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〆[ヨ

第3節 認 知

 感情のメカ.ニズムから、「いい刺激を受け入れるために」とその方法につい て一部を第2節で論じてきたが、良くも悪くも入ってきた刺激(情報)を脳は 受け入れるのである。その情報がいかなるものか分別する。そのことを認知す

ると呼んでいる。認知にっいての意味、定義も多々あるが、一般的な認知につ いて確認し、論を進めることにする。

3−1 認知とは何か

 辞書に寄るところの意味は下記のようである。

【認知】  辞書(大辞泉)

1ある事柄をはっきりと認めること。「反省すべき点を一する」

2婚姻関係にない男女の間に生まれた子について、その父または母が自分の子 であると認め、法律上の親子関係を発生させること。

3 《cognition》心理学で、知識を得る働き、すなわち知覚・記憶・推論・問題 解決などの知的活動を総称する

とある。認知の定義についても曖昧で言語、文化、時代等、様々な要因で違っ てくる。そこで筆者なりの解釈の仕方を認知の定義としたい。

 現在、認知ということばは心理学を学習している者に限らず、たいていの 人は違和感なく認知している。もともとは認識(cognitition)ということばで 使われていた。もちろん認識ということばは、今でも目常的に使われている。

その意味の違いはない。

 1970年代くらいまでは論文のタイトルに頻繁に登場していたらしいけれ ど、今では認識は認知に置き換えられている。

 認識という語は、認知以上に専門用語としても目常語として定着しているが、

学問との結びつきをいうならば哲学になる。一方、心理学は哲学から派生した という歴史を持っている。

 実験心理学は実証的な科学として哲学の枠から外れることを欲し続けてい た。哲学との結びっきを強くにじませている認識という語を捨て、代わりに認 識ほど使用されていず、その分特定の色彩にあまり染まっていない認知という

ことば使うようになった。意味が同じ別の語、いわば特定のあかに染まってい ない新鮮さを持っている語に置き換えるのは珍しいことではない。全体の装い も新しい雰囲気に変えたかったということらしい。

 哲学と言うよりも科学的視点での研究であるということだろう。認知とは 理解、受け取り方、捉え方として論を進める。

3−2 認知で何か変わるか

 認知の仕方(捉え方)が変われば、感情が変わる、感情が変われば行動が 変わる。これは大きな事である。本研究の主題である「教師の自尊感情」はこ の認知の仕方次第と言うことになる。

 要するに感情のメカニズムとして、できるだけいい刺激(情報)を受け入れ るためのいくつかの方法論を書いてきたが、いい刺激、好ましくない刺激とい

うものは、必ずしも全ての人に共通ではないということである。

 他者から見て、いい刺激と思えても当人にはそうも思えなかったり、気の毒 にと思えるようなことでも、あまり気にとめている様子もなかったりする。

 認知の仕方が違うのである。さらにやっかいなことに男と女でも認知の仕方 が違うというのである。

 米山(2004)は脳の研究の中で男性は左脳より右脳の方が大きく、女性は左右 あまり差はないといっている。このことは何を意味するかというと、右脳は直 感的・視覚的な解析能力に優れ、アナログ的な働きが強く、左脳は言語・数字

などデジタル的な働きをしているという。

 会話において、女性は右脳も左脳もフル稼働でしゃべるので、テレビ番組で いうと情報あり、涙あり、笑いありのバラエティ脳であり、男性は分業化が進 んでいるので、言語中枢のある左脳だけを使って会話するので情報以外の要素 は入って来ないのでニュース脳になっていると言うのである。

 田中・原井(2004)は効果的な英語脳の作り方というところで脳の働きは遺伝 的に形成される部分もあるが、約4割は環境によって左右されるというマウス を使った実験を紹介し、ウェルニッケ中枢が言語習得のカギを握っているので そこを高速で刺激することで英語脳を構築でき、そのことが大脳全体の活性化 を呼び起こすと言っている。

 脳の前頭葉にあるブローカ言語中枢は言葉を作るところであり、ここに支障

     ・ヂ 一1\1簾謡恵髭謝面晶認

   ,饗響舞 馴るウエルニッケ言語中枢は本目手の言葉

敷  一遡解するところで・ここに支障がで

   ・〜饗欝爺…瞬織響護認ゑ撃蝶

      \図4−7聴覚・視覚情報が処理される流れ       「聴覚刺激で英語は必ず聞き取れる」

 米山は男女のお互いの考えを「理解する」のではなく、その違いを「認め合 う」ことが大切になってくると言っている。

 また養老(2003)は「話せば分かる」は大嘘であると大胆な発言をしている。

これは大学で男女に同じビデオを見せたところ、その反応が男女で大きく違う というのである。入学時の偏差値的な知的レベルに男女差は無いのに、なぜか。

そこには自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまって いる男女の差があるというのである。よってここにも壁が存在し、一種の「バ カの壁」であると。

 確かに認知において男女の差はあるようである。しかしエゴグラムやMMP Iでもはっきり分かるように、母性、父性の強さは個人差が激しく母性の強い 男性も、その逆も、いろいろなパターンがあり得る。

 また乳児、幼児、子ども、大人等の発達心理や、民族、国、時代等の社会環 境的な影響も見逃せない。様々な要因で認知は変わってるくることを絶えず意 識の中にもたせていることがより正しい認知につながるだろう。

 認知が変われば感情、反応、行動が大きく変わってくるのであるから。

米山公啓(2004)「こんなに違う!女の脳と男の脳」中経出版

田中孝顕・原井清隆(2004)「聴覚刺激で英語は必ず聞き取れる」きこ書房 養老孟司(2003)「バカの壁」新潮新書