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第2節 自尊感情と創造性・不安の関係
3−2−1 目的と方法
(1)目的
創造性や不安及び両者の関係に対して、自尊感情がどのように影響す るかを、特に、非同調性・柔軟性と視線や疎外感による不安との関係を 中心に分析する。
(2)方法
① 対象者及び分析対象者
対自・対他不安調査、創造的態度調査と同様である(表1−2−1表1
−2−3表2−2−1表2−2−3)。ただし、創造能力との関係は3年生のみ 105名を分析対象とした。
② 実施日
平成9年6月21日(土)一斉実施
③ 手続き
rウエルライフ(中学生活充実意識調査)』の自尊感情尺度として使 用されている次の9項目を質問項目として採用した。
○むずかしそうだと、他の人に手伝ってもらいたくなりますか。 (*)
○決められたことは、 きちんとやりますか。
○他の人をとてもうらやましく思いますか。 (*)
○もし生まれ変わることができたら、今度は別の人になりたいと思いますか。(*)
○自分に自信を持っていますか。
○自分の意見や考えを通すほうですか。
○何事も、他の人にしてもらうより、自分でやりますか。
○人並みには、物事ができると思いますか。
O現在の自分にだいたい満足していますか。
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これについて、それぞれ自分の気持ちにどの程度あてはまるか、次の 4件法で回答を得て、その合計点を自尊感情得点とした。
ほとんどない (0点) ときどきある (1点)
しばしばある (2点) ほとんどいつもある (3点)
④ 分析方法
ア 自尊感情と不安の下位項目同士の相関関係を、学年別・男女別・
学業成績別に、各創造的態度得点と各不安得点の相関係数でみる。
イ 非同調性と柔軟性の各創造的態度得点の平均の差について、視線 や疎外感による不安(高不安・中不安・低不安)と自尊感情(高群・
低群)の3×2の分散分析を行う。
3−2−2 結果と考察
(1)自尊感情と創造性・不安の相関関係
自尊感情と創造能力・創造的態度、不安、創造的態度の下位尺度との 相関係数を、それぞれ表3−2−1表3−2−2 表3−2−3に示す。
表3−2−1 自尊感情と創造性の関係
創造能力
創造的態度0.29** 0.54**
表3−2−2 自尊感情と対自・対他不安の関係 成績や将来
に対する不安
劣等感 による不安
失敗や評価 視線や疎外感 に対する不安 による不安
一〇.25** 一〇.33** 一〇.33** 一〇.21**
表3−2−3 自尊感情と創造的態度下位尺度の関係
独立性 探求性 非同調性 曖昧性 誇示性 執着性 柔軟性
0.44** 0.33** 0.41** 0.41** 0.31** 0.30** 0.28**
(それぞれ数字は相関係数 有意水準**p〈.01*p〈.05 †p〈.1)
自尊感情は、弱いがすべての不安と負の相関がある。また、創造能力、
創造的態度と正の相関があり、特に独立性、探求性、曖昧性と創造的態度 合計は、中程度の相関がある。
このことから、自尊感情は、不安による創造的態度の阻害を抑制し、
不安による創造的態度の高揚を促進する方向に影響すると推測される。
(2)非同調性と柔軟性の創造的態度得点の自尊感情との関係
前章において、不安との関係が反対であった非同調性と柔軟性の創造的 態度得点について、視線や疎外感による不安(高不安・中不安・低不安)
と自尊感情(高群・低群)の3×2の分散分析を行った結果(表3−2−4表
3−2−5)を示す。
表3−2−4 非同調性得点
自尊感情 低群 高群
視疎不安 低不安 中不安 高不安 低不安 中不安 高不安
N
Mean
SD
39 10。62
2.77
50
9.04 3.75
62
7.66 3.16
64 56 46
11.84 10.79 10.61 3.33 2.80 3.36
非同調性については、視線や疎外感による不安の主効果が有意(F
(5,311)ニ15.50,p<.01)であった。LSD法を用いた多重比較によると、低
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不安と高不安、低不安と中不安の差がp<.01で、中不安と高不安の差が
p〈.05で有意な差があった。自尊感情の主効果も有意(F(5,311>笛29.58,
P〈.01)であった。この関係を図示すると、図3−2−1のようになる。
表3−2−5 柔軟性得点
自尊感情 晶群 高群