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建築系学科

ドキュメント内 book (ページ 79-82)

4.7.1 建築学科

4.7.1.1 建築学科の 2 コース制

1. 2コース制の実施 

 2000年度より建築学科は、建築コースと環境コースの 2コースに分けて教育を行っている。2000年度 入試においては、建築学科として 2コース共通で入試を実施し、1年生の後期より 2コースに分けたが、

2001 年度からはコース別に入試を実施している。建築学科を 2 コースに分けた理由は、環境問題が今や 人類の直面する最重要課題の1つとなり、建築分野においても、従来の建築学の分野分類を超えて、環境 の視点から建築を捉える専門化の育成が必要であると考えたためである。2コース制に伴って建築学科の 教員も2コースに分け、それぞれのカリキュラムの特徴が発揮される体制を整えている。2コースに分け たことにより、教員、学生組織の少人数化よる学修効果の向上が見られてきたといえる。 

 なお、2003 年度入学生より 2 コースの名称を、それぞれ建築学コース、環境建築コースと変更するこ とにした。

2. 入試における志願者、学生数 

 2001年度は2コース制になって初めてコース別の入試を実施したが、2001年度においては建築コース、

環境コースのそれぞれで予定した定員である90名、70名に対して、建築コースでは多め、環境コースは 少なめであり、この傾向は 2002 年度入学生にも見られた。受験志願者についても建築コースに対して環 境コースの比率は少なく受験生に対して環境コースの特徴が十分伝わっていないことが考えられる。建築 学科の教育体制、カリキュラムの特徴について一層の周知努力が必要であるといえる。

4.7.1.2 建築学科の教育目標

 建築学科では、建築の設計、生産、運用など幅広く建築分野および関連分野で活躍する専門家である建築家 や建築技術者の育成を目標としている。建築のスケールは都市的な空間から住宅の1室まで多岐にわたるが、

何れにおいても快適、安全な空間を設計、施工、運用することが建築に係わる人々の使命であり、建築学科に おける教育の目標もこのような様々な建築分野で活躍できる専門家の育成にある。

 地球の環境や資源は人類にとって有限なものであることは、今日では既に広く認識されており、わが国の建 築も、とにかく大量に建設すればよかった時代から、高品質で長期の使用に耐える建築が要求される時代に なってきている。建築の設計や施工といえば新築の建物を作るのが当然であったが、今日では、環境負荷の低 減化や景観の保存など環境問題の観点から改修工事により長期に建物を使用することも重要になってきてい る。建築学科における教育も、このような時代の変化に対する対応を強く意識する必要がある。

 このような観点から、具体的には2コースに分け、できるだけ少人数クラスでの教育を行いながら目標の達 成に努力している。

 建築コースでは、住宅から学校、オフィスビルなどの各種建築、そして建築を含む多様な施設によって構成 される都市に関連する設計の方法及びこれらの基礎となる工学の修得を教育目標としている。

 環境コースでは、室内環境から地域環境、都市環境、地球環境など様々な空間的スケールでの環境に対する 認識を重視し、安全で快適な建築環境を創造し、維持するための専門知識と技術の習得を教育目標としている。

4.7.1.3 建築学科のカリキュラムと指導の特色

 2000年度入学生から建築学科は2コースに分かれたが、2001年度、2003年度においてはそれぞれ、コース 別の学生が2年生、3年生に進級し、コース別に編成された専門科目が3年生まで予定通り実施された。この コース別カリキュラムは、2003年度において4年生に適用され、完成することになる。

a.建築コース

 建築コースのカリキュラムでは、1、2 年次に計画系、構造系、生産系、環境設備系などの必修科目を中心 に建築学全般の幅広い基礎的な専門知識を習得する。3、4年次は「建築計画・設計•歴史」、「建築構造」、「建 築生産」、「建築環境」それぞれの専門科目が選択科目主体に設置されており、専門性を深めるカリキュラムと なっている。専門科目のカリキュラムの内容を、1、2年向けの基礎課程、3、4年向けの専門課程と分類して

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いるのは1999年カリキュラムに準拠しているが、1999年カリキュラムにあった専門課程の科目の分野別分類 を廃止した点が異なる。この他1999年カリキュラムとの相違は3、4年次の科目のうち環境設備分野の科目の かなりが環境コースの科目として再編された点にもある。

 建築設計関係の科目は、2年後期から3年前期まで、必修科目として「建築設計I〜Ⅲ」の3科目が配置さ れている。「建築セミナー」および「卒業研究」の内容および履修方法は、1999年のカリキュラムと同じであ る。すなわち、3 年後期からは各研究室に配属され、「建築セミナー」を通して建築学の様々な分野における 最先端の情報に触れ、建築におけるそれぞれの分野の専門知識を修得する。さらに4年では4年間の集大成と して卒業研究として「卒業論文」、「卒業設計」を行い研究能力や設計能力を総合的に養う。

b.環境コース

 環境コースでは、建築に関わる環境問題を深く認識し、健康・快適で、安全な建築環境の実現のため、建築 環境設計、地域環境設計、省エネルギー設備、省資源・長寿命建築、防災技術などの分野についての専門知識 の修得を目的としてカリキュラムが構成されている。

 専門科目を、1、2年の基礎課程と3、4年の専門課程と分類するカリキュラム構成の基本は、建築コースと 同じ方針である。1、2 年次の科目も大部分建築コースと同じであるが、「建築環境演習」(2002年度から「環 境工学演習」を改称)、「環境基礎実験」など、実験、演習科目によって学修を始めるカリキュラムも取り入れ ている。3、4 年生の専門課程の科目では、コースの教育理念を反映させるよう環境計画、設備システム、生 産及び管理、防災・安全に係わる科目を配置している。建築設計関係科目は、建築コースと同じであり、2年 後期から3年前期まで、必修科目として「建築設計I〜Ⅲ」が配置されている。環境コースでは情報処理技術 の習得も教育方針の1つの柱としているため「環境情報処理演習」をはじめとして実験、演習系の科目では情 報処理にかかわる課題を多く取り入れている。3年後期からは「環境セミナー」で研究室においてセミナー形 式で指導を受け、4年では卒業研究を行い研究能力や設計能力を総合的に養う。

4.7.2 建築都市デザイン学科

4.7.2.1 建築都市デザイン学科の教育目標

 戦後約60年、成長し続けてきた我が国の経済力は、生活水準を世界のトップレベルに押し上げた。しかし 一方で、生活環境の整備・充実については、諸外国から"うさぎ小屋"と揶揄されるような住環境と既成市街 地整備の遅れが目立っていた。また、近年は人々の多様化する要求に対応する生活環境、都市環境の整備が強 く求められ、都市環境及び建築空間の質的向上を実現し得る人材の要請が急務となっている。

 さらに、現代の建築・都市の傾向として、建築の複合化、地区の整備・開発、町並みの修景・保存、バリア フリー等、従来の単なる建築技術面での評価だけでなく、文化としての空間造形の意味と安全に対する配慮が 求められる時代となりつつある。さらに国際化に伴い、建築教育及び建築士資格の欧米・アジア・オセアニア 諸国との共通化の動きが進んでいく状況にあり、こうした国際化の波に対応し得る水準の建築都市デザイン教 育が求められている。

 本学科は、こうした社会的需要と教育の要請に応えるべく、社会状況の変化を踏まえ、望ましい建築・都市 環境を実現していくために、建設、設計、開発及び建築都市行政の各分野で指導力を発揮できる高度な専門的 知識と能力を持った建築デザイナー、都市プランナー、そしてそれらを総合化する役割のコーディネーター育 成を目指すものである。

 本学科は、建築学科・都市建築デザインコースを発展させて1999年4月に新設された学科である。建設業 界の構造の変化(一時的不況ではなく、公共投資の抑制による工事量の減少、作ることだけを考えてきた建築 業界とそれに対応した建築教育を行ってきた大学の戸惑い)に対してどのような教育をして、どのような業種、

職種に卒業生を送り出すかが今問われている。

 工学院大学の現状と課題1999−2000年度版で述べた具体的な理念・目標は以下のとおりであるが、これら についても修正せざるを得ない状況となっているものと認識している。

1. 生活環境を包括的な空間としてデザインする人材の養成教育 

建築技術・都市計画・デザインを一つの連続した包括的領域の中で捉えることによって都市的視点から建 築を構想し、また個々の建築をつくる視点から生活環境としての都市を認識把握できる能力をもった人材 を養成する教育を行う。

2. 工学と芸術の融合による高度な技術力と芸術的感性を備えた人材の養成教育 

全員に高度な技術力を求めない。一般入試で物理・化学に替わって国語で受験、またセンター入試で国 語・地理・歴史で受験した入学生の在学中の成績が良いことから、文系寄りの学生でも建築教育に適応で きることが明らかとなり、また就職先を広げる意味でも建築技術の教育は最小限としたい。

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