体の共有

グループとしてまとめた意見ではなく,気付きを通してまとめた自分の考えを大切にして 意見を伝えさせるようにした。授業者は児童の発言をつなぎ,児童自身の考えとしてまとめ ることができるようにした。そのために,リボイスしたり,教師の意図する方向に意見を誘 導したりしないよう留意した。

③ 考察

実際の新聞記事という具体物を用意することで,インターネットの有する危険性をより身近 な問題として捉えさせることができた。日常生活との関連性が高い課題設定は,生活経験と照 らし合わせながら考えをまとめることができるとともに,それぞれの生活経験によって多様な 考え方が生まれるので,必然性のある聴き合う活動へと結びつく様子が見られた。さらに,自 分では気付けなかったことを,ペアやグループでの交流を通して緑ペンを使用し,自分の考え として書き加えることができ,自分の考えを詳しく,より明確にすることができた。また自分 にはなかった考えを書くことで,新しい考え方に気付くことができ,自分の考えに広がりをも つことができた児童が多く見られた。その結果として,ほとんどの児童が,自分の言葉として まとめを書くことができた。

(3)聴き合う活動の土台となる学級の支持的風土の創造に向けて

① 支持的風土の創造に向けて

県教育研修センターの校内研修支援制度を活用して,年2回,「教師と児童の信頼関係作り,

児童同士の人間関係作り」をテーマとした研修を行った。

具体的な研修内容としては,「アドラー心理学を生かした気になる児童への学級での対応につ いて」と「SEL」についての2点である。時代背景の変化に伴う児童の変容と教師の対応といっ た理論的な研修に加えて,ロールプレイなどの演習を交えた実践的な研修を積むことができた。

学級が機能しなければ授業は成立しないし,授業が機能しなければ学級は崩れる。集団作りと 授業作りの一体化を進めることの重要性について全職員で共通理解を図ることができた。

② SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)の実践

研修したSELを学級活動などの時間を活用して実践 した。実践に際して,「社会性と情動の学習の進め方 小 泉令三/山田洋平(ミネルヴァ書房)」などの関連図書を 学校図書として購入し,各学年で気軽に活用できるよう にした。第6学年では,学級活動の時間に「イライラよ,

さようなら」を実践した。授業後には,「目に見えない気 持ちでも,相手の表情や行動から感じ取ることの大切さ に気付いた。」「イライラを軽くする方法をグループで話 し合い,いろいろな方法を知ることができた。」など,実生活に生かそうとする前向きな内容の 感想が多く書かれていた。SELを行うことは,自分や相手の気持ちが分かるようになり,自 分の気持ちをコントロールすることや,感情を適切に表現することに有効であると考える。 

2 研究の成果と課題

(1)聴き合う活動を意識した授業の創造 

・実社会と結び付きがあり,多様な考え方を引き出す課題設定は,必要感がある聴き合う活動の ある授業作りに不可欠な要素である。次年度も継続して「課題設定の工夫」について,研修を 深めていきたい。

・授業者の「見取り力の向上」を目指した相互授業参観を行った。講師として,麻布教育研究所 永島孝嗣氏に依頼をした。児童の変容を見取るためのポイントや,ペアやグループ活動の意義 など具体的なアドバイスをもらい,職員間での共通理解を図ることができた。

・「緑ペン」の活用については,各学年の実態に応じて効果的な活用事例が見られた。それらを 集約し,共通理解を図る部分と実態に応じて工夫する部分に整理した活用マニュアルの作成を 進めていきたい。

(2)児童理解と教師が児童との信頼関係を構築するための研修

 ・校内研修支援制度を活用し,「教師と児童の信頼関係作り,児童同士の人間関係作り」について,

具体的,実践的な研修を進めることができた。専門的かつ先進的な実践事例を紹介していただ く機会は,非常に有意義な時間となった。

・クラス会議やSELなどを,積極的に学級経営に活用することができた。さらに,効果をあげ るためにも,年間を通しての計画を立てることや,進め方についての研修を継続したい。

ドキュメント内 阿見町の教育(平成29年度).indb (ページ 47-51)

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