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第二章 罪を犯した人の社会復帰に関連する制度・施策

第四節 一般施策の社会復帰支援への関わり

図表2-6 入口支援の流れ

法務省 http://www.moj.go.jp/content/001237210.

しかし、制度化されていない、入口支援は課題が多い。入口支援に取組んだ検察庁

からは次のような課題が報告されている。①出口支援における地域生活定着支援セン ターのような調整の仕組みがない 。② 福祉サービス等の利用につながった後のフォ ローアップが不十分 。③ 更生緊急保護対象者の個々の特性に応じた受け皿や就労先 の不足。④ 業務負担の増加と要員の不足。

的にバルネラブルな状態にある人びとに提供される社会サービスの一つであり、多様な 社会サービスと連携しつつ人びとの自立生活を支援し、自己実現と社会参加を促進する とともに、社会の包摂力を高め、その維持発展に資することを目的に展開されている社 会的組織的な施策の体系である。その内容をなすものは、個別的、対面的応答という視 点と枠組みから、ひとびとの生活上の定の困難や障害、すなわち福祉ニーズを充足する、

あるいは軽減緩和し、自立生活の維持、自立生活力の育成、さらには自立生活の援護を 図り、またそのために必要とされる社会資源を確保し、開発することを課題として、自 治体•国ならびに民間の組織•団体等によって設計運営されている各種の制度(サービス プログラム)ならびにその実現形態としての援助の総体である」(古川2009:12)。

次に、罪を犯した高齢者の社会復帰に関する一般施策とそれに対しての対応、関係す る機関をまとめた。地域社会での継続した生活を目指した援助の方向性としては、市町 村を始め、関係する人、機関がそれぞれに関わり、今までの司法的観点からの援助と同 時に、福祉的生活を基本とした一般社会での生活の継続を目的とする。例えば、関わる 関係機関は、都道府県市町村はもちろん、保護観察所、刑務所、病院、地方公共団体や 公共の衛生福祉に関する機関、社会福祉協議会、精神保健福祉センター、ハローワーク、

更生保護施設、さらに地域の民生委員、住民等である。保護司は地域の事情に精通し、

家族関係を考慮しながの社会復帰援助者であり、保護観察中は定期的な面接により、出 所後の環境の変化にアドバイスができる。又、当事者グループは仲間として支え合える。

関係者の役割としては、対象者の生活全体を視野に入れた 経済保障、医療、福祉サー ビス等の充足である。 例えば、更生保護施設では福祉への移行準備をしながら関係機 関との調整も行う。法テラスは、対象者の被害者部分である違法な養子縁組による被害 の処理、携帯電話料の未払い、借金等についての相談機関となる。これらの機関がそれ ぞれに恊働して、対象者の健全なアイデンティティに基づいた社会復帰に向けて、社会 の一員として生活出来るように援助する。その際、地域の特性に配慮した援助方法の共 通化をはかり、住民を巻き込んだネットワークの強化も必要とされる。

一般政策を通じて、隣接領域から得られた知識や技術をお互いに、どのように組み 合わせ、支援活動に組み込めるかというシステム的な制度の運用が必要である。

図表2-7罪を犯した高齢者の社会復帰に対する一般施策と対応のまとめ

制度の運用実態 関係する機関

生活保護の援護の実施機関のたらい回し 現在地保護の徹底。通知や質疑応答 集の実効性を高める

福祉事務所•市町村生活保護課

年金受給の手続きや書類作成が煩雑•受 給手続き相談員がいない

個別相談員の配置 年金機構•市町村年金課•社会保 険労務士•社会福祉士 年金申請に必要な医者の意見書や診断書

を刑務所の医師が書けない

刑務所医師が意見書を書けるように 各刑務所の裁量権の拡大や制度改正

法務省矯正局 各刑務所 生活福祉資金の借り入れが、連帯保証人

がいないことや借金があるため困難

小口貸付や緊急貸し付け等、制度の 柔軟な運用をする

社会福祉協議会 都道府県

保証人がいないためアパートが借りられ ない

県営•市営等公的住宅の利用枠拡大、

支援付き住宅の拡大 保証人システムの創設

都道府県や市町村住宅部•NPO 体•民間身元保証人機関 •不動 産協会

生活保護でアパート転居のための一時金 が出にくい

生活保護のアパート転居制度の実効 性を高める

市町村生活保護課•福祉事務所

障害や高齢のため更生保護施設の受け入 れが困難

更生保護施設の柔軟な受け入れと指 定更生保護施設の受け入れの実効性 を確保民間施設に委託

保護観察所•社会福祉施設•民間 住宅機関•NPO法人•自立準備ホ ーム•民間シェルター等 措置施設の入所が困難 救護施設•更生施設•宿泊所入所•ホー

ムレス自立支援施設•婦人保護施設等 措置施設への入所実効性を確保

国•都道府県•市町村• 各措置施 設•社会福祉法人•シェルター

前科、障害、高齢により働く場や 就労 教育参加の場が少ない

福祉的就労•一般就労•社会貢献活動 等社会参加の場の確保

ハローワーク•障害者就労支援 センター•シルバー人材センタ ー•社会福祉協議会•一般企業•

協力雇用主•NPO法人•商工会等 経済団体•ボランティア団体•農 業団体矯正施設•保護観察所•民 間自助グループ•更生保護施•

研究機関 満期のため保護観察所からの更生支援

や再犯防止プログラムが利用できない

生活再建プログラム•再犯防止プログ ラム等への参加の機会の保障

矯正施設内で行われている教育プログラ ムが社会で継続されていない

矯正施設と保護観察所の連携による 社会復帰支援プログラム創設

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元気な高齢者や境界層の障害者は制度の 枠に入らないため、福祉サービスや社会 資源を利用できない

制度外の福祉サービス利用援助や日 常生活の困りごとの相談機関が必要

市町村•福祉保健センター•当事 者グループ•障害者相談所•地域 包括支援センター

社会経験不足や家族、キーパーソンがい ないため福祉サービスについての苦情申 し立てができない

オンブズパーソンをつける 権利擁護事業の対象者にする

社協•弁護士•社会福祉士• 精神 保健福祉士•権利擁護を目的と したNPO法人•市町村 費用面、家族、キーパーソンがいないた

め障害者や高齢者に成年後見制度が利用 できない

触触法者という偏見、差別により、地地 域住民から排除

申立て支援や利用支援事業に包摂す る地域の支援事業所が関わる 民生委員•保護司•親族、知人の協力 により、地域住民に理解を得る

市町村•家庭裁判所•地域包括支 援センター• 社協•障害者相談 所•社協•弁護士•法テラス•司法 書士・市町村•警察•保護観察所

• 町内会• 社会福祉協議会•自 治会•福祉委員•保護司•民生委 員• 地域包括支援センター•障 害者相談センター•ボランティ ア団体•親族•地域の商店街 福祉サービス機関や地域の社会資源から

排除

公的相談所等から社会資源につない でもらう

先行研究を基に筆者作成