第4章 自己効力に関する多面的調査
第2節 調査結果と考察
1. 理科学習での自信の有無と自信のついた教師の言葉
3. 方法
調査は学級担任が実施し、所要時間は15分目ら20分程度であった。
また回答は、対象者自身がした。
4. 対象及び時期
調査の対象は、大阪府内の公立小学校の3年生から6年生までの309 名で、人数の内訳は下のようになっている。
3年生 80名(男子41名 女子39名)
4年生 69名(男子33名 女子36名)
5年生 76名(男子38名 女子38名)
6年生 84名(男子39名 女子45名)
計309名(男子151二女子158名)
また調査の実施時期は、平成7年7月中旬であった。
1.自由記述にあるキーワードをもとに、F記述内容の同じものをまとめ ていく。複数の記述内容をあげている場合は、どちらの項目にも入れ
る。
2.キーワードが異なっていても、親近性があると考えられるものはま とめる。グループ化しにくいものは、単独のままにしておく。
3.まとめられたものに、集められた理由をつける。
4.さらにグループをまとめ、意味を求める。
5.内容の再検討をする。
6.度数を数える。
本来はまとめられたグループごとに名称をつけるが、本研究では行わな かった。なお、グループとその意味を以下に示す。
1.がんばればできるetc.…努力の促し 2.がんばったねetc.…努力の認知 3.さすが00やetc.…能力の認知 4.よろしいetc.…行為の承認
5.ヒントetc.…課題解決の手がかり 6.勉強は自分のためetc.…学習の価値 7.おこられたetc.…叱咤激励
8.日なたはかげができ、日かげはできないetc.…学習のまとめ 9.いっしょうけんめい教えてくれたetc.…教師の授業への姿勢 10.その他
なお、9.いっしょうけんめい教えてくれたは、言葉ではないが、無 視できないほど多かったので、一つのグループとした。
理科学習で自信がある児童の自信のついた教師の言葉を表25に示す。
またその割合をグラフにしたのが、図6である。ただし、自信のある児童
は210名いたが、自信のついた先生の言葉の記述が無かったものが多か ったため、3年から6年までをまとめた。
表25 理科で自信がある児童の自信のついた教師の言葉
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
度数 17 37 5 8 12 7 2 3 22 2 115
割合(%) 8.1 17.6 2.4 3.8 5.7 3.3 1.0 1.4 10.5 1.0 54.8 1.がんばればできるetc. 2.がんばったねetc. 3.さすが○○やetc. 4.よろしいetc. 5.ヒントetc.
6.勉強は自分のためetc.7.おこられたetc.8.日なたはかげができ、日かげはできないete.9.いっしょう けんめい教えてくれたetc. 10.その他
図6 理科で自信がある児童の自信のついた教師の言葉
(%)
20 15 10 5 0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1.がんばればできるe七c. 2.がんばったねe七c. 3.さすが○○やe七c. 4.よろしいetc. 5.ヒントetc.
6.勉強は自分のためetc.7.おこられたetc.8.日なたはかげができ、日かげはできないe七c.9.いっしょう けんめい教えてくれたetc. 10.その他
自信のついた先生の言葉の記述欄に無記入の児童も多かったためそれぞ れの割合は低くなっており断定的なことは述べられないが、記入のあった うちでは、2の「がんばったね。」が最も多い。
このことから、自信のある児童には、「がんばったね。」と努力を認める
ような教師の言葉が自信をもつきっかけとなっている場合が多いことが
示唆される。
次に、理科学習で自信がない児童の自信のついた教師の言葉を表26に 示す。またその割合をグラフにしたのが、図7である。自信が無いのに自 信がついたというのは矛盾しているようだが、自信が無いグループには、
ちょっと自信が無いという児童も含まれているし、調査時点では自信を無 へ くしていても過去においては少し自信をもったことがあったかもしれな
いという場合も含まれている。ただし、自信が無い児童は99名いたが、
これも自由記述欄に無記入が多かったため、3年から6年までをひとまと
めにした。
表26 理科で自信がない児童の自信のついた教師の言葉
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
度数 16 8 1 0 0 3 0 1 10 3 42
割合(%) 16.2 8.1 1.0 0 0 3.0 0 1.0 10.1 3.0 42.4 1.がんばればできるe七c. 2.がんばったねetc. 3.さすがOOやe七c. 4.よろしいetc. 5.ヒントetc.
6.勉強は自分のためe七c.7.おこられたetc.8.日なたはかげができ、日かげはできないetc.9.いっしょう けんめい教えてくれたetc. 10.その他
図7 理科で自信がない児童の自信のついた教師の言葉
(o/o)
20 15 10 5 0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1.がんばればできるetc. 2.がんばったねe七c. 3.さすが○○やe七c. 4.よろしいetc. 5.ヒントetc.
6.勉強は自分のためetc.7.おこられたetc.8.日なたはかげができ、日かげはできないe七c.9.いっしょう
けんめい教えてくれたetc. 10.その他
理科で自信のある児童同様それぞれの割合は低いため断定はできない が、理科で自信がない児童では、1の「がんばればできる。」が最も多い。
このことから、理科ができないと自信をなくしている児童に、「頑張れ ばできる。」と励ましたり、あるいは課題の達成ができたときに、やっぱ
り「頑張ればできる。」と能力を認めたりすることによって自信を持たせ たことがあったと考えられる。
いっしょうけんめい教えてくれたについて
自信のついた言葉として「がんばったね。」、「がんばればできる。」をあ げている児童が一番多いことは既に述べた。
ところで、その次に上げているのは、言葉ではないが、いっしょうけん めい教えてくれたである。これは、教師のはたらきかけではないので、本 文ではこれ以上立ち入らないことにするが、無視はできないと思われるの で、巻末資料で若干触れたい。
2. 理科学習での自信の程度と教師の言葉のほかに自信のつい
ドキュメント内
小学生の理科学習における自己効力に関する研究
(ページ 79-83)