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第3節 創造的態度と不安の関係分析
2−3−1 目的と方法
(1)目的
創造的態度と不安(特に視線や疎外感による不安)の関係を、それぞ れの下位尺度同士の関係をみることで分析する。
(2)方法
① 手続き
ア 創造的態度と不安の下位項目同士の相関関係を、学年別・男女別・
学業成績別に、各創造的態度得点と各不安得点の相関係数:でみる。
イ 各創造的態度得点の平均の差について、男女別(男・女)、学業成 績別(上位群・下位群)、視線や疎外感による不安の程度別(高不安・
中不安・低不安)の2×2×3の3要因被験者間計画で分散分析する。
ウ 同調性の高い(非同調性得点9点以下)生徒32名(Mニ12,F=20)を 対象に、「授業中、アイデアを出し合う場面において、話し合いのと き発言を控えたり、人の意見に合わせる理由」について、面接による 聞き取り調査を行う。
② 対象者及び分析対象者
愛媛県U中学校生徒のうち、欠席者・回答に不備のある者・ライスケ ールの極端な者・他の調査の欠席者を除いた317名を対象とした。
③ 検査名及び実施日
不 安対自・対他不安検査得点 平成9年6月21日
創造的態度 創造的態度検査 平成9年6月下旬
学業成績 5教科9教科10段階評定合計 平成9年度1学期
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2−3−2 結果と考察
(1)創造的態度と不安の各下位項目同士の相関関係
生徒の創造的態度と不安の各下位尺度同士の相関係数を算出したも のを、全体(表2−3−D、男女別(表2−3−2)、学業成績別(表2−3−3)、
学年別(表2−3−4)に示す。
(数字は相関係数 有意水準**p<.01*p<.05 †p〈.1)
① 全体的な傾向(表2−3−1参照)
表2−3−1 創造的態度と不安の各下位項目同士の相関関係(全体)
成績や将来 劣等感 失敗や評価視線や疎外感 計
に対する不安による不安に対する不安による不安独立性 探究性 非同調性 曖昧性 誇示性 執着性 柔軟性 計
一〇.15** 一〇.14*
一〇.12* 一〇.14*
一〇.35** 一〇.35**
一〇.27** 一〇.26**
一〇.05 −0.07
−0.14* 一〇.18**
0.04 −0.02
−0.24** 一〇.25**
一〇.18** 一〇.01
−0.04
0.02
−0.46** 一〇.31**
一〇.16** 一〇.09
−0.09 0.04
−0.10 −0.02
−0.07 0.12*
一〇.25番目 一〇.07
一〇.14*
一〇.09
−0.44**
一〇.24**
一〇.05
−0.13*
0.03
−0.24**
○創造的態度合計得点は対自・対他不安合計得点と弱い負の相関関係
にある。
○不安別に見ると、視線や疎外感による不安を除くすべての不安が、
創造的態度と弱い負の相関関係にある。
○創造的態度別に対自・対他不安との関係を見ると、非同調性が中程 度、曖昧性が弱い負の相関を示す。
○下位尺度同士の関係を見ると、次のようなことがいえる。
●曖昧性は、個人内不安と弱い負の相関がある。これは、曖昧性が
他者の介在はあまり関係ない個人的な思考態度によるものではある ためと推察される。
●非同調性は、すべての不安と負の相関を示しており、この態度の みが視線や疎外感による不安とも弱い負の相関がある。これは、同 調という態度がきわめて他者介在による不安の影響を受けているこ
とを示しているものと思われる。
●柔軟性については、視線や疎外感による不安との間に正の相関の 傾向が見られるところに特徴がある。これは、他者にどう思われる
かといった意識が思考態度の多様性・柔軟性といった形で表れてい るものと考えられる。
② 男女別の特色(表2−3−2参照)
表2−3−2創造的態度と不安の各下位項目同士の相関関係(男女別)
成績や将来 劣等感 失敗や評価 視線や疎外感 不安得点計 に対する不安 による不安 に対する不安 による不安
独立性 一〇.14†
探究性 一〇.14†
男非同調性一〇.38**
曖昧性 一〇.24**
子誇示性 0.04
執着性 刃.18*
柔軟性 0.06
計一〇.24**
一〇.02
−0.03
−0.24**
一〇.10
−0.07
−0.10 0.10
−0.10
一〇.08
−0.02
−0.39**
一〇.06
0.00
−0.08 0.02
−0.14
0.05 0.05
−0.24**
0.00 0.08 0.03 0.10 0.01
一〇.07
−0.05
−0.41**
一〇.14
0.02
−0.11 0.10
−0.16†
独立性 探究性
女非同調性
曖昧性 子誇示性 執着性 柔軟性
計
一〇.13†
一〇.09
−0.31**
一〇.25**
一〇.11
−0.12
−0.01
−0.23**
一〇.22**
一〇.21**
一〇.41**
一〇.35**
一〇.06†
一〇.30**
一〇.17
−0.37**
一〇.24**
一〇.05
−0.49**
一〇.21**
一〇.15†
一〇.13
−0.16*
一〇.31**
一〇.03
0.03
−0.33**
一〇.09
0.04
−0.10 0.09
−0.10
一〇.17*
一〇.09
−0.44**
一〇.26**
一〇.08
−0.18*
一〇.06
−0.29**
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○ 女子は男子に比べ、創造的態度と不安の負の相関が強い。これは、
女子の方が不安が高いためだけでなく、女子の方が不安が態度に影 約しやすいことも原因の一つと考えられる。
○ 女子は男子に比べ、劣等感による不安や失敗や評価に対する不安と いった過去の経験からくる不安が創造的態度と負の相関を示している。
③学業成績別の特色(表2−3−3参照)
表2−3−3創造的態度と不安の各下位項目同士の相関関係(学業成績別)
成績や将来 劣等感 失敗や評価 視線や疎外感 不安得点計 に対する不安 による不安 に対する不安 による不安
独立性 一〇.40**
上探究性 一〇.30*
非同調性 一〇.32*
位曖昧性 一〇.46**
誇示性 一〇.03 群執着性 一〇.34*
柔軟性 一〇.04
計一〇.41**
一〇.35*
一〇.22
−0.37**
一〇.42**
0.01
−0.36**
一〇.04
−0.38**
一〇.32*
一〇.14
−0.40**
一〇.25†
一〇.10
−0.26†
一〇.20
−0.34*
一〇.04
−0.09
−0.24†
一〇.10 0.1
−0.15 0.22
−0.07
一〇.32*
一〇,23
−0.39**
一〇.37**
0.01
−0.33**
0.00
−0.35**
独立性 下探究性
非同調性
感曖昧性 誇示性 群執着性 柔軟性
計
一〇.03
0.00
−0.40**
一〇.14 0.11
−0.09 0.00
−0.14
一〇.01
−0.09
−0.32*
一〇.09
−0.07
−0.23†
0.11
−0.15
0.11 0.13
−0.29*
一〇.15
−0.09
−0.14 0.04
−0.08
一〇.02
0.05
−0.22
−0.17 0.08
−0.04 0.06
−0.07
0.01 0.02
−0.38**
一〇.17 0.02
−0.15 0.06
−0.14
○ 下位群の生徒に比べ上位群の生徒の方が、創造的態度と不安の間 に負の相関が強い。このことは、学業成績の低い生徒の方が不安の 影響を受けているという予想を覆すものであった。
○ 下位群では非同調性のみが不安と有意な負の相関関係にあるの
に対し、上位群では非同調性のほか独立性・曖昧性・執着性におい ても有意な負の相関が見られる。
④学年別の特色(表2−3−4参照)
表2−3−4創造的態度と不安の各下位項目同士の相関関係(学年別)
成績や将来 劣等感 失敗や評価 視線や疎外感 に対する不安 による不安 に対する不安 による不安
不安得点計
独立性 一〇.14 探究性 一〇.07
1 非同調性 一〇.41**
野島昧山止 一〇.29**
年誇示性 一〇.04 執着性 0.07
柔軟性 0.02
言十 一〇.23*
一〇.20*
一〇.15
−0.32**
一〇.33**
0.02
−0.05
−0.03
−0.28**
一〇.24*
一〇.10
−0.51**
一〇.16
−0.02 0.01
−0.04
−0.27**
0.01 0.02
−0.41**
一〇.14 0.11 0.08 0.09
−0.08
一〇.16†
一〇.09
−0.50**
一〇.27**
0.02 0.04 0.02
−0.25**
独立性 一〇.15 探究性 一〇.14
2 非同調性 一〇.40**
曖昧性 一〇.19†
年誇示性 一〇.15 執着性 一〇.24*
柔軟性 0.08
言訳 一〇.24*
一〇.09
−0.10
−0.47**
一〇.16†
一〇.17†
一〇.16
−0.06
−0.25*
一〇.17
−0!05
−0.51**
一〇.15
−0.17†
一〇.16†
一〇.05
−0.26**
一〇.03
0.08
−0.35**
0.03
−0.10
−0.05 0.11
−0.06
一〇.13
−0.06
−0.51**
一〇.14
−0.18†
一〇.19†
0.03
−0.24*
独立性 探究性
3 非同調性 曖昧性
年誇示性 執着性 柔軟性
計
一〇.20*
一〇.15
−0.36**
一〇.30**
0.04
−0.20*
一〇.02
−0.28**
一〇.18†
一〇.16†
一〇.34**
一〇.28**
一〇.05
−0.30**
0.01
−0.29**
一〇.08
−0.01
−0.34**
一〇.20*
一〇.10
−0.20*
一〇.08
−0.21*
一〇.02
−0.02
−0.22*
一〇.12
0.13
−0.08 0.16
−0.06
一〇.15
−0.11
−0.38**
一〇.28**
0.02
−0.24*
0.03
−0.25**
○ 学年が進むにつれて、独立性と失敗や評価に対する不安の弱くな っている傾向がある。失敗や評価に対する不安が過去の経験からく 58
る不安であるため、学年が進み学校生活に慣れるにしたがって不安 が低減してくるのではないかと予想される。
○ 逆に、学年が進むにつれて、執着性と劣等感による不安は、負の 相関関係が強くなっている。このことから、劣等感の蓄積がしだい に学習に対する粘り強さを希薄なものにしている実態が伺われる。
0 1年生のみ、執着性と不安との間に負の相関関係が見られない。
(2)男女別・学業成績別・視線や疎外感による不安程度別の創造的態 度得点
各創造的態度得点の平均について、男女別・学業成績別・視線や疎外 感による不安の程度別に、2×2×3の分散分析を行った結果(表2−3−5)
を示す。
表2−3−5
性別 成績 不安
N 18 25 28
独立Mean 13.6113.8813.43
性SD 4コ33.633.72
探究Mean 12.1710.1211.04
性SD 3.933.803.02
非同Mean 9.9710.6811.53
調性SD 3.332.582.44
曖昧Mean 15.5615.0815.11
性SD 3.934.015.55
誇示Mean 5.946。565.82
性SD 2.902.522.18