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第五章 地域生活定着支援センターからの実態調査

第五節 【支援のスタンス】の確立

1.「支援者と高齢者の関係の変化」

福祉的バックグランドを持つ支援者は、高齢者が犯罪に至った背景を重視し、本人の気持 ち、を重視し、信頼関係をベースとした一人の人として関係性を結ぶことようにしている。

援助過程で、裏切られること(再犯•失踪)もあるが人として信じる、関わりである。福祉 の考え方を基本におき、福祉専門職は福祉専門職でいいという立場であり、そうしないと価 値観の衝突がおきる、と述べる。

⑨支援者:最初は違和感あるんですけど、何回か合っているうちに人間対人間になっ ていく、そうすると相手(高齢者)も人間性を取り戻してくる

⑩支援者:わかりやすく言うと、高齢者なんか自分(支援者)のこと孫みたいに接して くるんですよね。そういう人はちらほらいますね。みかんとか、ドーナツ とか出してきてね。嬉しくなりますよ。

⑤支援者:本人の気持ちを個別に確認して、刑務所より地域の方がいいと思ってもら えるようにしなければね、確かに、地域の方が生活しづらいですよね。で も、刑務所が居心地のよい場所だということ自体がまずいですよね。地域 で生活することが刑務所で生活するよりいいって思ってもらうように支援 しなければ、、

⑥支援者:裏切られること(再犯•失踪)もありますが、信じます。斜に構えると見え るものも見えなくなってしまう

⑥支援者:(行政で嫌な顔されても)「本人の希望ですから」って言うんですよ。いろ いろな流れで他の場所にいくかもしれません、でも、まずは本人の希望で す。だって、そういう人たち(罪を犯した高齢者)って、いままで自分の気 持ちを言えなかった人じゃないですか。言うとノーだったり、ですよね。

だから、自分の希望を言っていいんだというところからスタートしないと、

(高齢者の)存在そのものがね、もう、いてもいなくてもいいんだってこと になってしまいます、だから、(行政に)やんわりとはっきりいいます。

⑨支援員:最初は不安だらけだったんですけど、支援会議で「自分のことで、こんな に大勢の人が関わってくれて嬉しい」って。今は生活意欲がでてきている。

⑨支援者:自分に関わる人が出来たり、自分のテリトリーが出来たりすると戻らない

2.「犯罪者からひとりの高齢者支援」へ

支援者は、福祉的価値観を重要視し、そこに司法との違いを見出そうとしている。触法

に注目するより、一人の高齢者の支援と私は考える、そうしないと、自分の中で価値観が衝 突してしまう、そういう思いを持ってやらなければ特殊な世界になってしまう、と述べる。

したがって、その具体的支援は、朝起きて、日中出かけて、夜寝るというような、普通の生 活の実現を目的にしている。

3.「柔軟なスタンスと待つ支援」

出所後の高齢者は受刑経験や社会に居場所がないこと、関わる人がいない等、地域 での生活には揺らぎがある。支援センターの援助は始まっても実質的に社会に自分の生 きる場を見つけるには時間がかかる。自己判断による失踪や再犯罪という短絡的な行動 をとりがちである。

支援者は、罪を犯した高齢者は、それまでの生活歴から社会生活への脆弱性と同時 に生き延びるためのしたたかさを持っていることを援助過程で学ぶ。

つまり、支援のスタンスとしては、不安定な心情に配慮した緩やかな関わりによる、

つかず離れずの柔軟な支援が必要だと捉えている。揺れる自立生活へ配慮しながらバラ ンスを保つ支援である。これは、第四章の類型①の軽微な罪を繰り返す高齢者支援にお いて、「信頼関係」を重視し、人と人の関係を大事にした個別支援の必要性と重なるも のである。

⑤支援者:レアなケースで犯罪が表面にでているけど、ひとりの人の支援ですよね

②支援者:触法者をずーと触法者として支援することは、例えば、保護司さんですよ ね。やはり、餅は餅屋っていうか、(そうしないと)結局負担がかかる。自 分の中で価値観が衝突してしまう。そういう思いを持ってやらなければ特 殊な世界になってしまう。特殊な世界の支援と考えてしまうと福祉の考え 方ではなくなってしまう、ノーマライゼーションとういか、一人の人間と して、地域の中で普通の生活をする支援ですね。例えば、朝起きて、日中 出かけて、夜寝るというような、今まで対象者がしてこなかった、生活を するように支援する、そういう生活がありがたいなと思うように支援する。