5.4.1 概要
本学教員の研究活動を援助するため、本学にはすでに述べた総合研究所「一般研究費」「プロジェクト研究 費」の他に、「学園研究奨励基金」がある。学外資金としては、文部省の科学研究費補助金をはじめとして、
私立大学に対する国からの各種補助金、日本私立学校振興・共済事業団の学術研究振興資金、民間助成団体の 助成金、企業等からの受託研究費、奨学寄付金(指定研究費)などがあり、積極的に活用し研究が行われている。
5.4.2 学園研究奨励基金
工学院大学学園研究奨励基金は、本学園創立百周年記念事業の一つとして、1990 年度に新設された。本基 金の果実をもって奨励金に当て、毎年12名〜14名、1件100万円を限度として表に示す研究テーマに対して 交付している。2000年度からは果実不足のため交付を休止している。
5.4.3 科学研究費
科学研究費補助金(科研費)は、学術を振興するため、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわた り基礎から応用までの研究者の自由な発想に基づく学術研究を対象とした競争的研究資金である。
108 研究
本学における科研費の申請件数は、ここ数年はやや減少傾向にあり、100件以下になっている。申請が多い 研究種目としては、毎年約60%を占める基盤研究(C)(申請総額 500万円以下の研究)、約10%前後を占める 若手研究(37歳以下の若手研究者が1人で行う研究)等である。1999年度(平成11年度)から科研費の交付業 務が研究種目により文部科学省と日本学術振興会で分担することになった。特定領域研究、萌芽研究、若手研 究等は文部科学省、基盤研究は日本学術振興会がそれぞれ交付を行っている。しかし、徐々に文部科学省から 日本学術振興会に移管されつつあり、将来はすべての研究種目について日本学術振興会に移管される予定であ る。
5.4.4 大学等発ベンチャー創出支援事業
文部科学省の大学等発ベンチャー創出支援事業として以下の課題が採択され、2002 年度から 3年間の助成 を受けている。期間満了をめどにベンチャー企業を設立することが期待されている。
助成先:機械工学科 水野明哲
課 題:インターネットを利用したトンネル換気シミュレーションサービス 助成額:2002年度 18,254千円(内間接経費4,212千円)
5.4.5 文部科学省私立学校施設整備費補助金 ( 教育研究装置施設整備費 )
私立学校施設整備費補助金は、国が私立大学等の研究施設及び研究装置並びに教育装置の整備に要する経費 の一部を補助することにより、私立大学等の教育研究の充実と質的向上を図ることを目的とするものである。
1件 4,000万円以上の装置が対象となる。
2001年度(平成13年度)は学術フロンティア推進事業が採択されたことにより、八王子校舎に地震防災・
環境研究センターが建設され、装置が3件採択された。
表 5-8:科学研究費補助金採択状況
1999年度 2000年度 2001年度 2002年度
申請件数 新規のみ 100 89 91 79
新規 + 継続 111 106 109 100
採択件数 新規のみ 18 13 18 17
新規 + 継続 29 30 36 38
補助金額 新規のみ 39,600,000 円 34,600,000 円 50,600,000 円 64,100,000 円 新規 + 継続 52,800,000 円 51,000,000 円 74,200,000 円 98,500,000 円 採 択 率 新規のみ 18.00% 14.60% 19.80% 21.50%
新規 + 継続 26.10% 28.30% 33.00% 38.00%
表 5-9:科学研究費補助金研究種目 文部科学省
( 研究振興局学術研究助成課 )
日本学術振興会
( 研究事業部研究助成課 )
特別推進研究 基盤研究
特定領域研究 萌芽研究 若手研究 特別研究促進費 学術創成研究費
表 5-10:私立学校施設整備費補助金(私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費) 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度
採択件数 6 件 2 件 5 件 2 件
研究 109
工学院大学の現状と課題 2001 − 2002 年度
5.4.6 文部科学省私立大学研究設備整備費等補助金
2001年度研究設備への補助金は、文部科学省査定事業経費:105,572千円(本学経費は同額)に対し、703,380 千円の補助金を獲得している。
2002年度研究設備経費として、124,903千円の補助申請を行ったが、2001年度でプロジェクト研究を終了し たAMCの継続研究としての応募であったため、従前のプロジェクト研究で使用していた装置・設備を活用す ること、という文部科学省の方針に阻まれ、補助内定額は、0円の回答であった。しかし、研究費より必要な 設備を購入し、それの補助金は獲得している。
5.4.7 私立大学研究設備整備費等補助金 ( 私立大学研究設備等整備費 )
私立大学研究設備整備費等補助金は、国が私立大学における学術の研究及び情報処理教育を促進するため、
私立大学の研究設備及び情報処理関係設備の整備に要する経費の一部を補助することにより、学術及び情報処 理教育の振興に寄与することを目的とするものである。1件 4,000万円未満の設備が対象となる。
2001年度(平成13 年度)は学術フロンティア推進事業が採択され、設備が8件。また、2002年度はハイ
テクリサーチセンター整備事業(継続分)が採択され、設備が1件採択された。
5.4.8 学術研究振興資金
学術研究振興資金は、私立学校の特色ある学術研究の振興を目的として、日本私学振興財団(1998年1月1 日付日本私立学校振興・共済事業団)が昭和50年度から学術研究振興基金を設け、経済界を始め広く一般か ら募金を行い、その運用益から交付されるものであり、学術研究の振興に寄与し社会的要請の強い学術研究を 助成するものである。応募できる件数は1大学1年度1件に限るが、採択された場合は同一研究に対して3年 を限度として継続交付できるよう配慮されている。毎年約100件の研究課題に資金が交付されている。本学の 採択状況は1988年度(昭和63年度)以来久々に1995年度(平成7年度)〜1997年度(平成9年度)に採択さ れたが、ここ数年は不採択の状況が続いている。
5.4.9 私立大学等経常費補助金 ( 特別補助 )
これについて、研究に関連するものは本章ですでに紹介しているので、ここでは割愛する。なお、本学に関 わる私立大学等経常費補助金(特別補助)の全体については255 ページの18章財政 に掲載した。
5.4.10 学外からの助成金
公募による学外からの助成金は、表に示すとおりに年間2〜3件、1百万円〜2百万円程度であるが、専門 分野の研究費用として大いに役立たれている。
内、学内 LAN 装置 内、1 件 − − −
内、学術フロンティア − − 内、3 件 −
推進事業・装置
研究センター 内、1 件
内、マルチメディア関連 内、3 件 − − −
補助金額 ( 千円 ) 148,306 66,412 289,018 46,672
表 5-11:私立大学研究設備整備費等補助金(私立大学研究設備等整備費)
1999年度 2000年度 2001年度 2002年度
採択件数 4 件 3 件 11 件 1 件
内、学術フロンティア推進事業 − − 内、8 件 −
内、ハイテクリサーチセンター − − − 内、1 件
整備事業 ( 継続分 )
内、マルチメディア関連 内、3 件 − − −
補助金額 ( 千円 ) 47,785 30,619 128,898 5,575 表 5-10:私立学校施設整備費補助金(私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費)
1999年度 2000年度 2001年度 2002年度
110 研究
(単位:円)
5.4.11 委託、寄付
受託研究費、指定研究費の実績は、表に示すとおりである。
表 5-12:学外からの助成金
年度 助成先 学科 研究者 研究課題 助成金
(千円) 1999 年度 ( 財 ) 岩谷直治記念財団 環境化学 小谷野圭子 金属を高分散担持した安定な新規メ
ソポーラス触媒の開発
1,900 ( 財 ) 池谷科学技術振興財団 機械
システム
丹羽 直毅 超微粒子積層法による表面改質技術 に関する研究
1,000 ( 財 ) 河川環境管理財団 応用化学 釜谷 美則 溶媒抽出法によらない界面活性剤の
簡易分析方法の開発
900 2000 年度 ( 財 ) 実吉奨学会 機械 田中 淳弥 火花点火機関からの未燃焼炭化水素
の排出機構に関する研究
1,000 ( 財 ) 中山隼雄科学技術文化財団 情報 伊藤 稔 仮想空間を歩行するための汎用
Locomotion Interface の開発
800 2001 年度 ( 財 ) 河川環境管理財団 応用化学 釜谷 美則 石けん由来陰イオン界面活性剤の簡
易分析
900 ( 財 ) スズキ財団 機械 田中 淳弥 機関始動クランキング時の有害排ガ
スの挙動に関する研究
1,000 2002 年度 ( 財 ) 川鉄 21 世紀財団 機械
システム
丹羽 直毅 新しいナノコーティング技術として の超音速フリージェット PVD の開発
2,000 ( 財 ) セコム科学技術振興財団 建築 村上 正浩 GIS を援用した落書き行為の発生場に
関する空間特性分析
1,000
表 5-13:指定研究費 各科別件数および金額(単位:円) 年度 2001年度 2002年度 学科別 件数 金額 件数 金額 共通課程 2 1,000,000 4 3,400,000 機械系学科 4 4,500,000 3 5,800,000 化学系学科 7 6,498,000 11 9,100,000 電気系学科 10 10,850,000 12 17,237,000 建築系学科 5 8,000,000 8 6,809,830 合計 28 30,848,000 38 42,346,830 表 5-14:受託研究費 各科別件数および金額(単位:円)
年度 2001年度 2002年度 学科別 件数 金額 件数 金額 機械系学科 11 20,147,620 12 24,997,625 化学系学科 4 4,000,000 4 5,779,300 電気系学科 11 13,566,035 5 8,812,500 建築系学科 25 33,084,875 30 31,175,200 合計 51 70,798,530 51 70,764,625
研究 111
工学院大学の現状と課題 2001 − 2002 年度