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歴 腫 歴 層 層 層 図ひ22 「三二まるだしでも話が遜じ ればよい」への学歴遡の賛成率
148 5.方言と標準語をめぐって
る。これは,質問の中身と関係があろう。質問IVやVでは標準語や方言の使用 が問題になっていたのに対し,質問VIではことばの使用ではなく教育が問われ ている。だから,もっぱら方言を話す人が方言教育に賛成するのとはまた違っ た観点から,もっぱら標準語を話す入が方言教育に賛成することも十分有り得 るのである。
回答者の属性の要因との関連を調べてみても,前2つの質問とは違った特徴 が現れてくる。まず,男女差の要因であるが,「方言のよさを見直す教育」へ の賛成老は,宮津で男性が51.8%女性が68.0%,豊岡で男性が59.1%女性 が66.3%であり,女性の方に賛成者の多い傾向がかなりはっきりと現れてい る。また,tc 5−9は賛成者の学歴別の内訳を示したものだが,低学歴層よりは 高学歴層のほうに賛成が多いという特徴が現れている。
一N5−9 「方言のよさを見直す教育をすべきだ」
という意見への賛成率(学歴別)
宮 津 豊 岡
{氏学歴層 44 (48.4) 65 (64.4>
中学歴暦 83(70.3) 86(57.3>
高学歴層
16 (5Z 1) 41 (77.4)ところで,この質問VIはNHKが1979年に行った「ことぼに関する意識」
の全国的な調査の中の1項目とつながりがある。NHKのその調査の中にrこ
とばの教育」に関する項目があり,「方言のよさを見直す教育をすべき」とい う意見と「標準語の教育に力を入れるべき」という意見のどちらに近いかを尋 ねているσ大都市の雪年生活 分析編,細本入と話ことば』)。質問の内容 が異なっているので絶対的な数字の比較はできないが,男女差や学歴差のよう な属性要因のかかわり方の比較は可能である。そうした比較を行ってみると,NHK調査でもやはり女性や高学歴者のほうに賛成が多くみられ,これはかな り 一ge的な傾向であるとする見方ができる。また,年齢の要因に関しては,
NHK調査では若年層に賛成が多いという結果が示されている。一一方,宮津,
豊岡はどうかというと,宮津では若年齢層,中年齢層,高年齢層の順に賛成が
5.3. 自分の方言・地域の方言 149 減少するはっきりした傾向が晃られたが,豊岡では,20代の賛成は高いもの の,年齢と相関する傾向は現れていない。
年齢の要因は男女差や学歴差の要因ほど深く方言教育への態度とかかわって いないようである。
5.3.自分の方言・地域の方言
この節では,被調査者が自分の話す方言や市内で話されている方言について どのように感じているかを考察する。つまり,最初に述べたように,方言に対 する被調査者の捉え方や意識を取り上げるのであり,方言の実態を明らかにす るために行う,実際の言語遺墨の分析と補い合う面を持つ。
5.3.1 自1分の方書の位置づけ
調査では,1の質問(5.1.1)で(2)(3)(4)を選んだ人,つまり,どのような かたちであれ方言を使う人に対しては,さらに,その方書をどこの方書と考え るのかということと,その方奮と標準語との類似性について尋ねている。前者 の,自分の方言の位置づけに関する質問と選択肢は以下の通りである。選択肢 のほうは豊中・宮津・豊瞬で異なった内容になっている。
質問VII。あなたの話す方言は次のうちどれですか。
【豊中】 〈1)豊中弁
【宮津ユ (1>筥津弁
【豊:剛 (1)豊悶弁
(2>大阪弁 (3)関西弁 (4>その他
(2)京都弁 (3)関西弁 (4)その他
(2>復馬弁 (3)関西弁 (4)その他
質問VII el対する迷答を見ると,宮津における京都弁・関西弁,豊岡における 関西弁の回答は少数だったので,分析にあたってはすべてギその他」のカテゴ
リーに含ませることにした。
また,2個以上の選択肢を選んだ複数回答が各地域で約1Gないし15%程度
150 5.方言と標準語をめぐって
あったがこれも「その他」に入れることにした。このような整理を行った後の 回答内訳を示したものが表5−10,表5−11,表 5−12である。これらの表には,
胴答者が5歳から15歳までの間で最も長期間住んでいた土地をその人の生育
表5−IG どこの方言を話すか[豊中]
大阪出身者 他地方出身者 合 計 豊中弁
大阪弁 関西弁 その他
2嘆 (11.3)
120 (56.3)
50 (23. 5)
19 ( 8. 9)
4 ( 1. 9)
50 (23.3)
90 (41.8)
71 (33.0)
28 ( 6. 5)
17e (39.7)
140 (32.7>
90 〈21.0)
合 言ナ 213(IOO.0> 215(100,0) 428(leO. O)
(注) ()内は列度数の百分率を示す。
表5護1 どこの方雷を話すかこ窩津]
宮津出身者 丹後出身者 他地方出身者 合 計
宮津弁 122(84.1> 35(60.3>
その他 23(15.9> 23(39.7>
11 (26.8)
30 〈?3噛2>
i68 (84.1)
76 (15.9>
合 言十 145〈100.0> 58〈100.0> 41(100.G> 244〈10e.O)
(注) ()内は列度数の百分率を承す。
tc5−12 どこの方雷を話すか[豊剛
豊岡鵬身者 但馬出身者 他地方毘身者 合 計 豊岡弁
但馬弁 その他
125 (65.1)
32 (16.7)
35 (18.2>
18 (28.6)
31 (49.2)
14 (22. 2)
13 (32. 5)
2 ( 5. 0)
25 〈62.5)
156 (52.9)
65 (22.0)
74 (25.1)
合 二十 192(100.G) 63(100.0) 40(100.0) 295(10e. O>
(注) ( )内は列度数の百分率を示す。
5.3,自分の方言・地域の方雷 151 地として,その生育地別の内訳も示した。その理由は,回答者がどんな方言を 話すかということは,その人がどの地方の出身であるかということによって大 きな影響を受けると当然予想されるからである。5歳から15歳までの期間を 重視したのは,この時期がだいたい書語形成期に該当すると一般に考えられて いるという理由によるものである。
表5−10から表ひ12に共通して現れているように,予想通り,生育地の違い がどのような方言を話すかをいう点に大きな影響を及ぼしている。たとえば,
表5−10を見ると,自分のことばを豊中弁ないし大阪弁だとする人は,大阪出 身者の67.6%を占めるのに対し,他の地方の出身者では25.1%を占めるに 過ぎない。同じようなことは宮津調査や豊岡調査についてもあてはまる。
説明を要するのは,大阪出身者の中で自分のことばを豊中弁・大阪弁としな かった人が32.4%おり,他地方の劇身なのに豊中弁・大阪弁を話すとした人 が25.1%もいるというように,方轡と生育地の間に食い違いが見られる点で ある。この点については少なくとも2つの理由を考えなくてはならないであろ う。その1つは,出身地という要因に無えて移住歴という要因も考慮に入れな くてはならないということに関わっている。もしも15歳以降ほかの土地に出 て長く地元に漢ってこなかったとすれば,ほかの土地のことばに変わってしま う(と意識する)こともありうるし,逆に,他の地方の出身者であってもその 土地に長く在住していれば,その土地のことばを話す(と考える)ようになる こともありうるのである。実際後で回るようにこのことを示唆するようなデ
ータが存:在する。
方雷と生育地のずれを生み出すもう一つの理由は自分の方言の帰属意識と関 わっている。たとえば,豊中のことばは,豊中弁であると同蒔に,広く捉える ならば,大阪弁ともいえるし関西弁ということもできる。実際の囲答を見ると こうした複数回答をした人は少なく,多くの人はどれか一つのレベルで捉えた 回答を行っている。團答者はいったいどのような理由に基づいてどのような捉 え方をしているのであろうか。
表5−10,表5−11,表5−12の右端の合計欄に注冒すると,豊中と宮津・豊岡 ではこうした自分の方雷の帰属意識で大きな違いが現れている。豊中では自分
152 5.方言と標準語をめぐって
の方言を豊中弁と捉える入はごく小数で,多くは大阪弁ないし関西弁と捉えて いるのに対し,宮津,豊岡では宮津弁,豊岡弁と捉える人がかなり多くを占め る。これは,豊中においては,豊中を取り巻く同水準の地域,たとえば,吹田 や池田などとの間でことばの違いがほとんど感じられないため,それらをまと めた上位の区分である大阪弁や関西弁として捉えることになるのであろう。こ れに対し,宮津と豊岡は,ことばを含めた文化や行政の面で一一つのまとまりを なす地域であり,自分のことばを,他とは区別されたアイデンティティをもつ ものとして,その名を冠して呼ぶことになると考えられるのである。
一方,宮津と豊問の間にもまた劉の違いがある。それは,宮津では,豊岡の 但馬弁に相当する丹後弁という回答が少ないという点である(「その他」の中 で丹後弁という名をあげた人は全回答者の6.1%)。この原因としては回答選 択肢の中に丹後弁というカテゴリーのなかったことが大きいであろうが,両者 の間には地理的文化的にも異なる点がある。というのは,豊岡は但馬地方でた だ一つの市であり,但馬の中心と言って間違いないであろうが,丹後には宮津 と並んで舞鶴というもう一つの中心があり,宮津が丹後の中心であると簡単に は言いにくいのである。こうした地理的文化的違いと平行して,ことばの面で も後で述べるような理由で丹後は但馬ほど等質的ではないという点もある。宮 津弁を丹後弁といいにくいこと,あるいは宮津以外の奥丹後地方の出身者でも 自分のことばを宮津弁だとすることが多いのは,このこととも関係している可 能性がある。
國答者の属性の要因について調べてみると,性差,学歴差はほとんどなく,
比較的大きな影響を及ぼしているのは年齢の要因であった。表5−13は,回答 者を出身地別(宮津の丹後出身者と豊岡の但馬出身老は他地方出身者の中に含
ませる)・年齢別(10−20代,30−40代,50代以上に分ける)の6個の下位グ ループに分けた上で,その下位グループのなかで自分のことばを地元のことば
(豊中であれば大阪弁,宮津であれば宮津弁,豊岡であれば豊岡弁)だと考え ている人の人数と割合を示したものである。
ge 5−13を見ると,豊中と宮津・豊岡では異なった傾向が現れている。宮 津・豊岡では他地方出身者のなかで高年齢層ほど,霞分のことばを地元ことば