第 3 章 観光協会におけるソーシャルメディア活用実態の把握
3.4. 日本の観光振興における Facebook と Twitter
他方で,前述のようにプロモーションやコミュニケーションツールとして,あるいはそ れらに関するリサーチツールとしてはFacebookの方が適していると考えられる.これに対 して,観光協会による利用実態(図 3-8)を見ると,「PR、プロモーションの手段のため」
については有意な差は確認できなかったが,「地域外に住む人とのコミュニケーション手 段として」「地域住民とのコミュニケーション手段として」に関してはFacebookがTwitter を上回っていた.ただし,Facebookを地域内外とのコミュニケーションの手段として活用 している組織は半数程度であるため,今後はより多くの組織がプロモーションだけでなく,
コミュニケーションの手段としてFacebookを活用することが望まれる.
以上のように,本章では,アンケート調査により日本の観光協会による Facebook と
Twitterの利用実態を明らかにした.さらに,各メディアの特性を踏まえ,日本の観光協会
によるソーシャルメディアの利用実態の問題点について考察した.その結果,Twitterがマ ーケティング・リサーチのツールとして活用されていないという現状が明らかになり,さ らにそれが Twitter の過小評価に繋がる要因になっていることが示唆された.Facebook と
Twitter に明確な優劣はなくそれそれにマーケティングツールとしての長所が存在するが,
現在の日本のデスティネーション・マーケティングにまず求められているのは,マーケテ ィング・リサーチに基づく観光者志向のマーケティングであり,マーケティング・リサー チが十分に行われていない現在では,幅広いユーザを対象とした探索的リサーチが必要で ある.つまり,観光協会が活用するべきメディアは,より多くのユーザを対象にしたリサ ーチが可能なTwitterであると考えられる.そして,Twitterを用いたマーケティング・リサ ーチの実践に向けた初期段階においては,より多くの組織がその有用性を認識するための 取り組みが必要であると考えられる.
以上を踏まえ,本論文では,ソーシャルメディアの中でもTwitterから取得されるソーシ ャルメディアデータ(以下,Twitterデータ)の分析を行う.次章以降では,Twitterの特性 に考慮した上でTwitterデータを用いたマーケティング・リサーチの方法論を提案し,分析 結果をもとにTwitterデータを用いることの利点と課題について議論する.
第 3 章 補注
(1) facebook business: https://www.facebook.com/business/
(2) 一部非公開の情報もあるが,他のメディアに比べて少数である