はたらきかけを オた授業
この指導計画案は、若干の変更はあるが、基本的には教科書41の流れに そったものである。また市販の実験セヅトも使用しているが、指導は一般 的な一斉授業の形態である。それは、普段行われているごく普通の授業を 展開しながら、児童の自己効力を高めるための教師の手だてを探ることが 本研究の主旨だからである。
ただし、第4次「電流の働きの利用」は、主として市販の実験セットに よるモーターカーの製作であるので、予備授業実践には含めなかった。そ のため、はたらきかけをする授業は9時間になる(表7)。
なお予備授業実践は、次項で述べるように統制群と二つの実験群の計3
学級で行ったが、どの群も同じ指導者が同じ指導案で指導した。
表7 指導の目標と学習の展開
第1次第1・2時
・目標 モーターを分解して三つくりを調べるとともに、エナメル線で巻き線を作り、
電流を流すと磁石のような働きをすることをとらえることができるようにす る。
・展開
児 童 の 活 動 援 助 ・ 留 意 点 等
モーターの中のつくりを調べよう。
・中に磁石が入っている。 ・ケースに鉄くぎを近づけさせる。
・どう線がぐるぐる巻かれている。 ・巻き線(コイル)という用語を知ら
せる。
・磁石と巻かれた線とはどんな関係だ ・磁石と巻き線との間に何か関係があ
ろう。 るのではないかという意識を持たせ
る。
モーターの中の巻き線は、どんな働きをしているのだろう。
・エナメル線を使って巻きを線を作る。 ・巻き方の指導をする。
(同じ方向に、ていねいに)
(エナメルをきちんとはがす。)
・作った巻き線に電流を流して、その ・3年で学習したことを思い出させな
働きを調べる。 がら、何を使って調べたいか考えさ
(温くぎや方位磁針を近づけてみる) せる。
・実験の結果からわかったことをまと ・実験の結果から、モーターは磁石の
める。 性質を利用したものであることを予
(巻き線は、電流を流すと磁石の働 想させる。
きをする。モーターは、磁石の性
質を利用しているのだろう。)
第1次 第3時
・目標エナメル線の巻き線に鉄のしんを入れ電流を流すと、磁石の働きが強くなるこ と、スイッチを切ると磁石の働きがなくなることをとらえることができるよ うにする。
・展開
児 童 の 活 動
・巻き線に電流を流したときの結果を 思い出す。
・モーターでは、鉄に導線が巻いてあ ったことを思い起こし、巻き線の中 に鉄を入れてみる。
援 助・留 意 点 等
・児童が気づいていないようなら、指 導者が説明し、学習課題につなぐ。
巻き線に鉄のしんを入れ、その働きを調べよう。
・方位磁針や鉄くぎを近づけてみる。
・スイッチを入れたり切ったりしてみ
る。
・実験してわかったことをまとめる。
(巻き線に鉄のしんを入れると磁石 の働きが強くなった。スイッチを 切ると磁石の働きがなくなる。)
・教科書p40の「リニアモーターカー」
を読み、電磁石に興味をもたせる。
・方位磁針の針の振れ方や鉄くぎの引 きつけられ方などの現象から、巻き 線だけのときよりも磁力が強くなっ ていることに気づかせる。
・電磁石という用語を知らせる。
・小型強力電磁石の演示実験を見せる。
第2次第1時
・目標電磁石の性質を調べる方法を考え、実験を通して、永久磁石と性質を比べるこ とができるようにする。
・展開
児 童 の 活 動 援助・留 意点等
電磁石の性質を、ふつうの磁石と比べてみよう。
・ふつうの磁石の性質を思い出す。
鉄を引きつける。
N極とS極がある。
両端に鉄がよくっく。
同じ極は反発し違う極は引き合う。
自由に動くようにすると南北を 指す。
・調べる方法を考える。
・グループの考えた方法で性質を調べ
る。
・実験してわかったことをまとめる。
(ふつうの磁石と同じ性質である。た だし電流が流れたときだけ磁力が起 きるのが電磁石の特徴である。)
・他に、特徴はないのだろうか。
・今までに使ったことのある棒磁石や U型磁石の性質を想起させる。
・グループで話し合わせる。
・主体的な活動の機会を作るためにも、
やりたい実験からさせる。
・早く終われば、他の方法についても 調べさせる。
・本時の実験から、電磁石も普通の磁 石と同じ性質をたくさん持っている
ことをわからせる。
第2次 第2時
・目標電磁石に流れる電流の向きを変えると、電磁石の極が変わることを見つけるこ とができるようにする。
・展開
児 童 の 活 動
・電磁石の性質が普通の磁石の性質と 違うところは何だったか想起する。
・ほかにはないのか考える。
・モーターは、電流の向きを変えると 回る向きも変わったが、電磁石と関 係があるのではないか。
援 助・留 意 点 等
・電磁石の極は、初めから決まった極 しかできないのか考えさせてみる。
電流の流れる向きを変えると、電磁石の極はどうなるだろう。
・どんな方法で調べたらよいか考える。
・方位磁針などを使って、電磁石の極 を調べる。
・実験してわかったことを確かめる。
(乾電池へのつなぎ方を変えて電流 の向きを変えると、N極・S極の でき方が反対になる。電流の流れ る向きで、電磁石の極のでき方が きまってくる。)
・電流の向きについて確認しておく。
・電流の向きを変える方法についても 話し合わせる。
(電池の向きを変える方法が最も簡 単なので、そうさせる。)
・何回かして確かめる。
・永久磁石と電磁石の極のでき方の違
いをしっかりととらえさせる。
第2次 第3時
・目標電磁石の磁力を強くすることに関心を持ち、電流の大きさを変えて磁力の強さ を調べ、電磁石は流れる電流を大きくすると磁力が強くなることをとらえるこ とができるようにする。
・展開
児 童 の 活 動
・つくった電磁石の磁力をもっと強く するにはどうしたらよいだろう。
(乾電池の数を増やす、エナメル線 をたくさん巻く、鉄しんの長さや 太さを変えるetc.)
援 助・留 意 点 等
・「もっと強い電磁石を作りたい」と いう児童の意識を前面に出しながら、
授業を進めていく。
・自由に意見を出させる。
・出された意見の中から本時は一つに しぼって調べるようにする。
乾電池の数を増やすと磁力が強くなるか調べよう。
・電磁石の強さを比べる方法を考える。
(くぎがどれくらいついたか。)
・電流計の使い方を練習する。
・電流の大きさと電磁石の強さの関係 を調べる。
・実験してわかったことをまとめる。
(電磁石は、流れる電流が大きいほ ど、働きが強くなる。)
・力を数値化することの意味を知らせ
る。
・実験前に、電流計の使い方・目盛り の読み方などの指導を行う。
・乾電池は直列つなぎ
・乾電池の数を増やすと、電流の量が 多くなるという関係に気づかせる。
・数回して、平均値を出すようにさ
せる。
第2次 第4時
・目標電流の大きさは同じでも、コイルの巻き数が多いと電磁石は磁力が強くなるこ とをとらえることができるようにする。
・展開
児 童 の 活 動
・コイルの巻き数を増やしたら、電磁 石の力は強くなるのではないかと予 想する。
援 助・留 意 点 等
・電磁石の磁力を強くする方法として、
前時に出された考えの中から導く。
コイルの巻き数が多いと、電磁石は強くなるだろうか。
・100回巻きと200回まきとで、
電磁石の強さを調べる。
・電流の大きさも記録する。
・くぎが何本ついたか。
・実験結果を記録し、発表する。
・コイルの巻き数と電磁石の強さにつ いて、わかったことをまとめる。
(電流の大きさは同じでも、コイル の巻き数が多いと、電磁石は強く なる。)
・電流の強さを同じにするため、導線 の長さを等しくしておくという条件 統一に気づかせる。
・磁力の調べ方については、前時の方 法に従う。
・数回して、平均値を出すようにする。
・電磁石の巻き数の違いとついたくぎ
の数を関連づけてまとめさせる。
第3次 第1時
・目標電流の働きで発熱する現象に関心を持ち、電熱線に電流を流して発熱する様子 を調べることができるようにするとともに、電流の働きが光を出したり、磁力 を生じたり、発熱したりすることをとらえることができるようにする。
・展開
児 童 の 活 動 援 助・留 意 点 等
・電流による発熱の現象を見て、づ気 ・どのような仕組みで発泡スチロール いたことを発表する。 が切断されるのかに目を向けさせる。
(発泡スチロールカッター、電熱器) ・電磁石に電流を流すと、エナメル線 が熱くなったことを想起させる。
・電熱器を提示し、赤く発熱している 線が電熱線であることを説明し、そ れを用いると都合が良いことを知
らせる。
電熱線に電流を流して、 発熱の様子を調べよう。
・発泡スチロールカッターを製作し、 ・電熱線に直接手で触れないように注
使用する。 意する。
・乾電池を2個にする児童があれば認
める。
・今までの学習を想起し、電流のいろ
いうな働きについて考える。
ドキュメント内
小学生の理科学習における自己効力に関する研究
(ページ 33-43)