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価値観群

 学習指導要領43に示された理科の目標及び大高のまとめた現代に特徴 的な理科教育の目的 をふまえ、問題発見、問題解決を通しての自然の 事物事象の理解や日常生活に役立っ実用的知識の獲得を理科の価値と

し、児童がとらえやすいと思われる以下のような表現をすることにし

た。

 「今日の理科の授業で新しい発見ができた。」

 「自然のいろんなことを調べて、発見していくところに理科のおもし

  ろさがある。」

 「不思議だなあと思う自然の出来事を調べるのが、理科という教科

  だ。」

 「今学習しているモーターを利用した製品が身の回りにある。」

 「電気製品のしくみを知っていたら、ちょっとした故障なら直せるか   もしれないし、間違った使い方をすることが少なくる。」

 「リニアモーターカーは、今学習している電磁石の性質を利用してい

  る。」

第2節 予備授業実践の分析結果と考察

 1. 理科の学習意欲・自己効力・価値観の授業実践前後の比較  質問紙Aによって測定した「理科に対する意欲」及び質問紙Bによって

測定した「理科に対する自己効力」「理科に対する価値観」の授業実践前 後の結果を比較することにより、はたらきかけの有効性を考察する。

 なお、質問紙Aは、「とても、そう思う」が4点、「まあまあ、そう思う」

が3点、「あまり、そう思わない」が2点、「ぜんぜん、そう思わない」が 1点とした。また質問紙Bは、「完全にあてはまる」が6点、「かなりあて はまる」が5点、「ややあてはまる」が4点、「ややあてはまらない」が3 点、「かなりあてはまらない」が2点、「完全にあてはまらない」が1点と

した。(以下同じ)また、それぞれの調査の信頼性は、内部一貫性による クローンバッハ(Cronbach)のα係数が、授業実践前において、質問紙A

「理科に対する意欲」は0.83、質問紙Bの「理科に対する自己効力」は 0.94、同じく質問紙Bの「理科に対する価値観」は0.77となり、十分高 いものであった。

 表8に、授業前後の自己効力の測定値を示す。

      表8 授業前後の自己効力

授業前 授業後

平均 SD 平均 SD ス均の差 前後の 統制群の自己効力 2.69 1.06 3.43 0,949 0.74 努力帰属群の自己効力 2.91 1.07 2.93 0,887 0.02

有意差の検定(両側)を行ったところ、

 統制群   t=5.15,df=27,p<o.01

 努力帰属群 t=o.118,dfニ27, Ns

 統制群は、はたらきかけをしていないにもかかわらず、自己効力に1%

の有意水準で高まりが認められ、努力帰属群では自己効力の高まりがみら れない。このことから、教師の言葉による努力帰属のはたらきかけの自己 効力に対する有効性は否定された。

次に、表9に授業前後の価値観と学習意欲の測定値を示す。

       表9 授業前後の価値観と学習意欲

授業前 授業後

平均 SD 平均 SD ス均の差 前後の 統制群 学習意欲 2.48 0,438 2.68 0,429 0.20

価値観 4.05 0,938 4.73 0,763 0.68

価値観群 学習意欲 2.33 0,382 2.42 0,329 0.09 価値観 4.00 0,718 4.60 0,573 0.60

 有意差の検定(両側)を行ったところ、

  統制群  学習意欲 tニ3.49,dfニ27,p<o.01        価値観  t=4.85,df=27,p<0.01   価値観群 学習意欲 tニ1.61,df=27,  NS        価値観  t:5.03,df=27,p<o.01

となった。

 統制群は、はたらきかけをしていないにもかかわらず、価値観と学習意 欲の高まりが1%の有意水準で認められた。

 価値観群も、価値観の高まりが1%の有意水準で認められたが、学習意 欲の有意な向上は認められなかった。

 これらのことから、価値観の高まりは教師の言葉による価値観のはたら

きかけによるものとは断定できず、学習意欲の向上にもつながっていない

ため、教師の言葉による価値観のはたらきかけの、学習意欲の向上に対す

る有効性は否定された。

 2. 理科の自己効力・価値観と理科の学習意欲との相関

 授業実践前及び授業実践後における、対象児童84名全体の理科の自己 効力と理科の学習意欲、理科の価値観と理科の学習意欲の相関を表10に

示す。

 表10 理科の自己効力と学習意欲、理科の価値観と学習意欲の相関

自己効カー学習意欲 価値観一学習意欲 相関  有意水準 相関  有意水準 授業実践前 0.581  ** 0.511  **

授業実践後 0.571  ** 0.516  **

** p〈O.0 1

 授業実践の前後ともに、理科の自己効力と理科の学習意欲の間、理科の 価値観と理科の学習意欲の問ともに、1%の有意水準で相関が認められ

た。

 これらのことから、理科の自己効力が高ければ理科の学習意欲も高いこ と、理科の価値観が高ければ理科の学習意欲も高いことがいえる。

 3. 理科の自己効力・価値観の変化と理科の意欲の変化の連関  自己効力や価値観の変化と意欲の変化の間に連関があるかどうかを、次 のような方法で調べた。

 例えば、自己効力が上がったかまたは変化は無くても6段階の回答の中 間である3.5より高い数値だった児童を÷グループ、反対に自己効力が下 がったかまたは変化は無くても3.5より低かった児童を一グループとし て、それぞれの意欲の変化の様子を求めた。

 その結果を表11に示す。

表11 自己効力の変化と意欲の変化(N=84)

自己効力 十グループ 一グループ

意欲 変化 7 → z

一〉

人数

iiiiiiiiiiii遜iiiiiiiiiii

15 4 8

ii…iiiiiiiii難iiiiiiiiii}

2

同じようにして求めた、価値観の変化と意欲の変化の様子を表12に示す。

     表12価値観の変化と意欲の変化(N=84)

価直 十 グループ 一 グループ

意欲 亦 7

一〉 ;71

17 2 6 4

自己効力、価値観とも、それぞれ+グループで意欲が上がった児童と一グ ループで意欲が下がった児童を合わせた人数(ただし、+グループでも、

意欲が授業実践の前後とも満点だ5た児童は、分類では→だが検定では71 に含めた。)とそうでなかった人数の間でx2検定を行った。

 その結果、

  自己効力の変化と意欲の変化の問の連関

      z 2=8.05>x 20.oi(6:64)

  価値観の変化と意欲の変化の間の連関

      z 2= 8.05>Z 20.oi(6・64)

となり、自己効力の変化と意欲の変化の間にも、価値観の変化と意欲の変 化の間にも、1%の有意水準で連関が認められた。

 これらのことから、自己効力の変化と意欲の変化、また価値観の変化と 意欲の変化には関連性があるといえる。

 4. 授業直後の意識からみた努力、理解、自己効力の関連

 授業直後の児童の意識を努力、理解、自己効力の関連という観点から調

べるため、下のような方法をとった。

 まず、各授業直後の児童の意識を調査した質問紙Cの結果から、努力に 関する質問項目「今日の理科の授業は、いっしょうけんめいした。」、理解 に関する質問項目「今日の理科の授業は、よくわかった。」、自己効力に関 する具体的な質問項目「つきの理科の授業で、自分は学習する内容を理解 できそうだ。」「つぎの理科の授業で、自分はいろいろと工夫ができそう だ。」「つきの理科の授業で、自分は、新しい発見ができそうだ。」につい ての測定値を抽出した。

 つきに全児童・全授業にわたって、児童一人ひとりの自己効力の平均値 を理解と努力のマトリックスで、一つの表にまとめた。

 その結果が表13である。

 ただし、「まったくそう思う」が6点、「かなりそう思う」が5点、「や やそう思う」が4点、「ややそうは思わない」が3点、「かなりそうは思わ ない」が2点、「まったくそうは思わない」が1点とした。(以下同じ)な お3点以下は人数が少なかったのでひとまとめにした。

表13 授業直後の意識からみた努力、理解、自己効力の関連

欝i醜:;;i::iiii

6 5 4 3以下

6 のべ人数 57

灘 自己効力

 97一  一 一 一  一 一  一  一

@5.05 一 4.60   一  一 R.75

  2一 一  『  一  一  一  一  一

@4.17

5 のべ入数 103 42 8

一  一  一 一  一  一 一  一

ゥ己効力

 40一 一 一 一  } 一  一 一

@4.48

一  一  一  一  一

@4.34 3.98

一  一  一  一  一 一 一 一

@3.33