第 8 章 分析結果の統合
8.1 word2vec で企業名から得られた製品名の検証
8.1.2 自動車メーカーでの検証
8.1.2.2 日産での検証
日産ではマーチとセレナがword2vecから得られた日産の製品名にも、ブランドイメージ 調査で得られた製品名にも現れている。word2vecから得られた日産の製品名にだけ現れた
のはTEEDAであった。逆に、ブランドイメージ調査にだけ現れた製品名はスカイライン、
83 ソニー損保のホームページ「人気乗用車販売台数ランキング」,
<http://www.sonysonpo.co.jp/infographic/ifga_car_ranking.html> 2016年10月25日アクセス。
1)「新車登録台数年報」(日本自動車販売協会連合会,2004‐2016)などから作成(参考文献参照)。
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GT-R、ノート、リーフ、フェアレディZであり、1件しか回答がなかった「その他の製品
名」は5件である。
図8-3はword2vecから得られた日産の製品名と、ブランドイメージ調査で得られた製品
名の両方に現れたマーチとセレナ、word2vecからだけ得られたティーダ、ブランドイメー ジ調査でだけ得られたスカイラインとノートの販売台数の推移である84。ノートとセレナが 最近の日産の売れ筋であるようだ。それに過去形になるが、マーチとティーダが売れ筋で あったようである。word2vecから得られた日産の製品名にノートは現れていない。8.1.1 のアップルや8.1.2.1のトヨタの考察から、売れ筋であるノートは当然word2vecから得ら れた日産の製品名に現れるべき製品名であろう。前述の表8-5で比較してみると、トヨタの アクアやプリウスに比べるとその販売台数の数字は低くい。この販売台数の数字の低さが 原因であろうか。しかし、それであればティーダやセレナ、マーチも現れないはずである。
表8-6は2010年1月1日から2010年12月31日までの日本経済新聞の記事を、日経テ レコンを使いノートと日産で絞り込んで検索85した結果である。抽出された記事は11件と 少ない。網掛けの記事は「ノートパソコン」に関する記事で、乗用車のノートに関する記 事は3件しかなかった。ここでは記事の少なさもあるが、ノートという製品名にもword2vec から得られた日産の製品名に現れなかった原因があるのではないかと推測する。つまりノ ートという製品名(固有名詞)と文具などのノート(一般名詞)との判別がテキストマイ ニングの形態素解析では難しいということである。このようなことに対応するためには形 態素解析において分析対象製品カテゴリーの製品名の詳細な辞書の作成が必要となる。
このノートを除けば日産でword2vecから得られた日産の製品名のティーダ、セレナ、マ ーチは2003年から2012年の日産の売れ筋製品を反映していると言えよう。このティーダ、
セレナ、マーチのうちセレナ、マーチはブランドイメージ調査の結果でも上位に現れてい る。ティーダがブランドイメージ調査の結果に現れていないのは、8.1.2.1のトヨタの考察
でのCymruやYARISの事例と同じように、海外生産が進み、日本国内での販売台数の減
少し、2012年に日本国内での販売を終了した86ことが影響しているのと推測される。
逆にブランドイメージ調査の結果だけに現れたのはスポーツカーのGT-R、フェアレディ
Z、電気自動車のリーフ、セダンのスカイラインである。これらの車は販売台数が少なく87、
84 マーチについては2010年より日本自動車販売協会連合会の「新車乗用車販売台数ランキング」の集計 方法が変更となり「新車登録台数年報」の車種別合計とは数値が異なっている。2014年よりマーチが上 位30位から消えたため、登録台数が把握できないので2013年までしか掲載していない。
85 日経テレコン検索時の検索対象媒体は日本経済新聞朝刊、日本経済新聞夕刊、日経地方経済面。
86 日経産業新聞「日産、新型「ノート」――車種集約でトップ3入り(checkUP出足快調)」,2012年11 月16日付,p.9。
日本経済新聞「日産、生産能力15%減、神奈川の工場、1ライン停止、一部タイ移管。」2012年6月21 日付朝刊,p.1。
87 日産自動車ホームページ「ニュースリリース 2015年12月9日『日産リーフ』 、販売開始5周年」,
<http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2015/_STORY/151210-01-j.html> 2016年9月15日アク セス。
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図 8-3 日産の新車販売台数推移
表 8-6 ノートと日産での2010年新聞記事検索結果
日本経済新聞「スポーツ車改良、加速の夏、日産が新「GT-R」きょう発売、トヨタ・ホンダも、若者に 運転の楽しさ。」2016年7月27日付朝刊,p.13。
日経産業新聞「日産、フェアレディZ――高級感、上級モデル快走(checkUP出足快調)」2008年12 月18日付,p.7。
1)網掛けは「ノートパソコン」関連の記事。
「会津漆器、麗しき?PR策――富裕層向け、販売網構築へ(東奔北走)」
「ホンダ、全車に割安ローン――需要掘り起こし、各社、知恵絞る。」
2010年12月23日付 日本経済新聞 朝刊 11ページ
「中国での知財訴訟、潮目が変わる――件数急増、整う制度(法務インサイド)
2010年12月20日付 日本経済新聞 朝刊 17ページ」
「電池市場覇権争う――リチウムイオン主戦場に参入ラッシュ(検証)」
2010年11月20日付 日本経済新聞 地方経済面 東北B 24ページ
「日立、先端電池で提携、バッテリー世界最大手と、車用、幅広く供給。」
2010年10月18日付 日本経済新聞 朝刊 1ページ
「エコカー補助終了、新車販売テコ入れ。」
2010年10月16日付 日本経済新聞 地方経済面 北陸 8ページ
「MM21に拠点移転続々、値ごろ感・利便性魅力に――大和ハウス、市内8社集約。」
2010年7月21日付 日本経済新聞 地方経済面 神奈川 26ページ
「7月10日~16日(日経新聞電子版閲読ランキング)」
2010年7月18日付 日本経済新聞 朝刊 8ページ
「急回復企業戦略を探る(4)ニッパツ――HDD関連に先行投資。」
2010年6月10日付 日本経済新聞 朝刊 15ページ
2010年5月2日付 日本経済新聞 朝刊 7ページ
「火山灰影響、日産、2工場で生産停止、神奈川・福岡、部品、空輸できず。」
2010年4月21日付 日本経済新聞 朝刊 9ページ
「シリコンバレーから――起業の成否、早寝がカギ?(ところ変われば)」
2010年4月12日付 日本経済新聞 夕刊 3ページ
1)「新車登録台数年報」(日本自動車販売協会連合会,2004‐2016)などから作成(参考文献参照)。
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個人の感覚が基準になっていると思われる。また表8-5で上位にある日産の製品はノートと セレナであるが、ブランドイメージ調査の結果では2015年には30位以内に入っていない 同じ小型車のマーチの回答が9件で最も多かったことも個人の感覚や思いが基準となって いると考えられる。8.1.2.1のトヨタの考察で述べたように、個々人の感覚による判断は
word2vecでとらえることは難しい。